Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

ぜんぶ君のせいだ。

ぜんぶ君のせいだ。

Member:如月愛海 ましろ 一十三四 征之丞十五時 凪あけぼの

Interviewer:吉羽 さおり Photo by 石崎祥子

-いろんな音楽を聴いていると思うんですけど、その中でふたりは、ぜん君。のどんなところが良かったんですか。

凪あけぼの:もともと"病みかわいい"とか、そういうコンセプトのものが好きで。最初はアイドルって言ったらAKB48くらいしか知らなかったんですけど。病みかわいいがコンセプトのグループがいると知って、そこからぜん君。の曲を聴き始めて。最初は、"見た目はこんななのに、曲かっこよ!"って思って。

一十三四:こんなのって(笑)!

凪あけぼの:かわいいってこと! 見た目がふわふわしててかわいいのに、こんなかっこいいシャウトをしているんだとか。最初、よっちゃん(一十三四)のシャウトを聴いたとき、びっくりして。こんなにふわふわした子から、あんなにかっこいい声が出るのかって。そこでどんどん惹かれていって、どっぷりハマって。そこからいろいろあって加入しました。

如月愛海:だいぶいろいろ割愛されましたね(笑)。

征之丞十五時:もともとおやつもぜん君。のことが好きで、ライヴにも行っていたんです。全員がヴォーカルのバンドみたいだって話には聞いたことがあったんですけど、初めてライヴを観たときに、熱量のすごさに圧倒されてしまって。このグループに入って自分も頑張りたいって思いました。

一十三四:嬉しいですよね。ぜん君。って、アイドルとかバンドっていうカテゴリーにとらわれずに、"ぜんぶ君のせいだ。"として上に行きたいってずっと言っているので。それが伝わっていたんだなっていうのが、すごく幸せなことだなって思います。

-だからこそ3人もまた研磨し続けなければってなりますね。

如月愛海:そうですね。この5人になって、今までのステージで忘れかけていた、周りを気にするということも増えたし。ふたりが慣れるまでは、ふたりのことを常に目の端に置いてパフォーマンスしなきゃいけないのもあって。端々まで見ながら、そこで足りないものを自分たちが補ったり、もっと出せる部分は一緒に出したりということをしているんです。自分たちのライヴを客観視するようにもなっていますね。ツアー1本1本が勉強だなと思います。

一十三四:愛海が言ったのもそうだし、ふたりが頑張って覚えていくぶん、自分たちも技術面を磨かないといけないし。人って慣れてしまうところがあると思うんです。それはライヴを観る患いさんもそうだし、自分たちもそうで。常に今までとは違った自分たちの技や力もつけていかなきゃいけないと、必死に頑張ってますね。

ましろ:ぜんぶ君のせいだ。のいいところって、各々が別の人間であるのにバランスが良くて、いい違和感があるんですよね。おやつとぼのは、今いる3人とも、今までいたメンバーとも全然違うので。そういうふたりがぜんぶ君のせいだ。を表現したときに、だったら3人はこういう表現に変えたら、もっと曲が良くなるんじゃないかって考えるようにもなるんです。ふたりのやり方やキャラクターによっても変えたりするので。探り探りな面もあるけど、1曲1曲、このツアーで変わってきているなと思います。

-個々でちゃんと考えながら作り上げていくグループだなと、改めて思います。

ましろ:そうですね。ダンスが揃ってるとか歌がめっちゃうまいとかも、大事なんですけど。でも各々の表現もすごく大事にしていて。それがぜんぶ君のせいだ。のためであれば、いいっていう発想がぼくたちにあるので。

-器さえしっかりしてれば、中は自由でもいいっていう。

如月愛海:でないと出てこないものもあるので。例えば、ライヴ中にぶつかったから、ごめんっていうのも一切ないですし。ぶつかろうがなんだろうが、このライヴを良くするために出してるのであれば、いいじゃんっていう。そういう、ちょっとした気遣いみたいなものはライヴではいらないっていう。


5人になって初のシングルでは、振付にどうしてもこれまでの曲の感じを入れたかった


-というところで、5人体制の第1弾シングル『AntiIyours』がリリースとなります。ハイパーなぜん君。が出た曲で、挑戦的な曲でもありますが。改めてこのツアーでやってきてどんな感触がありますか。

如月愛海:ライヴでだいぶ歌ってきたんですけど、新たにMVのために振付を変えたんです。それこそふたりがよりスムーズに気持ちを出せるように、自由な部分と決めなきゃいけない部分を今回はちゃんと決めたんです。それがまたうまくライヴで作用してるのかなと思っているんですけど、どう?

凪あけぼの:一番やっていて楽しい曲です。自分の歌が入って初めてのシングルでもあるし、振付も簡潔にわかりやすくて。観ていても面白い、楽しいものが多いんです。一番気持ちが入るというか。

如月愛海:ぼの(凪あけぼの)のソロ・パートがあるんですけど、歌い終わっても、マジで下がらないんですよ(笑)。下がらなきゃいけないシーンなのに。気持ちが入ってるからか、ずっと前に出っぱなしで。

凪あけぼの:気持ちが入りすぎちゃって、"私を見て!"ってなっちゃう。

-まぁ、そういうひとりひとりが前を張るくらいの気持ちも大事かな(笑)。

一十三四:大事です。むしろ下がりすぎちゃうほうが言われるからね。"下がるな!"って。

如月愛海:でもぼのは、下がらなきゃいけないところが2ヶ所あるんですけど。2ヶ所とも下がらない。

凪あけぼの:はははは(笑)。

-おやつさんはどうですか。

征之丞十五時:他の曲に比べても、長い尺のソロ・パートがあるんです。そこはお気に入りポイントですね。ライヴで披露したときも患いさんに、"おやつのあの部分、すごく良かったよ"とか、"普段はふわふわしてるけど、あのパートはすごくかっこいいね"って言ってもらえることが増えてきて。すごく嬉しいし。曲だけ聴くとすごくかっこいいんですけど、振付に戦隊モノっぽいところがあったりして、お茶目な感じになっているので。聴くだけではなくて、ライヴでも観てほしいです。

-おやつさんのパートのときは、特別な振付があるんですか。

征之丞十五時:そのパートが"邪魔なモノで溢れてるのなら あたしが今、消してあげる"っていう歌詞なので、一直線にその気持ちをぶつけようと思って。あまり動かずに、歌で表現するように意識してます。

-今回はだいぶシンプルな振付になっているんですね。

如月愛海:だいぶシンプルに変えましたね。あと、おやつのパートとしては、"誰も見てない..."のところで、全員が後ろを向いていて、おやつだけが患いさんのほうに振り返るシーンがあるんです。「AntiIyours」は今の5人体制の最初の曲ですけど、ぜんぶ君のせいだ。が最初に5人体制でスタートしてずっとやってきたリード曲というと、2015年の1stデジタル・シングル「ねおじぇらす✡めろかおす」に始まって、2ndシングル『僕喰賜君ノ全ヲ』(2016年リリース)、4thシングル『わがまま新生Hominina』(2017年リリース)とかがあるんですけど。今回はどうしてもこれまでの曲の感じを入れたかったんです。「ねおじぇらす✡めろかおす」の初期のMVでは、自分だけが振り返るシーンがあるんですけど。

ましろ:実はね。

如月愛海:ライヴでは1回も入れてないんですけどね(笑)。それを今回入れたくて。自分の中では、この曲からあれを入れようとか、「僕喰賜君ノ全ヲ」から取ったジャンプを入れてみようとかがあるんです。新体制だけど、今までのこともちゃんと積み重ねたうえでの5人にするから、っていうことをやりたかったんです。それができたのが、嬉しかった。

一十三四:私もダンスを考えるときに、この5人で初めてのシングルということを大事にしたくて。いつもぜん君。ってライヴが終わったらみんなで手を繋いでお辞儀をして地声でありがとうございましたって言うんです。その感じをイントロで入れたかったし、あとは加入順にハグをしていくんです。愛海からスタートして、みんなに気持ちを伝えていきたいっていう想いを込めて。さっきおやつが言っていた、"邪魔なモノで溢れてるのなら"のパートでは、さっき話を聞いて良かったなと思ったんですけど、おやつがきっとこのパートで気持ちが入るかもしれないと思って、おやつだけは立っていて、他の人が散り散りに広がっていくようなものにしたんです。そういうのを、この取材で答え合わせできて良かったです(笑)。

征之丞十五時:良かった。

一十三四:この5人の見せ場や気持ち、今までのことも大事にして詰め込んだので。満足のいくものになりました。

如月愛海:なのに"AntiIyours"というタイトルは、"嫌いな自分は君のもの"という意味なんですよね。私たち自身は歌やダンスで表現するときに、想いを患いさんやメンバーに重ねて歌うんですけど。根本的なところは、自分のことが嫌いなんですよね。本当に歌詞通りで。何回も悩むし、破壊と再生も繰り返すし。それがより今回のツアーで、気持ちを込めて歌えるのかなって思っていますね。