ねごと 蒼山幸子の「訳あり夢通信」【第31回】

COLUMN

この冬は弾き語りの多い冬でした。

ずっと憧れだったexたまの柳原陽一郎さんの企画に呼んでいただいて一緒に「さよなら人類」を歌い、数年前の自分が知ったら幸せで倒れるだろうなあと思ったり。
本当に大きくてお優しい方で、謙虚でたまげました。ねごとの曲も丁寧に一緒にセッションをしてくださり、肩肘張らずに楽しもうという空気を全身から出されていて、
そういうことなんだ、やっぱり素敵な音楽には理由があるのだ、と改めて思わされたり。

それから、千葉出身の歌い手で東北の3カ所を3日間で回るというすてきな珍道中ツアーにも参加させて頂きまして。
この東北ツアーが本当に面白くて、3カ所のライブハウスのオープニングアクトの地元ミュージシャンのみんな、ライブハウスのスタッフさんが少しずつノリだけでツアーに加わってくれて、3人で始まったステージセッションは最終日、気づいたら大所帯のセッションに変わっていたり（笑）。
出演者はずっと同じバンで移動するというかなり珍しいツアーだったので、企画者の千葉ルック店長サイトウさんをはじめ、共演だった拓さん（Nothing's Carved In Stone）、佐々木さん（a flood of circle）と毎日今日はなんの曲をカバーしようかなんてことを、その日その日の気分で決めながら、一か八か感もありつつ、どきどきしながら歌えたことが本当に楽しかった。弾き語りだからこそできる醍醐味がたくさん詰まったツアーだったなと思うし、純粋に歌うことの楽しさを違う角度から思い出させてもらったような気がします。全員このツアーが楽しすぎて、東京編も2月に決まったので（笑）、よかったら遊びに来てください。

ピアノの音は宇宙に音があるならこんな音なんじゃないかと思えるような、不思議な響きがあって大好きです。雨粒のような澄んだ空気のような。これからもゆっくりピアノと歌と向き合っていきたいです。

写真はみんなで被災地の宮古市の浄土ヶ浜へ行ったときの。言葉にできない想いがたくさん降り積もっていることをそっと感じながら。
かっぱえびせんに飛びつくウミネコが美しく、可愛かったです。

ねごと

2008年結成。"閃光ライオット2008"のファイナリストとして知名度を全国区にし、2009年9月より本格始動。2010年、1stミニ・アルバム『Hello! "Z"』をKi/oon Musicよりリリース。CMなどのタイアップもあり、幅広い層の支持を得る。2016年11月には中野雅之（BOOM BOOM SATELLITES）、益子樹（ROVO）をサウンド・プロデューサーに迎えたEP『アシンメトリ e.p.』を発表し、その後も2017年2月にアルバム『ETERNALBEAT』、そして8月には映画"トリガール！"の主題歌／挿入歌となったダブルAサイド・シングル『空も飛べるはず / ALL RIGHT』をリリース。12月には2017年2枚目となるフル・アルバム『SOAK』とLIVE DVD『"ETERNALBEAT"TOUR 2017』を同時発売し、2018年2月から4月にかけて開催した約1年ぶりの全国ツアー"ねごとワンマンツアー2018 「SOAK」"は好評のうちに幕を閉じた。

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