ねごと 蒼山幸子の「訳あり夢通信」【第23回】

COLUMN

こんにちは！
怒涛の日々を駆け抜けながら
ねごとは「空も飛べるはず / ALL RIGHT」のプロモーション真っ盛りです。
コラムが出る頃にはきっと主題歌と挿入歌を担当している「トリガール！」も公開されていることでしょう！
トリガール！関連で今回MVにはあの土屋太鳳ちゃんに出ていただいています。
そのMV撮影や公開収録で何度かお会いしお話ししましたが、直接会ってもほんとうに魅力的で素敵な方でした。
やっぱり自分の言葉で、自分のペースで話している人って会うとなんだかほっとします。
太鳳ちゃんが出ている空も飛べるはずはねごと史上一番透き通ったMVになったんじゃないかなと。
とにかく美しい！そして麗しい！ぜひチェックしてくださいませ。

最近見た映画で物凄く余韻が消えない映画があるので、今回のコラムはそれを紹介してみようかと思います。
「ハイドリヒを撃て！『ナチの野獣』暗殺作戦」。
第二次世界大戦中、ナチスの中でヒトラー、ヒムラーに次ぐ第三の権力者であったラインハルト・ハイドリヒ。
彼を暗殺するべくプラハに送り込まれたチェコの軍人さんたちの、史実に基づく実話のお話です。
当時圧倒的な力を持つナチスが支配していた場所へ少人数で送られた彼ら、もしハイドリヒ暗殺に成功してもナチスの報復は避けられず、
どっちに転んでも片道切符の絶望的な状況の中で最後まで愛国心と正義を貫いて戦います。
見終わった後は余韻でほんとうに数日胸の中が重たくて痛くて、でも、見てよかったと思えるすばらしい映画でした。
ただただこのようなことが本当にあったこと、このような人たちが存在したこと。
突きつけられたようなこの感覚を忘れないでいることだけが、今のわたしができることなのかなと思いました。
主役のキリアン・マーフィー、そしてジェイミー・ドーナンもすばらしく絵になる美しい人たちで、演技もすごくてとてもよかったです！
キリアンの青い目が印象的でした。

この手のナチスの本で、紹介したい本もあります。
「マウス―アウシュヴィッツを生きのびた父親の物語/アート・スピーゲルマン」。
このマウスは作者のアート・スピーゲルマンが、ナチスの強制収容所アウシュビッツから生還した父親の話をもとに描かれた漫画で、
世界中で読まれたヒット作だそうです。
わたしは母親が持っていてこの本を知りましたが、
ドイツ人は猫、ポーランド人は豚、ユダヤ人はネズミ、という風に擬人化されていて、
とても読みやすいのですが、リアルに描かれたホロコースト、アウシュビッツの様子には本当に胸が詰まります。
父とスピーゲルマン氏の親子の人間臭さや、葛藤もありのままにすべて描かれていて、
父親が生き残ったのも彼がお金があり、知恵が働いて世渡りがうまかったおかげだということも伝わってきます。ただ優しく正しいだけでは生き残れなかった世界。歴史の残酷さを誰にでもわかる描き方で描かれた唯一無二のコミックスではないかなと思うので、興味がある人はぜひ一読してみて欲しいです！