ねごと 蒼山幸子の「訳あり夢通信」【第3回】

ねごと蒼山幸子の「訳あり夢通信」【第3回】

2014年05月号掲載

ねごと

アロー。みなさまいかがお過ごしですか。
ねごとは今、最新アルバム「"Z"OOM」のワンマンツーデイズ、5月の1日、2日@渋谷マウントレーニアホールに向けていろいろと準備中！とともに、新しい曲の制作期間にばりばり入っております。ぐっとときめいて、熱くて、楽しくて、切なくて歌いたくなるような、そんな曲作りたいなあ～。

制作中は夢中になりすぎて何も手につかなくなるので、本当にごはんを食べることや、寝ることや、人に連絡することや、いろいろなことを忘れてしまう。
あっという間に時間が過ぎちゃう。

精神と頭が根詰めたときは、何にも考えるのやめてぼーっと映画や本を見たり読んだりする。基本的にそういう時の本や映画は私の場合、ちびまる子ちゃん、コジコジ、サザエさん、ギャグ漫画日和、絵本などなど、、
頭が空っぽになれるような、包容力があってユーモアに溢れているものに自然と惹かれてしまう。（たまにジョジョや、岡崎京子さんや、大島弓子さんも挟んだり。）

そして映画の一番はやはり、ジブリだ。
本当に細胞の一部、血となり肉となって、現在のわたしの身体と心を作っていると思えるほど、ジブリの作品は小さい頃からビデオテープがすり切れるまで見て育ってきた。
先日、久しぶりに「崖の上のポニョ」を見返したのだけど、みなさんご覧頂いたことあるでしょうか。
ご存知魚の女の子ポニョが、人間の宗介という男の子に恋をし陸までやってくる、、ジブリ版人魚姫、のようなお話。

なんかポニョの、人間になる直前の時ってすごいよね。
かえるみたいな感じの時。魚の妹達を連れて海からやってくるとこなんて圧巻だ。
無償で一途な、宗介に向かうあのエネルギー。
そういう波の一つ一つ、ポニョの気持ち一つ一つを手作業で表す技術、駿さんの魂もすごい。

突っ込もうと思ってしまえば突っ込みどころはたくさんある話なのだけれど、そんなことより、好きだから好きな人に会いたい、好きだからその人を守りたい。ポニョはただそれだけなのだ。

以前、かねてより大好きだった詩人の谷川俊太郎さんと対談させて頂く機会があった時に、「本当の愛とは、片想いの時。なぜなら一番純粋にその人のことを思える時だから。」と仰っていたことを思い出した。単純そうで、とても奥深い言葉。

いつでもとてもシンプルに、その人のことを想えたらいいなあと思う。それは恋愛に限らずだ。
笑ってほしい、喜んでほしい。
何かできるわけじゃないけど自分と会うことで、ちょっとだけ豊かな気持ちになって欲しい。
いつでも会いにいきたいし、顔が見たい。側にいたい。そんな気持ち。
自分は今、誰かのことをそんな風に思えているかな、と考えてみたら、大勢ではなくても、確かに心の中に浮かぶ人たちが何人かいて、嬉しかった。そんな人、みんなもきっといるよね。それって嬉しいことだよね。

そうして私は、何気なく見たジブリにまたエネルギーを貰ってしまったのでした。
これで「人魚姫」なんて、曲が出来ちゃったりしてね。笑
「赤い魚のともだち」や、「灯台守」でもいいなあ、なんて。
影響されやすいので心配ですが、暖かく待っていてもらえると嬉しいです。

あ、ちなみにジブリで一番好きなのは「ハウルの動く城」と「紅の豚」だよ。
ジブリの主題歌をやるなんてのも、もの凄いビッグドリームのうちの一つだなあ。
ますます精進せねば、、！

それではまたね。おやすみなさい。

＊写真は、先日初めて生きているタコに会えて興奮の瞬間。
人生最大のときめきと言っても過言ではないほどでした。