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INTERVIEW

Japanese

ねごと

2016年11月号掲載

ねごと

Member:蒼山 幸子(Vo/Key) 沙田 瑞紀(Gt) 藤咲 佑(Ba) 澤村 小夜子(Dr)

Interviewer:沖 さやこ

ねごとが、前作『DESTINY』より1年5ヶ月ぶりとなる新作『アシンメトリ e.p.』をリリースする。この期間、彼女たちは1本1本のライヴで自分たちを見つめ直し、自分たちがどういうバンドになっていきたいかをイメージし、それをひとつひとつ確かな形にしてきた。今作に収録されている4曲はそれを如実に物語る。経験を重ねるごとに様々な想いを感じ、音楽知識を増やし、それを自分たちの音楽へ取り込んでいる彼女たち。BOOM BOOM SATELLITESの中野雅之やROVOの益子 樹をサウンド・プロデューサーに招いた制作の話、音作りの話題を中心に、ねごとが発信したいことを探った。

-幸子さんは1年5ヶ月ぶりの新作である『アシンメトリ e.p.』に関して、オフィシャル・サイトに寄せたメッセージで"この1年半、新しい軸となるような曲を作りたいと、作っては寝かせ作っては寝かせ、いろいろな試みをしてきました"とコメントしていらっしゃいましたが、それについて詳しく教えていただけますか。

蒼山:3rdフル・アルバムの『VISION』(2015年リリース)とシングルの『DESTINY』(2015年リリース)を作ってひと息ついてから、"何がねごとの軸なんだろう"、"これからどんな側面を見せていきたいんだろう"と改めてちゃんとみんなで話し合うようになって。ライヴもこの1年で変わっていって、無理して盛り上げるのではなく、音楽で自然と身体を揺らすことができたら――と思ったので、ダンス・ビートが自分たちの曲に増えていったらいいなと思うようになったんです。

沙田:『VISION』は"自分たちができることを全部ぶつけてみよう"と思って作ったので、ロック・アルバムになったなと思っていて。だから作り終わったあとはわりと何もない状態で、みんなそのあと"さぁ次だ、どうしよう!?"というテンションになって。作る曲(のタイプ)が幅広かったので、自分たちがいろんな方向に行けることもわかっていたうえで"ねごとの作る空間で自由に踊ってもらいたい"と思ったんです。

『VISION』のツアー・ファイナルのMCでも、瑞紀さんは同じようなことをおっしゃっていましたよね。

沙田:あぁ、そういうことを言ってました。ライヴに来てくれる人はライヴで手を上げるでもいいし、ゆらゆら揺れるでもいいし――曲を作ったりライヴをしたりする中で、とにかく自由に音楽を楽しめる"空間"を大事にした音楽を作る方向に進んでいけたらいいんじゃないか、と思うようになったんです。それで"これまでの流れを崩さずに、身体を揺らせるような心地よさやトリップ感を作れたらいいな"という話になって、『アシンメトリ e.p.』の曲たちが練られていきました。スタッフさんも、"強い曲を作って、それを世の中に出していこう"と言ってくれたので、安心しながらじっくりと制作ができたのかなと思います。

藤咲:デビュー5周年を迎えたあたりから、(観客の)みんなが音にノってる中でのアプローチを大切にしていたので、自然に踊れるものを作りたいと思うようになって。"自分たちがどうなっていきたいのか"、"どういう音を作りたいのか"と、"ステージでどういう自分たちでいたいのか"、"どういう見せ方をしたいのか"というのが無理せず揃ってきたなと。だからライヴと制作は連携しているものだなと思いました。

蒼山:曲はいろいろ作っていたので、もっと早くリリースしようと思えばできたんですけど、やっぱり私たちはかっこいいものを作りたいので、そのためにもじっくり考えて、また曲を作って......という期間でした。「アシンメトリ」(Track.1)自体、何度も作り変えていて。そうやって時間をかけて制作していくなかで、"(BOOM BOOM SATELLITESの)中野(雅之)さんや(ROVOの)益子(樹)さんにプロデュースをお願いしたいね"という話が出てきて、一緒にやらせていただきました。

澤村:前回がセルフ・プロデュースだったので、今回久しぶりにプロデューサーさんと一緒に制作をして、新しい風が吹いたというか。まず「アシンメトリ」ができて、それを中野さんと一緒に制作することで私たちも勉強して、「天使か悪魔か」(Track.3)や「school out」(Track.4)を作っていったので、流れ的にもすごく良かったと思います。でも、1年以上もレコーディングをしないのは久しぶりだったから......いやー、この1年半は長かった(笑)!

蒼山&沙田&藤咲:(笑)

-中野さんと益子さんはどちらもねごとがリスペクトするアーティストですが、このお二方にプロデュースを依頼した理由は?

沙田:"空間で踊らせたい"というのと直結してますね。制作中に自然とそのお二方の名前が出てきました。ROVOの夏の野音ライヴ(※毎年開催している主催フェス"MDT FESTIVAL")にもよく行っていたし、どんな音を作る方なのかも知っていたので、音的にもねごとに合うんじゃないかな、キラキラした曲になるといいなと思って益子さんにお願いをして。

蒼山:中野さんとは以前、対談もさせていただいたことがあって。実は「カロン」(※2011年リリースの1stシングル表題曲)はまさしく、制作中にBOOM BOOM SATELLITESをみんなで聴いて、"こういうノリの曲にしたいよね"と話して作ったものなんだというお話をさせていただいたんです。せっかくそこで繋がりを持てたので、いつか一緒に何かできたらいいなと思っていました。