Japanese
ねごと
Skream! マガジン 2019年09月号掲載
2019.07.20 @Zepp DiverCity(TOKYO)
Writer 沖 さやこ
2007年に現メンバーで結成、2008年1月から本格的に始動したねごとは、12年弱の年月を経て"この4人でできることは精一杯やりきった"という理由で解散を選択した。
彼女たちが活動してきた期間のバンド・シーンの音楽的流行は明快且つ目まぐるしく、バンドマンたちにおいても激動の10年間だったと思う。その中で彼女たちは、インディー・ロック、オルタナ、シンセ・ポップ、エレクトロニカ、ダンス・ミュージックなど様々なジャンルを取り入れ、ポップ・センスが効いた独自のロック・ミュージックを追求し続ける。その凛々しく気高い姿勢、楽曲の精度には目を見張るものがあった。
ラスト・ライヴとなったZepp DiverCity(TOKYO)公演も、12年間を振り返りながら噛みしめるというよりは、自分たちの音楽を高めることに力を注いでいた。それは自然体ゆえなのか、音楽家としてのポリシーゆえなのか、どちらかは定かではないが、おそらくそのどちらもだろう。すべての経験を糧にして前進してきた彼女たちらしい、堂々とした幕引きであった。
「インストゥルメンタル」でゆったりと幕を開けると、「透き通る衝動」からアッパーな楽曲を立て続けに届ける。澤村小夜子(Dr)は軽やかでありながら力強いドラムを、藤咲 佑(Ba)はステージ前方に出てステップを踏みながら低音を繰り出して、陽のエネルギーでサウンドを牽引。蒼山幸子(Vo/Key)と沙田瑞紀(Gt)の歌と音色も演奏を重ねるごとにしなやかさを帯び、「透明な魚」はリズミカルで煌びやかなレーザーと照明とともに晴れやかな音色を放った。
「真夜中のアンセム」以降、4人のグルーヴはより増していった。「ふわりのこと」は蒼山の繊細でありながら堂々としたヴォーカルが美しく舞い、「Fall Down」から徐々にディープ・ゾーンへと入り込む。同曲のアウトロの演奏は、演奏に没頭する4人が作り出す音の泉が心地よく、「サタデーナイト」は音楽に対する逞しい美学が胸に迫る。幻想的な空気で場を染めたあとの「水中都市」は、より深いところで通じ合う4人の音がひとつの大きな世界を作り出した。人魚姫のように儚い音像に、"永遠、みたいだった"、"泳がせて もう少しだけ"という終わりを示唆する歌詞が重なる様は、ラスト・ライヴというシチュエーションと相まって、誠実且つ感傷的に響く。
蒼山はこの日お台場に来る際、ねごとが出演し審査員特別賞を受賞した"閃光ライオット2008"の決勝が夏のお台場だったことを思い出したと話す。センチメンタルな空気になりそうだったところで、澤村がその決勝に向かう道中で見知らぬ老人に怒られたエピソードを明かし、それに藤咲が乗ったことで、場内はほのぼのとした空気に包まれた。
生演奏とプログラミングの融合がクールに響く「シグナル」や、ねごと流のギター・ロック・ナンバー「nameless」など、バンドのエッジーな側面が表れた楽曲を畳み掛けると、蒼山は"音楽をやる意味とはぐれそうになったこともあったけど、みんなが曲を待ち続けていることが励みになった"と語る。このラスト・ツアーではそれをより実感していることを話すと、"バンドをやってきた意味が確かにあったなと感じています。みんなほんとに、ねごとに出会ってくれて、見つけてくれてありがとう"と頭を下げ、客席から温かい拍手が沸いた。
"宝物のような12年間で、宝物のような今です"と晴れやかな表情で語り、披露されたのは沙田のリミックス・バージョンの「ETERNALBEAT」。ダンサブルなのに切なくて、消え入りそうなほどの透明感があるのに屈強な意志が通っている、まさに"わたしたちだけのミュージック"。ねごとというバンドの化身とも言える音像で、この日歌われる"やまないビート"と"あなたを忘れないで/飛びたい"に、どうしても涙腺が緩んでしまった。そこから「endless」、「LAST SCENE」と繋ぎ、「アシンメトリ」でスケール大きく締めくくる。その勇敢な姿はどんな言葉よりも12年間の充実を物語っていた。
アンコールではメンバーそれぞれが独自の切り口から12年間の感謝を伝え、「雨」と「彗星シロップ」を届けると、彼女たちが最後に披露したのは「カロン」。高校生の4人が作ったバンドの始まりの曲を、持てる力をすべて出して演奏しきった4人は、全員が澄んだ笑顔を浮かべていた。
青春のすべてを費やしたバンドを手放すのは大きな決断だっただろう。だが人生の分岐点を自分たちで決めて歩き出したことは、きっとこの先財産になるはずだ。最後まで音楽家としてのポリシーと美学を貫いた彼女たちに、大きな拍手を送りたい。
[Setlist]
1. インストゥルメンタル
2. 透き通る衝動
3. DESTINY
4. sharp ♯
5. ループ
6. greatwall
7. 透明な魚
8. 真夜中のアンセム
9. ふわりのこと
10. シリウス
11. シンクロマニカ
12. Fall Down
13. サタデーナイト
14. 水中都市
15. メルシールー
16. シグナル
17. nameless
18. 憧憬
19. ETERNALBEAT -Mizuki Masuda Remix-
20. endless
21. LAST SCENE
22. アシンメトリ
En1. 雨
En2. 彗星シロップ
En3. カロン
- 1
LIVE INFO
- 2025.05.06
-
ビレッジマンズストア
Lucky Kilimanjaro
斉藤和義
ヒトリエ
CYNHN × タイトル未定 × fishbowl
Baggy My Life / Am Amp / Comme des familia
超☆社会的サンダル
LACCO TOWER
"VIVA LA ROCK 2025"
- 2025.05.08
-
オレンジスパイニクラブ
BLUE ENCOUNT
村松 拓(Nothing's Carved In Stone/ABSTRACT MASH/とまとくらぶ)
DeNeel
Maki
緑黄色社会
SUPER BEAVER
柄須賀皇司(the paddles)
ORCALAND
ヤングスキニー
WANIMA
- 2025.05.09
-
THE BACK HORN
Creepy Nuts
a flood of circle
BLUE ENCOUNT
村松 拓(Nothing's Carved In Stone/ABSTRACT MASH/とまとくらぶ)
WtB
DeNeel
SUPER BEAVER
Rhythmic Toy World
MAN WITH A MISSION
ねぐせ。
オレンジスパイニクラブ
大森靖子
Organic Call
GLASGOW
CNBLUE
- 2025.05.10
-
The Biscats × Ol'CATS
never young beach
The Ravens
ネクライトーキー
ずっと真夜中でいいのに。
コレサワ
村松 拓(Nothing's Carved In Stone/ABSTRACT MASH/とまとくらぶ)
HY
sumika
Baggy My Life / Am Amp / Comme des familia
Keishi Tanaka
ポップしなないで
Mr.ふぉるて
Rhythmic Toy World
Plastic Tree
ヤバイTシャツ屋さん
indigo la End
ヒトリエ
緑黄色社会
Bimi
"GAPPA ROCKS ISHIKWA"
GANG PARADE
SCOOBIE DO
斉藤和義
東京スカパラダイスオーケストラ
あいみょん
"METROCK2025"
FINLANDS
fox capture plan
CNBLUE
a flood of circle
No Buses
- 2025.05.11
-
The Biscats × Ol'CATS
ネクライトーキー
THE BACK HORN
ずっと真夜中でいいのに。
The Ravens
HY
sumika
indigo la End
ORCALAND
Keishi Tanaka
ヤングスキニー
BLUE ENCOUNT
山内総一郎×斎藤宏介
渡會将士
古舘佑太郎 × 田村晴信(171)
US
Plastic Tree
ヤバイTシャツ屋さん
VOI SQUARE CAT
NakamuraEmi
Bimi
ADAM at
SCOOBIE DO
斉藤和義
Creepy Nuts
flumpool
ヒトリエ
fox capture plan
四星球
私立恵比寿中学
忘れらんねえよ / 超☆社会的サンダル / Conton Candy / KALMA ほか
Ayumu Imazu
フラワーカンパニーズ
DIALOGUE+
BIGMAMA
People In The Box
Bray me
MARiA(GARNiDELiA)
WtB
あいみょん
"METROCK2025"
点染テンセイ少女。
清 竜人25
Mellow Youth
- 2025.05.12
-
US
- 2025.05.13
-
ヤングスキニー
WANIMA
ビレッジマンズストア
US
- 2025.05.14
-
yummy'g
VOI SQUARE CAT
大森靖子
WANIMA
緑黄色社会
Hello Hello
PEDRO
LiSA
清 竜人25
怒髪天
- 2025.05.15
-
a flood of circle
THE YELLOW MONKEY
SPARK!!SOUND!!SHOW!! / the dadadadys
女王蜂
No Buses
星野源
WANIMA
山内総一郎×斎藤宏介
CENT
オレンジスパイニクラブ
Homecomings × Cody・Lee(李)
mol-74
トゲナシトゲアリ × She is Legend
LiSA
- 2025.05.16
-
Hump Back
ORCALAND
ヒトリエ
Mr.ふぉるて
Creepy Nuts
fox capture plan
a flood of circle
ReN
四星球
ayutthaya
No Buses
The Ravens
People In The Box
flumpool
ヤングスキニー
星野源
[Alexandros]
VOI SQUARE CAT
Baggy My Life / Am Amp / Comme des familia
INF
never young beach
- 2025.05.17
-
フラワーカンパニーズ ※振替公演
THE BAWDIES
"CIRCLE '25"
女王蜂
sumika
渡會将士
アーバンギャルド
ネクライトーキー
ExWHYZ
斉藤和義
Bimi
Creepy Nuts
四星球
いきものがかり / Omoinotake / Saucy Dog / アイナ・ジ・エンド ほか
DIALOGUE+
GLIM SPANKY / 水曜日のカンパネラ / 岡崎体育 / Laura day romance ほか
コレサワ
flumpool
Official髭男dism
THE BACK HORN
People In The Box
GANG PARADE
WtB
BRADIO
"ACO CHiLL CAMP 2025"
indigo la End
[Alexandros]
ポップしなないで
小林私 / 色々な十字架 / 叶芽フウカ(O.A.)
INORAN
ずっと真夜中でいいのに。
村松 拓(Nothing's Carved In Stone/ABSTRACT MASH/とまとくらぶ)
インナージャーニー / 地元学生バンド ほか
- 2025.05.18
-
渡會将士
androp
"CIRCLE '25"
アーバンギャルド
sumika
ねぐせ。
ヒトリエ
THE BAWDIES
斉藤和義
ReN
a flood of circle
ASP
OKAMOTO'S / Lucky Kilimanjaro / サニーデイ・サービス ほか
ポップしなないで
WANIMA
"COMING KOBE25"
Official髭男dism
DIALOGUE+
The Ravens
Mr.ふぉるて
おいしくるメロンパン
ExWHYZ
コレサワ
BRADIO
"ACO CHiLL CAMP 2025"
私立恵比寿中学
CYNHN × タイトル未定 × fishbowl
SPECIAL OTHERS
INORAN
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
ずっと真夜中でいいのに。
- 2025.05.19
-
点染テンセイ少女。
- 2025.05.20
-
斉藤和義
オレンジスパイニクラブ
indigo la End
yummy'g
RELEASE INFO
- 2025.05.07
- 2025.05.09
- 2025.05.10
- 2025.05.14
- 2025.05.16
- 2025.05.21
- 2025.05.23
- 2025.05.28
- 2025.05.30
- 2025.06.01
- 2025.06.04
- 2025.06.11
- 2025.06.13
- 2025.06.18
- 2025.06.25
- 2025.06.28
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
Bimi
Skream! 2025年04月号