ねごと

INTERVIEW

Japanese

2016年11月号掲載

ねごと蒼山幸子の「訳あり夢通信」

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Member：蒼山幸子（Vo/Key）沙田瑞紀（Gt）藤咲佑（Ba）澤村小夜子（Dr）

Interviewer：沖さやこ

－（笑）それだけまったく違うオケを当てられるなんて、瑞紀さんは相変わらず器用ですね。普通ならアレンジのブラッシュ・アップはマイナー・チェンジくらいだと思うんですけど。

澤村：（沙田は思考が）柔らかい、柔らかい。

沙田：みんなびっくりしてました（笑）。

藤咲：瑞紀の考えるアレンジは毎回びっくりなんですよねー......。同じ曲で1回ガラッとブラッシュ・アップするのは当たり前。2、3回とリアレンジすると、違う曲じゃない？と思うほどで。頭の中どうなってんだろ？と思います（笑）。

－そんな沙田ワールドが全開になっているのが「school out」だなと。

沙田：これは去年の夏くらいかな。たくさんデモを作っていたうちの1曲で。曲を作るということは、とにかくひたすら部屋にこもるってことなんですけど――まぁ、それが私にとっては普通なんですけど（笑）、そういう狭い空間を感じさせる曲だなと思います。

－テーマになっている"学校"という社会も狭い空間ですし。

沙田：学生のころはそれだけじゃないですか。ちょっとあの子に何か言われただけで1日中ずっと考えちゃったり。ちっぽけなことなんだけど、それがすべてで。精一杯生きてるんだ！と文句を言って、全部をシュレッダーにかけて捨てちゃいたいとさえ思う。たまに学校に行きたくないから風邪を引きたいと思ってみたり――そういう境地に立たされて感じることというか。だから学校をテーマにしつつ、今の自分がリアルに出たものになりました。

－音楽から逃げ出したかった？

沙田：逃げ出したいなと思ったりはするんですけど――音楽を作る時間はすごくつらいけど、すごく楽しいし。そういうのがあるんですよ。表裏一体というか。だから、"音楽を作るのがすっごく嫌です！"ってわけじゃないし、ふとしたきっかけで"最高です！"という気持ちにもなるし。そのときのテンションをそのまま込めました。だから、学生時代に先生のことが好きだったわけではないです（笑）。

－わかりました（笑）。この曲も佑さんがシンセ・ベースを弾いていらっしゃるんですね。

藤咲：今後もシンベをやる曲を作っていくだろうし、「アシンメトリ」を表題にした作品でもあるから、そこに寄せていった方がいいという話にもなって――瑞紀から"この曲はシンベにします"と言われて、そこで"シンベもどんどん弾く方向になっていくんだな"と覚悟が決まりました（笑）。

－ねごとは作品をリリースするたびに新しいスタートを切れていると思います。

澤村：今回は焦らずじっくり作れたしね。

藤咲：みんなが1年5ヶ月も待っててくれてることにもびっくりして。"新作はまだですか？"と言われるたびに、早く出したいと思ったけど自信作だと言えるものが出したかったし。

蒼山：待たせたからにはずっと手元に残したいもの、心に残るものを送り出さなきゃいけないと思っていたので。

沙田：『VISION』と『DESTINY』を作ったあとに、みんなで"ねごとはどういうバンドなんだろう？"と話したとき、ちょっと掴みどころがないかもなとも思ったし。そのふわっとしたイメージを、もっと掴めるものにしたいと思っていた期間でした。そういう意味でも、自分たちの中にあるリアルはちゃんと音楽に入れたいなという想いがあったんですよね。

－1年5ヶ月ぶりの新作という意味での満足感はもちろんありつつ、今後この方向性でどんな曲を作っていくんだろう？という期待感も大きいです。

藤咲：実は今後の作品のイメージもほぼほぼ見えているんです。だから今作は入り口です（笑）。

沙田：やっとですね！ここから快進撃を見せていきたいと思います。