Japanese
ゲスの極み乙女。
Skream! マガジン 2018年03月号掲載
2018.02.10 @新木場STUDIO COAST
Writer 沖 さやこ
ド派手なライヴ・タイトルに比例したド派手なパーティーっぷりだった。昨年は2本のワンマン・ツアーを回り、インタビューでもその充実を語ってくれたゲスの極み乙女。の4人。もともとindigo la Endから始まった川谷絵音の音楽人生も、ゲスの極み乙女。が生まれ、DADARAYが生まれ、学生気分が生まれ、ジェニーハイのプロデュース依頼を受けたことからバンドに加入......と活動の幅は広がるばかり。"川谷ファミリー大集合"的ラインナップは、少し遅れた正月のように華やかで賑やかだった。
トップバッターは川谷がプロデュースを務め、休日課長(Ba)がメンバーとして参加しているDADARAY。川谷が夢みるアドレセンスに楽曲提供した「大人やらせてよ」の"DADA ver."で幕を開けたステージは、REISとえつこのヴォーカル2名がお立ち台を使うパフォーマンスも相まって大いに盛り上がる。女性ツイン・ヴォーカルは、川谷の作るロマンチックなメロディと譜割りを克明に描くには持ってこいの体制だ。メンバー各々の高いテクニックがあってこそ成立する難易度の高いアンサンブルは、会場一帯を洗練された都会の空気に染めていく。ベースの効いたオルタナ・ナンバー「ダダックス」、センチメンタル・ポップな「東京Σ」など、6曲で濃厚な30分を作った。
小籔千豊とくっきーの小気味よい漫談を挟み、続いての登場はindigo la End。じっくりとロー・テンポで「夏夜のマジック」を届け、「想いきり」、「夜明けの街でサヨナラを」と、メンバーは瞬時に自分たちのモードを楽曲のカラーにそぐうアプローチへと切り替えていく。ドラム、ベース、ギターと重なっていく導入からプログレ的展開を見せる「billion billion」に繋ぎ、「実験前」に持っていく美しく骨太な流れは中盤の大きな見せ場。アウトロの弦楽器隊によるソロ回しはやはり圧巻だ。「見せかけのラブソング」はシンプルな音構成であるぶん、その日その日のバンドのモードが出やすい曲。音の隙間まで情感を含ませる、豊かなサウンドスケープで観客を魅了した。
「冬夜のマジック」はREISをゲスト・ヴォーカルに迎えて披露し、ラストは「インディゴラブストーリー」。休符を効果的に操るアンサンブルはこのバンドの持つしなやかなグルーヴを浮き彫りにする。特に川谷と長田カーティスのギターの一糸乱れぬカッティングが作り出す緊張感は、非常に心地のよいものだった。
転換中に小籔が漫談をしていると、くっきーが休日課長と川谷を連れて登場。彼の持ちネタであるベンジャミンボーナスを披露する。休日課長はタキシード姿の通訳役、川谷はジャージ姿でカルキンならぬ"エノキン"に扮し熱演。思いがけないコラボレーションに会場の高揚は止まらない。
そして今夜の主役であるゲスの極み乙女。が登場。ひとりひとり順々にステージに現れたメンバーは、それぞれ普段使いをしている私物のパーカーに身を包む。2曲目からいきなり代表曲のひとつである「キラーボール」を投下し、ちゃんMARI(Key)によるピアノ・ソロのあとに川谷が2階の下手バルコニーに登場するというサプライズも。彼は2階席の最前列で楽曲を歌い切った。
そのあとも「ロマンスがありあまる」、「ドレスを脱げ」、「餅ガール」、「crying march」と代表曲を続けざまに演奏する。改めてこのバンドの定番曲の多さに感心すると同時に、溌剌とした躍動的なプレイに、昨年のツアー経験が生きていることを実感した。サポート・メンバーのえつこがX JAPANの「紅」のサビを歌い上げ"新木場だー!!"と叫ぶと、川谷が"いや、俺やりたいのそのXじゃないから"と告げて繋げた「Mr.ゲスX」は、メタル・セクションもさらにダイナミックに。いつの時代もファニーなことを音楽的なことに直結させる集団である。
MCではシングル『戦ってしまうよ』に関する様々な話を繰り広げたあと、川谷はひとつ最近得た気づきの話をした。彼は尊敬する人物から、自分の考え方に対して"それが君の良くないところだ"と忠告をされたという。川谷いわく、"彼はちゃんとどんな人とも向き合おうとする人"。それをきっかけに川谷は"無駄なことからいろんなものが生まれるのを忘れていた"、"自分の信じていることが美しいと思っていた。でも自分の予期していないところに美しさがあるのが本当の美だと知った"と話す。2018年はちゃんと人と向き合おうという目標を立てたという彼は"(観客)ひとりひとりと向き合って歌いたいと思う"と言いMCを締めくくり、バンドは「ユレルカレル」を演奏する。
彼のこのMCを挟んで以降、歌詞の色づき方や深みがこれまでとはまったく違ったものに聴こえてきた。それは川谷が言葉にした気持ちを我々観客が受け取ったことももちろんだが、何より彼が歌にその気持ちを通わせたからだろう。自分が口にした理想に導かれていくような、そんな言葉の魔法や言霊を目の当たりにしたようだった。本編ラストはほな・いこか(Dr)と川谷によるツイン・ヴォーカルも見どころの「シアワセ林檎」。艶やかで感傷的で、柔らかいヴォーカルが会場を魅了していた。
アンコールは小籔とくっきーがそれぞれドラマー、ベーシストという立場で登場し、8人編成というスペシャル・バージョンで「私以外私じゃないの」を披露する。最後にいつもの編成で最新シングル曲「戦ってしまうよ」を届け、メンバーは清々しい表情でステージをあとにした。川谷の心境の変化は、今後の彼のプレイ/ヴォーカル・スタイルやソングライティングにも影響してくるのだろうか。もしそうなったとしたら、それぞれのバンドはそれをどう表現していくのだろうか。集合写真撮影のためにステージに現れた出演者全員がステージから去る後ろ姿に拍手を送りながら、未来への想像が止まらなかった。
- 1
LIVE INFO
- 2025.09.15
-
セックスマシーン!!
cinema staff
Bye-Bye-Handの方程式
WtB
ビレッジマンズストア
Kroi
GRAPEVINE
Appare!
THE CHARM PARK
TOKYOてふてふ
緑黄色社会 / 04 Limited Sazabys / キュウソネコカミ / Hump Back ほか
羊文学
PIGGS
DYGL
THE SMASHING PUMPKINS
FOUR GET ME A NOTS
Bimi
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
FIVE NEW OLD
eill
UNFAIR RULE / Blue Mash / ペルシカリア / ポンツクピーヤ
アーバンギャルド
NOIMAGE
- 2025.09.16
-
THE CHARM PARK
THE BOHEMIANS × the myeahns
MONOEYES
Aooo
コレサワ
Laughing Hick / アンと私 / つきみ
"LIVEHOLIC 10th Anniversary series〜NEWIMAGE〜"
- 2025.09.17
-
YOASOBI
THE ORAL CIGARETTES
DYGL
Mirror,Mirror
Hump Back
a flood of circle
THE SMASHING PUMPKINS
ガラクタ / 東京、君がいない街 / Fish and Lips
点染テンセイ少女。
- 2025.09.18
-
YOASOBI
キュウソネコカミ
LAUSBUB
DYGL
Mirror,Mirror
MONOEYES
終活クラブ
TOOBOE
THE SMASHING PUMPKINS
椎名林檎 / アイナ・ジ・エンド / 岡村靖幸 ほか
打首獄門同好会
the paddles / DeNeel / フリージアン
otona ni nattemo / 南無阿部陀仏 / ウェルビーズ ほか
- 2025.09.19
-
THE ORAL CIGARETTES
a flood of circle
UVERworld
セックスマシーン!!
Bye-Bye-Handの方程式
Redhair Rosy
たかはしほのか(リーガルリリー)
終活クラブ
あたらよ
Aooo
KING BROTHERS
bokula. / 炙りなタウン / Sunny Girl
The Birthday
- 2025.09.20
-
カミナリグモ
Lucky Kilimanjaro
TOOBOE
GRAPEVINE
This is LAST
LACCO TOWER
WtB
キュウソネコカミ
reGretGirl
岸田教団&THE明星ロケッツ
ASH DA HERO
THE SMASHING PUMPKINS
Miyuu
竹内アンナ
ぜんぶ君のせいだ。
PAN / SABOTEN
SHE'S
"イナズマロック フェス 2025"
LAUSBUB
渡會将士
Plastic Tree
ヨルシカ
cinema staff
Broken my toybox
あたらよ
大森靖子
04 Limited Sazabys / 東京スカパラダイスオーケストラ / ザ・クロマニヨンズ / 奥田民生 / ヤングスキニー ほか
ART-SCHOOL
AIRFLIP
"NAKAYOSHI FES.2025"
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
GOOD ON THE REEL
クジラ夜の街 / Dannie May / 終活クラブ / アオイロエウレカ(O.A.)
フラワーカンパニーズ
- 2025.09.21
-
ExWHYZ
HY
豆柴の大群
TOOBOE
カミナリグモ
LACCO TOWER
The Biscats
WtB
キュウソネコカミ
envy × OLEDICKFOGGY
Plastic Tree
Broken my toybox
ぜんぶ君のせいだ。
THE SMASHING PUMPKINS
アルコサイト
ART-SCHOOL
星野源
"イナズマロック フェス 2025"
岸田教団&THE明星ロケッツ
TOKYOてふてふ
ヨルシカ
竹内アンナ
GRAPEVINE
大森靖子
ACIDMAN / GLIM SPANKY / Dragon Ash / go!go!vanillas / Omoinotake ほか
LAUSBUB
Devil ANTHEM.
peeto
KING BROTHERS
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
GOOD ON THE REEL
超☆社会的サンダル / さとう。 / ルサンチマン / SENTIMENTAL KNOWING(O.A.)
PIGGS
- 2025.09.22
-
WtB
reGretGirl
OKAMOTO'S
古墳シスターズ
レイラ
Bye-Bye-Handの方程式
ビレッジマンズストア
Ryu Matsuyama
CENT
- 2025.09.23
-
水曜日のカンパネラ
ART-SCHOOL
Lucky Kilimanjaro
TOOBOE
リュックと添い寝ごはん
古墳シスターズ
Omoinotake
Kroi
TOKYOてふてふ
Plastic Tree
WtB
MUSE / MAN WITH A MISSION / go!go!vanillas
amazarashi
GRAPEVINE
YONA YONA WEEKENDERS
DYGL
cinema staff
Bye-Bye-Handの方程式
Another Diary
adieu
竹内アンナ
Cody・Lee(李)
トゲナシトゲアリ
"TOKYO CALLING 2025"
- 2025.09.24
-
水曜日のカンパネラ
THE SMASHING PUMPKINS
ドミコ
UVERworld
Kroi
a flood of circle
Hump Back
shallm × sajou no hana
- 2025.09.26
-
This is LAST
the cabs
ドミコ
Age Factory
Aooo
Keishi Tanaka
MONO NO AWARE
トンボコープ
Base Ball Bear × ダウ90000
DYGL
OKAMOTO'S
SUPER BEAVER
otsumami feat.mikan
セックスマシーン!!
YONA YONA WEEKENDERS
- 2025.09.27
-
TOKYOてふてふ
amazarashi
アーバンギャルド
SCOOBIE DO
LACCO TOWER
Academic BANANA
The Birthday / 甲本ヒロト(ザ・クロマニヨンズ) / 志磨遼平(ドレスコーズ) / GLIM SPANKY / TOSHI-LOW(BRAHMAN/OAU) ほか
ぜんぶ君のせいだ。
センチミリメンタル
LAUSBUB
Awesome City Club
NEE × CLAN QUEEN
Plastic Tree
This is LAST
LOCAL CONNECT
YOASOBI
TOOBOE
MONO NO AWARE
EGO-WRAPPIN' × 大橋トリオ
豆柴の大群
reGretGirl
cowolo
コレサワ
ExWHYZ
レイラ
INORAN
MAPA
LiSA
mudy on the 昨晩
WtB
キタニタツヤ
"ベリテンライブ2025 Special"
藤巻亮太
"TOKYO CALLING 2025"
- 2025.09.28
-
ナナヲアカリ
NEE × CLAN QUEEN/サイダーガール × トンボコープ
SCOOBIE DO
LACCO TOWER
TOKYOてふてふ
SUPER BEAVER
"いしがきMUSIC FESTIVAL"
cinema staff
ぜんぶ君のせいだ。
YONA YONA WEEKENDERS
コレサワ
SPRISE
Plastic Tree
YOASOBI
リュックと添い寝ごはん
EGO-WRAPPIN' × 大橋トリオ
Age Factory
WtB
TOOBOE
mzsrz
Broken my toybox
古墳シスターズ
RAY
"ベリテンライブ2025 Special"
"TOKYO CALLING 2025"
RELEASE INFO
- 2025.09.17
- 2025.09.19
- 2025.09.24
- 2025.09.26
- 2025.10.01
- 2025.10.03
- 2025.10.05
- 2025.10.08
- 2025.10.10
- 2025.10.11
- 2025.10.12
- 2025.10.14
- 2025.10.15
- 2025.10.17
- 2025.10.22
- 2025.10.24
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
OASIS
Skream! 2025年09月号