Japanese
ゲスの極み乙女。
Skream! マガジン 2014年10月号掲載
2014.09.17 @Zepp Tokyo
Writer 沖 さやこ
9月16日にZepp Nagoya、9月17日にZepp Tokyoで開催された"ゲスなパーティー"はこれまでのゲスの極み乙女。の集大成――そう形容できるかもしれない。だが、この夜は蛹から蝶の羽が覗いたところまでを描いた日、"羽化の最中"と言ったほうが正しい。10月29日にリリースされる1stフル・アルバム『魅力がすごいよ』というアルバムを完成させている彼らは、もう未来へと走り出している。
ライヴは「だけど僕は」で幕を開けた。最新シングル『猟奇的なキスを私にして』のc/wである、川谷絵音の等身大の心情吐露であり、決意表明とも言える楽曲。これは川谷、そしてバンドからのリスナーへ宛てた手紙だ。川谷はハンドマイクでステージの際まで出て、フロアの手前から奥、右から左、上から下、隅々にまで視線を配り、声を飛ばしてゆくと、観客は大きな躍動と歓声、手拍子で歓迎する。切なさや悲しさが滲むマイナー・キーの「市民野郎」、焦燥的かつポップなキラー・チューン「ドレスを脱げ」と、フロアからは大きなシンガロングと熱狂的なコール&レスポンス。決して明るいとは言えない、「ぶらっくパレード」の歌詞を借りれば"なんとなく悲しい"ゲスの音楽に、楽しくて仕方がないというフロアの気持ちが混ざり、唯一無二のトランス空間ができあがる。ゲスの音楽は"みんなの歌"になっているのだ。最初から川谷がそれを想定して楽曲を作っていたかどうかはわからない。だが、彼と共にフロアがラララと歌い、"フゥ!"と声を上げる光景は、観客ひとりひとりが、バンドの演奏と共にその楽曲を体ひとつで演奏しているようにしか見えなかった。純粋な熱気と愛が、満員のフロアひとりひとりから鳴り響く。
川谷の流れるようなラップとメロディが消え入りそうなほど美しい「ハツミ」は、リズムと言葉に乗って体を動かす彼の姿に見とれた。クールで品のあるドラムを響かせるほな・いこか、突き上げる低音でサウンドをまとめるベーシスト休日課長、ブルージーなギター・ソロを響かせる川谷、異世界を描くような緩急のきいたキーボードとシンセを奏でるちゃんMARI。こんなバンド、全世界を見てもゲスの極み乙女。くらいだ。私が考えていた以上に、ゲスはもう遠くの大きな大きな存在になっていることを目の当たりにし、奮えた。
とはいえ、MCではミュージックステーション初出演時の初々しいエピソードを明かしたり、川谷は話している最中に"あれ、何の話だっけ?"と言い出すなど、取り巻きが目まぐるしく変化しているとはいえ当の本人たちはいたってマイ・ペース。「猟奇的なキスを私にして」「アソビ」と最新2曲を畳み掛け、改めて最新モードのゲスは4人それぞれの音色が瑞々しいことを全身で痛感した。メンバーそれぞれのプレイで引きつけた「スレッドダンス」はゲスがロック・バンドであること堂々と提示し、「いこかなでしこ」ではステージに残ったいこか以外のメンバーが"私の中のなでしこさん"と歌いながら登場したのだが、川谷はフロア下手から登場! "2曲フロアで歌います。一緒に楽しみましょう!"と続いて「jajaumasan」。どうやら川谷の思惑では最後のサビのキメに合わせてステージに戻る予定だったが、東京の熱気はそうはさせてくれず(笑)、演奏終了後もみくちゃになりながらなんとか彼はステージに帰還した。
"初めてZepp Tokyoに来たのはカメラマン橋本塁のライヴ・イベントだった"と語るいこか。この日はゲスにとっては初のZeppワンマンで、今日は橋本が撮影していることを感慨深く話す。そして、川谷が『魅力がすごいよ』のリリースを観客の前で発表すると、同作から「crying march」「デジタルモグラ」を披露。4人それぞれの持ち味がふんだんに投入された、以前以上にバンド感の増したアンサンブルで魅せると、その後「ユレルカレル」「キラーボール」「song3」と鋭く駆け抜ける。「餅ガール」では3人の女性ダンサーが出現。その餅ガールたちはフロアに餅を投げまくり、最終的には川谷も投げまくるという狂乱の本編ラストを迎えた。
アンコールで川谷はバンド結成から今までの2年4ヶ月間の心情を素直に口にする。同じステージに信頼するメンバーがいて、目の前に自分たちの音楽を愛するたくさんの人々がいたからこそ湧き出てきた、素直な言葉だった。
この日彼らが纏っていたのは、『魅力がすごいよ』のアー写の衣装。やはりこの日は羽化の最中であり、寸前であることを意識的に示していたのだ。そして彼らが蝶になった姿を見られるのは、あなたが『魅力がすごいよ』を手にしたときだ。そしてこの蝶が美しく飛ぶ姿を見ることができるのは、アルバム・ツアー"ゲスな魅力?"である。決意を固め、それを作品に昇華できたバンドがさらに強くなる。ここから歴史が変わる、このバンドが変えていく――ゲスの極み乙女。は老若男女問わずもっとたくさんの人の"みんなの歌"になる。そんな予感をざわつかせる一夜だった。
- 1
LIVE INFO
- 2024.11.21
-
ザ50回転ズ
KANA-BOON
Maki × PRAY FOR ME
ヤングスキニー
THE YELLOW MONKEY
ASIAN KUNG-FU GENERATION
THE ORAL CIGARETTES ※開催延期
ラックライフ
シノダ(ヒトリエ)
(sic)boy
Thom Yorke
CVLTE
eastern youth / People In The Box
CNBLUE
Ivy to Fraudulent Game
離婚伝説
ドレスコーズ
椎名林檎
This is LAST
KEYTALK ※公演中止
- 2024.11.22
-
ヤングスキニー
マルシィ
オレンジスパイニクラブ
Bray me / EverBrighteller / FUNNY THIN
フラワーカンパニーズ / 斉藤和義
ズーカラデル
u named (radica)
TK from 凛として時雨
SUPER BEAVER
コレサワ
LONGMAN
セックスマシーン!!
終活クラブ
(sic)boy
the shes gone
ドミコ
点染テンセイ少女。
CVLTE
BREIMEN
SIX LOUNGE
秋山黄色
Newspeak
w.o.d.
BLUE ENCOUNT
SANDAL TELEPHONE
超☆社会的サンダル
武瑠
ヤユヨ
浅井健一
YAJICO GIRL
緑黄色社会
あたらよ
- 2024.11.23
-
NANIMONO
打首獄門同好会
SPECIAL OTHERS ACOUSTIC
ザ50回転ズ
Conton Candy
四星球
Lucky Kilimanjaro
Maki × PRAY FOR ME
back number
Bray me / EverBrighteller / FUNNY THINK
I Don't Like Mondays.
9mm Parabellum Bullet
ビッケブランカ
新しい学校のリーダーズ
ねぐせ。
Vaundy
Hakubi
HERE
小山田壮平
KNOCK OUT MONKEY
オレンジスパイニクラブ
ASIAN KUNG-FU GENERATION
WANIMA
chilldspot
Ivy to Fraudulent Game
People In The Box
NEE
秋山黄色
ADAM at
ポルカドットスティングレイ
竹内アンナ
the shes gone
HY
あいみょん
まなつ
POP ART TOWN
優里
アーバンギャルド
Amber's
緑黄色社会
Thom Yorke
椎名林檎
怒髪天
- 2024.11.24
-
NANIMONO
打首獄門同好会
DENIMS
SPECIAL OTHERS ACOUSTIC
ザ50回転ズ
キュウソネコカミ
LONGMAN
四星球
安藤裕子
Conton Candy
back number
Bray me / EverBrighteller / FUNNY THINK
ウソツキ
9mm Parabellum Bullet
新しい学校のリーダーズ
リュックと添い寝ごはん
FIVE NEW OLD
SHE'S
Vaundy
Umisaya
fhána
シノダ(ヒトリエ)
People In The Box
HERE
大森靖子
AIRFLIP
ASIAN KUNG-FU GENERATION
WANIMA
ずっと真夜中でいいのに。
Mega Shinnosuke
リアクション ザ ブッタ
SpecialThanks
Half time Old
HY
あいみょん
YOUR ADVISORY BOARD
泣き虫☔︎
優里
フレンズ
the quiet room
Thom Yorke
椎名林檎
- 2024.11.25
-
Age Factory
安藤裕子
シノダ(ヒトリエ)
KANA-BOON
フレデリック
BUMP OF CHICKEN
- 2024.11.26
-
Age Factory
SUPER BEAVER
PEDRO
SIX LOUNGE
神はサイコロを振らない
煮ル果実
Thom Yorke
BUMP OF CHICKEN
ハンブレッダーズ
The Novembers
(sic)boy
ストレイテナー
ヤングスキニー
THE YELLOW MONKEY
にしな
- 2024.11.27
-
新しい学校のリーダーズ
PEDRO
LAST DINOSAURS / ego apartment
ハンブレッダーズ
まなつ
Jamie xx
雨のパレード
詩羽(水曜日のカンパネラ)
go!go!vanillas
ヤングスキニー
にしな
- 2024.11.28
-
MOROHA
Age Factory
新しい学校のリーダーズ
DYGL
煮ル果実
SIX LOUNGE
まなつ
アンと私
挫・人間
秋山黄色
w.o.d.
マルシィ
終活クラブ
BURNOUT SYNDROMES
Cö shu Nie
フィルフリーク
シノダ(ヒトリエ)
go!go!vanillas
a flood of circle
KANA-BOON
- 2024.11.29
-
離婚伝説
CVLTE
Age Factory
SHE'S
ずっと真夜中でいいのに。
BLUE ENCOUNT
フィロソフィーのダンス
OKAMOTO'S
DYGL
NEE
Lucky Kilimanjaro
神聖かまってちゃん
Ivy to Fraudulent Game
小山田壮平
tacica
秋山黄色
w.o.d.
ねぐせ。
Dear Chambers
アンと私
the dadadadys
挫・人間
ASIAN KUNG-FU GENERATION
NANIMONO
にしな
Hello Hello
吉澤嘉代子
PIGGS
パピプペポは難しい
TK from 凛として時雨
a flood of circle
BREIMEN
ヤユヨ
CIVILIAN
DOES
East Of Eden
シド
岸田教団&THE明星ロケッツ
ANABANTFULLS
三浦透子
- 2024.11.30
-
back number
NEE
ポルカドットスティングレイ
大森靖子
SHE'S
ずっと真夜中でいいのに。
OKAMOTO'S
tacica
SPECIAL OTHERS ACOUSTIC
フィロソフィーのダンス
SWANKY DOGS
the shes gone
ヤングスキニー
Aimer
リアクション ザ ブッタ
ストレイテナー
ズーカラデル
ウソツキ
Newspeak
9mm Parabellum Bullet
ねぐせ。
BLUE ENCOUNT
moon drop
Cö shu Nie
ASIAN KUNG-FU GENERATION
Conton Candy
椎名林檎
Vaundy
MYTH & ROID
Hakubi
This is LAST
崎山蒼志 / MONO NO AWARE / 荒谷翔大 / 家主 ほか
GANG PARADE
BiS / KNOCK OUT MONKEY / パピプペポは難しい / LEEVELLES ほか
須田景凪
フラワーカンパニーズ
フレデリック
LiSA
なきごと
Machico
"ビクターロック祭り2024"
- 2024.12.01
-
back number
reGretGirl
Lucky Kilimanjaro
大森靖子
OKAMOTO'S
SIX LOUNGE
SPECIAL OTHERS ACOUSTIC
フィロソフィーのダンス
Ivy to Fraudulent Game
Aimer
MOROHA
Helsinki Lambda Club
リアクション ザ ブッタ
ストレイテナー
THE YELLOW MONKEY
DENIMS
LACCO TOWER
9mm Parabellum Bullet
NANIMONO
ハク。
fhána
オレンジスパイニクラブ
the shes gone
Vaundy
Hakubi
さめざめ
ベランダ
GOOD ON THE REEL
秋山黄色
須田景凪
I Don't Like Mondays.
the quiet room
Laughing Hick
PEDRO
LiSA
indigo la End
- 2024.12.02
-
Saucy Dog
スカート
挫・人間
chilldspot
RAY×BELLRING少女ハート
- 2024.12.03
-
Saucy Dog
ヤングスキニー
リーガルリリー
SHE'S
LONGMAN
キュウソネコカミ
まなつ
ASH DA HERO / POLYSICS
IMAGINE DRAGONS
Age Factory
Amber's
SUPER BEAVER
- 2024.12.04
-
ASIAN KUNG-FU GENERATION
神聖かまってちゃん
The Ravens
go!go!vanillas
リーガルリリー
PEDRO
Galileo Galilei
ASH DA HERO / POLYSICS
SIX LOUNGE
マカロニえんぴつ / SAKANAMON / ヤユヨ ほか
DYGL
NEE
点染テンセイ少女。
SUPER BEAVER
RELEASE INFO
- 2024.11.22
- 2024.11.23
- 2024.11.27
- 2024.12.04
- 2024.12.06
- 2024.12.11
- 2024.12.13
- 2024.12.18
- 2024.12.20
- 2024.12.25
- 2024.12.27
- 2024.12.28
- 2025.01.06
- 2025.01.08
- 2025.01.10
- 2025.01.15
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
PEDRO
Skream! 2024年11月号