Japanese
indigo la End
Skream! マガジン 2020年03月号掲載
2020.01.31 @中野サンプラザ
Writer 沖 さやこ Photo by 鳥居洋介
indigo la Endというバンドは、この10年間の活動で様々な節目が存在しつつも、そのどれもがターニング・ポイントや集大成というよりは地続きで、そのたびに"今まで"と"これから"をしっかりと結んでいくように、歴史を積み重ねてきたバンドだと思う。それは1月31日の中野サンプラザ公演でも同様だった。メジャー5thフル・アルバム『濡れゆく私小説』のリリース・ツアーのファイナル公演というよりは、indigo la Endの核心を、サポート・メンバーを含めた6人で丁寧に表現していくことに注力する、ただただ非常に厳かで繊細で、純粋な時間が存在していた。
徐々に"蒼"が濃くなるイメージでセットリストが組まれた"蒼の音"、1曲目は「渚にて幻」。暗闇に浮かび上がる青白い光とスモークの中、会場を突き抜けるメロディとレーザーがゆったりと舞う様子は、水平線がぼやけた海岸の上をカモメが飛んでいるようだ。幻想的な空間からピアノのインタールードを経て「夏夜のマジック」へ。ステージ上の6人の姿は霞んで見える程度。優しく揺れる虹色のレーザーと、ハンドマイクで歌う川谷絵音のシルエットは、夢の世界へと誘うようであった。
だが、数曲を経て、"これは夢ではない。川谷の人生や心情の瞬間を切り取った音と言葉で彩られた空間だ"と気づく。それは『濡れゆく私小説』という作品はもとより、indigo la Endにおいてのソングライティングとも密接な関係にある。柔らかさと緊迫感、悲しみと優雅さ――川谷自身の心の奥にある想いを極限まで麗しく、しなやかに残せるのが、indigo la Endというバンドなのだろう。ステージに立つ6人は、個々の美学をもって、楽曲の中心を目がけて泳いでゆく。MCなし、次々と途切れず、連なっていく楽曲たち。川谷の心の中に迷い込むような、彼の記憶や心情が自分の中から湧き起こるような、不思議な感覚に陥っていった。
「忘れて花束」では静と動を華やかに描き、「心ふたつ」では零れ落ちる、手から離れるような喪失感が潤いを帯びていくよう。「ほころびごっこ」のどこかシニカルでほのかなダウナー感は、天才の孤独をひしと感じさせた。ライヴでポテンシャルを発揮する、繊細なタッチのプレイが重要なミディアム・ナンバー「アリスは突然に」は、この日のアレンジや一糸乱れぬ連携、ピュアで透明感のある歌声が三位一体となり、実に見事だった。
バンドが深い場所へと入り込めば入り込むほど、観客もその中へと巻き込まれてゆく。「蒼糸」をじっくりと聴かせたあとピアノが入り、川谷がギターをおもむろに爪弾き、そこに長田カーティス(Gt)が静かに音を重ねて幕を開けた「通り恋」では、悲しさと愛しさが表裏一体となり溢れ出していった。想いは込み上げれば込み上げるほど、相反する感情を連れてくる。だからこそ、心に深く染み、忘れられないものになる――本編ラストの「幸せが溢れたら」はそんな物語のエンドロールのように、切なく穏やかに響き渡った。
アンコール1曲目は、川谷が"蒼というテーマでまず思い浮かんだ曲"と話した「抱きしめて」。"抱きしめてよ/心と心が重なるくらい"という歌詞は、観客がindigo la Endという生命体の深淵へと落ちていくような、この日を象徴するラインだった。この10年について"メンバーも定まらなかったり、ライヴをしても相手に響かなかったり、悔しい想いをたくさんしたんですけど、つまらないと思ったことはなかった"と話す川谷は、現在のメンバーで演奏と制作ができる喜びを語ると、"マイペースだけど、これからもみなさんを楽しませられるように頑張りたい"と凛とした面持ちを浮かべた。最後「Play Back End Roll」のアウトロで、光の中で演奏に没頭する6人の姿が今も脳裏に焼きついている。それはそれは瑞々しくて輝かしい夜明けの瞬間のような、この日一番の深い蒼だった。
- 1
LIVE INFO
- 2025.04.14
-
YONA YONA WEEKENDERS
ELLEGARDEN × FEEDER
- 2025.04.17
-
柄須賀皇司(the paddles)
XIIX
yama
KANA-BOON
ELLEGARDEN × FEEDER
SUPER BEAVER
The Ravens
君島大空
KIRINJI
Mirror,Mirror
androp
東京初期衝動
村松 拓(Nothing's Carved In Stone/ABSTRACT MASH/とまとくらぶ)
- 2025.04.18
-
超☆社会的サンダル
THE KEBABS
藤巻亮太
Maki
Omoinotake
THE LAST DINNER PARTY
緑黄色社会
THE ORAL CIGARETTES
yama
never young beach
曽我部恵一
FUNKIST
androp
indigo la End
"I ROCKS 2025 stand by LACCO TOWER"
あっこゴリラ
THE BACK HORN
- 2025.04.19
-
"ジゴロック2025"
MAN WITH A MISSION
フラワーカンパニーズ
GANG PARADE
ねぐせ。
サカナクション
"IMPACT! XXII"
WANIMA
眉村ちあき
ヤバイTシャツ屋さん / SUPER BEAVER / ストレイテナー / アルカラ ほか
THE YELLOW MONKEY / UVERworld / シンガーズハイ / yutori ほか
never young beach
原因は自分にある。
THE ORAL CIGARETTES
古墳シスターズ
THE BAWDIES
FINLANDS
sumika
ずっと真夜中でいいのに。
ゴキゲン帝国
太田家
Base Ball Bear × ART-SCHOOL
FUNKIST
HY
PIGGS
BRADIO
須田景凪
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
"I ROCKS 2025 stand by LACCO TOWER"
- 2025.04.20
-
片平里菜
"ジゴロック2025"
chef's
眉村ちあき
緑黄色社会
サカナクション
ビレッジマンズストア
fox capture plan
This is LAST
NOT WONK
古墳シスターズ
10-FEET / フラワーカンパニーズ / 四星球 / くるり / Hakubi ほか
UVERworld / Novelbright / TOOBOE ほか
原因は自分にある。
藤巻亮太
go!go!vanillas
NakamuraEmi
HY
sumika
indigo la End
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
THE BACK HORN
ずっと真夜中でいいのに。
THE LAST DINNER PARTY
SCOOBIE DO
BRADIO
吉澤嘉代子
"I ROCKS 2025 stand by LACCO TOWER"
moon drop
- 2025.04.21
-
THE KEBABS
クジラ夜の街×ルサンチマン
SANDAL TELEPHONE
- 2025.04.22
-
片平里菜
SUPER BEAVER
THE KEBABS
HINDS
Saucy Dog
THE YELLOW MONKEY
NANIMONO × バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
暴動クラブ
- 2025.04.24
-
PEDRO
柄須賀皇司(the paddles)
片平里菜
阿部真央×大橋卓弥(スキマスイッチ)
indigo la End
w.o.d.
BIGMAMA / cinema staff
THE KEBABS
yama
藤巻亮太
- 2025.04.25
-
古墳シスターズ
FUNKIST
そこに鳴る
w.o.d.
Keishi Tanaka
fox capture plan
chef's
ラブリーサマーちゃん
それでも世界が続くなら
斉藤和義
yama
the shes gone
Laughing Hick
ビレッジマンズストア
- 2025.04.26
-
CYNHN
Keishi Tanaka
阿部真央×大橋卓弥(スキマスイッチ)
sumika
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
Novelbright
ヤバイTシャツ屋さん / 打首獄門同好会 / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / キュウソネコカミ ほか
FUNKIST
"ARABAKI ROCK FEST.25"
GANG PARADE
サカナクション
渡會将士
"nambar forest'25"
INORAN
ACIDMAN
Laura day romance
Bimi
Subway Daydream
Bray me
FINLANDS
WANIMA
Omoinotake
柿沼広也 / 金井政人(BIGMAMA)
古墳シスターズ
ハシリコミーズ
THE BAWDIES
斉藤和義
Panorama Panama Town
Ado
MyGO!!!!! × Ave Mujica
村松利彦(Cloque.) / まやみき(ank) / るい(TEAR) ほか
RAY
This is LAST
- 2025.04.27
-
原田郁子(クラムボン)
Keishi Tanaka
sumika
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
BLUE ENCOUNT / SUPER BEAVER / 四星球 / ENTH ほか
The Ravens
FUNKIST
"ARABAKI ROCK FEST.25"
THE KEBABS
GANG PARADE
ヒトリエ
緑黄色社会
サカナクション
"nambar forest'25"
Bray me
FINLANDS
Ayumu Imazu
渡會将士
Bimi
HY
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
オニザワマシロ(超☆社会的サンダル) / 名雪(Midnight 90's)
Subway Daydream
THE BAWDIES
fox capture plan
トゲナシトゲアリ×ダイヤモンドダスト
Ado
MyGO!!!!! × Ave Mujica
- 2025.04.29
-
sumika
fox capture plan
10-FEET / THE ORAL CIGARETTES / 04 Limited Sazabys / Maki ほか
眉村ちあき
とまとくらぶ
FUNKIST
Omoinotake
ねぐせ。
大橋ちっぽけ
The Ravens
Ochunism
ずっと真夜中でいいのに。
フラワーカンパニーズ
超☆社会的サンダル
HY
mudy on the 昨晩
WANIMA
yutori
荒谷翔大 × 鈴木真海子
Newspeak
"JAPAN JAM 2025"
GANG PARADE
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
Laura day romance
amazarashi
RELEASE INFO
- 2025.04.15
- 2025.04.16
- 2025.04.17
- 2025.04.18
- 2025.04.21
- 2025.04.23
- 2025.04.25
- 2025.04.26
- 2025.04.28
- 2025.04.30
- 2025.05.02
- 2025.05.03
- 2025.05.07
- 2025.05.09
- 2025.05.14
- 2025.05.16
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
Bimi
Skream! 2025年04月号