Japanese
indigo la End
Skream! マガジン 2015年09月号掲載
2015.07.31 @渋谷公会堂
Writer 沖 さやこ
"育む"――そんなライヴだったと思う。2015年、indigo la Endは新体制で春のツアーを回り、ファイナルでサポート・ドラムであった佐藤栄太郎の正式加入を発表する。そして6月に現在のメンバーでは初作品となるシングル『悲しくなる前に』をリリースし、7月にホール・ツアー"ナツヨのマジック"を5都市6会場で行った。彼らはこのツアーで"この4人が揃った"という喜びの先に行っていたのだ。この先もこのバンドが長く健やかに成長するために、4人が1曲1曲でindigo la Endという個性や存在を確かめているように見えた。ゆえにこの渋谷公会堂公演は、彼らの内に秘めた精神性に触れるような、心の奥が焚きつけられるファイナルだった。
『悲しくなる前に』のカップリング曲「夏夜のマジック」のMVを用いたオープニング・ムービーとSEを経て、メンバー4名とコーラス2名が登場する。1曲目「瞳に映らない」のイントロと川谷絵音(Vo/Gt)の歌い出しが響いた途端、会場の空気がわっと華やぎ、クラップと大歓声が沸いた。空を飛ぶように心地いい長田カーティスのギター、歌うようにベースを弾く後鳥亮介、そんな色鮮やかなindigo la Endの音像の枠組みを巧みに変化させながら表情を作る佐藤のドラム。ステージにいる6人が作る音は、それぞれの個性がありつつも非常に調和が取れている。「夜汽車は走る」では激しさと繊細さを持つ長田のギター・ソロが舞い、佐々木みおと服部恵津子の2名のコーラス隊のハーモニーがそこにさらに彩りを添えた。後鳥は観客にクラップを促すなど、楽しんでもらうための配慮を忘れない。序盤はシングル曲やリード曲でゆっくりと会場をindigo la Endの世界へ染めてゆく。
川谷が"今日を楽しみに来ました。みなさんも最後まで楽しんでいってください"と告げると「ワンダーテンダー」。美しさの中に滲む焦燥感が生々しい。続いてドラム・ソロを挟んで『悲しくなる前に』収録の「渇き」へ移ると、ダイナミックで前のめりな佐藤のドラムが先程までの焦燥を誘発するように、ムードはシリアスへと表情を変えてゆく。佐藤のドラムに後鳥のスラップが入り、そこに長田と川谷のギターも重なって、変拍子と変調が効いたメロディが印象的な「billion billion」。レーザーや背景の映像もスリリングで、照明演出も暗闇で包んだかと思うと、ふとした瞬間に客席までも明るくなるなど、巧みに現実と非現実を作り出す。緊迫感のあるポエトリー・リーディング・トラック「まなざしの予感」を挟み、衝動的なバンド・サウンドで攻める「実験前」へ。序盤が喜怒哀楽の"喜"ならば、このセクションは"怒"だろうか。心の奥で燃え盛る感情が音になっているようだ。アウトロのバトルさながらの轟音は、メンバーそれぞれが熱い演奏で魅せる。言葉にならぬ想いが爆発する、内に溜まっていたものをすべて吐き出すような赤裸々な音だった。
中盤には切ないミディアム・テンポの「彼女の相談」、夕焼けの中にひとりぼっちで佇むような感覚に陥る「染まるまで」と、感傷的な楽曲を続けた。喜怒哀楽の"哀"。どうにもならない行き場のない感情が嘆くような「心ふたつ」から「幸せな街路樹」の流れは、堪えていた想いが溢れだして泣きじゃくるようだった。命を削るように音を出す4人から、目を離すことができなかった。生きるとは命懸けであり、indigo la Endにとって音楽は生きることと同義なのだ。その命の炎を絶やさないためにも、彼らは今、indigo la Endというバンドを4人で育てている最中なのだろう。ひとつひとつの音に、痛いくらいの真摯な愛が通っていたのだ。
川谷はMCで"CDの音にこだわっている"という話をした。彼はCDで音楽を聴くのが好きだという。"ちゃんとCDで聴くと心に残る""僕自身もCDを買うと何回も聴くし"と自身の経験談を語ると、再び"CDを買って欲しい"とまっすぐ告げた。そして"それじゃあ新しい曲を"と川谷が言い、佐藤のドラムのイントロが印象的な「悲しくなる前に」を披露すると、たちまち場内が花開くように輝いた。喜怒哀楽の"楽"だ。ピュアな空気がグルーヴを生んだメジャー・デビュー作『あの街レコード』の1曲目である「夜明けの街でサヨナラを」のあとは、indigo la Endの初の全国流通盤『さようなら、素晴らしい世界』のリード曲「緑の少女」。この曲をホール・ワンマンで聴けるのはかなり感慨深い。無垢と成熟、悲しみとポップ、明と暗、陽と陰、静と動、穏やかさと激しさ――メンバー・チェンジはあれど、indigo la Endは常に相反するものをどちらも持っているバンドだ。そのコントラストが描く景色に見とれてしまう。恋をしたときの、切なさとときめきがない交ぜになるあの感覚に似ているから、好きな人を目で追ってしまうように、彼らの音楽を見つめていたいと思うのだ。ラストの「名もなきハッピーエンド」は一面の花畑を転がるような、夢のような心地よさだった。
アンコールでは9月にリリースする両A面シングル『雫に恋して/忘れて花束』から「雫に恋して」を初披露、ラストはバンドの革命的な曲と言っていい、ツアー・タイトルにもなった「夏夜のマジック」。川谷のファルセットも崇高で、サビで手のひらを掲げる彼と同じように、観客も彼に手のひらを向けた、その光景がとても胸に残った。あのとき、彼の手のひらと観客ひとりひとりの手のひらは重なっていたと思う。物理的な距離を感じさせない、通い合う想い――もしかしたらこれも"夏夜のマジック"なのだろうか。でもこの想いは"今夜だけのマジック"ではない。これからも続く、indigo la Endの音楽だけが持ち得るマジックなのだ。
- 1
LIVE INFO
- 2025.02.08
-
神聖かまってちゃん
bokula.
tacica
9mm Parabellum Bullet
米津玄師
Czecho No Republic
フラワーカンパニーズ ※開催延期
Dear Chambers
四星球
UNISON SQUARE GARDEN
ビレッジマンズストア
I Don't Like Mondays.
FUKUSHIGE MARI(ゲスの極み乙女)
wacci
夜の本気ダンス
kobore
AYANE
tricot
ASP × 豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL
SpecialThanks
ストレイテナー
go!go!vanillas ※開催延期
め組
OKAMOTO'S
mzsrz
片平里菜
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
眉村ちあき
MAROON 5
BLUE ENCOUNT
Charisma.com
Cloudy
- 2025.02.09
-
ラックライフ
moon drop
the paddles
tacica
9mm Parabellum Bullet
w.o.d.
米津玄師
フラワーカンパニーズ ※開催延期
Dear Chambers
プランクスターズ
kobore
Czecho No Republic
ブランデー戦記
ビレッジマンズストア
東京初期衝動
I Don't Like Mondays.
CYNHN
ヤングスキニー
怒髪天
SpecialThanks
ストレイテナー
a flood of circle
OKAMOTO'S
さとうもか
FUKUSHIGE MARI(ゲスの極み乙女)
眉村ちあき
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
the quiet room
上白石萌音
PIGGS
マルシィ
Keishi Tanaka / TAXMAN(THE BAWDIES)/ 谷川正憲(UNCHAIN) ほか
FOUR GET ME A NOTS × HOTSQUALL
片平里菜
Panorama Panama Town
the telephones ※振替公演
mol-74
Hedigan's
Rei
MAROON 5
ADAM at
"響姫祭2025東京"
- 2025.02.11
-
マリンブルーデージー
WANIMA × MONGOL800
怒髪天
くるり
Czecho No Republic
フラワーカンパニーズ ※開催延期
w.o.d.
tacica
OKAMOTO'S
ラックライフ
LEGO BIG MORL
kobore
a flood of circle
THE ORAL CIGARETTES
Dios
Hedigan's
THE YELLOW MONKEY
SILENT SIREN
Dear Chambers
東京初期衝動
リアクション ザ ブッタ
Porter Robinson
フレデリック
ANABANTFULLS
MYTH & ROID
女王蜂
ビレッジマンズストア
WONK
the paddles
No Buses
ヤングスキニー
片平里菜
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
fox capture plan
KiSS KiSS × BiTE A SHOCK
bokula.
GOOD BYE APRIL
アイナ・ジ・エンド
Creepy Nuts
神はサイコロを振らない
RAY
- 2025.02.12
-
マカロニえんぴつ
WANIMA × MONGOL800
kobore
TOOBOE × Chevon
マルシィ
あいみょん
Porter Robinson
WtB
UNISON SQUARE GARDEN
- 2025.02.13
-
マカロニえんぴつ
a flood of circle
w.o.d.
フラワーカンパニーズ
あいみょん
Dios
怒髪天
ユアネス
ExWHYZ × 春ねむり
UNISON SQUARE GARDEN
Geordie Greep(BLACK MIDI)
- 2025.02.14
-
SILENT SIREN
go!go!vanillas
OKAMOTO'S
THE YELLOW MONKEY
Porter Robinson
w.o.d.
SAKANAMON / the quiet room / SPRINGMAN / pachae
Dios
Vaundy
Geordie Greep(BLACK MIDI)
Maica_n
ONIGAWARA
MAYKIDZ
おいしくるメロンパン
ChroniCloop
- 2025.02.15
-
I Don't Like Mondays.
眉村ちあき
osage
go!go!vanillas
OKAMOTO'S
THE ORAL CIGARETTES
a flood of circle
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
moon drop
"ブクロック!フェスティバル2025"
ブランデー戦記
BIGMAMA
the paddles
Geordie Greep(BLACK MIDI)
米津玄師
Vaundy
SAKANAMON / the quiet room / chef's / SPRINGMAN
サカナクション
Hedigan's
kobore
FUKUSHIGE MARI(ゲスの極み乙女)
あっす〜(おこさまぷれ~と。)
MYTH & ROID
清 竜人25
LACCO TOWER
Plastic Tree
THE BACK HORN
SIGUR RÓS
CYNHN
ストレイテナー
め組
- 2025.02.16
-
I Don't Like Mondays.
Dios
眉村ちあき
アイナ・ジ・エンド
OKAMOTO'S
osage
a flood of circle
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
女王蜂
moon drop
4s4ki
Hedigan's
Geordie Greep(BLACK MIDI)
w.o.d.
米津玄師
さとうもか
夜の本気ダンス
kobore
センチミリメンタル
CYNHN
サカナクション
RAY
PIGGS
polly
saji
豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL × BiTE A SHOCK
SIGUR RÓS
Lucky Kilimanjaro
- 2025.02.17
-
THE ORAL CIGARETTES
UNISON SQUARE GARDEN
- 2025.02.18
-
Geordie Greep(BLACK MIDI)
ぜんぶ君のせいだ。 × Not Secured,Loose Ends
マルシィ
UNISON SQUARE GARDEN
a flood of circle
女王蜂
Dios
BIGMAMA
- 2025.02.19
-
マカロニえんぴつ
Homecomings
大塚紗英
Saucy Dog
- 2025.02.21
-
四星球
w.o.d.
米津玄師
ZOCX
YAJICO GIRL
Halujio
moon drop
センチミリメンタル
GREEN DAY
Aimer
映秀。
パスピエ × Aooo
夜の本気ダンス
- 2025.02.22
-
ビレッジマンズストア
おいしくるメロンパン
四星球
kobore
Vaundy
リアクション ザ ブッタ
OKAMOTO'S
ラックライフ
SILENT SIREN
osage
くるり
WtB
大原櫻子
MYTH & ROID
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
映秀。
THE BACK HORN
tacica
Aimer
MAN WITH A MISSION
ザ・ダービーズ
"ブクロック!フェスティバル2025"
4s4ki
go!go!vanillas
さとうもか
THREE1989
eastern youth
片平里菜
DENIMS / 大黒摩季 / Ryu Matsuyama(O.A.)ほか
藍坊主
Czecho No Republic / YONA YONA WEEKENDERS / CHIANZ ほか
LEGO BIG MORL
wacci
アーバンギャルド
9mm Parabellum Bullet
RELEASE INFO
- 2025.02.10
- 2025.02.12
- 2025.02.14
- 2025.02.15
- 2025.02.19
- 2025.02.24
- 2025.02.26
- 2025.02.27
- 2025.02.28
- 2025.03.01
- 2025.03.05
- 2025.03.07
- 2025.03.12
- 2025.03.14
- 2025.03.19
- 2025.03.26
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
ヒトリエ
Skream! 2025年01月号