Japanese
ヒトリエ
2022年07月号掲載
Member:シノダ(Vo/Gt) イガラシ(Ba) ゆーまお(Dr)
Interviewer:秦 理絵
ロックって暴力的だったり、速くて強い、みたいなものが根底にあるけど――聴き手側がそこに優しさとか美しさを感じてるだけなんです
-聴き手を選ばずに届きそうな曲というと、シティ・ポップっぽい「strawberry」なんかは、例えば、「みんなのうた」で流れていそうな耳に残る歌ですよね。
シノダ:うん。「みんなのうた」っていうのが今回のテーマかもしれないです。そういう意味で、「strawberry」と「ゲノゲノゲ」は同列なんですよ。
-曲調は全然違うのに?
シノダ:要は、どうやったら聴いてもらえるか? というのを考えたときに、1回聴いたら忘れられないメロディを作るしかないんだって、そこに行き着いたんですね。「curved edge」(2020年リリースのデジタル・シングル)とか「ハイゲイン」(『REAMP』収録曲)とか「3分29秒」では手ぬるかったところ、まだ到達しなかったところに対して、これならどうだ! って作ったのが「ゲノゲノゲ」だったんです。
-メロディの中毒性がすごい曲です。
シノダ:ここまでやったら文句ないだろうっていうぐらい、とにかく覚えやすい音楽を作ったんですよ。「strawberry」はその余波で生まれた感じですね。A、B、サビっていう概念じゃなくて、トータルとして覚えてもらいたいなと思って。
-一般的な曲であれば、まずサビが一番インパクトに残るけれど、そうじゃない。
シノダ:そもそもA、B、サビの概念がない曲のほうが歌謡曲として正しいと思うんです。童謡にA、B、サビとかないじゃないですか。それぐらいの曲を作りたかった。「ゲノゲノゲ」はsyrup16gの「Reborn」みたいなイメージです。あれって、どこがAだかBだかわからない名曲じゃないですか。そういうものを目指したいなって。
イガラシ:曲を作ってるときは、シノダがメロディに対してそこまで向き合ってるとは思ってなかったんですけど、特に「ゲノゲノゲ」とかは、何がキャッチーか? って考えてるんだろうなというのは受け取ってました。そういう曲なのに、逆に1コードで押し切ってるところが、僕は歪で好きなんです。
-たしかに「ゲノゲノゲ」も、「strawberry」も、メロディを際立たせた曲にしようと思うと、オケがシンプルになりがちなんだけど、そうじゃないのが面白いですよね。
シノダ:もっと音楽を聴けっていう気持ちが強くなってるかもしれないです。そのために最後まで聴かせる工夫が必要だったんですよ。僕は、音楽はこうじゃなくちゃいけなくて、みたいな風説を本当に憎んでるので。「ゲノゲノゲ」はこれでもかって言うぐらいギターを目立たせてやったし、「strawberry」はこれでもかっていうぐらい汚いギター・ソロを入れてやりました。苛立ちのベクトルをそういう方向にぶつけてるんですよね。
ゆーまお:「ゲノゲノゲ」の途中のソロとかも最初のデモから入ってたしね。
イガラシ:あそこはベースを弾く感覚からすると、不自然なことを急に差し込んでるんですよ。サンプリングっぽい掛け合いになってて。ああいうのはシノダのアイディアですね。
ゆーまお:あと、最近のシノダはスネアにバック・ビートさせない曲が多いんですよ。他の音で補ってるから聴くぶんには違和感はないと思うんですけど、バンドをやってて、そういう経験はあんまりないので。「ゲノゲノゲ」もそういう曲です。
-ちなみに「strawberry」は別れの曲として書いたんですか? "ぼんやりとしていたら/はなればなれになってしまうよ/白い靴下みたいに"は詞的で素敵でした。
シノダ:いや、別れの歌のつもりではないですね。うだうだ、だらだらと暮らしている人たち、みたいなものかな。そういうやつらって自然とバラバラになってしまうんですよ。でも、この先のことを考えずにずっとだらだらと過ごしてる美しさ、楽しさもあるよなっていうことを考えながら作った曲でした。そういうのはいつか終わるけどねって。
-最後にアルバムを締めくくる「Quit.」について聞かせてください。イガラシさんが作曲を手がけた曲って、切なくて泣きたくなる曲調が多いんですよね。
シノダ:これはだいぶ泣かせるように作ったからね(笑)。
イガラシ:この曲は過渡期にいるような心境をイメージしてたんです。季節とか時間とか、何かが終わるときは、当然悲しかったり寂しかったりすると思うんですね。でも、それまでに経験したことが大好きだったら、それに対する感謝とか優しい気持ちも含まれてると考えてるんですよ。そういう複雑な感情がメロディになったらいいなと。
-それは歌詞を書くシノダさんには伝えたんですか?
イガラシ:伝えません。
シノダ:何も言われてないですね(笑)。
-でも、歌詞にちゃんと落とし込まれてますよね。
イガラシ:そう、だからびっくりしたんですよ。歌詞に"それでも君の夏が来る"って歌ってるけど、僕も夏の終わりをイメージして作ってましたから。
シノダ:こういう歌詞を書けば、イガラシが喜ぶのはわかってるのでね(笑)。何かに魅せられて、謎のスピード感に駆られて生きていく人たちって美しいよねと言ってあげたかったんですよ。それがロック・ミュージックのやることだと思うんです。僕はそういうふうに物事に対する情熱がピークみたいになる瞬間を夏って呼ぶんですよ。それが私にはもう来ないけれど、あなたには来るよっていうことを言いたかった曲です。
-なるほど。
イガラシ:あと、たまたまこの曲を録るタイミングで、FOO FIGHTERSのTaylor Hawkins(Dr)が亡くなったんですよね。彼が残してくれたものに対する愛情とか感謝みたいなものが、この曲でやりたかったことと一致してるなっていうのもあって。ゆーまおもTaylorのドラムが大好きなんですね。だから、ちょっと思い切ってTaylorをイメージしてぶっ叩いてくれない? みたいなことを言ったんです。
ゆーまお:うん、言われた。海外のロックって日本じゃ考えられないぐらいドラムの音がデカいんですよ。Taylorはそれの代名詞みたいなスーパー・ドラマーなので、あんなの真似するなんて絶対にできない。それはわかったうえで思いっきりやってみたんです。そしたら、どんなに思いっきり叩いても、ガチャガチャした音にならなかったんですよね。
イガラシ:ゆーまおはきれいに鳴らしちゃうから。
ゆーまお:ただ、ロックってそうだよねって思ったんですよ。暴力的だったり、速くて強い、みたいなものが根底にあるけど、聴き手側がそこに優しさとか美しさを感じてるだけなんです。そういう音像の仕上がりを見せたいなと思いましたね。そういう意味で非常にロックなドラムにはできたなって実感がある曲です。
-わかります。最初に"今回は優しいアルバムだと思った"と言いましたけど、それは最後の「Quit.」が持ってる神聖な包容力みたいなものの余韻も大きいんだと思います。
シノダ:たしかに。スタジアムが似合う曲にもなりましたね。
-アルバムのタイトルを"PHARMACY"にしたのは?
シノダ:まず語呂が良かったんですよ。意味は調剤薬局です。年始の話なんですけど、本当に精神状態が良くなかったんですね。ライヴでははっちゃけてましたけど、正直バンドマンとしてのバイタリティが下がってて。そこに不安を感じてたんです。でも、今回のアルバムを作っていくうちに回復したんですよ。その状態まで僕を導いてくれたアルバムっていう意味を込めての"PHARMACY"。なので、完全に僕の主観ですね。
-聴き手にもそういう役割を果たすアルバムになってほしいという願いはありますか?
シノダ:そうなればいいなぁっていうぐらいですかね。
-今回のアルバムにはバンドとして新しいチャレンジがたくさんあるけど、いつも人の孤独に寄り添ってきたヒトリエの在り方は変わっていない。そういう意味で、"PHARMACY"というタイトルはぴったりだなと思いました。
シノダ:そう受け取ってもらえると嬉しいです。わりとバンドってみんなそんなもんなんじゃないかなとも思うんですよ。これは人の言葉を借りますけど、ライヴっていうのは、音楽をやる人たちにとっても、聴く人たちにとっても、セラピーである。そういう表現があるように、音楽に癒しの側面があるのは僕らに限った話ではないと思うので。『PHARMACY』が特効薬ですよって言うのは驕りに近いというか、恐れ多い。
-だから、これは完全に自分にとっての主観のタイトルだと言ったんですね。
シノダ:そういうことです。
LIVE INFO
- 2024.04.19
-
フラワーカンパニーズ
崎山蒼志
Novelbright
tacica
BIGMAMA
LONGMAN
UNISON SQUARE GARDEN
the quiet room
SCANDAL
Creepy Nuts
moon drop
ヤングスキニー
吉澤嘉代子
ぜんぶ君のせいだ。/ 星歴13夜
w.o.d.
Hakubi
フィロソフィーのダンス
神聖かまってちゃん
ORCALAND
マカロニえんぴつ
いきものがかり
BREIMEN
愛はズボーン
LiSA
獅子志司
太田家
- 2024.04.20
-
ZAZEN BOYS
tacica
People In The Box
Novelbright
にしな
ReN
崎山蒼志
Base Ball Bear
KANA-BOON ※開催中止
ズーカラデル
MYTH & ROID
小山田壮平
愛はズボーン
挫・人間
ポップしなないで
ヒトリエ
フィロソフィーのダンス
神はサイコロを振らない ※中止または延期
ORCALAND
ドミコ
AJICO
セックスマシーン!!
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
ねぐせ。
Mr.ふぉるて
SEKAI NO OWARI
いきものがかり
ぜんぶ君のせいだ。/ TOKYOてふてふ / 星歴13夜 ほか
Aqilla
レイラ
綾野ましろ
サカナクション
私立恵比寿中学
SILENT SIREN
MAGIC OF LiFE
ザ・クロマニヨンズ
獅子志司
女王蜂
LiSA
片平里菜
sumika
odol
- 2024.04.21
-
indigo la End
People In The Box
BIGMAMA
原因は自分にある。
KANA-BOON ※開催中止
ReN
ハンブレッダーズ
ズーカラデル
Base Ball Bear
挫・人間
SCANDAL
TK from 凛として時雨
moon drop
LONGMAN
岡崎体育
THE BOYS&GIRLS
ASP
AIRFLIP
神はサイコロを振らない ※中止または延期
ゆいにしお
ドミコ
ドラマチックアラスカ / 夜の本気ダンス / 超能力戦士ドリアン / ヤバイTシャツ屋さん
ROF-MAO
東京初期衝動
マカロニえんぴつ
AJICO
SEKAI NO OWARI
吉澤嘉代子
サカナクション
愛はズボーン
私立恵比寿中学
Lucky Kilimanjaro
Organic Call
ザ・クロマニヨンズ
羊文学
This is LAST
sumika
- 2024.04.22
-
礼賛
THE BAWDIES
- 2024.04.23
-
BIGMAMA
フラワーカンパニーズ
神はサイコロを振らない
白昼堂々踊レ人類
- 2024.04.24
-
ReN
FINLANDS
UNISON SQUARE GARDEN
AJICO
BUMP OF CHICKEN
- 2024.04.25
-
フレンズ
a flood of circle
FINLANDS
SHIFT_CONTROL
UNISON SQUARE GARDEN
Bubble Baby
挫・人間
BUMP OF CHICKEN
神はサイコロを振らない
the shes gone
KANA-BOON ※開催中止
- 2024.04.26
-
四星球
ReN
The Ravens
フレンズ
a flood of circle
BREIMEN
ズーカラデル
愛はズボーン
Base Ball Bear
原因は自分にある。
Mr.ふぉるて
ザ・クロマニヨンズ
Maki
いきものがかり
Alstroemeria
Aqilla
超能力戦士ドリアン
yama
THE BOYS&GIRLS
LONGMAN
MOROHA
Rhythmic Toy World
Homecomings
ORCALAND
POPPiNG EMO
ヤングスキニー
SANDAL TELEPHONE
- 2024.04.27
-
ぜんぶ君のせいだ。/ 星歴13夜 / TOKYOてふてふ
ReN
TK from 凛として時雨
TRIANGLE 2024
People In The Box
ポップしなないで
"ARABAKI ROCK FEST.24"
BIGMAMA
SEKAI NO OWARI
ズーカラデル
KEYTALK / キュウソネコカミ / ポルカドットスティングレイ ほか
セックスマシーン!!
SAKANAMON
原因は自分にある。
BACK LIFT
リュックと添い寝ごはん
Base Ball Bear
SCANDAL
岡崎体育
the engy
豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL
Johnnivan
スカイピース
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
Novelbright
Amber's
THE YELLOW MONKEY
Ado
SPENSR
- 2024.04.28
-
ASP
眉村ちあき
ASH DA HERO
ポップしなないで
TRIANGLE 2024
SAKANAMON
ザ・クロマニヨンズ
People In The Box
"ARABAKI ROCK FEST.24"
SEKAI NO OWARI
ぜんぶ君のせいだ。/ 星歴13夜 / TOKYOてふてふ
The Ravens
Omoinotake
THE BOYS&GIRLS
MAIZURU PLAYBACK FES.2024
いきものがかり
MYTH & ROID
愛はズボーン
SCANDAL
超能力戦士ドリアン
忘れらんねえよ
"JAPAN JAM 2024"
ハシリコミーズ
礼賛
にしな
Ado
Laughing Hick
- 2024.04.29
-
ReN
fox capture plan
岡崎体育
TRIANGLE 2024
小山田壮平
ザ・クロマニヨンズ
シノダ(ヒトリエ)
リュックと添い寝ごはん
私立恵比寿中学
ゆいにしお
Creepy Nuts
眉村ちあき
ASIAN KUNG-FU GENERATION / THE ORAL CIGARETTES / Vaundy ほか
moon drop
MAIZURU PLAYBACK FES.2024
Age Factory
the shes gone / Ivy to Fraudulent Game / ドミコ / パスピエ ほか
ぜんぶ君のせいだ。/ TOKYOてふてふ / Not Secured,Loose Ends ほか
The Ravens
愛はズボーン
"JAPAN JAM 2024"
Novelbright
超能力戦士ドリアン
ヤユヨ
Poppin'Party × MyGO!!!!!
- 2024.04.30
-
I Don't Like Mondays.
シノダ(ヒトリエ)
藤巻亮太
君島大空
山内総一郎(フジファブリック)×斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN/XIIX)
フラワーカンパニーズ
- 2024.05.01
-
I Don't Like Mondays.
神はサイコロを振らない
ハンブレッダーズ
忘れらんねえよ
Rhythmic Toy World
アカシック
GRAPEVINE × Hedigan's
- 2024.05.02
-
サカナクション
君島大空
Novelbright
神はサイコロを振らない
ゆいにしお
Maki
RELEASE INFO
- 2024.04.19
- 2024.04.20
- 2024.04.21
- 2024.04.22
- 2024.04.24
- 2024.04.25
- 2024.04.26
- 2024.04.27
- 2024.05.01
- 2024.05.02
- 2024.05.03
- 2024.05.04
- 2024.05.05
- 2024.05.06
- 2024.05.07
- 2024.05.08
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
BREIMEN
Skream! 2024年04月号