Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

ぜんぶ君のせいだ。

2021年06月号掲載

ぜんぶ君のせいだ。

Member:如月愛海 征之丞十五時 甘福氐 喑 もとちか襲 雫ふふ メイユイメイ 个喆

Interviewer:吉羽 さおり

今ライヴをしていて、本当に背中が逞しくなったなって見ていることがある


-それぞれのキャラクターがより生きる曲ということで言うと今回「唯君論.」が再録として新たな形になったのも大きいですね。メンバーが増えたぶん、歌詞にも変化が生まれました。

如月愛海:長くなりましたね(笑)。その長くなったのも、単純に長くなったわけじゃなく、クセ! クセ!! クセ!!! っていう感じで長くなっていて。でもこれはぜん君。のすべてが詰まっている曲じゃないですか。賑やかな部分とか、それこそそれぞれの自己紹介の部分だったり、あとは後半にかけてエモく畳み掛ける部分だったり。1曲でもだいぶ満足感があって、お腹いっぱいになるくらいぜん君。が詰まっていて。

甘福氐 喑:7人の個性とクセ全開だもんね。

征之丞十五時:7人もいたらそれはお腹いっぱいになるね(笑)。

-しかもこの7人以外にもぜん君。の歴史とか、いろんなものを背負っていくような曲だから、なおさらお腹いっぱいになりますよ。

如月愛海:そうですね。でもこれで完結ですね。「唯君論.」、"論"と付いているくらいの曲なので。最初にリリースしたときに(2019年リリースの9thシングル『Antiiyours』収録)、これで完結するという思いだったものを、今回7人で本当に最終形として出せたので。そういう意味ではアルバムに入って良かったなって。すごくいい曲になったなって思います。

-その都度アップデートしてきた曲だとも思いますが、けど、歌うたびに意味が変わっていくような曲でもある感じですか。

如月愛海:本当にそうですね。最初は楽しい自己紹介ソングって始まって。以前は「唯君論。(ZKS EDIT)」としてライヴやツアーでの大事な場所、節目のときや大きな舞台でしかやらなかったんです。でも今は、7人と患いのことを歌った曲としてどんなところでもやる曲になったんです。本当にこのタイミングでしか出せないものになったし、また今ツアーを回っているタイミングで出せて良かったなって思います。

-そういうことでは、結構またライヴの定番曲っていうのが変わっている感じもあるんですか。

如月愛海:やっぱり7人にもなったし、全部見せたいじゃないですか。せっかく何十曲もある曲は全部見せたいので、それを節目節目でいろいろと入れたりしていますね。やってる曲自体は盛り上げ曲、エモい曲、ぜん君。を代表する曲は絶対外さずにやっているんですけど。その間では、遊びが激しい日があったり、情緒不安定な日があったり──

メイユイメイ:本当にエモい日があったり。

如月愛海:セットリストの組み方は変わりましたね。

-また、このアルバムでグッとくるのが最後にかけての3曲「あおはる」、「独唱無題」、「無題合唱」と初期の頃の曲が並ぶことです。

如月愛海:曲順は私たちが決めたものではなかったので、こうして並んだ意図というのはわからないですけど、私たち自身、昔を忘れていないというのは伝えられるかなと思います。大事な曲で。「独唱無題」を初めて披露したのが、2016年末に初めて恵比寿LIQUIDROOMでやったライヴだったんですけど、その日はごもち(成海5才)が脱退するとなったライヴで、咎憐无が加入した日だったんです。その時代を思い出すような曲で、前回のツアー"re:voke tour for 47"の最終日(※振替公演を除く)にLIQUIDROOMでこの曲をやったときも、当時を知ってる人たちからすると、"え?"っていうか。

-この曲をここでやるのかっていう。

如月愛海:いろんな意味で感情を揺さぶった曲になったんじゃないかなって。7人でこの「独唱無題」を披露して、今もライヴで何度かやっているんですけど、思いは当時からずっと一緒なんですよね。それをこの7人でもできているのがすごいなって思っていて。みんなそれができる子たちだから。ライヴをしていても楽しいです。

-改めて、こうした初期の曲は初期ならではの繊細さや柔らかさが引き立ちますね。「無題合唱」はどうですか。

雫ふふ:「無題合唱」は、5人になって最初の47都道府県ツアー"re:voke tour for 47"の初日、Zepp DiverCity(TOKYO)のステージから歌っていて。そのときは、不安だったし、不安定な声で、今聴いても消えそうな声をしているんですけど。今は伝えたい人を思い浮かべて、強く歌えるというか。どれだけ泣いていても、声が震えていても、ちゃんと声を出すぞ、みたいな気持ちで歌えるようになりました。そういう面では、成長をした声で歌えているのかなって思います。

-メンバーが変わりながらも、こういう初期の曲が今も歌われていくことは、患いさんたちにとっても思い入れが深くなりますね。

征之丞十五時:曲が生き続けていくということですしね。

メイユイメイ:今の7人で、この曲がこの再録『Q.E.D.bi』の最後の曲になって。もちろん歌を聴くとグループを去っていった人のことを考えたりして寂しい気持ちとかもあるんですけど、それよりも、今の7人では、もう離さないよっていう感じが強く出ている気がしているのが、いいなって思う。

如月愛海:そういえば、5人体制となって"re:voke tour for 47"をするにあたって、ライヴ用、自分たちが聴くためだけにこの「無題合唱」を録っていたんです。それを聴いて、この7人で歌ったのを改めて聴いたときすごく変化があって。まだ半年も経ってない間にも、その変化がすごく伝わってきたんですよね。みんなの成長がわかるし、より強く歌っているのが伝わるから。今ライヴをしていて思うんですけど、本当に背中が逞しくなったなぁって見ていることがあるんですよね(笑)。それもあって、7人でこうして新しく「無題合唱」を出せたのは嬉しいですね。

-やっぱりライヴで歌っていくにつれて、患いさんたちと一緒に、これまでの歴史を思いながらも、また新たに作り上げていくんだというのをやっているんでしょうね。

如月愛海:しかもライヴをしていると、愛が生まれるんですよね、今この人がいなかったら嫌だとか。例えば患いさんでも、最前列にいる自分を推してくれている人とか、箱推しの人もそうだけど、その人がいなかったらこういうことも思えなかったかもしれないし。そういうことが、みんなライヴを通じてわかってくるじゃないですか。そういう思いがちゃんと出ているなって思います。

-では、今回の『Q.E.D.bi』でそれぞれ思い入れが深い曲や、新たにこんな思いが加わったなという曲などはありますか。

征之丞十五時:十五時は、「Cult Scream」の台詞部分で、これまではよっちゃん(一十三四)が歌っていたところをやることになって。十五時はレコーディングでライヴ感を出すのがすごく苦手なタイプだったから、最初にその歌詞割を貰ったときに、大丈夫かなって思って。家で動きながら練習をしたり、ライヴをイメージしながらレコーディングをしたりして。それでもブースでは"もっとここはこうして"っていうのもあったし、何回も何回もやって一番苦労しましたね。しかも、歌い出しという大事なパートでもあったので、戦っているようなレコーディングでした。

如月愛海:あれは難しいよね。

もとちか襲:今、十五時が言っていたみたいにレコーディングでは、感情を全部乗せ切るのが難しいことを実感しますね。レコーディングではどうしても歌に集中してしまって。それも大事なんですけど、感情を持っていくのが難しかった。

-レコーディングのヴォーカル・ブースでひとりでテンションを高めるのはやっぱりなかなか難しいものですかね。

雫ふふ:ふふは普段のレコーディングでは目を開けて歌うんですけど、「Cult Scream」とか、ぐっと感情が入る曲は、目を瞑って、ライヴハウスのステージに立った光景を想像しながら......しかも想像でステージを何倍にも広くして、それ相当の熱量を想定して歌う感じでしたね。手もちゃんと上げながら。

如月愛海:うん、身振りは結構やるかな。

-それぞれでコツを掴みながらやっているんですね(笑)。

如月愛海:今回の中では「ShitEndプラシーボ」が一番古い曲で。この曲は、これまでも何度か再録はしている曲なんですけど、実は私自身はあまり録り直していなかったんです。それは、最初のときの不安定な要素を残しておきたかったからだと思うんです。不安定だけど、この世界に入ったもがき苦しみを歌っている感じで......と言っても「ShitEndプラシーボ」って初期の初期に歌っているから、まだもがき苦しみまでいかない、言ってみれば大人の歌を子どもが歌う感覚に近かったんですけど。それもまた不安定さが滲んでいたのか、その歌が残されているところも多かったんです。でも今回は結構録り直していて。この「ShitEndプラシーボ」はまだこの7人体制でライヴでやる以前に録っているんですよね。だからライヴで掴んできた感覚というよりは、己の中にある覚悟を含めて歌っているので。みんなのその素の覚悟が含まれているのがすごくいいんです。

-今、"Sicutie & Stupid Tour 2021"がスタートしていますが、その前にすでに 47都道府県を回ってきていることもあって、ライヴの楽しみ方、パフォーマンスとしてもそれぞれ自由度が上がってきた感じっていうのはありますか。

メイユイメイ:この7人で結構ライヴをやってきたので、ここらへんでこの人はこういう遊びをしてくるだろうなとか、いつもここでこういうことをやってるなっていうのも感覚的にわかっているから、安心して自分もこうしようとかが出てくるんですよね。

如月愛海:今よく患いさんが"7人になってからはどこを見ていいかわからない"って言うんですけど、それってすごいなって思って。どこを見てもいいってことなんですよね。どこを見ていいかわからないくらい、みんなが前に出ているし。誰のことも感じられるから。それだけ強いライヴができるのがすごいなって。本当に、全部を見てほしいよね。