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INTERVIEW

Japanese

Shout it Out × フラワーカンパニーズ

 

Shout it Out × フラワーカンパニーズ

Shout it Out:山内 彰馬(Vo/Gt) 細川 千弘(Dr)
フラワーカンパニーズ:鈴木 圭介(Vo) グレートマエカワ(Ba)
インタビュアー:草野 美穂子 Photo by 木場ヨシヒト

-フラカンのおふたりは、大人への反発や大人になりたくないと感じた経験は?

鈴木:まったくなかった(笑)。学校で嫌いな先生はいたけど、好きな先生もいたから、大人全員を嫌いと思ったり、周りに当たったりする反抗期のようなことはなくて、ただひとりで勝手にむしゃくしゃしてる感じだった。大人になりたくないと思ったこともなければ、早く大人になりたいと思ったこともなくて、そんなに大人を意識してなかったな。

マエカワ:俺ものほほんとしてたな。Shout it Outの歌詞を読ませてもらって、ハタチでこんなこと考えてるんだって驚いたよ。俺らがハタチのころはのん気な歌うたってたもん。

鈴木:別に食えなくなってもどうにかなるでしょって楽観視してたバブル世代(笑)。特に俺は将来のことも深く考えず適当にやってたな。それに比べると今の若い人たちはもっとシビアでしょ。音楽に対してもすごく真面目だなって、他のバンドを見ていてもそう感じる。

マエカワ:時代的なこともあるかもしれないけど、周りもそういう人が多かった気がする。

鈴木:僕らの世代で、音楽より前に言葉(歌詞)でやられちゃうミュージシャンといえば"尾崎豊"や"佐野元春"だったんだけど、当時の俺にはわからなくて。"自由"と言われても何をすればいいの? 学校がなかったら困るし、親がいなくなっても困る。俺は働きたくないし......(笑)。でも今思えば、歌詞なんてどうでもいいと思っていた当時の俺が鈍感だっただけで、敏感な人たちはそういう音楽に飛びついていたんだよね。(Shout it Outのふたりが)言葉に刺激されて音楽に飛びついたっていうことは、やっぱり敏感な人たちなんだよ。

マエカワ:俺たちが中学生のころは、洋楽を聴くのがかっこいいと思っていたし、歌詞の意味はわからなくても音の雰囲気とメロディで入っていく感じだった。そういう意味では(邦楽を中心に聴く)今の若い人たちの方が言葉に敏感なのかもしれない。歌詞もしっかりしてるもんね。

鈴木:歌詞もしっかりしてるし、ふたりのインタビューを読むと考え方もすごくしっかりしてる。もし仮に俺が同じ年齢のときにインタビューを受けたとしても、ペラッペラなことしか言えてなかったはず。さっき自分の考えを言うのが苦手って言ってたけど、ものすごく理路整然と話してるよ(笑)。今の俺でもここまで言えないと本気で思うもん。

山内:いえいえ......ありがとうございます(照笑)。僕は10代のころ"10代"に固執してて。その根本には"大人になりたくない"っていう思いもあるけど、それももとを辿っていけば、さっきも話した"十代はいつか終わる"という歌詞だったりもする。10代っていうのはほんとに今しかない、儚いものなんだなってあの歌詞で認識したんですよね。

鈴木:すごいね、そのキャッチ力。俺は、10代は"気づいたら終わっちゃった"が普通だと思ってた(笑)。俺は30歳になったときの絶望感をよく覚えてる。30歳になったのに何もできてない。ただ肌のつやがなくなってしわが増えて髪の毛が抜けただけで、成長した自分をまったく感じられなくて、"俺はこれでいいのか?"と。もう中年の仲間入りだ......ということより、ちゃんとしなきゃいけない年齢になったのに全然ちゃんとしてない自分に愕然としたんだよね。ふたりが20代に感じている思いとは全然違うかもしれないけど(笑)。

マエカワ:ふたりはまだ30歳になってないからね(笑)。そのときにどう思うか。

山内:ハタチ以降はそういうのがないと思ってたんですけど、いざ30歳になったらそうなんですかね。

鈴木:でも、それだけ敏感だったら、ハタチでもうそのピークを迎えているのかもしれないね。

マエカワ:ははは(笑)。そうだね。"思ったほどじゃないな"となるかもしれないね。

鈴木:俺たちが遅かったのかも。ふたりのハタチになるときの感覚が、俺たちの30歳になるときの感覚と同じなのかもしれない。

マエカワ:その可能性あるね。

山内:なるほど......。

鈴木:今と比べて情報も少なかったしいろんなことに鈍感だったと思う。今の時代がどんなだとか考えたこともなかったんじゃないかな。俺らが忘れちゃっただけなのかな?

マエカワ:そこまでキツく考えてはいなかったかもしれないね。だから、バンドを続けてこられているっていうのもあると思う。敏感だったら90年代に終わっていたような気もするし。もっとこうしたいっていうのがメンバーひとりひとりにあって、この先どうしたいとか、それぞれ思うところがあっても、"まぁいいか"となってた。メンバー・チェンジも休止もなく、ここまで続けてこられてすごいですねってよく言われるけど、別にすごいとは思ってないんだよね。例えば、バンドのメンバー・チェンジや解散をいろいろ経て、ずっとミュージシャンを続けている人の方がある意味すごいと思うことがあるもん。自分に厳しく、相手にも厳しくしているんだろうなって。

鈴木:うん。そういう人はストイックに、音楽を第一に考えてる気がする。去年のShout it Outの(新体制になった)流れをインタビューで読ませてもらってもそう思った。