Japanese
フラワーカンパニーズ
Skream! マガジン 2013年12月号掲載
2013.10.30 @LIQUIDROOM ebisu
Writer 天野 史彬
やはり、転がり続けてきたバンドは強い。フラワーカンパニーズのワンマンツアー「上京20才まえ」の東京、恵比寿LIQUIDROOM公演。このツアーは来年へと年をまたぐツアーであり、来年でフラカンは結成25周年を迎える。この10月には2008年のメジャー移籍から現在までの代表曲を集めたベスト・アルバム『新・フラカン入門(2008-2013)』のリリースもあった。きっとフラカンの25年間を祝うような、華やかなライヴになるのだろうと思っていたのだが......違った。この日、LIQUIDROOMのステージ上にいたのは、何かの達成感を噛み締めるのではなく、未だ目の前の壁をぶち壊すように前進し続けるロックンロール・バンドとしてのフラカンだった。あぁ、そうだ、フラカンはずっとこうだったのだ。ゴールのない道を突き進んできたバンド。"大ブレイクはしなかったけど長年続けてきた苦労人バンド"みたいな論調は、実は一切通用しないバンド。なんで僕らは大人になっても子供のままなのか。なんで僕らにはロックンロールが必要なのか。そんな普遍的な問いをずっと追求してきたバンド。そんな、磨き続けた自分達のエッジをあるがままに放出するフラカンが、そこにいた。
ライヴはシングル・トラック「夜空の太陽」からスタートした。キャッチーだが、同時にうねるようなグルーヴ感。いきなり衝動の塊のような音で迫ってくる。ステージ上を動き回る鈴木圭介の動きもキレている。ステージの上での鈴木は、なんというか、ヒラヒラと動く。この動きに意味はあるのかと尋ねたら、きっと鈴木は"意味なんてない"と答えるだろう。だが、僕は彼が動き出した瞬間に気持ちを鷲づかみにされてしまう。彼の動きはまるで明日の遠足を心待ちにする子供のようであり、親や先生に叱られて路上の小石を蹴り上げるふて腐れた子供のようでもある。つまり子供のようなのだ、ステージを駆ける鈴木圭介という男は。もちろん、彼の書く曲には時代や年齢ごとの苦悩や喜びが刻み込まれているが、彼のパフォーマンスを見る度に、本質的に彼がずっと変わらないものを追いかけ続けていることがわかる。
先にも書いたようにこのツアーはベスト盤のリリース直後のツアーになるので、この日のセットリストも『新・フラカン入門』に収録された、どちらかと言えばメロディアスな曲中心のものになるのかと思っていたのだが、ところがどっこい。この日のセットリストは言わば"ヘヴィ・サイド・オブ・フラワーカンパニーズ"。「上京14才」~「煮込んでロック」~「なれのはて」、「はぐれ者賛歌」~「宙ぶらりんの君と僕」といった、初期の楽曲も多分に盛り込んだがっつりと重く攻め込んでいく内容のセット。結成25周年を目前に控えた彼らが、それでも自分達のキャリアに甘んじることなくまだまだ最前線を突っ走ろうとする気概をガンガンに感じさせる。もちろん、彼らのメロウな側面もしっかり感じさせる場面もあった。特に本編も後半に差し掛かった頃に演奏された「大人の子守唄」~「エンドロール」~「たましいによろしく」の流れは感動的だった。それは彼らの歩んできた道のりの重み、そこで鳴らし続けてきたロックンロールという、祈りであり呪いでもあるような道しるべの重み、そして『ハッピーエンド』という震災以降のシビアな現実感を鳴らしたアルバムを経て辿り着いたメッセンジャーとしての重み、そのすべてを感じさせるものだった。「たましいによろしく」を演奏し終えたあと、グレートマエカワが鈴木に向かって言った。"LOU REEDに届いたかな?そんな気がする"。ちょっと泣きそうになった。ロックンロールの偉大なる先駆者のひとりがこの世を去った日から3日後。この日本で、それでも前進し続ける男たちがいる。受け継がれていくものはあるのだ。
その後「くるったバナナ」~「脳内百景」~「チェスト」~「YES, FUTURE」の流れで本編は終了。アンコールでは『新・フラカン入門』に収録された新曲「ロスタイム」、そして代表曲「深夜高速」も披露された。「ロスタイム」は、演奏が始まった瞬間にオーディエンスの"待ってました"感をふつふつと感じた。この日の恵比寿LIQUIDROOMには、フラカンと共に人生を歩んできたのだろうと思わせる年季の入ったファン層はもちろん、ライヴハウスに通い詰めるキッズ、ひとりで来ている若い女性、仕事帰りの男性、カップル――様々な客層が入り混じっていて、今のフラカンがロック畑を超えた求心力を持っていることを如実に物語っていたが、そのすべての層に「ロスタイム」のメッセージは等しく沁み込んでいったのだと思う。今、この国で"ロスタイム"を生きている感覚を抱いているのは、恐らく"ミドルエイジ"だけではないはず。子供も若者も大人も、きっと何か漠然とした不安や危機感と対峙しながら生きているだろう。しかしフラカンは、それでも来る明日に見出せるものがあるのだと伝えている。この曲には年齢を超えた普遍的なメッセージ性があるのだ。代表曲「深夜高速」もまた、そこに宿る壮絶なまでの生命力で場内を圧倒していた。今、キャリア最高とも言えるであろう絶頂期を迎えているフラカンの"今"と、それを常に更新していく圧倒的な強度のロックンロールをこれでもかと体感した夜だった。
- 1
LIVE INFO
- 2025.10.07
-
LONGMAN
緑黄色社会 × Aqua Timez
古墳シスターズ
FOO FIGHTERS
- 2025.10.08
-
THE ORAL CIGARETTES
TOKYOてふてふ
FOO FIGHTERS
Re:name × Enfants
JON SPENCER
MONO NO AWARE
ORCALAND × Gum-9
- 2025.10.09
-
キュウソネコカミ
Rei
OKAMOTO'S
終活クラブ
JON SPENCER
DOES
アイナ・ジ・エンド
感覚ピエロ
Hedigan's
Plastic Tree
羊文学
Kroi
- 2025.10.10
-
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
暴動クラブ × 大江慎也
Rei
SUPER BEAVER
ザ・シスターズハイ
KING BROTHERS
PEDRO
YOASOBI
moon drop
オレンジスパイニクラブ
OKAMOTO'S
the cabs
WHISPER OUT LOUD
FRONTIER BACKYARD
LEGO BIG MORL
JON SPENCER
NOMELON NOLEMON
a flood of circle
DOES
水曜日のカンパネラ
FOO FIGHTERS
キタニタツヤ
たかはしほのか(リーガルリリー)
ExWHYZ
MONOEYES
藤森元生(SAKANAMON)
大塚紗英
感覚ピエロ
ZAZEN BOYS×サニーデイ・サービス
East Of Eden
アーバンギャルド
JYOCHO
羊文学
小林私
THE SPELLBOUND
- 2025.10.11
-
終活クラブ
キュウソネコカミ
トンボコープ
Appare!
cinema staff
秋山黄色
YOASOBI
moon drop
コレサワ
OKAMOTO'S
"FM802 MINAMI WHEEL 2025"
KNOCK OUT MONKEY
INORAN
WtB
阿部真央
I Don't Like Mondays.
"京都音楽博覧会2025 in 梅小路公園"
KANA-BOON
ExWHYZ
FRONTIER BACKYARD
androp
カミナリグモ
brainchild's
フレデリック
envy × world's end girlfriend × bacho
"JUNE ROCK FESTIVAL 2025"
East Of Eden
Official髭男dism
藤沢アユミ
豆柴の大群
"TOKYO ISLAND 2025"
- 2025.10.12
-
a flood of circle
キュウソネコカミ
SUPER BEAVER
WtB
キタニタツヤ
セックスマシーン!!
WESSION FESTIVAL 2025
"FM802 MINAMI WHEEL 2025"
INORAN
"京都音楽博覧会2025 in 梅小路公園"
Omoinotake
Bimi
ART-SCHOOL
Official髭男dism
eastern youth
なきごと
"TOKYO ISLAND 2025"
- 2025.10.13
-
WtB
阿部真央
I Don't Like Mondays.
Awesome City Club
ExWHYZ
Appare!
The Biscats
brainchild's
Rei
OKAMOTO'S
秋山黄色
Age Factory
トンボコープ
CYNHN × タイトル未定 × fishbowl
"WESSION FESTIVAL 2025"
岡崎体育
"FM802 MINAMI WHEEL 2025"
シド
SCANDAL
cinema staff
Cody・Lee(李)
コレサワ
ネクライトーキー×ポップしなないで
リュックと添い寝ごはん
eastern youth
hockrockb
Omoinotake
Kroi
PIGGS
清 竜人25
Plastic Tree
ぜんぶ君のせいだ。
LiSA
"TOKYO ISLAND 2025"
- 2025.10.14
-
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
ドミコ
THE ORAL CIGARETTES
Hump Back
Survive Said The Prophet × NEE
MONOEYES
ぜんぶ君のせいだ。
超☆社会的サンダル
go!go!vanillas
武瑠 × MAQIA
- 2025.10.15
-
ドミコ
LONGMAN
PEDRO
キュウソネコカミ
MONOEYES
打首獄門同好会
アカシック
HY × マカロニえんぴつ
ポルカドットスティングレイ
藤巻亮太
- 2025.10.16
-
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
YOASOBI
PEDRO
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
"Shimokitazawa SOUND CRUISING presents. サウクルラボ vol.1"
SCANDAL
SIX LOUNGE
brainchild's
- 2025.10.17
-
挫・人間
キュウソネコカミ
打首獄門同好会
アイナ・ジ・エンド
YOASOBI
a flood of circle
ズーカラデル
LONGMAN
chilldspot
otsumami feat.mikan
リュックと添い寝ごはん
コレサワ
神聖かまってちゃん
終活クラブ
NOMELON NOLEMON
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
フラワーカンパニーズ
SUPER BEAVER
東京スカパラダイスオーケストラ
BIGMAMA
Bimi
- 2025.10.18
-
TOKYOてふてふ
伊東歌詞太郎
挫・人間
シド
OKAMOTO'S
YONA YONA WEEKENDERS
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
アイナ・ジ・エンド
moon drop
RADWIMPS
キュウソネコカミ
ぜんぶ君のせいだ。
bokula.
the cabs
SWANKY DOGS
amazarashi
INORAN
WtB
osage
"LIVE AZUMA 2025"
カミナリグモ
Cody・Lee(李)
阿部真央
Newspeak
センチミリメンタル
東京スカパラダイスオーケストラ
Keishi Tanaka × 村松 拓
"ASAGIRI JAM'25"
ズーカラデル
I Don't Like Mondays.
Victoria(MÅNESKIN) ※振替公演
ロザリーナ
the paddles
神聖かまってちゃん
LACCO TOWER
星野源
- 2025.10.19
-
DYGL
リュックと添い寝ごはん
OKAMOTO'S
Age Factory
bokula.
ぜんぶ君のせいだ。
moon drop
コレサワ
TOKYOてふてふ
RADWIMPS
SIX LOUNGE
リリカル / みじんこらっく / とにもかくにも / ティプシーズ / 台所きっちん
SUPER BEAVER
Laura day romance
WtB
Omoinotake
"LIVE AZUMA 2025"
Cody・Lee(李)
ビレッジマンズストア
SPRISE
伊東歌詞太郎
浪漫革命
LUCKY TAPES
ハンブレッダーズ / KANA-BOON / キュウソネコカミ / マカロニえんぴつ ほか
ネクライトーキー×ポップしなないで
Keishi Tanaka × 村松 拓
ナナヲアカリ
"ASAGIRI JAM'25"
高岩 遼
Sou
森 翼
SCANDAL
パピプペポは難しい
osage
星野源
PIGGS
- 2025.10.20
-
打首獄門同好会
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
TOKYOてふてふ
TenTwenty
- 2025.10.21
-
The fin.
神聖かまってちゃん
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
RELEASE INFO
- 2025.10.08
- 2025.10.10
- 2025.10.11
- 2025.10.12
- 2025.10.13
- 2025.10.14
- 2025.10.15
- 2025.10.17
- 2025.10.19
- 2025.10.22
- 2025.10.24
- 2025.10.29
- 2025.10.30
- 2025.10.31
- 2025.11.05
- 2025.11.07
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
OASIS
Skream! 2025年09月号