Japanese
フラワーカンパニーズ
2013年08月号掲載
Writer 天野 史彬
フラワーカンパニーズがニュー・シングル『夜空の太陽』をリリースする。タイトル・トラックは、アニメ『宇宙兄弟』のEDテーマ曲だ。今年1月にリリースしたシングル「ビューティフルドリーマー」もドラマ『まほろ駅前番外地』のOPテーマ曲だったことから、2作連続でのタイアップ・シングルである。これだけで今のバンドの状況が盛り上がっていることがわかるが、3月にはライヴ音源『@WWW 2013.1.23 Premium Live “Beautiful Dreamer”』のリリースもあったし、5月の終わりには、朝の情報番組『スッキリ!!』で、名曲「深夜高速」を生パフォーマンスで披露するというトピックもあった。フラカンを中心に巻き起こっているバズは、今年で結成24年、来年には結成して四半世紀を迎えようかという今、非常に大きなうねりを見せていると言っていい。
では何故、今のフラカンがこれほどまでに注目を集めているのか? もちろん、彼らはこれまでの活動の中で評価されてこなかったわけではないし、その唯一無二の詩情、圧倒的なライヴ・パフォーマンスに対しては、敬意すら払われてきたバンドである。しかし、今のフラカンの支持層は、ロック・リスナー層を超えて、より広い層へと広がっている。何故、このような状況が生まれてきたのか。2008年にメジャー復帰したあたりから、彼らの音楽の中には、キャリアを重ねてきたが故の“哀愁”“わびさび”のようなものが今まで以上に色濃く反映されるようになった。それがリスナーの共感を呼ぶきっかけになった部分もあるだろうが、何よりも、去年のアルバム『ハッピーエンド』が与えたバンドへの抜本的な変化が、今の状況を生み出しているのではないだろうか。
アルバム『ハッピーエンド』は、震災の影響を色濃く反映したアルバムだった。そこに込められていたのは、突きつけられた現実に対する無力感であり、無力感を噛み締めるしかない自分に対する苛立ちであり、それでもすがるようにロックンロールを求める祈りのような想いだった。フラカンの音楽には、それまでもバンドの生き様、ヴォーカリストである鈴木圭介の心象風景が深く刻まれてきたが、その私小説的な文学性は、あくまでも“等身大”であり続けた。故に、フラカンの音楽はリスナーと密接な契りを結び続けてきたのだが、『ハッピーエンド』は今まで以上に、社会の中のフラワーカンパニーズの立ち位置を見つめていくようなアルバムだった。無論、根底にあるのはひとりの人間に宿る等身大の生々しい想いであるが、そこには、社会、世界――そういった大きなものに自分たちの音楽がどのような意味を持つのか。そんな問いかけが刻まれていたように思う。『ハッピーエンド』は、結果としてフラカンの音楽がより一層多くの人々と共感し、共鳴し合うための説得力と意味合い、そしてスケール感をもたらしたのだ。
この度リリースされる「夜空の太陽」で歌われるのは、ちっぽけな自分、切り捨てられない過去、胸にしまい続けた夢――『宇宙兄弟』のストーリーに寄り添って作られているにせよ、これまでフラカンが歌い続けてきたモチーフに変わりはない。しかしこの曲には、「ビューティフルドリーマー」がそうであったように、今、この国に生きる人々へ向けてメッセージを発していくようなスケールの大きさと強さがある。フラカン印のグルーヴィなリフ主体のロックンロールを基本としながらも、流麗なシンセが重なり合った開放感のあるサビと、一本調子にならないダイナミックな曲展開を持った、音楽的にも新たな挑戦を見せるこの曲に乗せて、鈴木は歌う。“あの頃 何を欲しがっていて あの頃 何を探してたんだろう?”“夢の始まりはきっと 涙がたどり着いたところ”“逃げても 逃げても 逃げられない”……消せない過去や、置き去りにしてきた夢や、忘れられない悲しみや。そんなことを抱えながらも、“しょぼい現実を遠く 吹き飛ばしてくれ”と、ちっぽけな自分を慰めながらも鼓舞していくこの歌は、不透明な未来に向かって、諦念や失望に押しつぶされそうになりながらも、今、この時代を生きていかなければならない私たちに、それでも見ることのできる微かな希望や夢があることを教えてくれる。ここに宿る説得力は、凡百のバンドには及ばない、フラカンだからこそ鳴らせるものだ。今、フラカンの音楽は“時代の声”としての強度を現在進行形で増している。この先リリースされるであろうアルバムに対する期待が、俄然高まる。
- 1
LIVE INFO
- 2025.05.21
-
VOI SQUARE CAT
斉藤和義
Saucy Dog
打⾸獄門同好会 / くるり / ストレイテナー ほか
あいみょん
Hakubi
yummy'g
渡會将士
ADAM at
緑黄色社会
- 2025.05.22
-
ORCALAND
Saucy Dog
ReN
片平里菜
w.o.d. ※振替公演
あいみょん
ねぐせ。
オレンジスパイニクラブ
清 竜人25
DYGL
Maki
フリージアン
チリヌルヲワカ
Base Ball Bear
otsumami feat.mikan
ayutthaya
I Don't Like Mondays.
- 2025.05.23
-
ORCALAND
[Alexandros]
Mr.ふぉるて
indigo la End
a flood of circle
THE BAWDIES
DYGL
w.o.d. ※振替公演
ADAM at
Plastic Tree
浅井健一
ゴキゲン帝国
TOMOO
"GREENROOM FESTIVAL 20th Anniversary"
Hakubi
レイラ
LEGO BIG MORL
- 2025.05.24
-
ReN
Mr.ふぉるて
indigo la End
[Alexandros]
GANG PARADE
ヤングスキニー
緑黄色社会
ASP
サカナクション
おいしくるメロンパン
ヤバイTシャツ屋さん / UNISON SQUARE GARDEN / ストレイテナー ほか
コレサワ
THE BACK HORN
片平里菜
ポップしなないで
People In The Box
星野源
Novelbright
藤沢アユミ
Baggy My Life × Comme des familia
mol-74
ネクライトーキー
LACCO TOWER
Plastic Tree
WANIMA
ADAM at
アルコサイト
"ながおか 米百俵フェス 2025"
sumika
浅井健一
SHE'S / SCANDAL / wacci ほか
VOI SQUARE CAT
終活クラブ
SUPER BEAVER
"Shimokitazawa SOUND CRUISING 2025"
DeNeel
the telephones
The Ravens
FUNKIST
HY
the shes gone
"GREENROOM FESTIVAL 20th Anniversary"
LEGO BIG MORL
ビレッジマンズストア
- 2025.05.25
-
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
ReN
コレサワ
flumpool
a flood of circle
ヤングスキニー
緑黄色社会
GANG PARADE
ASP
サカナクション
THE BAWDIES
10-FEET / The BONEZ / バックドロップシンデレラ ほか
ACIDMAN
片平里菜
星野源
Baggy My Life × Comme des familia
秋山黄色 / This is LAST / Chilli Beans. / reGretGirl ほか
ネクライトーキー
"ながおか 米百俵フェス 2025"
sumika
浅井健一
GLIM SPANKY / 阿部真央 / 和田 唱(TRICERATOPS)ほか
GOOD BYE APRIL × Nolzy × First Love is Never Returned
Mirror,Mirror
HY
the shes gone
"GREENROOM FESTIVAL 20th Anniversary"
Cody・Lee(李)
- 2025.05.26
-
清 竜人25
水中スピカ
Poppin'Party
- 2025.05.29
-
オレンジスパイニクラブ
THE BAWDIES
片平里菜
THEラブ人間×ニッポンの社長
斉藤和義
怒髪天
yummy'g
sumika
BECK
あいみょん
Hump Back
ハンブレッダーズ / w.o.d. / Kanna
CUTMANS
- 2025.05.30
-
THE YELLOW MONKEY
TENDOUJI
オレンジスパイニクラブ
緑黄色社会
yutori
KALMA
サイダーガール
片平里菜
[Alexandros]
a flood of circle
チリヌルヲワカ
水中スピカ
Subway Daydream
女王蜂
Mr.ふぉるて
downy
四星球
Lucky Kilimanjaro
DYGL
MONO NO AWARE
flumpool
射守矢 雄(bloodthirsty butchers) / 山本久土
Nothing's Carved In Stone
- 2025.05.31
-
古墳シスターズ
ポップしなないで
GANG PARADE
怒髪天
チリヌルヲワカ
ヤングスキニー
"hoshioto'25"
People In The Box
indigo la End
浅井健一
[Alexandros]
a flood of circle
竹内アンナ
WHISPER OUT LOUD / Good Grief / CrowsAlive / UNMASK aLIVE
藍坊主
おいしくるメロンパン
斉藤和義
打首獄門同好会
Myuk
THEラブ人間×ニッポンの社長
水中スピカ
THE BAWDIES
Mr.ふぉるて
HY
androp
sumika
Creepy Nuts
"CAMPASS 2025"
eastern youth
Keishi Tanaka
"THE BEACH 2025"
東京スカパラダイスオーケストラ
ASIAN KUNG-FU GENERATION
flumpool
星野源
Official髭男dism
清 竜人25
- 2025.06.01
-
DYGL
YUTORI-SEDAI
古墳シスターズ
怒髪天
Subway Daydream
TENDOUJI
ポップしなないで
おいしくるメロンパン
ヤングスキニー
緑黄色社会
サイダーガール
KALMA
浅井健一
yutori
打首獄門同好会
Myuk
androp
downy
斉藤和義
Baggy My Life × Comme des familia
オレンジスパイニクラブ
WHISPER OUT LOUD / Good Grief / CrowsAlive / UNMASK aLIVE
藍坊主
ネクライトーキー
HY
sumika
Creepy Nuts
WANIMA
サニーデイ・サービス × YOGEE NEW WAVES
arko lemming
DURAN × BONGFATHER
"CAMPASS 2025"
Academic BANANA
FIVE NEW OLD
ASIAN KUNG-FU GENERATION
indigo la End
星野源
Official髭男dism
RELEASE INFO
- 2025.05.21
- 2025.05.23
- 2025.05.26
- 2025.05.28
- 2025.05.30
- 2025.06.01
- 2025.06.04
- 2025.06.05
- 2025.06.06
- 2025.06.11
- 2025.06.12
- 2025.06.13
- 2025.06.18
- 2025.06.20
- 2025.06.22
- 2025.06.25
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
トゲナシトゲアリ
Skream! 2025年05月号