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INTERVIEW

Japanese

フラワーカンパニーズ

2015年09月号掲載

フラワーカンパニーズ

フラワーカンパニーズ

Official Site

メンバー:鈴木 圭介(Vo) グレートマエカワ(Ba)

インタビュアー:天野 史彬

結成26年目に突入。今年12月19日には初の日本武道館公演も控えるフラワーカンパニーズ(以下:フラカン)が、アルバム『Stayin' Alive』から約8ヶ月という短いインターバルで、7曲入りミニ・アルバム『夢のおかわり』をリリースする。順風満帆とは言えなくとも、そのバンド道をサヴァイヴしてきた"ベテラン・バンド"としてのリスペクトも集めるフラカンだが、今の彼らが立つ場所が、決してそれだけの場所ではないことが本作を聴けばわかるだろう。その多彩且つ軽やかな楽曲の奥底を覗けば、そこには深く重い過去への畏敬と、未知なる明日へのメッセージがある。ロックンロールの歴史の渦の中で佇む、ひとつのバンドの生き様が見えてくる。

-ミニ・アルバム『夢のおかわり』は、1月にリリースされたアルバム『Stayin' Alive』を経たうえで、とても軽やか、且つ深い地点に今のフラカンが辿り着いていることを示す作品だと思いました。まずうかがいたいのは、『Stayin' Alive』のインタビューのとき、あのアルバムは、非常に言葉にしがたいアルバムだ、という結論に至ったんですよね。あれからツアーを経て、『Stayin' Alive』は、どんなふうにご自分たちの中で消化されていきましたか?

グレート:ツアー全公演で、アルバム全曲をやったんだよ。ボーナス・トラックの「ファンキーヴァイブレーション」まで含めた11曲、全箇所全曲やったんだけど、リリース・ツアーでアルバム全曲やるのって、自分たちの中では挑戦なんだよね。だって、THE ROLLING STONESのライヴを観に行って、ニュー・アルバムの曲ばっかりやられたら、"昔の曲も聴きたいな"って思うじゃん。フラカンに対しても同じように思っているお客さんもいると思うんだけど、でも、この先もまだ続くわけだし、このアルバムは勝負するべきなんじゃないかと思って。で、結果として、『Stayin' Alive』を作った意味はあったなって思った。26年目の自分たちが出したいサウンド、出したい言葉っていうものが率直に出せていたんだなって気づいたというかね。20年前の曲と並べても違和感なくできたし、やっぱりあのアルバムは大正解だったなっていう感じはしたね。

鈴木:思った以上に、お客さんからの反応があったんだよね。やっぱり、まだ、もうちょい足掻きたいんだよ。懐メロになるにはまだ早い気がする。俺たちがどう捉えられているかはわからないし、若いお客さんからしたら"フラカン、もう懐メロでしょ? あの曲とあの曲やればいいじゃん"って思われているかもしれないけど、俺たちはまだ現役だし、新曲でもっと勝負したいから。それをやり通せたのはよかったね。歌詞やサウンドの細かい部分以上に、アルバム全体の熱量とか、そこにかけたバンドの意気込みが正しく伝わってくれた感じがする。"もしかしたら、ちょっと内容的に暗いかもしれない"っていう気持ちも若干あったけど、そこに対する違和感はなかったしね。

-『Stayin' Alive』は、フラカンの本質が高純度で音になった作品で。だからこそ、フラカンを求めているお客さんたちも違和感なく、むしろガッツリと受け入れることができたのかもしれないですよね。そして、12月の武道館公演の発表があり、今回のミニ・アルバム『夢のおかわり』なんですが、今回はどんな想いを念頭に置いて作品作りを始めたんですか?

鈴木:武道館に向けてっていう意識はそんなになかったんだよね。もちろん、武道館のことは頭にあるんだけど、それに向けての繋ぎにはしたくないなって思った。あと、ミニ・アルバムのつもりでも作ってなくて、フル・アルバムくらいの気持ちで作ってる。曲数の問題もあるし、1月に『Stayin' Alive』を出してから半年くらいしか経ってないからミニ・アルバムにしたけど、でも、(ミニ・アルバムとして)目一杯の7曲は入れたいなと思ったしね。新曲は何もなかったからサラの状態から作り始めて、ツアーの合間にリハに入って作ったからこそ、できたものに対してすごく素直な感じがある作品というか。ごちゃごちゃ考えてないんだよね。曲ができたら1回リハーサルに入って、それからすぐに録った曲もあるし、スピード感がある。このペースでやるのは、メジャーに戻ってから初めてだったな。1回デモを録って、それを持ち帰って考えて、それを経て曲を作っていくのが最近のパターンだったんだけど、今回はそのままバッと出した感じ。

グレート:ほんと、レアなまま出している感じだよね。新鮮で面白かったし、結果、いいものができたと思う。『Stayin' Alive』とか『ハッピーエンド』』(2012年リリースの14thアルバム)、『チェスト!チェスト!チェスト!』(2010年リリースの13thアルバム)みたいな、考えて作ったものの良さとはまったく違う良さが出たというか。もっとダイレクトな、右脳を使った作品になったと思う。

-今回、タイトルが示すように"夢"が大きなキーワードとしてあるんだろうと思ったんです。歌詞の中にも"夢"というフレーズがたくさん出てきますよね。このタイミングで"夢"という言葉が出てきたのは、どうしてだったんですかね?

鈴木:もともと、"夢"とか"未来"っていう言葉を使うことは、俺は多いと思う。というか、みんなも多いと思う(笑)。"夢"、"未来"、"空"、"明日"......多いでしょ?(笑)。でも、『Stayin' Alive』が、どちらかと言えば終末感というか、終わりのイメージだったから、それの続きというか......"完全に夢がなくなったわけではないよ"って言いたかったというか。"夢なんかもうない"って言っちゃうときもあるし、本当に思うこともあるんだけどさ、よく考えたら、本当に夢がなかったらバンドやんないしね。なんらかの夢は絶対にあるわけで......そういうことが、恥ずかしげもなく出せたかな。かなりのマイナーチェンジではあるんだけど、やっぱり、『Stayin' Alive』のツアーでの手応えがあったからこそだと思う。新曲で勝負できるっていうことは、"俺たち、まだいけるな"って思ったから。

-フラカンが"夢"という言葉を常に歌い続けてきたのは、たしかにそうだと思うんですけど、決して"夢は叶うぜ!"ということを大々的に歌ってきたバンドではなかったとも思うんですよ。むしろ、寝てみる夢の方にまどろんでいく志向性も強くあったわけで。フラカンはこれまで、どんなふうに"夢"と付き合い続けてきたんだと思いますか?

鈴木:まず、あんまり大きな夢は持たないようにして歩んできたと思う。大きな夢に向かってみんなで歩んでいくタイプではないんだよ。身の回りにあるちょっとしたことを積み重ねてやっていくのが、最終的な夢なのかなって思ってきたから。バンドをずっと続けられて、それで歳を取っていくことが今の夢のひとつになっている。だから、その状況であるためにはどうしたらいいか?っていう考え方に、もう変わってきてるんだよね。夢の形が若いころとは全然違うというか。在り続けること、やり続けることが今の夢だから......そういう意味では、若い子が言っている夢とは違うんだろうなって思う。

-ただ、今回、Track.6「Good Morning This New World」で"若人は成功なんか諦めきってるって/夢は小さけりゃ小さいほど叶うみたいさ"と歌っているじゃないですか。今、若い人たちが夢を持ちにくい状況っていうものも確実にあると思うんですけど、そういった状況に対して、おふたりの中に何かしら思うところはありますか?

鈴木:今はもう、永ちゃん(矢沢永吉)みたいに"成り上がってやる、のし上がってやる!"っていう人はほとんどいなくなっちゃったもんね。音楽業界なり芸能界でトップを取ることを夢見る、田舎っぺ丸出しな人。俺、そういう人すごく好きだし、俺ももともとはそういう人なんだよ。俺らも名古屋から出てきたときは、"大暴れしてやる!"と思って出てきているんだよね。でも、別に若い子に話を聞いたわけではないけど、そういう人はあんまり見なくなっちゃったよね。アイドルは、むしろド根性の世界になっているのかもしれないけど、バンドではあんまり聞かないよね。