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INTERVIEW

Japanese

キュウソネコカミ × Marshall

2024年11月号掲載

キュウソネコカミ × Marshall

Member:ヤマサキ セイヤ(Vo/Gt) ヨコタ シンノスケ(Key/Vo)

Interviewer:米沢 彰 Photographer:濱谷 幸江

-10年経つとっていう話だと、「ネコカミたい」が「ビビった」(2014年リリースの2ndミニ・アルバム『チェンジ ザ ワールド』収録曲)と完全にリンクしてる形なのが面白くて。世の中10周年を形式的に掲げるだけっていうパターンもすごく多いと思うんですけど、そうじゃなくてこれまでやってきたことや、最初の思いとかもきちんと繋げてきてるところがすごくいいですよね。

ヤマサキ:「ビビった」の自分たちに挑戦するみたいな企画だったんで、だいぶ大変ではあったんですけど、途中から面白くなってきて。"もう似せまくろうぜ!"みたいな。

ヨコタ:"どうせならもう全部盛りでいっか!"って。

ヤマサキ:あと、オマージュもめっちゃ入れて"気付け!"みたいな。"これはパクリじゃないねん、オマージュや!"みたいなのをガンガン入れて、自分たちの昔の曲からもオマージュを引っ張ってくるし、超絶レジェンドの洋楽アーティストとかも入れてるんで、途中から「ビビった」に挑戦っていうより、「ネコカミたい」をどんだけ面白く仕上げるかになっていって、作っててすごく楽しかったです。

ヨコタ:楽曲は超展開したり、キュウソらしさをどんどん足していって。歌詞は、最初はもうちょっとネガティヴにも聞こえそうなものだったんですよね。10周年と言いつつも、気付いたら10年っていう感じで、結構現実的な歌詞だったんです。それで加藤マニさんに"これでMV撮りたいんです"ってデモを投げたときに、"キュウソは1回終わるんですか? 私にはそういうふうに聴こえます"って反応で。それで"たしかにな"となって、もっとちゃんと面白いことをやろう、いろいろ増やそう、と歌詞も変わっていってできた曲なんです。

ヤマサキ:最初は10年走ってきてくたびれてる感じだったんですけど、またファイティング・ポーズ取れたっていうか、またここから行くぜみたいな。上には上がめちゃくちゃいて、10年やってるけどまだ安心できないっていう感じもあって。

ヨコタ:何一つとして成し遂げたっていう感覚はあんまないよね。

ヤマサキ:だからこそ「ネコカミたい」に説得力があるっていう。"お前らも一緒に10年年取ったやろ、俺たちやり続けてるから新規のやつも来いよ"みたいな、そういう曲に仕上がったかなと思っています。

-だからもう一回リスタートというか、10年で終わりじゃなくて、10年分が乗っかってまたスタートっていうのがメッセージとして分かりやすく伝わるようになっていますよね。

ヨコタ:本当にそうです。意識はしていなかったんですが、最終的にもう一回1stアルバムを作ったみたいな感じになったんで。デビュー曲が「ビビった」なんですけど、もう一回デビューしたらこういうアルバムを作っているんじゃないかなっていう。それも「ネコカミたい」を作ったから、他の曲もだんだん決まっていって。

-でも、もとから落ち着くみたいな気もないですよね。

ヤマサキ:落ち着いてる曲がないもんね(笑)。

ヨコタ:落ち着きはないっすね(笑)。

-"Major V"で聴くとしたら、ニュー・アルバム『出現!鼠浄土』の中でおすすめのトラックはありますか?

ヤマサキ:このヘッドホンで聴くと音が豊かに聴こえるじゃないですか。だったら「これは俺じゃない」ですね。低音もめちゃ聴けると思うし。

ヨコタ:キュウソの普段のバンドのバランスと違って、シンセ・ベースで、ドラムも完全に打ち込みの音でっていうのをほぼ初めてやってて、かなり挑戦的な曲なんですけど、こういう曲をやったらこういう企画の話もあって、タイムリーだなと思ったりして。Marshallで聴いたら絶対楽しいし没入感も出るし、音がすげーアグレッシヴだから、そういういいやつでちゃんと音を聴いてほしいですね。

-キュウソって根っこにはダンス・ミュージックが常にあるのに、あまり前面には出したがらないイメージが結構あったんですよね。

ヨコタ:僕等はやっぱライヴが主戦場なんで、聴いたときに踊れるとか、ちゃんとライヴが見えるとか、楽しそうだなと思ってもらいたいというのがあるんで、そこは全部の楽曲に基本的に持ってるつもりなんです。

ヤマサキ:自分としては、一貫性がないから面白いなと思ってて。曲に一貫性あるからみんなずっと踊ってるみたいなライヴ・バンドって結構いると思うんですけど、僕等って一貫性がないから止めまくるんですよ。それが僕等の唯一無二なところでもあって。

ヨコタ:必要に応じてな。

ヤマサキ:そう、それで成り立ってるから。

ヨコタ:"こう来たか"っていう感じに思ってほしいよね。あとは、「BACK TO THE NATURE」はインストなんですけど、その分、楽器の音が全部聴こえるっていうところで聴いてくれたら嬉しいですし、「エキゾチックアニマル」とかも結構細かく音を入れているんですよ。

ヤマサキ:「正義マン」とかもギターから始まるし、ギターがギャンギャン言ってる曲は全部聴いてもらったらいいですね(笑)。

-ギターがギャンギャン鳴ってる曲めっちゃ多くないですか(笑)?

ヨコタ:しかないよ(笑)、俺たちうるせぇもん。

ヤマサキ:「一喜一憂」もいいね。「わや」とかもめっちゃガレージ・ロックやし。"Major V"で聴くのにちょうどいい曲ばかりやん!

一同:(笑)

ヨコタ:専用アルバム!

ヤマサキ:ライヴ感もすごいあって、僕等の音がすごく近くで聴こえると思うんですよね。

-ギターの話をすると、ヘッドホンでちゃんと聴いたらギターの鳴らし分けとか、ツインの絡みとかも結構しっかりやっているのがよく分かりますよね。

ヤマサキ:"キュウソは面白いだけ"って思ってる人たちにMarshallで聴いてもらいたいですね(笑)。本当はちゃんとやってんですよ、って。

ヨコタ:何年同じこと言ってんねん(笑)。

ヤマサキ:"何で聴いてる? オープンでしか聴いてへんやろ"って(笑)。

ヨコタ:やっぱり俺らは歌詞が一番パンチ効いてると思ってて、それにプラスでバンド・サウンドの面白さとか、意外とこんなことやってるよっていうところまで聴こえるから、ヘッドホンでちゃんと聴いてくれたら嬉しいですよね。

-あとリズム感とかが......実はちゃんと聴かないと拍がよく分かんないというか。

ヨコタ:そうですね。やっぱりオーソドックスなパターンっていうのがあんまり好きじゃないんですよね。たぶんドラム(ソゴウタイスケ)とかも"これはこうだろう"みたいなリズムじゃなくて、展開を変えちゃったり。

-よく聴いたらすごい複雑なことやってるんですよね。

ヤマサキ:しよるなー、あいつ。そういうこと。

ヨコタ:ソゴウはセイヤのヴォーカルに合わせて毎回ドラムのフレーズを考えてるんで、たしかに"こういう歌い回しならここはこうだろう"って細かく入れることが多くなってて。だからインストの「BACK TO THE NATURE」はメロディがないからめちゃくちゃ苦労したらしいです。逆に作るの難しかったし、覚えられないって。

-そう聞くと、それぞれの楽曲がなんでそうなってるのか、ちょっと分かった気がします。

ヨコタ:遠回しに歌が変だって言ってるんですけどね。

一同:(笑)

ヤマサキ:良かった、変わってて(笑)。

-このインタビューが公開される頃には、ツアー"DMCC REAL ONEMAN TOUR 2024 -めざせ!鼠浄土-"も後半戦となってきていますが、残りの公演、そして来年3月20日に神戸 ワールド記念ホールで行う"キュウソネコカミpresents.『極楽鼠浄土』"に向けた意気込み等を伺えますでしょうか?

ヨコタ:ちゃんとライヴハウスでワンマンをやるっていうことで、もうツアーはバキバキに仕上がってきてると思うんですけど、アルバムをリリースしてツアーをやるっていうのがバンドの一番の動きだと思うので、アルバムを聴き込んできてもらえたら。特に後半は名古屋とか大阪とか、大きい会場もあるんで、ぜひ来てくれたらいいなっていう感じですね。ライヴではどう再現してるのかみたいなのも聴いてほしいな。

ヤマサキ:気持ちが楽というか、無理してないのに勢いがあって、やりたいことやれてるアルバムになったから、いつものツアーより仕上がってるんじゃないかなと思ってます。

ヨコタ:これからのライヴのキラーチューンになる曲ばっかりだしね。

ヤマサキ:バラード系の曲はもしかしたらこのツアーでしか聴けないかもしれないですけど、それ以外のギラギラした曲はステージでどうなってるのか、ちょっと聞きたいですね。今、11月ですよね!?

ヨコタ:どうなってますか!?

-未来のオーディエンスに(笑)。

ヨコタ:成長してるような気がしますね、曲が。ワールド記念ホールはもう本当に10周年と、あと来年の結成15周年も同時に祝うってことで一番いいイベントなんで、とにかく俺たちにおめでとうを言いに来てください。今までこういうこと言ってこなかったんですけど、ここはお願いしますって、ここまで言うのは本当に珍しいと思うので、ぜひ来てほしいです。

ヤマサキ:今までやってこなかったフェスの主催的なイベントなんで、盟友たちからのバトンも受け取って、超絶プレッシャーのなか、かましたいですね。

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RELEASE INFORMATION

キュウソネコカミ
FULL ALBUM
『出現!鼠浄土』

【初回限定盤A】CD+Blu-ray
VIZL-2353/¥6,920(税込)

【初回限定盤B】CD+DVD
VIZL-2354/¥6,480(税込)

【通常盤】CD
VICL-65997/¥3,400(税込)
NOW ON SALE
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EVENT INFORMATION

"キュウソネコカミpresents.『極楽鼠浄土』"
2025年3月20日(木・祝)神戸 ワールド記念ホール
OPEN 11:30 / START 12:30
出演:キュウソネコカミ / KANA-BOON / ゲスの極み乙女 / SHISHAMO / BLUE ENCOUNT / ヤバイTシャツ屋さん
[チケット]
一般券:アリーナスタンディング ¥8,200 / 指定席 ¥8,800
学生券(中高大専):アリーナスタンディング / 指定席 ¥6,600
ファミリー(一般+小学生以下):指定席 一般券 / ¥8,800 / 指定席 子供券 ¥4,400
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TOUR INFORMATION

"DMCC REAL ONEMAN TOUR 2024 -めざせ!鼠浄土-"
開催中
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