Japanese
キュウソネコカミ
Skream! マガジン 2014年08月号掲載
2014.07.13 @LIQUIDROOM ebisu
Writer 沖 さやこ
追加公演2本を含む11本、全箇所ソールド・アウト。メジャー・デビューを境にさらに追い風が吹きまくってるキュウソネコカミのワンマン・ツアー7本目、LIQUIDROOM公演は、フロアの前方後方上手下手、どこを見回しても人、人、人!開演30分前の時点で熱気が充満していた。場内が暗転し、ステージ上の幕の向こうから「ウィーアーインディーズバンド!!」のイントロ。幕が開くと楽器を構えた5人と大きなバックドロップが現れ、それと同時に大きな歓声が沸いた。インディーズじゃないのにこれが1曲目?と思っていたらフロントの2人、ヤマサキ セイヤもヨコタ シンノスケも"ウィーワーインディーズバンド!!"と、確かに"ウィーアー"ではなく過去形の"ウィーワー"と歌っている。相変わらず芸が細かい!そこから最新作『チェンジ ザ ワールド』収録の、13変化MVも大きな話題になった「ビビった」へ。まず驚いたのは音が重いこと。もともと演奏力の高いバンドであるが、カワクボ タクロウのベースも以前以上に太くしなやかになり、グルーヴをふくよかに。それを鋭くするのはオカザワ カズマのギターとフロント2人。そしてこんなに噛みつく気概に溢れてつつも、どこか淡々としたムードが漂うクールなソゴウ タイスケのドラミングがまた絶妙だ。まさしくチームプレイと言うべきサウンドスケープで一気にフロアを支配してしまった。"スマホはもはや俺の臓器"のキラー・ラインでお馴染みの「ファントムヴァイブレーション」はパンク的な爆発力を生み、近年のバンドの傾向を憂う「テレキャスばっか」ではヘヴィで歪んだ音で、憂いと焦燥を匂わせる。ああ、キュウソネコカミは曲の本質や言葉を引き立てるアプローチをしているんだ。キュウソのライヴは楽しい、踊れる、笑える――彼らはそれだけではない風景をこのステージで描こうと、そして観客の心に植え付けようとしている!
ヨコタが"今日のセットリストは(『チェンジ ザ ワールド』を)聴いてないとお話にならないセットリストだけど大丈夫?"とフロアに問うと、ヤマサキが"いや、お話にしていこうじゃないか!!テキトーでもノレる曲作っとんじゃい!"と自虐的でありつつも攻勢的に切り返す。ヨコタのショルキーによる熱いソロを含む「What's your name?」から、ハード・ロックさながらの音像とファンク・テイストを含む「スベテヨシゼンカナヤバジュモン」にスマートに繋ぐと、"日頃の怒りをふぁびょーという言葉と共にぶつけてこい!"とヤマサキが言い「FABYOOOOO!!!!!」。"お前らの怒りはそんなもんか!!"という挑発にも説得力がある、まさしく怒りそのものとも言うべき激しいヴォーカルに目を見張る。「困った」ではまず"俺の体力を限りなくゼロに近づけてみやがれ!お前らの体力全部搾り取ってやるからな!"と宣戦布告。そしてこの曲の定番パフォーマンス"社会のしがらみ"のコーナーへ。自分たちの怒りを段ボールに書き綴ってそれを潰すという内容なのだが、ライヴをやりすぎているせいでそのしがらみがネタ切れで現在は一般公募をしているとのこと(笑)。その集まった社会のしがらみに対して叫びちらすヤマサキのコメント内容はお悩み相談のようでもあり、説教でもあり、僻みでもあり......とはいえ毒舌風のひとつひとつの発言には細やかな配慮が感じられた。
その後、本編中盤で披露された、ひたすら空芯菜の美味しさを歌う「空芯菜」。この曲には"暗い世の中の話は置いといてちょっとお前 早くこっち来いよすげぇうまい野菜見つけたんだ"という歌詞がある。美味しいものを食べて幸せになること、素晴らしい音楽で衝撃を受けたり様々な感情を巻き起こすこと、それを他者と共有すること。そういう充実感を得ることは大事だなー......と、会場中が"空芯菜!"と叫び一体感を強めるのを見ていてしみじみ思った。これは現実逃避か? いや、それこそとても生きる上では現実的なことで、そしてそれがキュウソネコカミの音楽の持つ本質ではないだろうか。その後も彼らはただ楽しいだけではないユーモアを次々投下する。もうすぐ本編終了というところでフロアから"最初からやって!"というリクエストがあり、一瞬うろたえるも"やってやろうじゃないか"と再び幕が閉じ「ウィーワーインディーズバンド!!」を再度披露するというサービスも。祭囃子×ダンス・ロックの「KMDT25」では"日本のライヴ文化に革命を起こしていく"とフロアに何重もの盆踊りの円ができた。
アンコール1曲目の定番であるコピー・コーナーでは、今回はレーベルメイトであるKEYTALKの「MABOROSHI SUMMER」を披露。続いての「お願いシェンロン」は中盤で「ナウシカ・レクイエム」を演奏しはじめ、袖に引っ込んだヤマサキがONE PIECEの主人公、ルフィに扮しアニメのOPテーマ「ウィーアー!!」をBGMに下手側から登場!"筋斗雲はどこやー!"と言いながらセイヤルフィは黄色い板を観客の上に浮かべ、"海賊王に俺はなるっ!!"の決め台詞を叫びまくり、最終的にメンバーは荒井由実の「ひこうき雲」をBGMに、観客のシンガロングに送り出されてフロアの扉からはけていく......というミクスチャーもミクスチャーな余興的パフォーマンス(笑)。ルフィの衣装を着たままステージに戻ったヤマサキが"この衣装でやることで意味がある曲をやりたいと思います"と言い、締めくくりは「キュウソネコカミ」。"俺らは別に芸人じゃない、俺の生き様見せつけろ、それ見てみんな笑うけど、それが何よりの優越感"――ライヴを重ねるごとに、この歌詞の説得性が増していく。彼らは昔も今も"追いつめられたネズミ"で"血だらけになりながら猫を襲う"。それはメジャーに行ったからといっても変わらない。そのインディーズ精神をもって、彼らは音楽界の強豪アーティストたちに、そして世の中に噛みつきつづけるのだ。これをロックと言わず、なんと言う? 最後の最後、自身の核を明確に提示した彼らの姿は、圧倒的な頼もしさを誇っていた。
【SET LIST】
ウィーワーインディーズバンド!!
ビビった
ファントムヴァイブレーション
テレキャスばっか
What's your name?
スベテヨシゼンカナヤバジュモン
就活就活
困った
ネコ踊る
キャベツ~新曲
御法度
空芯菜
DQNなりたい、40代で死にたい
カワイイだけ
たまにいるタラシくん
シャチクズ
サブカル女子
ウィーワーインディーズバンド!!
良いDJ
KMDT25
何も無い休日
- ENCORE -
MABOROSHI SUMMER(KEYTALKカヴァー)
お願いシェンロン
キュウソネコカミ
- 1
LIVE INFO
- 2025.10.25
-
フラワーカンパニーズ
秋山黄色
センチミリメンタル
東京スカパラダイスオーケストラ
コレサワ
超☆社会的サンダル
eastern youth
打首獄門同好会 / ガガガSP / 片平里菜 / AMEFURASSHI ほか
chilldspot
TOKYOてふてふ
brainchild's
フレデリック
LACCO TOWER
YOASOBI
森 翼
Appare!
Rei
Age Factory
DeNeel
osage
優里
Lucky Kilimanjaro
KANA-BOON
ASH DA HERO
the paddles
シド
cinema staff
SUPER BEAVER
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
bokula.
橋本 薫(Helsinki Lambda Club)
toe
ザ・ダービーズ
山内総一郎
INORAN
藤巻亮太
Omoinotake
OASIS
- 2025.10.26
-
フラワーカンパニーズ
DOES
センチミリメンタル
THE BACK HORN
Lucky Kilimanjaro
東京スカパラダイスオーケストラ
崎山蒼志
PIGGS
KANA-BOON
eastern youth
渡會将士
森 翼
超能力戦士ドリアン
優里
bokula.
モーモールルギャバン×ザ・シスターズハイ
オレンジスパイニクラブ
Appare!
ポルカドットスティングレイ
Age Factory
古墳シスターズ
Cody・Lee(李)
DeNeel
Mrs. GREEN APPLE
osage
阿部真央
moon drop
jizue
DYGL
INORAN
OASIS
ACIDMAN
9mm Parabellum Bullet
I Don't Like Mondays.
- 2025.10.27
-
YOASOBI
錯乱前戦
Damiano David(MÅNESKIN)
- 2025.10.28
-
終活クラブ
SIX LOUNGE
アイナ・ジ・エンド
YOASOBI
吉澤嘉代子
藤巻亮太
超能力戦士ドリアン
サニーデイ・サービス × NOT WONK
リュックと添い寝ごはん
- 2025.10.29
-
吉澤嘉代子
Damiano David(MÅNESKIN)
amazarashi
キュウソネコカミ
moon drop
怒髪天
- 2025.10.30
-
超☆社会的サンダル
LONGMAN
YOASOBI
凛として時雨
夜の本気ダンス
キュウソネコカミ
SIX LOUNGE
打首獄門同好会
Nikoん × Apes
挫・人間
- 2025.10.31
-
すなお
ExWHYZ
吉澤嘉代子
東京スカパラダイスオーケストラ
LONGMAN
YOASOBI
ガガガSP
フリージアン
FINLANDS
Newspeak
夜の本気ダンス
go!go!vanillas
超能力戦士ドリアン
インナージャーニー
岸田教団&THE明星ロケッツ
ポップしなないで
RAY
アイナ・ジ・エンド
- 2025.11.01
-
東京スカパラダイスオーケストラ
怒髪天
PIGGS
超☆社会的サンダル
ポルカドットスティングレイ
MONOEYES
シド
LACCO TOWER
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
LiSA
Omoinotake
"ボロフェスタ2025"
ドミコ
TOKYOてふてふ
Dannie May
SIX LOUNGE
hockrockb
go!go!vanillas
osage
RADWIMPS
The Biscats
brainchild's
ぜんぶ君のせいだ。
INORAN
chilldspot
moon drop
インナージャーニー
KANA-BOON
AFTER SQUALL
松永天馬(アーバンギャルド)
NANIMONO
愛美
CYNHN
DeNeel
kobore
the cabs
離婚伝説
[Alexandros] / WANIMA / UNISON SQUARE GARDEN / くるり ほか
- 2025.11.02
-
osage
OKAMOTO'S
PIGGS
HEP BURN
秋山黄色
吉澤嘉代子
MONOEYES
セックスマシーン!!
ビレッジマンズストア
離婚伝説
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
"ボロフェスタ2025"
KING BROTHERS
wacci
Laura day romance
PIXIES
Devil ANTHEM.
TOKYOてふてふ
RADWIMPS
Dannie May
ぜんぶ君のせいだ。
INORAN
キタニタツヤ
moon drop
KANA-BOON
AIRFLIP
ハンブレッダーズ×秀吉×囲碁将棋
羊文学 / sumika / クリープハイプ / マルシィ ほか
私立恵比寿中学
The Biscats
WtB
:[Alexandros] / 10-FEET / go!go!vanillas / マカロニえんぴつ ほか
bokula.
- 2025.11.03
-
irienchy × no more
NANIMONO
秋山黄色
フレデリック
怒髪天
OKAMOTO'S
東京スカパラダイスオーケストラ
Devil ANTHEM.
ポルカドットスティングレイ
セックスマシーン!!
キタニタツヤ
シド
LiSA
"ボロフェスタ2025"
yama
キュウソネコカミ
愛美
brainchild's
藤巻亮太
AIRFLIP
私立恵比寿中学
Bye-Bye-Handの方程式
moon drop
SCOOBIE DO
the telephones
フラワーカンパニーズ
清 竜人25
THE BACK HORN
凛として時雨
Age Factory
hockrockb
LACCO TOWER
阿部真央
- 2025.11.06
-
RADWIMPS
古墳シスターズ
ねぐせ。
超能力戦士ドリアン
吉澤嘉代子
TENDOUJI
東京スカパラダイスオーケストラ
THE SPELLBOUND
LEGO BIG MORL
LONGMAN
キュウソネコカミ
フィロソフィーのダンス
夜の本気ダンス
GLIM SPANKY / 神はサイコロを振らない / レトロリロン
礼賛
ブランデー戦記
- 2025.11.07
-
YONA YONA WEEKENDERS
コレサワ
Rei
SIX LOUNGE
古墳シスターズ
あたらよ
Chimothy→
NANIMONO
超能力戦士ドリアン
崎山蒼志
ザ・シスターズハイ
MONOEYES
インナージャーニー
PompadollS
LEGO BIG MORL
androp
reGretGirl
終活クラブ
フレデリック
DOES
brainchild's
LUCKY TAPES
大橋ちっぽけ
BLUE ENCOUNT
- 2025.11.08
-
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
ねぐせ。
FINLANDS
フラワーカンパニーズ
NANIMONO
Rei
SCOOBIE DO
打首獄門同好会
離婚伝説
PIGGS
終活クラブ
東京スカパラダイスオーケストラ
moon drop
キュウソネコカミ
eastern youth
wacci
Cody・Lee(李)
フレデリック
osage
怒髪天
優里
ASH DA HERO
irienchy × no more
パスピエ
MONO NO AWARE / ウルフルズ / Jeremy Quartus(Nulbarich) / SIRUP ほか
向井秀徳 / the band apart / ラブリーサマーちゃん / サニーデイ・サービス / 石野卓球 ほか
ザ・シスターズハイ
藤巻亮太 / SHE'S / SOIL&"PIMP"SESSIONS / 寺中友将(KEYTALK) / CENT ほか
ビレッジマンズストア
- 2025.11.09
-
コレサワ
Mrs. GREEN APPLE
Laura day romance
ねぐせ。
NANIMONO
SUPER BEAVER
フラワーカンパニーズ
あたらよ
ズーカラデル
osage
FINLANDS
SCOOBIE DO
MONOEYES
Devil ANTHEM.
崎山蒼志
打首獄門同好会
キタニタツヤ
リュックと添い寝ごはん
LUCY
水平線
KANA-BOON
ラックライフ
暴動クラブ
東京スカパラダイスオーケストラ
chilldspot
インナージャーニー
ドミコ
森 翼
PompadollS
Appare!
キュウソネコカミ
eastern youth
Cody・Lee(李)
BLUE ENCOUNT
優里
岸田教団&THE明星ロケッツ
Rhythmic Toy World / BIGMAMA / LACCO TOWER / kobore ほか
ASIAN KUNG-FU GENERATION / SHISHAMO / 水曜日のカンパネラ / TENDRE ほか
シド
"四星球放送局FESTIVAL"
Dannie May
a flood of circle
センチミリメンタル
怒髪天
RELEASE INFO
- 2025.10.25
- 2025.10.26
- 2025.10.29
- 2025.10.30
- 2025.10.31
- 2025.11.05
- 2025.11.07
- 2025.11.09
- 2025.11.10
- 2025.11.11
- 2025.11.12
- 2025.11.14
- 2025.11.17
- 2025.11.18
- 2025.11.19
- 2025.11.21
FREE MAGAZINE

-
Cover Artists
暴動クラブ
Skream! 2025年10月号




















