Japanese
キュウソネコカミ
2014.01.25 @渋谷CLUB QUATTRO
Writer 沖 さやこ
昨年4月に行われた新代田FEVER以来となる東京でのワンマン・ライヴ。今回はよりキャパシティを広げた、ロック・バンドの登竜門的存在である渋谷CLUB QUATTROだ。今回の東名阪ワンマン・ツアー、勿論チケットは全箇所ソールド・アウトで、クアトロのフロアは前から後ろまで半端じゃない人数で溢れている。暗転するとSEは、前日ヤマサキ セイヤ(Vo/Gt)がZepp Tokyoへライヴを見に行ったサカナクションの「アイデンティティ」。イントロからクラップと歓声や掛け声が起こり、サビでは"どーしてぇ~♪"の全力の大合唱。バンドだけでなくお客さんもユーモアたっぷり。この時点で相当面白い。そんな盛り上がりをかき消すようにヤマサキが"キュウソネコカミやー!! 西宮からはるばるやってきたぜー!!""渋谷QUATTROやたら床が揺れるらしいな、いきなり揺らしてみてもいいかな!?"と叫び「ネコ踊る」。リフレインするリフと"にゃー"の掛け声に、カワクボ タクロウ(Ba)のソロなどのスパイスを効かせフロアを焚きつけると、"スマホはもはや俺の臓器"の破壊力抜群のラインを擁する「ファントムヴァイブレーション」。演奏の合間に歌詞の内容と合わせて動きを入れるヤマサキと、キュートなキーボードを鳴らしつつダンスを交えるヨコタ シンノスケ(Key/Vo)のフロント2人が、フロアのテンションを丁寧に盛り上げる。オカザワ カズマ(Gt)のギターがクールに響く「テレキャスばっか」。まだ3曲目だというのに、この時点で冷房が追いついていない。ヤマサキの睨み付けるようにひりついたカッティングに、シニカルな歌詞が生だとより響く。ソゴウ タイスケ(Dr)のリズムのアクセントが効いたダンス・ナンバー「ファッションミュージック」ではヨコタがステージぎりぎりまで出てフロアを煽る。ヤマサキの絶叫や、倦怠感のあるラップ風のぼやきがナイフを突きつけるようで背筋をひやりとさせる。「FABYOOOOO!!!!」の前には"日頃の恨みを俺にぶつけてこい!"と力強く叫ぶ頼もしい一面も見られた。
「キャベツ」の途中で"3月31日にシングル出します""いい加減しんどいんで売れたいんで恋愛ソングを書きました"といたってスタンダードなオシャレなナンバー「It's normal song」を披露(※ちなみにこの曲はライヴ会場限定販売の『赤盤』に収録されている)。全て演奏し終えると"嘘だよ、んなわけあるかー!!"と「キャベツ」に戻る。この徹底的なユーモア・センスは脱帽だ。音楽業界への不満を綴った新曲「ビビった」は"俺らが世界を変えてやると意気込んでもきっと意味はない"などの歌詞に少し憂いのあるメロディ。だけど"さあみんなで踊ろうよ"歌い、フロアはワイパーが起こりミラー・ボールが回転しハッピー・ムードだ。つらいこと、むかつくことはたくさんあれど、そんなものも全部ネタにする。音楽はそもそも楽しいもので、結局楽しんだモン勝ちなのだ。するとまだまだ序盤である9曲目にしてキラー・チューン「DQNなりたい、40代で死にたい」を投下。お馴染み"ヤンキーこわい"のコール&レスポンスの後には"ヤンキー天国"と名付けた「学園天国」風のコール&レスポンスや大塚美容形成外科のCMソングを織り交ぜる。"あと2回ヤンキーこわい言って、日本びびらしていこうぜ!"と叫ぶヤマサキの姿は、なぜだかとてもロック・スター然としていた。ウォール・オブ・デスの後に"大丈夫か怪我はないか!?"と声を掛けると「YUTORI IS GOOD」「ゲーマーズハイ」。圧倒的なキラー・チューンの後でもテンションはキープ。どの曲もしっかり育っているのは、バンドが手を抜くことなく愛情や緊張感を持って自分たちの曲を演奏してきたからに他ならない。
"俺はダイヴの文化を衰退させたくはない"と注意喚起をしたヤマサキが「困った」でいきなりダイヴ。ダンボールに"社会のしがらみ"を書き綴る定番のコーナーではファンたちへの感謝を伝える以外にも"ステージ降りたら礼儀正しく""自分勝手な奴は死ね""俺らをオリンピックの開会式に出すためにお前らみんな選挙行け"だの、不満と願望と感謝をまき散らし、フロアに下ろしたダンボールにヤマサキが頭から突っ込む。フロアに浮かぶ彼のピンと伸びた足に、歓喜の爆笑と拍手が沸いた。筆者が彼らのライヴを見たのは前回のワンマンのFEVER以来だったのだが、対バンツアーや様々なフェス出演も影響してか、観客と真剣に向き合っていたのがとても印象的だった。攻撃的なだけではないふくよかな音色に、ドラマティックに繋げるセットリスト。観客をエスコートするような演出など随所に優しさも見られ、自らの立場に自覚的なのもよくわかる。やりたい放題やっているように見えて、彼らはとてもクレバーなのだ。「シャチクズ」の切ない旋律とリフに胸を抉られていると"意味なくSUBWAYで~♪"とアカペラでコール&レスポンスを行い「サブカル女子」。そこから「ウィーアーインディーズバンド」、本編ラストの「キュウソネコカミ」まで鋭い眼光のまま全速力で駆け抜けた。
アンコール1曲目はワンマン恒例の自分たちのルーツのコピバンタイムということで、東京ではBUMP OF CHICKENの「天体観測」を披露。タウンワークのCMソングを壮大に織り交ぜた「就活就活」も絶妙だった。ダブル・アンコールの"日本古来のビートでサークルを作る""俺らのサークルは平和に、煌びやかに、雅に"という新曲「KMDT25」ではフロアの中央に盆踊りのサークルを作らせるという粋な計らいも。ヤマサキは終盤で"コミック・バンドだけにはなりたくない"と言っていた。彼らをそうやって揶揄する人も多いのだろう。キュウソはただ、サービス精神が旺盛でユーモア・センスが抜きん出ているだけ。傷つきながらも自らが信じる道を突き進む、手抜きなど一切ない体当たりのパフォーマンスは、紛うことなきロック・バンドだ。中だるみもない、あっという間の2時間40分。キュウソの魅力はワンマンにあり、と思わせる途轍もなく熱狂的な夜だった。
1. ネコ踊る
2. ファントムヴァイブレーション
3. テレキャスばっか
4. TSUTSUNUKE BOYS
MC
5. ファッションミュージック
6. FABYOOOOO!!!!
7. キャベツ
MC
8. 新曲
MC
9. DQNなりたい、40代で死にたい
10. YUTORI IS GOOD
11. ゲーマーズハイ
MC
12. 困った
13. 音楽やめたい
14. たまにいるタラシくん
15. シャチクズ
16. サブカル女子
MC
17. ウィーアーインディーズバンド
18. 良いDJ
19. JP
20. 空心菜
21. キュウソネコカミ
EN.1
21. 天体観測
22. 就活就活
EN.2
23. KMDT25(新曲)
24. お願いシェンロン
25. オリジナリティー
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ハンブレッダーズ / KANA-BOON / キュウソネコカミ / マカロニえんぴつ ほか
ネクライトーキー×ポップしなないで
Keishi Tanaka × 村松 拓
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