Japanese
キュウソネコカミ
Skream! マガジン 2013年05月号掲載
2013.04.07 @新代田FEVER
Writer 沖 さやこ
キュウソネコカミ、東京での初ワンマンは、135分がむしゃらに大マジメにテンションを切らすことなく突っ走った素晴らしいライヴだった。パフォーマンスがパフォーマンスだけにコミック・バンド的な捉え方をする人も多いかもしれないが、それは大きな間違いだ。彼らは社会への不満、咆哮、自分のヘタレっぷりを嘆くように吐き捨て、それを鋭いビートと音にブチ込む。紛れもなくロックである!
1曲目「キュウソネコカミ」からヤマサキ セイヤ(Vo/Gt)がフロアにダイヴ。間髪入れずに「JP」を投げかけ、性急かつタイトで引き締まった演奏、牙をむき出しのシャウトをかますヤマサキとヨコタ シンノスケ(Key/Vo)のツイン・ヴォーカルはフロアのモッシュとダンスを更に盛り上げる。転がるように「TSUTSUNUKE BOYS」、“愛とか青春とかそういうのものっそい嫌いやねん”とヤマサキが語り“友達をコケ下ろした曲やります”と「Noise and milk」。鮮やかなシンセと太いリズムが引っ張るダンス・ビート、ハードコア的側面を見せるギターが、斜に構えつつも小気味良い空気を作る。切ないギター・ロックに乗せてヘヴィー・スモーカーを揶揄した「たば狂」でのヤマサキの眼光は真剣そのもの。刹那的でシリアスなムードを作る。“新生活を応援する歌”と「友達仮」では途中大学生活にまつわる小話を挟む。“ちゃんと親も大事にしろよ”と「キャベツ」。途中のブルース的展開でカワクボ タクロウ(Ba)のエピソードを披露した。絶望を絶唱。希望なんて見当たらないどうしようもない歌詞。抜群の説得力を持つ弱者の嘆きはネガティヴそのものだ。だが常識をぶち壊す突飛なアレンジ、切り返しとテンポの良さ、緩急が織り成す瞬発力に心が躍り、思わず笑ってしまう。ここまでシリアスとユーモアを同居させられるバンドは貴重だ。
昔所属していたメンバー・はがね丸の“ワンマンでお客さんの上で寝てみたい”という夢を実現させるため、ヤマサキがシートを観客の上に広げ、寝転がりブランケットを掛けると「オリジナリティ」へ。異様だが非常に痛快な光景だ。その後そのままヤマサキはPAブースまで運ばれ、酸素ボンベを手渡されステージに戻るとそれで酸素補給。もうなんのこっちゃ! 笑いが止まらない。「シューカツシューカツ」演奏後、ヤマサキがフロアに“ちゃんと歌詞聴き取れた?”と問うが、いい感触が返らず“おい! この曲めちゃくちゃええこと歌ってんねんぞ!”と噛み付く。聴き取れた歌詞は確かに心を打つものだった。しっかりと彼の言葉を噛み締めたい。だからもう少しどの曲も言葉が届くように歌ってもらいたい(笑)。
レーベル・オーナー、はいからさんがよく言う言葉を歌にしたという新曲「ファビョーン(仮)」でははいからさんが急遽ステージに招かれる。ヤマサキが手にぐるぐるとマイクのコードを巻きつけるのを合図に「困った」。曲中で“社会のしがらみ”をずらずらと書き連ねたダンボールをフロアに置き、そこへ飛び込むという定番のパフォーマンスでは、オカザワ カズマ(Gt)が会社を辞めたことを公表し“これで平日も東京に来れるぞ!”と絶唱。“ヤンキーこわい”のコール&レスポンスでお馴染みの「DQNなりたい、40代で死にたい」では、救いようがないほどのマイナスの感情が音やフロアの空気と混じることによりプラスになる瞬間を目の当たりにし、どうにもこうにも涙腺が緩んでしまう。アンコールではまずフジファブリックの「虹」を披露する。これはカヴァーというよりコピーという表現が正しい演奏だったが、フジへの敬意と愛情が滲み出る純粋な音色だったのが印象的だった。楽曲展開、MCやSEなど隅々にまでギミックが詰め込まれた、面白おかしくも真剣そのもの。終始力の限り体当たりする5人の姿に、熱い感情がこみ上げた。窮鼠猫を噛む――その言葉の通り、このロック・シーンを泣き笑いの渦に巻き込む風雲児。彼らの力は本物だ。
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