Japanese
9mm Parabellum Bullet
2014年12月号掲載
Member:菅原 卓郎 (Vo/Gt)
Interviewer:石角 友香
-「オマツリサワギニ」の曲調と「EQ」の"生きるべきか いやさ"の"いやさ"が妙にリンクしてるようで面白いです。
あ、なるほど(笑)。"いやさ"ですね。"いやさ、どやさ"気に入ってるんですけど。まぁそれはシェイクスピアですね。"いや、死ぬべきか"ですよ。
-深刻度がだいぶ薄れます。
(笑)深刻度が薄れるかわりに芝居がかってる感じがあるんで。でも、曲の中で芝居がかってるっていうのは、なんだろ......音楽っていうか曲ってそもそもフィクションである可能性が高いし、その中でさらにフィクションしてるんで、逆にホントのこと言ってるみたいになる、っていうふうに僕は感じるんですけど。だからまぁ"何やっても大丈夫"ってことかな。
-「オマツリサワギニ」は音の隙間が多いですけど、ときどき出てくる滝さんのクラシカルな......。
ここはそれよりも土着的なリズムだって言ってましたね。"リズム推し"って。ギターもベースもパーカッシヴなプレイをしてるところが多いし。
-そもそも武道館でプレイするために選んだ曲なんですか?
そうですね。それまでにあった曲なんですけど、武道館でやるならこれかって。「EQ」ってギターの音が変じゃないですか? 端的に言って。それもやっぱ"新曲だ"っていって披露するからには、ガッと引き込めないとっていう理由の選曲だったんで。このリフだったら、この音色だったら"なんじゃこりゃ?"ってそりゃなるだろうって。
-"生きる"ことについての3曲だと思うんですけど、それぞれ表情が違う。
自分としては「オマツリサワギニ」と「EQ」書いたあとに「生命のワルツ」を書いてて。先の2曲を書いてる間はなんかこう、"抜けねぇな"というか、"もう1歩行きたいんだけど"っていう感じがあったんですけど、「生命のワルツ」でそれが達成されたから、ひとつ"1歩リード"っていうか、自分の中でですけど。
-ところで今や9mmチルドレン的なバンドは、9mm以上に転調とか変則ビートを取り入れてますけど、逆に9mm本体はギミックとか展開よりももっと大きなものを表現してるのかなと最近思うんです。
どうやったら1番9mmっぽくなるかというと俺たち4人が演奏することなんで。曲の展開をただ複雑にするとか、すごい転調しても"そうなるだけ"。俺がひとりでゲストで呼ばれて歌うことがちょくちょくあるんですけど、そのときに感じるのは、やっぱり9mmってこう、4人で演奏してるとその4人でしかない演奏の仕方があるなと思うんですよね。で、それがやっぱり9mmのサウンドのノリになってるし、秘密になってるなぁって実感することが多くて。俺たちはもう曲の複雑さであるとか突拍子もないっていうことに自分たちのアイデンティティを置いてないんで、自分たちのこの演奏で曲を"ここが出せるギリギリだ"っていうところまで踏み込んで演奏するっていう、それ自体が9mmのサウンドかなと思うから。そういうことなんじゃないですかね?
-11年目に向かって......漠然とした質問ですが、どう進んでいきたいですか? キャリアは中堅ということになるんでしょうけど。
いい具合に無責任にやっていきたいなと思っていますね。ただ、仲がいい先輩たちがいて、自分より年下の世代がいてっていうだけだから。先輩でも後輩でも結局一緒にライヴをするとかになったら負けたくないじゃないですか。いい曲聴いたら"悔しい!"って思うし。
-最近、菅原さんや滝さんのバンド外活動も興味深くて、それはバンドにフィードバックされてますか?
そうですね。フィードバックされることしかないなというふうに思うんで。なんかまぁそんな騒がず見ててもらえば大丈夫、みたいな感じですね。1番好きなのはもうホント、人のバンドでギターとか弾かないで歌って、で、自分のバンドに帰ってきて"あ、うちはいいな"って思うことですかね(笑)。
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