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INTERVIEW

Japanese

空想委員会

2014年06月号掲載

空想委員会

Member:三浦 隆一 (Vo/Gt) 佐々木 直也 (Gt) 岡田 典之 (Ba)

Interviewer:沖 さやこ

-そういう地道で精力的な活動のなかで、インディーズにして昨年4月はLIQUIDROOM ebisuでワンマン・ライヴを行い800人のお客さんが集まるという......この数字も驚異的です。

三浦:このときも必死でした。それで、僕らはツアーでいろんなところに行っていたので"この日は各地から修学旅行みたいにして東京に来なよ!"という設定の企画を考えて、それをツアー先のお客さんに言っていたんですよね。それで修学旅行のしおりを作って、俺ら3人で東京の名所を回って3人で自撮りして観光ガイドを作ったりしたんです(※これらは現在も空想委員会のオフィシャル・ホームページで見ることができる)。こういうことをするとお客さんもイメージしやすいし。前日からイベントを組んだりもして。"遠征のすすめ"ではバスの切符の取りかたとかも紹介して。

-若い子たちでも安心、優しい! この発想は上京組だからこそかもしれないです。

三浦:そうですね、僕が青森なので、東京に出てくるのはやっぱり怖いから。ひとりだし、不安でしょうがないんだけど"空想委員会のライヴのために全国各地から集まった仲間がいるよ"と思えば大丈夫だと思えるんで。そうやって企画を組んで。こういうのが好きなんですよね。やっぱり遊びなので。楽しんでもらえたらいいなと。

佐々木:僕らはお客さんと楽しみたいだけなんで。それをいかに俺らも楽しむか、本気でやるか......一緒に遊ぼうぜ!みたいなのをどれだけ作れるかですね。

三浦:学生さんが多いので、親御さんも"ロック・バンドのライヴに行く"だけだと不安かもしれないけど、こういうのを見てもらえれば安心すると思うんで(笑)。そう思ってもらえたら本当に嬉しいですね。

-空想委員会は本当に楽しい学生生活ですね。だからこそ我々リスナーも空想委員会の音楽や活動にのめり込めるんだと思います。メジャー・デビュー作『種の起源』は、そういう空想委員会の変わらない部分と、広い舞台に身を移したことによるチャレンジの両方が詰め込まれたアルバムなのではないでしょうか。こちら100曲デモを作って、そこから選りすぐりの11曲が収録されたということで。

三浦:もともとあった曲もあるんですけど、このCD用に結構たくさん曲書きましたね。とりあえず各々自由に、やりたい曲を書いていこうということで始まったんですけど......並べてみたら今までの空想委員会らしさと、ちょっと変わった部分と。バンドとしての歴史もあるので、できることも変わってきたし。だから自ずと新しいものと古いものが混ざったアルバムになりましたね。

岡田:単純に"響くもの"を選んでいったら、この曲たちになって。

三浦:インディーズ・デビューのときも、全曲シングルにできるくらいの曲を作ろうって作ったんですけど、今回もそうだよね。全曲リードでいける曲を並べようと。

-"種の起源"という言葉が挙がってきたのは早い段階だったんですか?

三浦:メンバーには言っていなかったですけど、タイトルとかテーマは結構早い段階で頭のなかにありましたね。歌詞には今の自分が思っていることがそのまま出るので、僕にとっては"メジャー・デビュー決まった!"というのが1番大きいニュースだったから......そこに関して考えることが多くなって。それで"変わること"と"変わらないこと"があるよなぁ......って。そこから"僕らがどう進化するか"というのがテーマになって、もともと"種の起源"という言葉は学校で習って知っていたので、それと結びついたというか。あとは"ファンのかたと僕らの関係性がどう変わっていくのか"というのも、ちょっと裏テーマとしてありましたね。

-その裏テーマ、詳しくお聞きしたいです。

三浦:......やっぱり、最初の頃と同じようにはできなくなってくる。でも、そこを求めているファンのかたもいらっしゃるんですよね。近い関係が楽しいからライヴに行きます、というかた。それもすっごいわかるんですけど......音楽を広めていこうとすると、だんだん最初の形から変わっていっちゃうものもあるんで、そこは受け入れてほしい。でも(メジャー・デビューは)携わる人が増えたという形態が変わっただけで、"僕らの核になる心の部分は変わってないよ"と。純粋に空想委員会の音楽が大好き!という人は、関係が変わっても変わらず応援してくれるんですよね。そこは本当にありがたいと思っているので"変わっていっちゃうものもあるけど、変わらない強いものもあるよね"というのが......裏のテーマというか。メジャー・デビューをしての、空想委員会とファンの皆さんとの関係性がこうなっていったらいいね、というのも、ちょっとありますね。