a flood of circle 佐々木亮介の「ディグ・ディグ・ブルース」【第4回】
2016年02月号掲載
寒がりのくせに薄着、それが俺。この原稿を書きながら2月のロンドン行きの準備に頭を巡らせているんだけど、クソ寒い所に出向くのが既に恐ろしい。リバティーンズのカール主催の「Dirty Water Club」に呼んでもらったり、3本のライブをしてくる。子供の頃に通っていた学校や公園も見に行くつもりだから、冒険とノスタルジーを一遍に味わう旅になりそうだ。
今回は東京の店の話をしようと思ってたけど、番外編と言うべきかも知れない。店じゃなくて、これはイベントと呼ぶべきだから。
第4回 ディスクユニオン中野店/中古レコード100円市
<中野厚生会館/東京都中野区中野5-67-1>
15,000枚もの中古レコードを100円で売りまくるイベント、それが中古レコード100円市。知ったきっかけは数年前にたまたま会場の前を通りかかっただけなんだけど......レコード買うと次の予定を知らせてくれるので、それ以来時間がある時は寄っている。15,000枚の謳い文句に疑いの余地はない。当日は厚生会館のスペースいっぱい......どころか外にまでエサ箱が溢れ返る。隅々までチェックしようと思ったら一日では足りない。商店街を少し折れた細い路地で催されているから、通りすがりに何事かと覗き込む人も多い。異様な光景なのだろう。人によってはジャンクボックスにしか見えない段ボールの山に、昼から夕方まで常時30人くらい群がってるんだから。人間模様も様々。漁って来た戦利品を交換し合う初老の男性同士の友情があったり、ヘッドフォンを首に下げた若い女性同士で「今日は良いのあったね」なんて会話をしていたり。俺は黙々と物色。
売り物は全て100円だからこそ、ジャンル毎にコーナー分けされている訳でもないし、ボロい盤もボロいジャケットも山ほどある。そしてそれが、面白い。例えば一つの段ボールにラフマニノフと山口百恵とジョーコッカーとオスカーピーターソンとデ・ラ・ソウルとコールド・カットその他大勢がぎっしり詰まっているのを見ると、そこに無限の出会いが眠っているように感じられる。サブスクリプション・サービスに推薦されるプレイリストも面白いけど、昔ながらのやり方で能動的に音楽と出会うことも、今でもすごく面白い。膨大な枚数、無限の音楽性の幅、値段が安過ぎて失敗しても良いと思えるハードルの低さ、売り場に渦巻く謎のエネルギー......レコードを安くたくさん買いたい、というよりも、未知との遭遇のチャンスこそが100円市の最大の魅力だと思う。
最近買ったのは、越路吹雪のゴールデン・ヒッツ、ボブ・ディランのナッシュビル・スカイライン、LL Cool Jのいくつかのアルバム、山下達郎のMELODIES、ジャック・ペニャーテの12インチ・シングル......無軌道。いや、予定通りの買い物も良いけど、わけ分かんない衝動に駆られて出会うものもなかなか良いものである。
さて10周年を迎えた我々はベストアルバム「"THE BLUE" -AFOC 2006-2015-」をリリースすることにした。アナログ作りたいなあ......4月からは2年振りの全国ワンマン・ツアーをやる。いつもの千葉LOOKから始めて6月の新木場STUDIO COAST、沖縄Outputまで。ベストアルバムのツアーだからね、出し惜しみしないどころか出し過ぎなくらい全開でやるんでよろしくどうぞ。ロンドンから帰って来て最初のライブはTHE ORAL CIGARETTES(とても良い奴ら)のツアーで久しぶりに広島に行けるからそれも楽しみだ。
次はロンドンのレコ屋の話にしたい。
佐々木亮介 / a flood of circle
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