Japanese
a flood of circle
Skream! マガジン 2017年08月号掲載
2017.06.11 @Zepp DiverCity TOKYO
Writer 沖 さやこ
フロントマンの佐々木亮介は、アンコールで"何もないところに行くっていいよ。何か生まれるから"と観客に語り掛けた。AFOCは2016年に、ベスト・アルバムのリリース、ロンドン・レコーディング、ロンドンで出会ったエンジニアを日本に招いてのレコーディング、新サポート・ギタリストの一般公募と、それによるアオキテツとの出会い、自主企画フェス"A FLOOD OF CIRCUS 2016"など、結成10周年というタイミングで様々な初体験を続ける。このワンマン・ツアーで彼らは、「New Tribe」の歌詞のフレーズ"生まれ変わるのさ"という理想を現実にしたのではないだろうか。
渡邊一丘(Dr)、HISAYO(Ba)、アオキテツがステージに現れ、3人で音を出すと、佐々木がステージ中央のマイクスタンド前に立ち「El Dorado」を歌い出す。渡邊のドラムもひと際迫力のあるスポークン・ワード・ナンバー。最新作『NEW TRIBE』の楽曲だけでなく、インディーズ時代の「泥水のメロディー」、1stフル・アルバム『BUFFALO SOUL』のオープナーである「シーガル」など、新旧織り交ぜたアッパーな楽曲が続くという、序盤から非常に挑発的なセットリストだ。
ノースリーブの膝上ワンピースに、柄タイツとショートのヒール・ブーツでステップを踏みながら低音を操るHISAYOは、相変わらず見た目も音も華やか。彼女の繰り出すビートに乗せてストレートのロング・ヘアーが揺れるところも惚れ惚れしてしまう。彼女がコーラスを取る「Rex Girl」は4人がスクラムを組んで突撃してくるようなパワーが痛快だった。「Rock'N'Roll New School」や「見るまえに跳べ」で軽快な空気を作ると、「ジュテームアデューベルジャンブルース」ではHISAYOが軽くクラップをする仕草をし、それを見た観客が一斉にクラップを始める。佐々木とアオキがステージ前に出て、ギター・ソロでユニゾンやハモるシーンにも歓声が沸いた。
アオキが参加してからのAFOCはかなりフレッシュだ。気持ちが先へ走るような演奏は堂々としていて、そんなスリルも心から楽しんでいるよう。佐々木がTwitterで現在のAFOCのことを"4人とも桃太郎のバンド"とつぶやいていたことにも納得した。アオキの豪快ながらひたむきなプレイに、強いポテンシャルを持ってステージに立っていることが窺える。"a flood of circleに骨をうずめるつもりだ"と語る若者の気合、底力、背伸び、幼さ、粗さ、すべてがバンドにいい影響を及ぼしているのでは。渡邊のドラムにメロウなアオキのギターが重なり始まった「Trash Blues」は、彼の奏でる甘酸っぱい音色が佐々木の歌声をあたたかく包み込み、会場の熱狂をチルアウトさせた。
『NEW TRIBE』の制作を振り返った佐々木は"一緒に転がってる仲間がこれだけいるのが最高だ"と笑顔で語る。"マジこの先行ける気しかしないわ。まだまだ転がっていきますんで、一緒に転がしていきましょう"という言葉からも、いまの彼は"連れていく"という気持ちだけでなく、音楽で繋がっている人々全員と肩を組むように"一緒に進んでいく"という気持ちが大きいようだ。まさしくツアー・タイトルのとおり"新・民族大移動"の真っ最中なのである。
「The Greatest Day」は佐々木がひと言ひと言を噛みしめるように喉を振り絞り、その姿がさらに楽曲の精神性を強く滲ませた。「BLUE」は1年という歳月でさらに大きい楽曲へと育ち、その伸びやかなサウンドが"まだまだ旅の途中だ"と語り掛けるよう。渡邊のドラムがダイナミックに響く「New Tribe」はHISAYOとアオキが軽やかに踊りながらプレイし、観客もビートに乗せて身体を揺らしたりクラップをしたりと、会場全員が自然体で自分たちの曲として楽しんでいた。まさしくアンセム。AFOC10周年イヤーの象徴ともいうべき3曲のアクトは圧巻の2文字で、ここからさらにバンドのムードが良くなっていく。
「Golden Time」でバンドの充実を叩きつけ、そこからなだれ込むように「Dancing Zombiez」、「ミッドナイト・サンシャイン」へと繋ぎ、「Black Eye Blues」では一心不乱にギターを弾くアオキの姿も印象的だった。「Flyer's Waltz」のラストで佐々木は渡邊の方に身体を向け、両腕を上げてガッツポーズ。HISAYOとアオキも渡邊の前に集まり、円になった4人は「プシケ」を演奏した。音楽に対する集中力とそれによる緊迫感が心地いい。
佐々木は二十歳でバンドを組んだことに触れると"世間知らずだからバンドを組んだとも言えるし、たぶんこのまま生きていると何かに飲み込まれるというざっくりとした嫌な予感があってこの道を選んだと思う"と話す。"このツアー中に友達が3人死んじゃったんだ。でも3人とも最期まで理不尽なことに抗おうとしてた。俺たちも越えなきゃいけないことがたくさんあると思うんだよ。理不尽なことが降りかかってきても俺たちは転がるし、転がる人と一緒に行きたいと思ってる。ロックンロールは君の味方ですから"と続けた彼は、"でも楽しいからやりたいだけなんだけどね"と笑った。そのふたつのマインドを等しく持っていてこそ、多くの人々を巻き込めるロックンロール・バンドだろう。観客に語り掛けるように歌う「Honey Moon Song」はとてもあたたかく響いた。
アンコールでは佐々木の思いつきで急遽予定になかった「Blood Red Shoes」を演奏する。事前の打ち合わせも一切ないまま彼が歌い出したのにもかかわらず、動揺することもなく咄嗟についてきてエモーショナルな演奏をかましたメンバーや対応した音響・照明スタッフに対して佐々木は"最高! バンドいいわ~"とご満悦。"このツアー楽しすぎて、曲が超できてるの。やる気満々だよ!"と話す彼は"やってることは(この11年)変わってない。すげぇ新しくてすげぇ面白くてすげぇかっこいいロックンロールを作りたいだけ。それは曲だけでなく、こういう瞬間もそう。だから一緒に作っていくものだと思うんだよね。信じてついてこい!"とも言った。アンコールのラスト「ベストライド」では、"暴れ方は人それぞれ。お前はお前のままで今日のベストを見せてくれ"と観客に呼び掛けた言葉がそのまま彼自身にも反映されていたところも、非常にドラマチックだった。客電がついたラスサビ前の観客の大合唱をエネルギーにして、4人が一丸となり最高のグルーヴを見せる。仲間と強い信頼関係を築いたワンマン・ツアーに相応しい、闘志と希望に燃えたファイナルだった。
[Setlist]
01.El Dorado
02.Dirty Pretty Carnival Night
03.泥水のメロディー
04.シーガル
05.All The Young Rock'N'Rollers
06.Rude Boy's Last Call
07.Rex Girl
08.Rock'N'Roll New School
09.見るまえに跳べ
10.ジュテームアデューベルジャンブルース
11.Trash Blues
12.The Greatest Day
13.BLUE
14.New Tribe
15.Golden Time
16.Dancing Zombiez
17.ミッドナイト・サンシャイン
18.Black Eye Blues
19.Flyer's Waltz
20.プシケ
21.Honey Moon Song
22.Wolf Gang La La La
ENCORE
EN 1.Blood Red Shoes
EN 2.春の嵐
EN 3.ベストライド
- 1
LIVE INFO
- 2025.05.06
-
ビレッジマンズストア
Lucky Kilimanjaro
斉藤和義
ヒトリエ
CYNHN × タイトル未定 × fishbowl
Baggy My Life / Am Amp / Comme des familia
超☆社会的サンダル
LACCO TOWER
"VIVA LA ROCK 2025"
- 2025.05.08
-
オレンジスパイニクラブ
BLUE ENCOUNT
村松 拓(Nothing's Carved In Stone/ABSTRACT MASH/とまとくらぶ)
DeNeel
Maki
緑黄色社会
SUPER BEAVER
柄須賀皇司(the paddles)
ORCALAND
ヤングスキニー
WANIMA
- 2025.05.09
-
THE BACK HORN
Creepy Nuts
a flood of circle
BLUE ENCOUNT
村松 拓(Nothing's Carved In Stone/ABSTRACT MASH/とまとくらぶ)
WtB
DeNeel
SUPER BEAVER
Rhythmic Toy World
MAN WITH A MISSION
ねぐせ。
オレンジスパイニクラブ
大森靖子
Organic Call
GLASGOW
CNBLUE
- 2025.05.10
-
The Biscats × Ol'CATS
never young beach
The Ravens
ネクライトーキー
ずっと真夜中でいいのに。
コレサワ
村松 拓(Nothing's Carved In Stone/ABSTRACT MASH/とまとくらぶ)
HY
sumika
Baggy My Life / Am Amp / Comme des familia
Keishi Tanaka
ポップしなないで
Mr.ふぉるて
Rhythmic Toy World
Plastic Tree
ヤバイTシャツ屋さん
indigo la End
ヒトリエ
緑黄色社会
Bimi
"GAPPA ROCKS ISHIKWA"
GANG PARADE
SCOOBIE DO
斉藤和義
東京スカパラダイスオーケストラ
あいみょん
"METROCK2025"
FINLANDS
fox capture plan
CNBLUE
a flood of circle
No Buses
- 2025.05.11
-
The Biscats × Ol'CATS
ネクライトーキー
THE BACK HORN
ずっと真夜中でいいのに。
The Ravens
HY
sumika
indigo la End
ORCALAND
Keishi Tanaka
ヤングスキニー
BLUE ENCOUNT
山内総一郎×斎藤宏介
渡會将士
古舘佑太郎 × 田村晴信(171)
US
Plastic Tree
ヤバイTシャツ屋さん
VOI SQUARE CAT
NakamuraEmi
Bimi
ADAM at
SCOOBIE DO
斉藤和義
Creepy Nuts
flumpool
ヒトリエ
fox capture plan
四星球
私立恵比寿中学
忘れらんねえよ / 超☆社会的サンダル / Conton Candy / KALMA ほか
Ayumu Imazu
フラワーカンパニーズ
DIALOGUE+
BIGMAMA
People In The Box
Bray me
MARiA(GARNiDELiA)
WtB
あいみょん
"METROCK2025"
点染テンセイ少女。
清 竜人25
Mellow Youth
- 2025.05.12
-
US
- 2025.05.13
-
ヤングスキニー
WANIMA
ビレッジマンズストア
US
- 2025.05.14
-
yummy'g
VOI SQUARE CAT
大森靖子
WANIMA
緑黄色社会
Hello Hello
PEDRO
LiSA
清 竜人25
怒髪天
- 2025.05.15
-
a flood of circle
THE YELLOW MONKEY
SPARK!!SOUND!!SHOW!! / the dadadadys
女王蜂
No Buses
星野源
WANIMA
山内総一郎×斎藤宏介
CENT
オレンジスパイニクラブ
Homecomings × Cody・Lee(李)
mol-74
トゲナシトゲアリ × She is Legend
LiSA
- 2025.05.16
-
Hump Back
ORCALAND
ヒトリエ
Mr.ふぉるて
Creepy Nuts
fox capture plan
a flood of circle
ReN
四星球
ayutthaya
No Buses
The Ravens
People In The Box
flumpool
ヤングスキニー
星野源
[Alexandros]
VOI SQUARE CAT
Baggy My Life / Am Amp / Comme des familia
INF
never young beach
- 2025.05.17
-
フラワーカンパニーズ ※振替公演
THE BAWDIES
"CIRCLE '25"
女王蜂
sumika
渡會将士
アーバンギャルド
ネクライトーキー
ExWHYZ
斉藤和義
Bimi
Creepy Nuts
四星球
いきものがかり / Omoinotake / Saucy Dog / アイナ・ジ・エンド ほか
DIALOGUE+
GLIM SPANKY / 水曜日のカンパネラ / 岡崎体育 / Laura day romance ほか
コレサワ
flumpool
Official髭男dism
THE BACK HORN
People In The Box
GANG PARADE
WtB
BRADIO
"ACO CHiLL CAMP 2025"
indigo la End
[Alexandros]
ポップしなないで
小林私 / 色々な十字架 / 叶芽フウカ(O.A.)
INORAN
ずっと真夜中でいいのに。
村松 拓(Nothing's Carved In Stone/ABSTRACT MASH/とまとくらぶ)
インナージャーニー / 地元学生バンド ほか
- 2025.05.18
-
渡會将士
androp
"CIRCLE '25"
アーバンギャルド
sumika
ねぐせ。
ヒトリエ
THE BAWDIES
斉藤和義
ReN
a flood of circle
ASP
OKAMOTO'S / Lucky Kilimanjaro / サニーデイ・サービス ほか
ポップしなないで
WANIMA
"COMING KOBE25"
Official髭男dism
DIALOGUE+
The Ravens
Mr.ふぉるて
おいしくるメロンパン
ExWHYZ
コレサワ
BRADIO
"ACO CHiLL CAMP 2025"
私立恵比寿中学
CYNHN × タイトル未定 × fishbowl
SPECIAL OTHERS
INORAN
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
ずっと真夜中でいいのに。
- 2025.05.19
-
点染テンセイ少女。
- 2025.05.20
-
斉藤和義
オレンジスパイニクラブ
indigo la End
yummy'g
RELEASE INFO
- 2025.05.07
- 2025.05.09
- 2025.05.10
- 2025.05.14
- 2025.05.16
- 2025.05.21
- 2025.05.23
- 2025.05.28
- 2025.05.30
- 2025.06.01
- 2025.06.04
- 2025.06.11
- 2025.06.13
- 2025.06.18
- 2025.06.25
- 2025.06.28
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
Bimi
Skream! 2025年04月号