Japanese
a flood of circle
Skream! マガジン 2015年08月号掲載
2015.07.03 @渋谷CLUB QUATTRO
Writer 沖 さやこ
a flood of circle(以下:AFOC)恒例の自主企画"What's Going On"。今回は対バンしたことがなかったがぜひツーマンをやりたいというバンドに競演を申し込んだとのこと。イベントは名古屋と大阪はtricot、ここ東京では初日にGLIM SPANKY、2日目にthe band apartを迎え、東名阪で開催された。今回はAFOCの中心人物である佐々木亮介(Vo/Gt)が"ブルース対決"だと言う、東京初日の模様をレポートする。
60~70'sロックのテイストを現在形に昇華するブルージーな亀本寛貴(Gt)のギターでこの日のステージの幕を開けたGLIM SPANKY。"Janis Joplinの再来"と謳われるハスキーなヴォーカルを持つ松尾レミ(Vo/Gt)の歌声も堂々と響き、その芯の強さは凛とした表情にも出ていた。GLIM SPANKYの表現は音楽だけではなくアートやデザインにまで及び、ロング・ヘアーも美しい松尾はレトロ・テイストのワンピース、長身痩躯の亀本は華やかな細身のスーツ・スタイルと、衣装も彼女たちの楽曲のムードを引き立てる。サポート・メンバーであるリズム隊も強力で、彼女たちの太い芯を更に強靭に。"SUZUKI ワゴンRスティングレー"のCMで松尾が歌っているJanisのカバー曲「MOVE OVER」もクールだ。
音楽性としてもAFOCとの親和性は高く、フロアも超歓迎ムード。「褒めろよ」ではシンガロングも起こった。「踊りに行こうぜ」では強いアルコールでくらくらになるような昏睡に近い衝撃と、タールの重い煙草のような苦味を感じさせるサウンドで魅了。彼女たちは常に心からかっこいいと思うものを、自分たちが最もかっこいいと思う状態で届けている。
亀本はAFOCについて"学生時代から好き"と語り、松尾は佐々木が日本大学芸術学部の先輩だというエピソードを明かす。そしてラストに"そんな大学時代に書いた曲"という「大人になったら」を披露した。この曲は彼女が大学時代に音楽の道を進む選択をしたことに対して、周りから"音楽なんてやっても無駄"などと言われたことや、周りの大学の友人たちが親が望む将来を選択していくのを見てきたという経験から"大人になるとはどういうことだろう"と考えた中でできたものだという。"大人になれ、と言われるけど大人になるってどういうことかよくわかんないし。でもわかんなくてもいいじゃんと思って作った"という松尾の言葉のあとにこの曲を聴いたことで、より歌詞と音の深みが増した。松尾と亀本が向き合ってギターを弾く姿も、クールの中に生まれる激情も、密やかに輝く哀愁も美しかった。
そして本日の首謀者、AFOCの登場。白いグレッチに青い革ジャンを纏った佐々木が"おはようございます、a flood of circleです。What's Going Onへようこそ!"と一発目から最新作『ベストライド』収録の「One Shot Kill」を食らわせる。続いて転がるように「スカイウォーカー」へ。青いワンピースで軽やかなステップを踏みながら、時に微笑むなどし、しなやかに低音を奏でるHISAYO(Ba)、感情で突き進むようにリズムを刻む渡邊一丘(Dr)、正確な演奏でしっかりと暴れ馬AFOCを支える藤井清也(サポートGt)、この土台があるからこそ佐々木は自身のパワーを存分に発揮できる。フロアに出現したダイバーも、暴れたいという自意識というよりは、AFOCの生き様そのもののサウンドに、感情を突き動かされているように見えた。それはシンガロングも同じだ。佐々木は両手を耳の後ろにあててフロアから声を求め、オーディエンスもそんな彼に気持ちを託すように声を上げる。最新作収録の「YES」は、佐々木が優しく語りかけるように歌う場面と泣き叫ぶように歌う場面の両方がある曲。観客ひとりひとりと対峙する、胸ぐらに掴みかかるような気迫に身震いする。
佐々木が"今日はブルース対決だと思ってるんで。ブルースぶち込んでいいっすか?"と言い、藤井に指で合図して「Black Eye Blues」。佐々木はギターを置いてマイクを持ち、演説のように言葉をまくしたてる。ステージすれすれまでせり出ていたかと思いきや、最終的には観客の前にある柵の上に立ち、歌いきるとフロアに倒れ込んだ。そのあと彼はステージに戻る際、その場にいた観客に声をかけていた。こういう配慮を忘れない紳士的なところもAFOCが老若男女問わず慕われる理由のひとつだろう。4人のソロ回しが情熱的なインスト「Moby Dick」に続き演奏された「Trash Blues」は、音源では弾き語り+ピアノだが、ライヴでのバンド・バージョンは、8ビートと藤井の弾くアルペジオが心地よいグルーヴを生んでいた。
2009年にリリースされた2ndアルバム『PARADOX PARADE』収録の「Flashlight & Flashback」のあとは"こっからはダンス・タイムといこうか! バッファローの足音が聞こえてくるぜ"と「Buffalo Dance」。初期曲2曲を演奏する現在のAFOCを観て、今のAFOCは悔しさも怒りも悲しさも喜びも何もかも、全部ポジティヴなエネルギーに変換ことができるバンドなんだとつくづく感じた。かつての満身創痍でがむしゃらに転がっていく姿も美しかったが、今の彼らが放つ輝きは、以前とは比べものにならないくらい大きくてタフだ。巧みに「KIDS」へと繋ぎ、サビの"鮮やかなジャンプ"の通りフロアはジャンプとシンガロングでバンドに応える。音楽を信じる気持ちと愛する気持ちしか存在していない、雑念も何もない空間に、自分自身がロックに出会ったときのときめきや胸の高鳴りが蘇ってきた。ミディアム・ナンバー「心臓」からエモーショナルな「Boy」、「Golden Time」と猛スピードで駆け抜ける。彼らは本気で音楽でもって世の中を変えようとしている――本編ラストの「ベストライド」の威力は過去のどんな曲をも凌ぐ圧倒的さで、眩しすぎる光しか存在していなかった。佐々木はインタビューでもこのライヴでも"もう1度ロックンロールを音楽の真ん中に持っていきたい"と語ったが、バンドとオーディエンスがお互いをリスペクトして作り上げた最高に素晴らしい景色を観て、真ん中に来るべきだ、真ん中に持っていかなければいけないと心の底から思った。歌いきった佐々木が満面の笑みで高々とピース・サインをした姿が、今も脳裏に焼き付いている。
アンコールではアコースティック・ギターを抱えた佐々木がステージに登場し、GLIM SPANKYのふたりを招いて、イベント・タイトルにもなっているMarvin Gayeの「What's Going On」を3人でアコースティック・セッション。歌詞はこの日のために佐々木が書いたというオリジナルの日本語詞で、自らが愛するブルース/ソウルへの敬意を表明し、音と歌でも今この日本にブルースが生きていることを証明した。再びAFOCの4人でステージに立つと佐々木が"来年(結成)10周年、まだまだ行きますよ。俺たちのリヴェンジは今日始まったばっかりだからね"と語り、「リヴェンジソング」、「GO」で熱狂冷めやらぬままこの日を締めくくった。彼らはしっかりと大地を蹴りあげ、眩しすぎて見えない光の向こう側へ走り出した。そんな彼らの背中に"未来"と"希望"を感じてしまうのは必然なのだ。
- 1
LIVE INFO
- 2025.09.19
-
THE ORAL CIGARETTES
a flood of circle
UVERworld
セックスマシーン!!
Bye-Bye-Handの方程式
Redhair Rosy
たかはしほのか(リーガルリリー)
終活クラブ
あたらよ
Aooo
KING BROTHERS
bokula. / 炙りなタウン / Sunny Girl
The Birthday
- 2025.09.20
-
カミナリグモ
Lucky Kilimanjaro
TOOBOE
GRAPEVINE
This is LAST
LACCO TOWER
WtB
キュウソネコカミ
reGretGirl
岸田教団&THE明星ロケッツ
ASH DA HERO
THE SMASHING PUMPKINS
Miyuu
竹内アンナ
ぜんぶ君のせいだ。
PAN / SABOTEN
SHE'S
"イナズマロック フェス 2025"
LAUSBUB
渡會将士
Plastic Tree
ヨルシカ
cinema staff
Broken my toybox
あたらよ
大森靖子
04 Limited Sazabys / 東京スカパラダイスオーケストラ / ザ・クロマニヨンズ / 奥田民生 / ヤングスキニー ほか
ART-SCHOOL
AIRFLIP
"NAKAYOSHI FES.2025"
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
GOOD ON THE REEL
クジラ夜の街 / Dannie May / 終活クラブ / アオイロエウレカ(O.A.)
フラワーカンパニーズ
- 2025.09.21
-
ExWHYZ
HY
豆柴の大群
TOOBOE
カミナリグモ
LACCO TOWER
The Biscats
WtB
キュウソネコカミ
envy × OLEDICKFOGGY
Plastic Tree
Broken my toybox
ぜんぶ君のせいだ。
THE SMASHING PUMPKINS
アルコサイト
ART-SCHOOL
星野源
"イナズマロック フェス 2025"
岸田教団&THE明星ロケッツ
TOKYOてふてふ
ヨルシカ
竹内アンナ
GRAPEVINE
大森靖子
ACIDMAN / GLIM SPANKY / Dragon Ash / go!go!vanillas / Omoinotake ほか
LAUSBUB
Devil ANTHEM.
peeto
KING BROTHERS
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025"
GOOD ON THE REEL
超☆社会的サンダル / さとう。 / ルサンチマン / SENTIMENTAL KNOWING(O.A.)
PIGGS
- 2025.09.22
-
WtB
reGretGirl
OKAMOTO'S
古墳シスターズ
レイラ
Bye-Bye-Handの方程式
ビレッジマンズストア
Ryu Matsuyama
CENT
- 2025.09.23
-
水曜日のカンパネラ
ART-SCHOOL
Lucky Kilimanjaro
TOOBOE
リュックと添い寝ごはん
古墳シスターズ
Omoinotake
Kroi
TOKYOてふてふ
Plastic Tree
WtB
MUSE / MAN WITH A MISSION / go!go!vanillas
amazarashi
GRAPEVINE
YONA YONA WEEKENDERS
DYGL
cinema staff
Bye-Bye-Handの方程式
Another Diary
adieu
竹内アンナ
Cody・Lee(李)
トゲナシトゲアリ
"TOKYO CALLING 2025"
- 2025.09.24
-
水曜日のカンパネラ
THE SMASHING PUMPKINS
ドミコ
UVERworld
Kroi
a flood of circle
Hump Back
shallm × sajou no hana
- 2025.09.26
-
This is LAST
the cabs
ドミコ
Age Factory
Aooo
Keishi Tanaka
MONO NO AWARE
トンボコープ
Base Ball Bear × ダウ90000
DYGL
OKAMOTO'S
SUPER BEAVER
otsumami feat.mikan
セックスマシーン!!
YONA YONA WEEKENDERS
- 2025.09.27
-
TOKYOてふてふ
amazarashi
アーバンギャルド
SCOOBIE DO
LACCO TOWER
Academic BANANA
The Birthday / 甲本ヒロト(ザ・クロマニヨンズ) / 志磨遼平(ドレスコーズ) / GLIM SPANKY / TOSHI-LOW(BRAHMAN/OAU) ほか
ぜんぶ君のせいだ。
センチミリメンタル
LAUSBUB
Awesome City Club
NEE × CLAN QUEEN
Plastic Tree
This is LAST
LOCAL CONNECT
YOASOBI
TOOBOE
MONO NO AWARE
EGO-WRAPPIN' × 大橋トリオ
豆柴の大群
reGretGirl
cowolo
コレサワ
ExWHYZ
レイラ
INORAN
MAPA
LiSA
mudy on the 昨晩
WtB
キタニタツヤ
"ベリテンライブ2025 Special"
藤巻亮太
"TOKYO CALLING 2025"
- 2025.09.28
-
ナナヲアカリ
NEE × CLAN QUEEN/サイダーガール × トンボコープ
SCOOBIE DO
LACCO TOWER
TOKYOてふてふ
SUPER BEAVER
"いしがきMUSIC FESTIVAL"
cinema staff
ぜんぶ君のせいだ。
YONA YONA WEEKENDERS
コレサワ
SPRISE
Plastic Tree
YOASOBI
リュックと添い寝ごはん
EGO-WRAPPIN' × 大橋トリオ
Age Factory
WtB
TOOBOE
mzsrz
Broken my toybox
古墳シスターズ
RAY
"ベリテンライブ2025 Special"
"TOKYO CALLING 2025"
- 2025.09.30
-
打首獄門同好会
Hedigan's
緑黄色社会
MONOEYES
Mirror,Mirror
ヨルシカ
"LIVEHOLIC 10th Anniversaryseries~YOU MAY DREAM~"
- 2025.10.02
-
オレンジスパイニクラブ
THE ORAL CIGARETTES
感覚ピエロ
緑黄色社会
打首獄門同好会
Hump Back
たかはしほのか(リーガルリリー)
キュウソネコカミ
大森靖子
SHE'S
- 2025.10.03
-
INORAN
アイナ・ジ・エンド
reGretGirl
キタニタツヤ
挫・人間
ナナヲアカリ
Aooo
MONOEYES
eastern youth
Laura day romance
Kroi
KING BROTHERS
moon drop
すなお / TELLECHO
藤森元生(SAKANAMON)
OKAMOTO'S
Omoinotake
鋭児
Amber's
ぜんぶ君のせいだ。
WtB
- 2025.10.04
-
Appare!
水曜日のカンパネラ
フレデリック
reGretGirl
KANA-BOON
wacci
優里
YONA YONA WEEKENDERS
Cody・Lee(李)
リュックと添い寝ごはん
eastern youth
ART-SCHOOL
irienchy × no more
藤森元生(SAKANAMON)
ExWHYZ
w.o.d. / ガガガSP / モーモールルギャバン / ZAZEN BOYS / 浪漫革命 ほか
LiSA
LACCO TOWER
ASP
終活クラブ
a flood of circle
トンボコープ
WtB
TOKYOてふてふ
僕には通じない
Rei
cinema staff
brainchild's
"PIA MUSIC COMPLEX 2025"
Bye-Bye-Handの方程式
indigo la End
RELEASE INFO
- 2025.09.19
- 2025.09.24
- 2025.09.26
- 2025.10.01
- 2025.10.03
- 2025.10.05
- 2025.10.08
- 2025.10.10
- 2025.10.11
- 2025.10.12
- 2025.10.13
- 2025.10.14
- 2025.10.15
- 2025.10.17
- 2025.10.22
- 2025.10.24
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
OASIS
Skream! 2025年09月号