ライター沖さやこの『アブストラクトマイライフ』

WRITERS' COLUMN

2017年11月号掲載

10月25日、音楽系専門学校のミューズ音楽院／ミューズモード音楽院さんにお声掛けいただき、ゲスト講師として登壇してきました。過去に自分の母校である音楽系専門学校の体験入学の講師を1年間務めたり、恩師の講義のゲストとして登壇したことがありましたが、母校以外の生徒さんの授業にお邪魔するのは初めての機会でした。

音楽系の専門学校というとどんなことをしているのかちょっと謎な感じもあるかもしれませんが、簡単に言うと"音楽関係の仕事をするうえでの養成所"です。ロックやポップスの歴史の授業、著作権の授業、レコーディングについての授業など、座学もいろいろありますし、授業の中でライヴ・イベントを開いたり、音楽雑誌を作れたりと実習も盛んです。音楽関係の仕事をしている人が普段触っている機材と同じものに触れたり、現役で音楽関係の仕事をする人たちの生の話が聞けることも多いので、音楽の世界の匂いを感じるには持ってこいの場所だと思います。

私が参加した授業は、音楽関係の仕事をしている様々な業種の人をゲストで招き、学校の先生がゲストにインタビューをする形式で話が進んでいくパターンでした。1回目の講義のお相手は音楽界の裏方業志望の学生さん、2回目の講義のお相手はヴォーカル専攻の学生さん。お相手の目指すものがそれぞれで違ったので、違う観点からお話ができたのも面白かったです。

普段は質問する側なので、質問をしていただく側になったことがとにかく新鮮。質問をされる立場の人の気持ちがわかった気がするので、そういう意味でも勉強になりました。あと、普段自分の頭の中だけで考えていることを人に向かって口に出すと、自分の考えがちゃんと実感として自分に染み込んでくるなぁ～としみじみ。文章を書いていてもそういう感覚はあるんですけど、リアルタイムで人に発信する面白さは、お喋りだからできることだなと。自分のいろんな発言が最終的にひとつの線になった感覚もありました。

学校の先生からのご質問などをきっかけに"あ、私ってこんなこと思ってるんだ"と気づいたり、ライターになる前のアシスタント時代の苦悩（？）を話していて、いまの私はなんて恵まれているんだ......！もっと頑張らないと！と背筋が伸びたり。人と話すって大事だな～と、めっちゃ普通の当たり前のことを痛感しました。学生さんたちにも楽しんでいただけていたらいいなと切に願います。最後にクイズです。"インタビュー中、アーティストにされたら悲しいこと"という質問に対して、私はあることを即答しました。それはなんでしょう？答えは（忘れていなければ）次回のコラムで◎