Japanese
KANA-BOON
2013年05月号掲載
Member:谷口 鮪 (Vo/Gt) 古賀 隼斗 (Gt/Cho) 飯田 祐馬 (Ba) 小泉 貴裕 (Dr)
Interviewer:石角 友香
-KANA-BOONの熱さの理由がわかってきました。さて、今回の全国流通盤『僕がCDを出したら』は、いい意味で「ないものねだり」しか知らない人が聴いたら、ちょっと驚くかもしれないし、下手なインタビューよりよほどバンドのことがわかる内容でもあって。
一同:ははは。
-「ストラテジー」の“存在感が無い、そこの少年よ 言っちゃいけないことなんてないんだよ”とかね。歌詞のストレートさの理由を知りたいんですが。
谷口:昔は抽象的だったんですよ。スタジオで曲をやりながら作って、それにきれいにあてはまるような語感というか、そういう語句を集めて。で、できてみて見直してみたら“ああ、こういう意味が生まれてるんや”っていうような曲で。で、それに意見をもらう機会があったんですよ。“その作り方だと作る瞬間は意味がないので、後から意味がついてくる。でも作る段階でメッセージがないと誰にも響かないよ”って言われて。それは当時、声をかけてくれた事務所の社長さんが言ってくれて。その当時は“ふざけんな”と(笑)。一生懸命やってんのにって、ムカついたんですけど、でも考えをあらためてみて、ちゃんとした歌詞の書き方を始めてみたら気持ちよくて。それにお客さんの反応や曲自体への反応も違うものがあったし。そこから今みたいな歌詞を作るようになりました。
-今回のアルバムで最近の曲って?
谷口:3,5,6曲目(「ストラテジー」「眠れぬ森の君のため」「さくらのうた」)ですね。
-メンバーから見て谷口さんの歌詞はどんなふうに変化してきてますか?
古賀:(笑)、なんか恥ずかしさを消した感じです。最初の方は素直に言ったら恥ずかしいみたいな、だからちょっと濁してたけど、最近もうストレートに……「さくらのうた」とかこっちが恥ずかしくなる(笑)。
谷口:待て?恥ずかしくなる?
古賀:うん。素直さが出てきた。
飯田:ライヴがすごくやりやすくなって。感情を込めやすいっていうか。お客さんもそう感じ取ってくれてるのかな、っていう。
谷口:(小声で)ありがとうございます。フフ。
-何かを変えていきたいっていう気持ちが前面に出た作品だなと思うんですけど、そういう気持ちは強い?
谷口:それはもちろん、強いです。まず自分が変えられたんで、音楽というものに。そこはいちばんで、絶対僕らの音楽で変えていきたい。CDを買った人、ライヴ見に来てくれた人とか、僕らに関わる人や会社の人だったりとか、いろんなものを巻き込んでいけたらなぁって。
-今回のアルバムでは特に何を変えたかったですか?
谷口:KANA-BOONへの周りの意識とか。僕、昔付き合ってた彼女とかとたまたま連絡をとる機会があって、当時も僕はバンドに夢中な人間やったんですけど、まさかこんなにちゃんとうまくいくと思ってなかったって言われて。過去見てたお客さんとか周りの人は、僕らがちゃんとお店にCD出すバンドになる、フェスに出るようなバンドになるとは思ってなかったから、そういう人たちの意識というか……。
-今、言葉を選んでるけど、見返したいんでしょ(笑)?
谷口:(笑)、まぁそうです。“よかったよ〜”とか言ってても僕らの未来に目を向けてないのはわかってたんで、悔しかったし。でも、“いや、なるよ”と思ってたんで、やっと準備ができました。
-そりゃそうですよね。じゃあこのアルバムで初めてKANA-BOONに出会う人に、大きく言ってどんなアルバムになりましたか?
谷口:好きなように受け取ってもらったらいいんですけど、僕としては「ないものねだり」からはじまって「さくらのうた」で終わる、全部を通して聴き終わったときにすごくこう、ぽっかりするというか、寂しい気持ちとか虚無感を僕は与えられるんです。でもしっかり前に踏み出さなければっていう。聴き終えたら、靴を履いて出かけなければっていう、そんな気持ちになるCDというか。
-寂しい……へぇ。谷口さんにとっては何かに対する訣別を歌ってる?
谷口:それはありますね。
古賀:ミシミシ伝わってきた(笑)。
飯田:そういうことがあるたびに曲ができるんで(笑)。
古賀:鮪に何があったんか聴いたらわかる。
谷口:筒抜けや……(笑)。
-それがこの4人ならではのグルーヴかもしれない。では今もう4月ですけど、今年の野望をお願いします。
谷口:今年はまずフェスに出まくりたいし、今年の新人枠っていう括りの中でいちばんになりたいです。
飯田:フェスに出る妄想はしたおしたんで(笑)、あとは形にするだけです!
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