Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

Skream! 公式X Skream! 公式YouTube

DISC REVIEW

Kawaii Future IDOL

NANIMONO

Kawaii Future IDOL

これまでも多様なコンセプトを掲げて活動してきたNANIMONO。彼女たちがこのたびリリースする3rdアルバム『Kawaii Future IDOL』で定めたそれは、"Kawaii Future Bass"だ。本作で見せるメンバーのアニメチックで甘い声質と、キラキラしたダンス・サウンドのペアリングは、まさに奇跡的相性である。カメレオン的にコンセプトの変化を遂げながらも、プロデューサーのこゆびちゃんが一貫して作詞を務めることで、インキャの、インキャによる、インキャのための音楽であるNANIMONOワールドに依然としてブレがないところは、さすがの一言だ。このジャンルを好む読者にも、インキャな読者にもオススメしたい傑作。(宮﨑 大樹)


Warning: Undefined array key "$shopdata" in /home/gekirock2/www/skream/diskreview/list2026/292721.php on line 37
う、ちゅー。

超☆社会的サンダル

う、ちゅー。

超☆社会的サンダルが初のコンセプト作品に挑んだ2nd EP。"宇宙"と"青春"をテーマとして、映画"やがて海になる"の主題歌「おとなになったら」や、MVが公開された「東京」を含む全6曲を収録する。超社らしさを推し進めながら、歌やサウンドが洗練された感覚や新鮮な印象も受ける今作。鬼才 オニザワマシロ(Gt/Vo)のソングライティング能力も爆発し、月や星を歌った壮大な曲も甘酸っぱい恋や青春を描いた曲も、独創的すぎる超☆社会的楽曲に仕上がっているのがものすごい。サウンド・プロデューサーに迎えた原田茂幸(Shiggy Jr./Gt)が楽曲やバンドの魅力を増幅させている、「オーストラリアでコアラ抱っこするまで死ねない」と「月まで歩いてみたけれど」も必聴!(フジジュン)

ZERO

鋭児

ZERO

2024年に活動休止した鋭児が、ついに活動再開。ニューEP『ZERO』をリリースする。表題曲「ZERO」のダークなムードを漂わせる印象的なギター・リフと、内に秘めた闘志を燃やすようなヴォーカル、パワフルな音像に圧倒される。浮遊感のあるサウンドが心地よく、ラテンの要素を感じさせるビート、間奏のジャム・セッション的アプローチも彼等らしさが際立つ「levitate」、楽器隊のメンバーたちが御厨響一(Vo)へのメッセージを込めたという「SMAPS」。楽曲ごとに異なる個性を持ちながら、鋭児というバンドの現在地を鮮明に描き出している。再始動後のライヴでこれらの楽曲がどのように鳴らされるのか、その瞬間からも目が離せない。(西平 歩由)

引力について

渡會将士

引力について

新曲2曲と、厳選した過去曲9曲(一部をリテイク)を収録したEP。表題曲「引力について」は、"リンゴは落ちるのに 月が落ちないのは/彼女には彼女の 事情があるからで"と渡會らしいユニークな書き出しに思わず耳を傾けて聴き入ってしまう、爽やかながらロマンチックなナンバーだ。軽やかに転がり徐々にテンポアップしロックンロールしていく「モーニン」もかっこいい。さらに「Thank you (ALBUM Ver.)」には菊地"EMMA"英昭(brainchild's/THE YELLOW MONKEY)がギターで、EMMAを含むbrainchild'sのメンバーもコーラスで加わり、FoZZtone時代の「ベーコンエッグとシェービングヒーロー」には、オリジナル・メンバーの菅野信昭(Ba)が参加する等、ゲストの登場でも原曲との違いを楽しませてくれる。(稲垣 遥)

The Same Old Wasted Wonderful World

MOTION CITY SOUNDTRACK

The Same Old Wasted Wonderful World

2000年代に吹き荒れたエモ/ポップ・パンクの一大旋風も今は昔。さらには、MOTION CITY SOUNDTRACKは長い休止期間を挟んでおり、アルバム・リリースは実に約10年ぶりだ。だからこそ、この『The Same Old Wasted Wonderful World』の若々しさには驚かされた。やはり見逃せないのは、かのPatrick Stump(FALL OUT BOY/Vo/Gt)が参加した「Particle Physics」。シンセサイザーと爽やかなメロディが高揚感を煽る名曲だが、本楽曲に限らずどのナンバーでも徹頭徹尾"あの頃"のワクワクと切なさが聴こえてくるのがなんとも嬉しい。「She Is Afraid」のミュージック・ビデオを見れば明白だが、いぶし銀とは程遠い、ミドル・エイジが青臭くはしゃぐ痛快さが見事な一枚。(藤村 太智)

Breach

TWENTY ONE PILOTS

Breach

母国アメリカでは、スタジアム規模の人気を誇るまでに成長したTWENTY ONE PILOTSが、前作から1年半足らずでリリースした8thアルバム。4thアルバム『Blurryface』から続く壮大なストーリーを締めくくる作品ということで、過去作のオマージュもちりばめられた集大成的な内容になっているが、最も際立つのはジャンルを自在に行き来する実験的で奔放な姿勢だ。エレクトロ・ビートに乗せたラップから、静謐なピアノとヴォーカル、そしてアリーナ・ロックの壮大なコーラスへとシームレスに変化するサウンドには、高揚感と切なく脆い感傷が同居していて、その表現力に圧倒されてしまう。だからこそシーンや年代を問わず多くの人々の心を掴んできたのだろうし、全米1位という結果にも納得がいく。(菅谷 透)

Play

Ed Sheeran

Play

デビュー作『+』(2011年)に始まり、『-』(2023年)まで5作品にわたって続いた一連の"マスマティックス"シリーズを完結させたEd Sheeranが、ついに新たなフェーズに突入。相変わらずのキャッチーなソングライティングのセンスは健在ながら、今作はより幅広い音楽的要素を取り入れ、ポップ・ミュージックの限界を押し広げたような意欲作だ。彼のルーツの1つでもあるアイルランドのフォーク・ミュージックや、インド、ペルシャ等のエキゾチックで個性的なサウンドも取り入れ、多彩な表現にチャレンジしている。またそういったある種の変わり種に加え、ヒップホップやR&B、ソウルのモダンなスタイルにも手を伸ばし、貪欲なまでの音楽的好奇心に満ち溢れた作品が完成した。(山本 真由)

スノウドロップ

Conton Candy

スノウドロップ

話題作のタイアップを次々と担当し、その名をさらに広めるConton Candyがシングル『スノウドロップ』をリリースした。表題曲は、TVアニメ"青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない"オープニング・テーマで、原作内に出てくる"思春期症候群"をキーワードにし制作。彼女たちらしい瑞々しく疾走感のあるギター・ロック・ナンバーでありながら、アニメの主人公たちに寄り添い、切なくも温かい世界観を、原作の情景を思い浮ぶ歌詞や、紬衣のクリアな歌声とコーラスが積み重なるサウンドで見事に映し出している。またカップリングには、「虹色の羽虫」を収録。残暑の情景と未練の想いを重ねた歌詞をミドル・テンポに乗せて胸奥をそっと揺らす、夏の終わりにぴったりな曲だ。(中島 希実)

火星探索

35.7

火星探索

赤丸急上昇中、現役大学生の男女4人組バンド 通称"ゴーテンナナ"。たしかに、10代を中心に、耳にすっと入って来る女性Vo たかはしの歌声とキャッチーなメロディが人気なのは納得なのだが、本作のリード曲「百年公約」を再生して、その実年齢以上に大人びたというか、芯を食うような言葉がそこかしこに見え隠れする紡ぎ方に正直驚かされた。また今回がすでに3rd EPで、ここまで作品を重ね、LIQUIDROOMワンマンや大型フェスの舞台も経験しているだけあり、サウンドからも、フレッシュで衝動的な魅力だけではなく楽曲の物語や心情、またはライヴの景色を鮮明に描くために抜き差しも意識している様子が窺える。探求心を持ってまさにシーンの真ん中に飛び出そうとする彼等の今を、味わっておいて損はしないはずだ。(稲垣 遥)

fragile Report

Nikoん

fragile Report

この2ndアルバムを携えた全国47都道府県ツアーの入場権が当のCD購入だったり、すべからく定石を突破した活動を展開中のロック・バンド、Nikoん。1stアルバムがオオスカ(Gt/Vo)の楽曲が大半を占めていたのに比して今作は全曲マナミオーガキ(Ba/Vo)作品だ。サンプリングの自由度、ヒップホップのオマージュ、エレクトロニックなダンス・ミュージックにおける音色の奇異性を、人間の肉体を通して記名的なバンド・サウンドに書き換え、新しく生み出すのは彼等の意地か本能か。こんなふうに書くとアヴァンギャルドな音楽に思えるかもしれないが、メロディも構成もすこぶる美しい。表題曲の"つくっては捨てて/ないものねだりは心ゆくまで/してもいいよって私が決めたの"という歌詞そのままだ。(石角 友香)

暴動遊戯

暴動クラブ

暴動遊戯

7インチ『暴動クラブのテーマ』(2023年)でインディーズ・デビューし、その華やかな"持った"佇まいと、若者らしく世や時代に歯向かい、退屈と不甲斐なさとを燃料にロックンロールを爆発させる暴動クラブ。今年の"フジロック"では、釘屋 玄がROUTE 17 Rock'n'Roll ORCHESTRAのフィーチャリングVoとして、堂々たるパフォーマンスをしたが、その余韻の中で発表されたのが今作でのメジャー・デビューだ。ジャズのスタンダードのタイトルを模したような、「ドライヴ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」に始まり、物語が始まるエネルギーがビートとなって加速し、カラフルなギターがロマンチックなダンスを躍らせる。キャッチーなクリシェも織り込み、今という時を何度も輝かせるアルバムだ。(吉羽 さおり)

ナイスに恋して

ランチブレイク

ナイスに恋して

前作から約4年ぶりのアルバムとなる本作は、サウンド・プロデュースをカメダタク(オワリカラ/YOMOYA/Key)が担当。グルーヴィ且つパワフルに展開される「バカと自由」や、ギター・リフが怪しげに躍る「おかしな夢」、浮遊感と激情的なサウンドが絡み合う「マスカレイド」、アコースティックな「いいのいいの」、温かみのあるサウンドで一音一音を柔らかく紡いでいく「暁鐘は鳴る」等、全11曲もれなく抜群にキャッチー。それと同時に、どれもオルタナティヴな香りが漂っていて、アレンジや展開に驚かされるものばかり。男女混声トリプル・ヴォーカルが織りなすポップ・ソングは、"進化したポップをドラマチックに体現する5人組"というバンドのキャッチコピー通りの出来栄えだ。(山口 哲生)

東京初期衝動

東京初期衝動

東京初期衝動

8月の配信シングル「さよならランデヴー」では、盟友 北澤ゆうほ(Q.I.S./the peggies)を作曲&編曲に迎えてバンドの持つポップ性をブーストした東京初期衝動。この「さよならランデヴー」は、"君"と過ごした日々、未だ美しいだけの思い出にはできない日々を、ブライトなギター・サウンドと駆け上がっていくようなメロディとで、センチメンタルで愛おしい青春の1ページへと封じ込めたような曲となった。この青春期のストーリーと、インディーズ時代の代表曲の再録とで構成されるのが、セルフタイトルを冠したメジャー・デビュー・アルバムだ。傷付いて、傷付けて、ナイーヴさを隠すようにクールに尖ってみせる。不器用なパンク・ロックの記録となった作品だ。(吉羽 さおり)

OWARI DIARY

SIRUP

OWARI DIARY

SIRUPの約4年半ぶりとなるオリジナル・アルバム。D'Angelo直系のネオ・ソウル「GAME OVER」や、トラップ・ビートの上で無邪気に踊るようなヴォーカルが楽しい「PARADISE」といった楽曲からは、彼が自身のルーツであるR&B、あるいはヒップホップに神妙に向き合う様が窺える。また、"終わりの始まり"という本作のテーマが巧みに表現された、ダンサブルでありつつどこか密やかなトラックのユニークな温度感も見事だ。一際素晴らしいのが、Marvin Gayeの名曲「What's Going On」にオマージュを捧げたであろう最終曲「今夜」で、この楽曲での伸びやかで曇りのない歌声は、"ポジティブな絶望"を掲げた前EP『BLUE BLUR』からの跳躍を象徴している。(藤村 太智)

Suffer

岡崎体育

Suffer

誤解を恐れずに言えば"無駄にかっこいい"パンク・サウンドに、"首痛い肩痛い腰痛い膝痛い"という中年風味漂うインパクト大の情けない歌詞から始まる、いかにも"らしい"ギャップで笑わせる「Suffer」。それもそのはず、今回の演奏にはdustboxが参加しているのだが、その演奏と歌はリリックにニヤけていた人も徐々に熱くさせられる程の熱量で、特にミドル・エイジ以降のリスナーは共感も相まってグッと来てしまうのでは。そしてそれが、本曲がOP主題歌を務める"おじさん"が主人公のアニメ"まったく最近の探偵ときたら"にハマっているのもさすがだ。c/wの、24時間生配信で制作したグッド・メロディが沁みる「俺に告ぐ」、他責志向が行きすぎて壮大なテーマになってしまった迷曲「宇宙と長野」のリミックス等も味わい深い。(稲垣 遥)

キャブレターにひとしずく

ザ・クロマニヨンズ

キャブレターにひとしずく

吹かすエンジン音に颯爽と駆け抜けるブルース・ハープ、古き良き骨太ロックンロールが薫り立つ新曲が到着。"キャブレター"とは古いバイク等に使われていたエンジンの部品であり、ライダース・ジャケットが似合いそうなヴィンテージ感がタイトルからも醸し出される。最後のガソリンを一滴、振り絞って命を燃やし尽くす。アクセル全開の痛快ナンバーだ。一方カップリングの「シカトムーン」はアカペラに近い。4分で刻むカウベルに飛び道具的なヴィブラスラップ、ギターやベースも短いフレーズのみと、とことん音を削りながら音で遊んでいる。知らない人からの連絡をシカトするというシュールな"あるある"曲かと思いきや、どうしようもない不安や悲しみもシカトしてしまおうというメッセージが軽妙。(中尾 佳奈)

天使 / 風化した街

爛漫天国

天使 / 風化した街

昨年4月結成の福岡発インディー・ロック・バンド、爛漫天国が代表曲を1stリミテッド・シングル『天使 / 風化した街』としてリリース。収録される「天使」は、軽やかなギターとポップなメロディに乗せて、高嶺の花のような存在を"天使"に例え、爽快にまっすぐ歌い上げる。一方「風化した街」は、タイトル通り時の経過や置き去りにされた感情を描き出すフォーク・ソング。2曲共歌詞にちりばめられたフレーズは個人的な記憶の断片のようでありながら、メロディ・ラインの温かさによって聴く人それぞれの心に残っている景色と重なる。どこか懐かしさを感じ、聴き手の心情にも寄り添う本作は、彼等の音楽の核心を示す名刺代わりの一枚と言えるだろう。(中島 希実)

ブルーミングダンサー

Ibuki

ブルーミングダンサー

クール・ビューティなヴィジュアルが目を惹き、強い意志を宿す歌声で心を掴む。歌で未来を切り拓く"Vision Singer"を標榜する2.5次元アーティスト。本作には昨年の活動開始から発表してきた楽曲に、水槽が書き下ろした新曲を加えた全9曲が収められた。EDMにJ-POP、アニソン、ボカロと様々な色を掛け合わせ、強烈なビートとシンセサイザーに平成感が香る。そんなギラギラと眩いサウンドにも負けない存在感をもって、ハイテンポのパワフルな表題曲から、色気溢れる歌謡テイストの「Take on a Color」や泣きのギターが響くバラード「生証歌」まで、圧巻の表現力で鮮やかに歌いこなす。解き放たれた才能が躍り舞い咲き誇る、開花の1stアルバム。(中尾 佳奈)

nocturne

mzsrz

nocturne

大原きらりのソロ・プロジェクトとして再始動して以降、初となるフル・アルバム。瑞々しさのあるギター・ロックや、深淵なエレクトロ、大胆な展開を繰り広げるラウド・ナンバー等様々なタイプの楽曲から滲む感情の機微を、時に囁くように、時に叫ぶように、エモーショナルに歌い上げていく。大原も作詞に3曲参加し、実に個性豊かな15曲が揃っているが、本作は音楽と小説が一体となったオペラ作品というところもポイント。物語を紡ぐように音が切れ間なく続いていくことで生まれる没入感と、生きることを自問自答する9分超えの超大作「アウフヘーベン響詩曲」を聴き終えた後に残る凄まじい余韻から、あなたが感じるのは、穏やかな希望か、避けられぬ虚無か。ぜひ体感してみてほしい。(山口 哲生)

時間は止まりたがっている

植田真梨恵

時間は止まりたがっている

2022年の『Euphoria』以来約3年ぶり、独立後初のアルバム。無尽蔵に人の言葉と思考に浸らされる時間(例えばSNSとか)を一旦止めて音楽を触媒に自分と対話する――アルバム・タイトルが示唆するところにそんな意味もありそうだ。徹頭徹尾、MTRで彼女の意識の中で鳴っているビートも空間も質感も独力で作り上げた本作は、どんなに尖ったジャンルでも植田真梨恵の細胞組織が存在している。本作の端緒となった「恥ずかしい」や"Shimokitazawa SOUND CRUISING 2025"コンピ盤に収録された「百獣の王」、「ロマンスを超えろ」等、オーセンティックな曲に今の煌めきとリアルが加味された曲の完成度が高いが、バングラ・ビートで日本ローカルのロード・サイド感を描くTrack.3の妙味も捨てがたい。(石角 友香)

Hickey

ROYEL OTIS

Hickey

"FUJI ROCK FESTIVAL '25"への出演も記憶に新しい、シドニー出身のインディー・ポップ・デュオ ROYEL OTISの2ndアルバム。繊細なヴォーカルとジャングリーなギターで紡ぐ、爽やかな諦観が滲んだスタイルは健在な一方、サウンドは過去作と比較して重厚でリッチなものに。時折顔を覗かせるドリーム・ポップ的な柔らかさには、2人の表現力の躍進が感じられる。タイトなリズムで進行する楽曲はどれも3分前後とコンパクトにまとまっており、次々に身近なメランコリーを切り取るアルバムとしてのテンポの良さは秀逸だ。JOY DIVISIONとネオ・アコースティックを接続した「Car」を筆頭に、インディー・ファンには堪らないささやかな佳作の並んだ一枚。(藤村 太智)

Straight Line Was A Lie

THE BETHS

Straight Line Was A Lie

2022年の前作『Expert In A Dying Field』が、様々な音楽メディアの年間ベスト・リストに選出され、高い評価を受けた、ニュージーランド出身の4人組 THE BETHS。レーベルをANTI- Recordsに移しての4thアルバムは、前作発表後に起きたElizabeth Stokes(Vo/Gt)の健康問題や、母国での大洪水、家族との関係といった出来事にインスパイアされた、内省的なムードが漂う作品となった。持ち前のキャッチーなパワー・ポップを下地にしつつ、ピアノやオルガン等の楽器も織り交ぜた繊細なサウンドは、円を描くように日々が繰り返す無力感と、そこから立ち上がり前へと歩み出すしなやかさや美しさが感じられる。迷いながらも生きる人々に寄り添い、支えとなる一枚だ。(菅谷 透)

You'll Be Alright, Kid (Japan Edition)

Alex Warren

You'll Be Alright, Kid (Japan Edition)

SNSを中心に今最もZ世代から支持されるシンガー・ソングライターの1人、Alex Warrenのニュー・アルバム『You'll Be Alright, Kid (Japan Edition)』。彼の歌の何がそんなに人を惹きつけるのか。聴くとホッとするような温かみのある歌声、ドラマチックな楽曲の数々、派手さよりも華やかさよりも実直な音楽。それらを丁寧に紡ぐ、そんな印象だ。幼少期から苦労の多い人生を送ってきたからか、年齢よりも達観しているような安定感がある。そういった面からか、多くの大物アーティストから信頼され、コラボにも引っ張りだこだ。本作では、カントリー・シーンからJelly Roll、K-POPシーンからBLACKPINKのRoséと、ジャンルの垣根を越えた超売れっ子が参加。できすぎでは。(山本 真由)

わりきれないよ

挫・人間

わりきれないよ

アルバム『銀河絶叫』から約1年半ぶりのCDリリースとなるニュー・シングル。挫・人間としては飾り気のない、どこか淡々と刻を刻むようなギター・サウンドとなった表題曲「わりきれないよ」は、シンプルな音の中だからこそどうにもならない心のうずきが大きく響いてくる曲となった。気だるい痛みが横たわっているなかにも、叫び出しそうな感情や甘美さがスパークする瞬間もある。タイトル通りわりきれない思いや、心の際を不安定に歩くときが繊細に描かれた曲はとても美しい。ポップなオマージュに満ちた「マリ」と、自身のメーターを振り切って、当たり前をぶち壊していく支離滅裂さを描いた「はじけるべき人生」の3曲で、挫・人間の真骨頂と言えるシングルとなった。(吉羽 さおり)