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DISC REVIEW

Critical Thinking

MANIC STREET PREACHERS

Critical Thinking

結成から40年近くほぼ変わらぬ幼馴染メンバーで構成され、コンスタントにリリースされてきた作品も常にUKチャートの上位を占めるクオリティを維持という、脅威のブレなさを誇るウェールズのベテラン・バンド MANIC STREET PREACHERS。そんな彼等の15thアルバムには、"弁証法が解決への道を見いだす"というNicky Wire(Ba/Vo)の言葉通り、一見矛盾するような眩い一面と哀愁が共存している。Nicky Wireがメイン・ヴォーカルをとり、James Dean Bradfield(Vo/Gt)が作詞を手掛ける等、柔軟なプロセスも含め活き活きと描かれた今作は、挑戦し続ける彼等の前向きな姿勢そのものと言えるのではないか。(山本 真由)


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GENIUS FOOL

Re:name

GENIUS FOOL

洋楽とJ-POP双方の音楽要素をオリジナルに昇華する令和スタンダードな3人組 Re:nameが、さらにその先を示唆する本領発揮のフル・アルバム『GENIUS FOOL』を完成させた。ロングヒット中のポップ・ファンク「24/7」、AIヴォーカルを取り入れた「Vague (feat. 可不)」、K-POPのエフェクティヴなダンス・チューンの影響を感じる「TOY」、UKインディーの憂いのあるサウンドも取り入れた「Donut Song」等多彩な既発/先行配信曲に加え、アルバム像を象徴する思いが詰め込まれたDTMチューン「gen!us」、オープナーに相応しい複数のジャンル感とビートが混在する「BABY BOY」等のアルバム曲で構成される、強力な全12曲(CDは全13曲)。(石角 友香)

FLYASDUST

TOKYOてふてふ

FLYASDUST

リリースとしては昨年夏のソロ・ワークスEP『IIIIly』以来であり、楪おうひ、めありらすと、ちむら詩文、神狩こはく世會の4人体制となったグループの今、5年目を迎えた決意表明を歌ったニュー・シングル「FLYASDUST」。エレクトロや歪みの効いたバンド・サウンドと、儚さ、脆さを湛えたヴォーカルとで、孤独にたゆたう寂しさや痛み、または恍惚感をも表現していたその歌は今回、その孤独からすっと手を伸ばすように誰かを求め、誰かと繋がる意志を持った。激しさも温かさも宿した4人の歌が心強い。2025年末にZepp Shinjuku (TOKYO)ワンマンが決定し、大きなステージに向かって駆け上がっていく、その躍動がストレートに響く1曲だ。(吉羽 さおり)

Alliance of Quintetto

BLUE ENCOUNT

Alliance of Quintetto

「囮囚」(ドラマ"ボイスⅡ 110緊急指令室"主題歌)から「Bloody Liar」(アニメ"ババンババンバンバンパイア"OP主題歌)まで、タイアップ楽曲だけでも6曲を収録。ハードでフック満載なブルエン節を存分に堪能できるそれらの楽曲に加え、アルバム・タイトルが示唆するリスナーを5人目のメンバーに見立て、共に進んでいく彼等のスタンスを表明するTrack.1から、Track.3までのギター・ロック・バンドとして肩肘張らない自然体の強み、現代のR&Bシーンにも通じるモダンなビート感やメロディが新鮮なTrack.5等、らしさとチャレンジが同じ濃度で詰まったアルバムだ。オール英語詞曲も増えたことでラヴ・ソング等テーマも拡張。ツアーを支える精鋭曲揃い。(石角 友香)

(i)かずき山盛り

かずき山盛り

(i)かずき山盛り

大阪発ボタニカル・パンク・バンド かずき山盛りの新体制初リリースとなる3rdミニ・アルバム。"今までで1番バラエティに富んだ間違いなく過去最高の作品"と公言するように、どこか演歌っぽいタイトルの渋さとは裏腹にシンセサイザーの音が混ざり合う「おとこのなみだ酒」をはじめ、ホーン・セクションを加えチキンの美味しさを歌う「チキンisうまい!」や、パチンコ/パチスロの効果音が随所に散りばめられ脳汁が溢れ出す「倖 Time」(読み:ハッピータイム)等、ふざけるところは全力でふざけつつも楽曲アレンジの振り幅を感じさせてくれる1枚となった。本作でパワーアップした彼等は、自分らしさを貫きながらも着実に新ステージに上り詰めていくだろう。(中島 希実)

AlterGeist0000

THE ORAL CIGARETTES

AlterGeist0000

メジャーとアンダーグラウンドを繋ぐオーラルが、次々に新たな姿を見せつける攻めの1枚。シンフォニック・メタルのような荘重なオープニング「Bitch!!」から、ラウド・シーンを牽引するMasato(coldrain/Vo)を迎えた「DUNK」、ラッパー Kamuiがかますゴリゴリのヒップホップと融合した「ENEMY」と、ディープなミクスチャー・ロックの深層に引きずり込んでいく。かと思えば、今っぽいアンニュイな歌唱とスケール感のある清涼なサウンドを合わせた「SODA」や、洋楽フレーバーのポップ・ロック・アンセム「See You Again」等、大衆性を押し広げる意外な楽曲も。そんな極彩色の中で淀みなく響くメッセージ・ソング「愁」では、彼等の強い想いを噛みしめてほしい。(中尾 佳奈)

Bloody Liar

BLUE ENCOUNT

Bloody Liar

TVアニメ"ババンババンバンバンパイア"OP主題歌を表題に据えた、3作連続リリースのラスト・シングル。今回ブルエンが描くのは、切なく儚い叶わない恋。銭湯で働く吸血鬼と銭湯の一人息子を中心に繰り広げられる"BL(ブラッディ・ラブコメ)"のぶっ飛んだ世界観を温かく深い愛で包み込むミドル・ロック・バラードに仕上がった。結ばれなくてもただそばにいたいと願う、あまりにまっすぐな想いに胸がぎゅっと苦しくなる。カップリングは「new dawn」。漠然と焦燥感を抱えくすぶる日常から飛び出し、希望に満ちた"新たな夜明け"に向かっていくリリック。それをカラッと清々しいサウンドが後押しし、"きっと大丈夫さ"と軽やかに鼓舞してくれる。(中尾 佳奈)

4EVER

OKAMOTO'S

4EVER

タイトルからまっすぐすぎて意表を突かれたOPチューン「ありがとう」。サウンドも素直で、詞も懐かしく甘酸っぱく音楽と出会ったティーンの頃を描き、まさに"柄じゃないから照れる"素敵な始まりだ。そう、10代でデビューした彼等も今年で15周年。ギミックの詰まった先行配信曲「Song 4 You」をはじめ、ここまで"4"人で進んで来られた今、彼等からファンへ、そして音楽への感謝を込めた温かな1枚に。これぞ! と快哉を叫びたくなるロックンロールもOKAMOTO'Sの魅力だが、ダークで尖った一面が好きな方ももちろん楽しませてくれるのでご安心を。相変わらず音の緩急が絶妙でライヴで味わいたくなること間違いないので、開催中の47都道府県ツアーもマストチェック。(稲垣 遥)

正しい哺乳類

フラワーカンパニーズ

正しい哺乳類

2024年4月に結成35周年を迎えたフラカン、通算20枚目のアルバム。まずタイトルを"正しい人間"にしないところが鈴木圭介(Vo)の知性と愛嬌だ。すでにライヴで披露している「ラッコ!ラッコ!ラッコ!」の人力ブレイクビーツ×ガレージみたいな新鮮なアレンジ、FOO FIGHTERSを彷彿するデカいパースのオルタナ・サウンドの「少年卓球」等、バンドとして現役感溢れる音像に感動する。子供の問い掛けの常套句に対して異様に腑に落ちる回答が連発される「疑問符の歌」や自由と出自について平易に綴る「アイデンティティ」等、どの曲も借り物じゃなく生きてきたなかで見つけた平易な言葉とサウンドで、この時代の閉塞に着実に穴を開けていく頼もしいアルバム。(石角 友香)

雨ニウタレ命ナガレ

THE SPELLBOUND

雨ニウタレ命ナガレ

全9話のエンディング・テーマを屈指のアーティストたちが都度担当する"連続ドラマW ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―"、その第8話分が表題曲。弾力のある打ち込みのビートにプリミティヴな強さ忍ばせ、人間の生命力のみならず業や宿命も感じさせ、風や雨を思わせるウワモノも体験的。自我を超える愛を探して歩き続けるような体感は歌詞と歌唱に投影され、これまで以上に力強い。カップリングは『Voyager』ツアーのアンコールで披露されたUNDERWORLD「Cowgirl」のダイナミックな生バンド・カバー。BOOM BOOM SATELLITESが同時代を駆け抜けたダンス・アクトへの共感と敬愛を今、スペルバで表現するかのような熱量とクールさに鼓舞される。(石角 友香)

sonet

ACIDMAN

sonet

"バタフライ・エフェクト"をテーマにしたタイトル曲「sonet」は、WOWOW"連続ドラマW ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―"の最終話エンディング・テーマ。同シリーズとのタッグは、昨年大きな話題を集めた「輝けるもの」に引き続き2度目となるが、本作でも抜群の親和性を誇っている。柔らかく、力強く高鳴らされるバンド・サウンドを、四家卯大ストリングスによるストリングスと、別所和洋が奏でるピアノが華やかに、流麗に盛り立てていき、間奏では激情的なアンサンブルを繰り広げ、ドラマチックなエンディングへと辿り着くスロウ・バラードは、ライヴでもぜひ体感したいところ。"ゴールデンカムイ"にちなみ、"金"をテーマに行われたツアーのライヴ音源も収録。(山口 哲生)

Sparkling Moon / グッドラック・マイフューチャー

GANG PARADE

Sparkling Moon / グッドラック・マイフューチャー

新体制で完成させた両A面シングル『Sparkling Moon / グッドラック・マイフューチャー』。ボカロP 不眠症が手掛けた「Sparkling Moon」は、ドラマ"ワカコ酒 Season8"のオープニング主題歌として書き下ろされた1曲だ。ビッグ・バンド調のサウンドのダンス・ナンバーと大人っぽい歌唱で、ついついお酒が進んでしまいそうな楽曲に仕上がった。「グッドラック・マイフューチャー」はLiSAの「紅蓮華」を手掛けたことでも知られる草野華余子からの提供曲。力強いロック・サウンドとエモーショナルな歌唱で聴き手を鼓舞する応援ソングであり、近年のギャンパレらしい楽曲だと言える。まだ観たことのない景色を観るために、11人体制になった彼女たちは本作からまた泥臭くも美しく走り出す。(宮﨑 大樹)

跡暖空

MyGO!!!!!

跡暖空

"BanG Dream!(バンドリ!)"発のMyGO!!!!!による2ndアルバム『跡暖空』は、ロック×青春の相性の良さを改めて感じさせる1枚だ。羊宮妃那(高松 燈/Vo)が本作を通して歌に乗せる感情は、"迷いながらも進んでいくしかない"――そんな葛藤と決意。人として生きていく上で、ゴールを見失ったり選択に迷ったりすることはあるだろう。そういう意味では誰もが迷子。だからこそ、MyGO!!!!!の歌は、誰にとっても支えになると言えるだろう。王道ギター・ロックを主軸にした楽曲が並ぶなかでも、疾走感を持って駆け抜けるTrack.4「霧周途」から、視界が開けていくような情景が浮かぶTrack.5「端程山」へ繋がる流れで得られるカタルシスは秀逸だ。(宮﨑 大樹)

pink Ⅱ

東京初期衝動

pink Ⅱ

岡崎京子の漫画に登場するワンシーンが使われたジャケットに加え、前作『pink』の続編を思わせるタイトルだが、バンド・サウンドは別物と言っていいだろう。北澤ゆうほ(Q.I.S./the peggies)をプロデューサーに迎え、前作よりキャッチーさが冴え渡る本作。爽快なパワー・コードが炸裂する「LSD」や、陽気なギターと痛快なヴォーカルが絡み合う「猫」、前作収録の「メンチカツ」を彷彿とさせる荒々しさに怒り爆発の詞を乗せた「おたくの犬が騒がしい」等、東京初期衝動らしさそのままに、メロディやリズムの変化、ポップスとして昇華する遊び心が要所で取り入れられた。生々しいけどからっとしているような、岡崎京子の漫画に通ずる空気感も癖になるラヴ・ソングたち。(山本 剛久之)

ERROR40

Charisma.com

ERROR40

昨年活動を再開したCharisma.comから約7年ぶりのアルバム『ERROR40』(読み:エラー)が届いた。本作には、弓木英梨乃、shimimins、屋良朝幸、ポチョムキン(餓鬼レンジャー)等、多くのゲスト・アーティストが参加。1曲ごとにサウンドと表情が変わる、色彩豊かな作品となっている。中でも2015年発表「アラサードリーミン」の続編という「アラフォーマジック」の振り切り具合とキレッキレのラップが最高で、30代付近のナイーヴな心境に寄り添った前作に励まされていた世代は、きっと今作の煌びやかなエレクトロ・サウンドとリリックに背中を押されるはず。これぞCharisma.com印な全12曲が揃った。(山田 いつき)

Sleeping Dirty

ぜんぶ君のせいだ。

Sleeping Dirty

無期限活動休止から1年を経た2024年3月に新メンバーを加えた新体制でリスタートし、再び怒濤のツアー・ライフへと乗り出した"ぜんぶ君のせいだ。"。ツアーの合間を縫って発表してきたシングル「蓮華粧」、「こゆび」、「眩盲暈詩」に続くのが今作。7thアルバム『メイダイシンギ』でもプロデュースを手掛けたDAIKI(AWSM.)による作曲/編曲のロック・チューンで、特に前作「眩盲暈詩」での躁的なパワーとは一転して、落ち着いたシックな印象。それぞれがエモーショナルに畳み掛ける歌には大人っぽさが漂う。新章に突入して、がむしゃらに相手を掴んでいくだけでないライヴの広がり、表現の広がりにおいてもポイントになる1曲だ。(吉羽 さおり)

Vicious Creature

Lauren Mayberry

Vicious Creature

UK出身のエレクトロ・ポップ・バンド CHVRCHESのヴォーカル Lauren Mayberryが初となるソロ・アルバムをリリース。「Shame」や「Mantra」等、変拍子やダブ的なエレクトロを融合させた独特のリズムに、緩急を効かせた曲構成と目まぐるしい展開ながら、その隙間から届く彼女の歌声は限りなく冷静だ。そんな絶妙なバランス感を恐らく意図的に生み出した本作は"目に見えないもの"に焦点を当てた「Something In The Air」で幕を開ける。電波やコミュニティ、陰謀論......。不可視なものを求め、支配され、時に大事なことを忘れてしまう世界で、キュートなポップ・シンガー像から脱却した彼女が尊重したものは自身の"直感"か。闘志溢れる声でパーソナルな"意識"を紡いだ、鮮烈なソロ・デビュー作。(山本 剛久之)

94-Now: Collaborations

ASIAN DUB FOUNDATION

94-Now: Collaborations

多様なバックグラウンドを活かし、多国籍なジャンル・ミックスを実現、独自の音楽性で人気を博してきた、ASIAN DUB FOUNDATION。今作は、そんなADFの30周年を記念した、彼等の多様性の集大成的コラボ集だ。冒頭を飾るIggy Popとの共演曲「No Fun」の熱量で圧倒し、その後も激しいビートとアジテーション、ラップで畳み掛けたかと思えば、様々なスパイスの香り漂うオリエンタルな味付け、エレクトロ・ミュージックと伝統楽器のマリアージュという素晴らしい音楽体験を提供してくれる。RADIOHEADのEd O'Brien(Gt)、PRIMAL SCREAM、Chuck D等、ジャンルを問わず実力派が惚れ込むADFの世界観を凝縮した1枚。(山本 真由)

The Human Fear

FRANZ FERDINAND

The Human Fear

デビューから一貫して、女の子が踊れるロックを提供し続けてきた、FRANZ FERDINAND。6年半ぶりとなるファン待望の今作も、基本のコンセプトはブレることなく貫かれ、ノリが良く且つ品のあるサウンドで魅了してくれる。また今作は、約20年にわたりバンドの屋台骨を務めたドラマーのPaul Thomsonに代わって、女性ドラマーのAudrey Taitが加入した作品としても話題となっているが、ヒップホップ・ユニットで培ったダンサブルなビート、プロデュース業の経験から楽曲への理解度が高いこと等も含め、まさに適役の後任と言えるだろう。タイトルが示す通り主題は明るいものではないが、人生の暗部や悲哀も含め輝かせる彼等の音楽には元気を貰える。(山本 真由)

Friend Chord

ヒトリエ

Friend Chord

並大抵ではないキャリアを歩んできたバンドのメジャー・デビュー10周年記念アルバムだが、そもそもの発端であるwowaka(Vo/Gt)という稀代の表現者の痕跡は、2024年リリースの「NOTOK」をシノダVoバージョンで収録するという方法である種決着。3人体制になった後のライヴ経験や、シノダのオルタナティヴ・ロック志向が明快になった先行シングル「ジャガーノート」を起点に、すでにライヴで披露されている「耽美歌」、イガラシ(Ba)作曲の「Quadrilat e r a l Va s e」、ハチロクの大きなグルーヴとオルタナの手触りを持つ「おやすみなさい」等に新たな傾向は顕著だ。そんななか、ゆーまお(Dr)作の打ち込みによるハウス調の「Shadowpray」がいいフックになっている。(石角 友香)

Lux

水中スピカ

Lux

タッピングしながらポップ且つ美麗なメロディを紡いでいくギター・ヴォーカル 千愛を擁する、京都発の男女混成4人組バンドによる3rdアルバム。かねてよりポストロック/マス・ロックを基調とした透明感のある楽曲を送り出してきていたが、シューゲイザー要素のある「iki」や、凄まじい生命力が漲る「恐竜も人間も飲む水は同じ」、アグレッシヴな音を走らせる「MIYAKO」、そして深遠なインスト・ナンバー「Fathom」から繋がっていく7分超えの大作「Spica」等、全8曲を収録。新たな表情を垣間見せながらも、水中スピカの軸であり、信念は全く揺らぐことなく存在していて、圧倒的なまでの進化を感じさせる。間違いなく多くの支持者を獲得する大傑作だ。(山口 哲生)

若者たち

ザ・ダービーズ

若者たち

2022年に名古屋で結成し、"SAKAE SP-RING"等への出演や各地でのライヴを重ねながらロック・ファンの心を掴んでいるザ・ダービーズ。孤独の痛みと喜びを知り、眩い青春期への憧れもあるが、彼等の歌にはどこか達観した視線が宿る。衝動を破裂させるようなアンサンブルがあり、ライヴを重ねてきたからこそミドルな曲でもいいノリが生まれているが、語り掛けるような歌心が沁みる音楽だ。1stミニ・アルバムとなる今作は、あのロック・バンドの名やあの曲のフレーズ等、ザ・ダービーズを形作ったものもちりばめられた自己紹介的作品であり、またロックの遺伝子を受け継いでいく意思も見える。バンドの産声が純度高くパッケージされた1枚。(吉羽 さおり)

REAL POP

Aile The Shota

REAL POP

"本質的で大衆的である"ことをコンセプトとし、"踊れるポップス"というテーマのもと制作されたAile The Shota初のアルバム。艶やかなシルキー・ヴォイスとビートの心地よさに思わず身体を揺らしたくなるTrack.1「踊りませんか?」や、ほろ苦く切ない恋模様を描き、"ねぇ 酔ったときだけ 電話しないで"というフレーズも印象的なTrack.4「さよならシティライト」、軽快なリリックと晴れやかなサウンドに背中を押されるようなTrack.6「Yumeiro」等、バラエティに富んだ全11曲が収録された。ダンス・ミュージックを軸にしながらも、シティ・ポップといったJ-POPと高い親和性を持ち、"存在がジャンル"という彼の唯一無二の音楽性を存分に感じられる。(西平 歩由)

月刊エスケープ

Helsinki Lambda Club

月刊エスケープ

漫画の月刊誌を買うときのような、稀にしか訪れないワクワクがパッケージされた本作は、アジア各国の音楽や土地の雰囲気に影響を受け制作された「キリコ」を筆頭に、海外ツアーの中で触れた"非日常"に焦点が当てられる。束の間のバカンスを思わせるタイトルにも納得だ。普段は得られない快楽が夢見心地なリズムに乗って次々とやってくる一方で、浮き彫りとなったエスケープの果てにある"現実"に聴き手それぞれが無事に帰還できるようにと、「THE FAKE ESCAPE」や「Yellow」のような、"自分らしさ"を見つめ直すきっかけを詰め込んだ楽曲も収録される。ワクワクの感触を引き延ばすような「My Alien」の残響音に身を委ねた今夜はもう少しだけ夜更かししていたい気分。(山本 剛久之)