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DISC REVIEW

Oh! The Ocean

THE WOMBATS

Oh! The Ocean

前作『Fix Yourself, Not The World』で初の全英1位を獲得した、リヴァプール出身のトリオによる6thアルバム『Oh! The Ocean』。グラミー受賞のプロデューサー John Congletonを迎えた新作では、代名詞のポップ・ロックだけではない新たな魅力を発揮している。チルなアンサンブルにファルセットが絡むTrack.1「Sorry I'm Late, I Didn't Want To Come」、エレクトロとピアノを用いたウェットなTrack.4「Kate Moss」、壮大なコーラスのTrack.11「Swerve (101)」等、キャッチーなメロディを活かしつつ奥深いアレンジで幅広いサウンドを提示。Track.3「Blood On The Hospital Floor」のような軽やかで溌溂としたナンバーも起伏を生み出していて、ベッドルームでもアリーナのライヴでも映える楽曲が揃っている。(菅谷 透)

Automatic

THE LUMINEERS

Automatic

デビュー・アルバム以来、コンスタントにヒット曲を提供し続け、堅実にキャリアを積み重ねてきたインディー・フォーク・デュオ THE LUMINEERS。5作目となる今作でも、マルチプレイヤーであるメンバー2人の才能が存分に発揮され、楽曲ごとに様々な楽器を用いているだけでなく、多彩なサポート・ゲスト・アーティストも参加し、層の厚いバンド・アンサンブルとメロディを引き立たせるバック・コーラスが充実している。柔らかな日差しの当たる窓辺や、雨上がりの湿った匂いのある片田舎の畦道。そういった時間がゆっくりと流れる場所が目に浮かぶような文学的な世界観は、決して明るく楽しげなものではないが、聴く者の心に寄り添う優しさや慈愛に溢れている。(山本 真由)

Somewhere In Between

GOODWARP

Somewhere In Between

2012年の結成以来メジャーで、インディーズで作品をリリースし、一方でライヴを重ねながら4人のエンターテイメントを作り上げてきたGOODWARP。今作はその1つの集大成と言える、バンド初のフル・アルバムだ。磨き掛かった芳醇なソウル/ダンス・ミュージックに1さじの青さ、いなたさも忍ばせた人懐こさや遊びのあるサウンドが、日常の温度を上げてくれる。誰かの側にある、そんな音楽が詰まっている。スージー(ゴホウビ/Vo/Key)をゲストに招いた都会の讃美歌のような「カワズ」や、バンドのレンジを広げた6人組実況グループ ワイテルズに書き下ろした「夜市」、提供曲「ジブンシ」等も収録した、バンドのこれまでとこれからを感じる1枚。(吉羽 さおり)

女子高生じゃなくなる日

Caity

女子高生じゃなくなる日

日本とイギリスをルーツに持つシンガー・ソングライター Caity。小学5年生でウクレレを、中学からギターを始めて、J-POPのカバーやオリジナル曲の制作をスタートしたというCaityのメジャー・デビュー・シングルとなるのが「女子高生じゃなくなる日」。高校卒業を間近に控え岐路に立った今の思い、令和の女子高生らしいシーンがある一方で、小さくもそれが世界の全てのような学生時代という普遍性がキャッチーに描かれた卒業ソングは、共感や懐かしさ等、聴き手によって様々な感情がかき立てられる。アコギを基調にしたバンド・サウンドとピュアなヴォーカルが眩しい1曲だ。初めて作ったオリジナル曲「Big Change」も収録した記念すべきシングル。(吉羽 さおり)

合歓る - walls

Laura day romance

合歓る - walls

前後編に分かれた約3年ぶりとなるアルバムの前編『合歓る - walls』は、静謐な煌めきを纏ったポップ・ソングが、過去と現在の情景をシームレスに繋ぐように鳴り響いている。駅構内の環境音とスキャットで幕を開ける「5-10-15 I swallowed|夢みる手前」に続き、「Sleeping pills|眠り薬」のビデオを巻き戻す音、「深呼吸=time machine」の終わりでは学校の風景を想起する声が録音される等、いつかどこかで聞いたことのある音は聴き手をあらゆる記憶の中へと誘っていく。"君"と過ごした大切な時間に想いを馳せ、後悔と歓喜で満ちた思い出にふけるような「渚で会いましょう|on the beach」で、"合歓る"時間がひとたびエンドロールを迎える本作。確かな感触だけが残る、愛すべき音がここには存る。(山本 剛久之)

昨日を生きない私達へ

カネヨリマサル

昨日を生きない私達へ

メジャー3年目に突入、タイアップ2曲も含む充実のミニ・アルバム。映画主題歌に決定した「君の恋人になれますように」は、"明日は話せますように"といった小さな祈りに一喜一憂していた甘酸っぱい青春が鮮明に蘇る。いしわたり淳治をプロデューサーに迎え昨夏を彩った「嫌いになっちゃうよ」、「ゆびきりげんまん」は粒立ったバンド・サウンド、洗練されたコーラス・ワークで新たな魅力の扉を開く。どんな一日も輝かせるおまじないのような言葉を冠した"めざまし8"EDテーマ「ハッピーニューデイ」は、"ワンツー!"からかき鳴らすギター・ソロが痛快。パワフルな温かさに笑顔と涙がこぼれる。恋も夢も追いかけながら日々を重ね大人になっていく"私達"のお守りのような1枚。(中尾 佳奈)

nostalgic lovers

Bye-Bye-Handの方程式

nostalgic lovers

結成から約10年、メンバー・チェンジも経て進化し続けてきたバイハンが、現体制で再録/初音源化した全5曲。重厚感を増したイントロから高まる「熱帯夜と遊覧船」でまずは磨き上げたロック・サウンドを提示。高校時代の代表曲と語る「君と星座の距離」や"小論文"をモチーフにした「自論文」でも王道J-ROCKを鳴らす一方で、アレンジにSUNNYを迎えた2曲、洗練された失恋バラード「湿恋」とキラキラなポップ・ソングへと生まれ変わった「Flower Dance」は上質なJ-POPに。そのハイブリッドなスタイルで、大切な楽曲たちを今の手腕で昇華し閉じ込めた。愛しい過去が詰まったタイムカプセルのようでありながら、確かな成長を実感させる新しさで未来へと繋いでいく。(中尾 佳奈)

団地テーゼ

神聖かまってちゃん

団地テーゼ

生と死は常に隣り合わせであり、何気ない日常もまた、死と地続きのものだ。ラテン語の成句にメメント・モリという言葉があるが、神聖かまってちゃんは一貫してそれを叫んできたバンドだと思う。幼少期から30年以上、千葉ニュータウンの団地に住み続けるの子(Vo/Gt)が、日常の中で積み重ねてきたアンチテーゼを1つの作品としてまとめ上げた、5年ぶり11枚目のフル・アルバム。「オルゴールの魔法」を彷彿とさせるTrack.6、四つ打ちサウンドが高揚感を生むTrack.8、メロディ・メーカーとしての手腕が光るTrack.11、さながらヴェイパーウェイヴのような後奏のTrack.12等、渦巻く希死念慮の中で垣間見える遊び心がいちいちぶっ刺さる。キャリア史上、最も発売スパンが長く、そして最も死生観が色濃く滲み出た新体制初アルバム。これぞ最高傑作。(山田 いつき)

MOLTING AND DANCING

indigo la End

MOLTING AND DANCING

前作収録の「名前は片想い」のロングヒットとときめきも記憶に新しいindigo la Endから早くもニュー・アルバムが到着。美的計画でも川谷絵音と抜群の相性の良さを見せたにしなを客演に迎えた「夜凪」では、2人のアンニュイな歌声と、大仰ではないが存在感のある絶妙な弦楽オーケストラで深く物語に惹き込み、タイトル通り高湿度のサウンドを貫いた豊潤な音で躍らせる、ラストの展開も素晴らしい「雨が踊るから」、美しくも本質を突いたドキッとさせる言葉選びで曲世界に没入させる「心変わり」等全11曲を収めた。結成15周年、いくつ作品を重ねてもどんな時代でも、常に新鮮で繊細で一筋縄ではいかない藍色を描き続ける彼等の音楽に唸らせられっぱなし。(稲垣 遥)

親愛なるあなたへ

THE BACK HORN

親愛なるあなたへ

キャリアを重ねる程音楽的な自由度と貪欲さを増すバンドは稀有だ。結成25周年イヤーの先に"光と影"をテーマにした配信シングルを立て続けに出した彼等は、アルバムでもそのテーマのもとでさらに最新のTHE BACK HORNを放つ。ファンへの感謝を込めたバクホン節をブラッシュアップしたタイトル曲に始まり、身近な社会に存在するダーク・サイドを描いた曲が続くが、ロック・バンドがライフステージの変化を(物語だとしても)描く誠実さを感じる。そしてギリギリのところで救いと楽しさが同居する多ジャンル混交ナンバー「Mayday」を差し込み、脱力気味のスカ、R&Bテイストのミディアム・スロー等で光の面を表現。成熟に向かわないオリジナリティが圧巻だ。(石角 友香)

ライフ イズ ビューティフル

ASIAN KUNG-FU GENERATION

ライフ イズ ビューティフル

目を背けたくなるような悲惨でやるせないニュースや、うんざりするような社会の状況、他人の言動等が溢れる現実の中で、"それでも"という想いを歌にした表題曲「ライフ イズ ビューティフル」。盤石なサウンドと落ち着いた歌唱、澄んだコーラスからは、このメッセージに迷いが一切ないこと、彼等がまっすぐ見つめる先に光が存在することが窺えて奮い立たせられる。カップリングには、のんに提供したパワー・ポップ「Beautiful Stars」のセルフカバーを収録(本家音源/MVもアジカンがバックバンドを務めており要チェック)。2曲共、シンプルだからこそ日々の生活のお供に携えられる、自分なりの"美しい人生"を諦めない私たちへの応援歌だ。(稲垣 遥)

" NANIMONO 2nd ANNIVERSARY ONEMAN 『インキャが世界を救う★~なにものといっしょ ~ 』"at TOKYO DOME CITY HALL

NANIMONO

" NANIMONO 2nd ANNIVERSARY ONEMAN 『インキャが世界を救う★~なにものといっしょ ~ 』"at TOKYO DOME CITY HALL

NANIMONOのライヴは、人生に生きづらさを感じている"どこかの誰か"に寄り添い、一緒に歩んでくれるようなパワーを持っている。結成2周年ライヴを映像化した本作は、インキャのリスナーにとって活力剤のような役割を果たしてくれるだろう。見どころは盛りだくさんだが、中でもネガティヴな気持ちの集合体"つらたん"の襲撃から、アニメ"なにモンになっちゃった?!"、テーマ・ソング「死ぬまで眠りたい」、そして、メンバーが魔法少女に変身を遂げる(早着替え!)までの一連の流れは必見。かわいいだけじゃない、メッセージ性もエンタメ性も高い本作は、"NANIMONO"って"何者"?――そんな疑問に答える、入門書的な作品だ。(宮﨑 大樹)

TREASURE!

DIALOGUE+

TREASURE!

音楽ユニットとして1つの完成を目指して制作された3rdアルバムから4ヶ月で、早くも12枚目のシングルが到着。タイトル曲は、TVアニメ"いずれ最強の錬金術師?"OPテーマで、作詞は大胡田なつき(パスピエ/Vo)、作編曲はAkkiというこれまでDIALOGUE+で秀作を生み出してきたタッグが担当している。瑞々しく跳ね上がるピアノやストリングスと骨太なバンド・サウンドが、高揚感を引きずり上げていくアップチューンだが、特筆すべきはやはり8人の歌声。美麗且つ緻密なコーラス・ワークを交えつつ、伸びやかに届けられる主旋律に綴られた、"何だってできそうだって僕ら 自由だ!"という一節が、とにかく眩しいまでの輝きを放っている。(山口 哲生)

あばら

鈴木実貴子ズ

あばら

苛立ち、苦悩、違和感......。社会や生活に対するあらゆる感情を強烈なパンチラインに乗せて歌う、アコギとドラムの2ピース・バンド 鈴木実貴子ズ。結成14年目となる年にリリースされたメジャー1stアルバムは、これまでの活動を振り返りつつ、今もなお自身を奮い立たせるエネルギッシュな詞で溢れ返る。シノダ(Gt/ヒトリエ)、五味岳久(Ba/LOSTAGE)を招いた、強固なバンド・アンサンブルが繰り出す「かかってこいよバッドエンド」、田渕ひさ子(ex-NUMBER GIRL etc.)のソリッドなギター・リフが冴える「暁」等、鈴木実貴子が曝け出す心情を鼓舞するように花を添えるアプローチも印象的。「ベイベー」や「私、天使だっけな」では、わずかな希望を見いだし前進する軽快さも感じられる。(山本 剛久之)

HAS

FINLANDS

HAS

前作『FLASH』から約4年ぶりのフル・アルバム。結婚や出産といったライフステージの変化を迎え、さらに昨年3月にはメジャー・デビューも果たす等、この4年間で塩入冬湖(Vo/Gt)を取り巻く環境は大きく変わった。それでも、彼女のまっすぐな歌声と人間性、バンドの姿勢はこれまでと変わらず、芯の強さを感じさせる。サウンドの奥行きとレンジの広さを見せる「ララバイ」、気だるげなヴォーカルとキャッチーなメロディが絶妙にマッチした「割れないハート」、今作の中でも一際エッジィなロック・チューン「VS」、親密な空気感を纏った丁寧なサウンドメイクの「シルエット」、アルバムを象徴するタイトル・トラック「HAS」等、新曲7曲を含む全12曲。(山田 いつき)

The Bad Fire

MOGWAI

The Bad Fire

結 成30周年、ポストロックのトップ・アクトによる11枚目のスタジオ・アルバム。初の全英1位を獲得した『As The Love Continues』の続編となる本作は、メンバーの個人的な喪失や困難からインスピレーションを受けており、レコーディングは避難所のような役割を果たしていたのだという。それもあってか、フィードバック・ギターが生み出す轟音、静謐なメランコリー、壮大なサウンドスケープといったバンドの代名詞的な要素=MOGWAIらしさをより自覚的に取り入れている印象。一方で抑制の効いたアレンジは円熟味を感じさせる。タイトルはスコットランドの口語で"地獄"を意味するそうだが、さながら地の底から見上げる光のように、仄かな希望が差し込む作品。(菅谷 透)

Brat Japan Edition

CHARLI XCX

Brat Japan Edition

世界各国で激賞され、2024年を象徴するアルバムになり、ポップ・アイコンとしてのCHARLI XCXの存在をより確固たるものにした大傑作『Brat』の、日本企画盤『Brat Japan Edition』が登場。先鋭的且つ刺激的なハイパーポップと、00年代のクラブ・ミュージックへの憧憬を感じさせる熱狂のダンス・ビートが混ざり合った楽曲群は、アグレッシヴでありながらも、とてつもなくキャッチー。自身の原点に立ち返りつつも、それをもって未来を切り拓いていく姿が見て取れる。日本盤には、かねてより名コラボ曲を生み出してきた、盟友のTroye Sivanを迎えた「Talk Talk Feat. Troye Sivan」を追加収録。解放感とそれがもたらす圧倒的な恍惚をぜひ堪能してほしい。(山口 哲生)

Critical Thinking

MANIC STREET PREACHERS

Critical Thinking

結成から40年近くほぼ変わらぬ幼馴染メンバーで構成され、コンスタントにリリースされてきた作品も常にUKチャートの上位を占めるクオリティを維持という、脅威のブレなさを誇るウェールズのベテラン・バンド MANIC STREET PREACHERS。そんな彼等の15thアルバムには、"弁証法が解決への道を見いだす"というNicky Wire(Ba/Vo)の言葉通り、一見矛盾するような眩い一面と哀愁が共存している。Nicky Wireがメイン・ヴォーカルをとり、James Dean Bradfield(Vo/Gt)が作詞を手掛ける等、柔軟なプロセスも含め活き活きと描かれた今作は、挑戦し続ける彼等の前向きな姿勢そのものと言えるのではないか。(山本 真由)

GENIUS FOOL

Re:name

GENIUS FOOL

洋楽とJ-POP双方の音楽要素をオリジナルに昇華する令和スタンダードな3人組 Re:nameが、さらにその先を示唆する本領発揮のフル・アルバム『GENIUS FOOL』を完成させた。ロングヒット中のポップ・ファンク「24/7」、AIヴォーカルを取り入れた「Vague (feat. 可不)」、K-POPのエフェクティヴなダンス・チューンの影響を感じる「TOY」、UKインディーの憂いのあるサウンドも取り入れた「Donut Song」等多彩な既発/先行配信曲に加え、アルバム像を象徴する思いが詰め込まれたDTMチューン「gen!us」、オープナーに相応しい複数のジャンル感とビートが混在する「BABY BOY」等のアルバム曲で構成される、強力な全12曲(CDは全13曲)。(石角 友香)

FLYASDUST

TOKYOてふてふ

FLYASDUST

リリースとしては昨年夏のソロ・ワークスEP『IIIIly』以来であり、楪おうひ、めありらすと、ちむら詩文、神狩こはく世會の4人体制となったグループの今、5年目を迎えた決意表明を歌ったニュー・シングル「FLYASDUST」。エレクトロや歪みの効いたバンド・サウンドと、儚さ、脆さを湛えたヴォーカルとで、孤独にたゆたう寂しさや痛み、または恍惚感をも表現していたその歌は今回、その孤独からすっと手を伸ばすように誰かを求め、誰かと繋がる意志を持った。激しさも温かさも宿した4人の歌が心強い。2025年末にZepp Shinjuku (TOKYO)ワンマンが決定し、大きなステージに向かって駆け上がっていく、その躍動がストレートに響く1曲だ。(吉羽 さおり)

Alliance of Quintetto

BLUE ENCOUNT

Alliance of Quintetto

「囮囚」(ドラマ"ボイスⅡ 110緊急指令室"主題歌)から「Bloody Liar」(アニメ"ババンババンバンバンパイア"OP主題歌)まで、タイアップ楽曲だけでも6曲を収録。ハードでフック満載なブルエン節を存分に堪能できるそれらの楽曲に加え、アルバム・タイトルが示唆するリスナーを5人目のメンバーに見立て、共に進んでいく彼等のスタンスを表明するTrack.1から、Track.3までのギター・ロック・バンドとして肩肘張らない自然体の強み、現代のR&Bシーンにも通じるモダンなビート感やメロディが新鮮なTrack.5等、らしさとチャレンジが同じ濃度で詰まったアルバムだ。オール英語詞曲も増えたことでラヴ・ソング等テーマも拡張。ツアーを支える精鋭曲揃い。(石角 友香)

(i)かずき山盛り

かずき山盛り

(i)かずき山盛り

大阪発ボタニカル・パンク・バンド かずき山盛りの新体制初リリースとなる3rdミニ・アルバム。"今までで1番バラエティに富んだ間違いなく過去最高の作品"と公言するように、どこか演歌っぽいタイトルの渋さとは裏腹にシンセサイザーの音が混ざり合う「おとこのなみだ酒」をはじめ、ホーン・セクションを加えチキンの美味しさを歌う「チキンisうまい!」や、パチンコ/パチスロの効果音が随所に散りばめられ脳汁が溢れ出す「倖 Time」(読み:ハッピータイム)等、ふざけるところは全力でふざけつつも楽曲アレンジの振り幅を感じさせてくれる1枚となった。本作でパワーアップした彼等は、自分らしさを貫きながらも着実に新ステージに上り詰めていくだろう。(中島 希実)

AlterGeist0000

THE ORAL CIGARETTES

AlterGeist0000

メジャーとアンダーグラウンドを繋ぐオーラルが、次々に新たな姿を見せつける攻めの1枚。シンフォニック・メタルのような荘重なオープニング「Bitch!!」から、ラウド・シーンを牽引するMasato(coldrain/Vo)を迎えた「DUNK」、ラッパー Kamuiがかますゴリゴリのヒップホップと融合した「ENEMY」と、ディープなミクスチャー・ロックの深層に引きずり込んでいく。かと思えば、今っぽいアンニュイな歌唱とスケール感のある清涼なサウンドを合わせた「SODA」や、洋楽フレーバーのポップ・ロック・アンセム「See You Again」等、大衆性を押し広げる意外な楽曲も。そんな極彩色の中で淀みなく響くメッセージ・ソング「愁」では、彼等の強い想いを噛みしめてほしい。(中尾 佳奈)

Bloody Liar

BLUE ENCOUNT

Bloody Liar

TVアニメ"ババンババンバンバンパイア"OP主題歌を表題に据えた、3作連続リリースのラスト・シングル。今回ブルエンが描くのは、切なく儚い叶わない恋。銭湯で働く吸血鬼と銭湯の一人息子を中心に繰り広げられる"BL(ブラッディ・ラブコメ)"のぶっ飛んだ世界観を温かく深い愛で包み込むミドル・ロック・バラードに仕上がった。結ばれなくてもただそばにいたいと願う、あまりにまっすぐな想いに胸がぎゅっと苦しくなる。カップリングは「new dawn」。漠然と焦燥感を抱えくすぶる日常から飛び出し、希望に満ちた"新たな夜明け"に向かっていくリリック。それをカラッと清々しいサウンドが後押しし、"きっと大丈夫さ"と軽やかに鼓舞してくれる。(中尾 佳奈)