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INTERVIEW

Japanese

ヒトリエ

2014年01月号掲載

ヒトリエ

メンバー:wowaka (Vo/Gt) シノダ (Gt) イガラシ (Ba) ゆーまお (Dr)

インタビュアー:沖 さやこ

VOCALOIDシーンで圧倒的な支持を持つwowakaを中心に、2012年に結成された4ピース・バンド、ヒトリエ。彼らが自主レーベル"非日常レコーズ"を立ち上げ、シングル『センスレス・ワンダー』でメジャー・デビューする。ヒトリエは2010年代の主流とも言うべき四つ打ち高速ギター・ロック・バンドという枠だけに留まらない。4色の強烈な咆哮が衝突し、化合することで生まれる衝動と焦燥――2014年、彼らが日本のロック・シーンに斬り込む。

-wowakaさんはもともとバンドマンでいらして、2009年5月からVOCALOIDを使用した楽曲をお作りになられて。そして再びバンドという形態を選んだのはどういう理由からだったのでしょう?

wowaka:大学1年か2年の頃にVOCALOIDで楽曲制作を行い始めて、そのときはひとりで宅録を行う面白さや曲を作り上げられる時代観に惹かれていったんです。それでネットに音楽を発表していくうちに、ちょっとずつ聴いてくれる人が増えて......そうしていたらBALLOOM(※インターネット発アーティストによるインディペンデント・レーベル)から全国流通で自分のVOCALOIDの楽曲を1枚の作品にまとめる機会を頂けて(※2011年5月にリリースされたwowakaのアルバム『アンハッピーリフレイン』)。そこで自分の活動をまとめきった感覚があったんです。ここで終わってしまって、これからも音楽をするにあたって"次、自分は何をしようかな?"と、2ヶ月くらい悩んで。VOCALOIDの楽曲を発表していくにあたって......どうしても曲に集まるリスナーや人気、コメントや声に、ちょっと自分と乖離していく感覚があったんですよね。自分の肉体が伴ってない、音楽そのものとしての存在として、世の中に広まっていった。勿論そこを通して自分の存在を認識して、そこに魅力を感じてくれるリスナーもいるんですけど、そういうところとは1回切り離される感覚が自分にはあって。

-それは活動拠点がインターネットだったから?

wowaka:それも要素のひとつとしてあるんですけど......自分の体を使ってないからかな。VOCALOIDは人間じゃないものに自分の言葉を代弁してもらっているから、(自分が作った曲を)歌手が歌うこと以上に、人間性が存在しないんです。VOCALOIDを媒介とすると音楽として面白いものはできていたけど、直接的で身体的な"音楽をやっている感覚"がどうしても足りないなと思っちゃったんですよね。勿論VOCALOIDの文化をものすごく愛しているし、VOCALOIDそのものについても、いままで作ってきた作品にも誇りは持っているんですけど、単純に素の状態の自分を出してみたくなった。自分の言いたいことを自分の言葉と口で言いたいと思ったんですよ。自分のなかで生まれたことを自分の口で言うと、自分の言葉であるという感覚が自分のなかに生まれるんで、特に自分の口で言うのが大事で。"そういうところを大事にするにはどういう活動がいいかな?"――自分が面白いと思う音楽、いまの自分がやるべき音楽、面白そうでかっこいいことができそうな音楽、そこに対して巻き込めそうな人だったりを考えたときに"バンド"という形がいまいちばん面白いと思ったんです。

-VOCALOIDでやっていたことをバンドに持ち込むのではなく、バンドでしかできないことをやっていこうと思われたということですね。

wowaka:そうですね。僕自身、いわゆるロック・バンドのあの感じ......個々がちゃんと立って、ひとつのかたまりが人間性とともにダン!と打ち出される音に鳥肌が立ったり、感動したり。いちばん最初にそういう音楽に触れて"すごい"と思った人間なので、どうしても自分のやりたいことがそこに戻っていったんですよね。"じゃあそれを真剣にやらないでどうするんだ?"ということで、バンドという形がいちばんしっくりきましたね。

-バンドを組むにあたってwowakaさんはまず、同人音楽シーンでベーシストとして活躍していたイガラシさんと、様々なシーンでドラマーとして活動していたゆーまおさんをお誘いになったんですよね。

wowaka:ふたりとは単純にその当時で喋れる間柄だったんですよね。プレイもかっこいいと思っていたし、そういう感情的で衝動的な部分と......あと、それまで僕が宅録をやっていたのもあって、音楽作るにあたって分析的に考える癖もあるんです。だから自分の音楽にこういうドラムとこういうベースが入ってきたら絶対に面白い、絶対いまよりかっこいいものになるという自信があった。自分のやりたいことと、周りにそういう人がいることが、綺麗に噛み合った瞬間でもあったんですよね。......バンドはどうしても人間なので、音楽ができるだけじゃ続かないじゃないですか。喋り下手で伝え下手な自分の性質も踏まえたうえで"これならいける"という確信があったので声を掛けたんです。

イガラシ:単純に"かっこよさそうだからやろうよ"って3人同時に。声を掛けられたという感覚ではなかったですね。

ゆーまお:"この3人でwowakaさんの曲をやってみよう""この3人で音を鳴らしたらどうなるかね?"というところが入り口で。そこから一緒にやり始めて"あ、wowakaさんはお客さんの前でやりたいんだな""ライヴハウスで自分の曲を披露したいんだ"という意志を感じて。そこで少しずつ僕らなりに用意できるものをあっためてきたんですよね。そしたらいまこんな感じ、っていう(笑)。