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INTERVIEW

Japanese

Bentham

2019年03月号掲載

Bentham

Member:小関 竜矢(Vo/Gt) 須田 原生(Gt/Cho) 辻 怜次(Ba) 鈴木 敬(Dr/Cho)

Interviewer:高橋 美穂

-そうやってBenthamの可能性を証明する1枚にしようというようなテーマは、制作前からあったんでしょうか?

須田:テーマは特になくって。7~9月に曲出しをしたんですけど。

辻:こんなに長く曲出しをするのは初めてでしたね。

須田:前のEP『Bulbous Bow』(2018年4月リリース)のときはテーマを出してやったんですけど、今回はとにかく今作れるだけ作ろうと。各自なんにも縛られずに自分にあるものをすべて出そうということで。

-それぞれ結構出したんですか?

辻:合計だと50近くはみんなで出したんじゃないかな。

-そこから選りすぐるうえで、何かポイントはあったんですか?

須田:ジャンル分けをしたんですよ。アルバムなので、アップテンポな曲、ミディアム・バラード、バラエティに富んだ曲、みたいに分けて、それぞれどれくらいの比重で何曲あった方がいいよねって当てはまる曲を探っていって、ここが足りないってなったら次の曲出し期間までに作ろうっていうふうに進めました。だから曲出しを経てテーマは出てきたんですけど。

-きっちりされていますね。だからこそバランスがいい1枚になったというか。そういうなかで、4人全員の曲が収録されていて。Benthamだからできること、バンドだからできることが詰まっていると思います。特に「ASOBI」は、バンドマンの高度な遊びというか、演奏を楽しんでらっしゃいますよね。

須田:タイトルどおりですけど、ミュージシャンが遊びきった曲が1曲あっても面白いと思って。切り口から8分の7って変わった拍子の曲にしたいと思って作り始めたんです。でも作っていったらそれだけじゃ面白くなくって。サビとかはキャッチーに、違う世界が欲しいって思ってやっていったら、Benthamっぽい曲になったかなぁと。どんどん遊びを入れてやったことのないことにチャレンジできましたし、みんなが録っている姿を見るのも楽しくて、ドラムも難しいのに自分のものにして楽しそうに叩いてて、辻君も"超いいのできた!"って肩をパンパン叩いてくれて(笑)。

辻:メンバーが別のところで稼働してレコーディングしたんですよ。だからアレンジャーさんとああだこうだ言いながらプリプロしたんですけど、結果的に自分の中で新しさを出せたことに納得できたし、終わった瞬間に須田にそう言ったっていう(笑)。任せてもらっているぶん、こっちも応えたいので。

-でも、これ難しいですよね?

鈴木:昨日ちょうど初めてみんなでスタジオで練習したんですけど、楽器を始めたころみたいな上手くなる楽しさを感じて(笑)。上手いのが正義だと思っていたころ......。

辻:だからか。謎に須田のギターをパッと取って、MR.BIGを弾き始めたんですよ(笑)。

鈴木:「Daddy, Brother, Lover, Little Boy」をね(笑)。

-繋がった(笑)。

須田:歌詞もいつもオゼ(小関)に任せているんですけど、お互い"任せろ"、"頼んだ"みたいな受け渡しができましたし。

小関:"ASOBI"っていうタイトルの曲って他にもあると思うんですけど、全部難しいですよね(笑)。ミュージシャンが俺ら遊んでいるっていうのを表現するのって。そんななかで自分はどうやろうかってなったときに、歌詞のキャッチーさ、ハッとするところとか......今まで僕は練りに練って考えた歌詞で"意味わかんない"と言われることが多かったんです。でも歌詞がキャッチーだと意味がわからなくても繋がるから、そこを意識しながら。あと、デモのときから作詞を始めるパターンと、アレンジが進んでいるときに乗せるパターンがあるんですけど、この曲は進んでいるときに乗せられたので、ここはこういう意図があってベースがこうでとか考えるとイメージが膨らんで。そんななかで彼(須田)が30代に突入しまして、晴れて30代バンドになったんですよ。そこで"ASOBI"という曲があって、まぁ、僕的には"SHIGOTO"なんですけど(笑)、それを"ASOBI"って言えるのがいいなぁって思ってどんどんエモーショナルな気持ちになってきまして、このまま4人でずっと遊べたらなっていうところを織り込みました。それは、1個1個メンバーに説明しているわけではないんですけど、メンバーの熱量が上がる曲になっているんじゃないかな。難しいけど、さらっとやる曲じゃなく、気持ちの起伏もある曲だと思います。

-「MIRROR BALL」はフェスを盛り上げるバンドの真骨頂という気がします。

辻:そうですね。

小関:でも結構凝ったことをやっているのでBentham的には新しいんです。"こういうふうに盛り上がらない?"っていう提案にもなっています。

-「SUTTA MONDA」も、タイトルも含めて印象的でした。これは、歌詞も曲も鈴木さんが書かれたという。

鈴木:デモの状態でできていて、オゼ君も"このままいこう"と。

小関:書いている内容も敬らしかったので。

-展開もドラマチックですよね。特にアウトロはアルバムの中で一番のロック魂を感じました。

辻:そりゃスタジオでMR.BIG弾きだすわっていう(笑)。

鈴木:(笑)ちょっと曲ができてきたときにドラムを叩いてみて、これはこういけるかもって思ったところもありましたね。

-次がラストの「夜な夜な」で、このコントラストもいいですね。

小関:コード進行がベタなんですよ。そのイメージは崩さないように作り始めて。曲出しのときに、出揃っていたけれどバラードも入れたいって、みんながバラードばかりを書いていた期間があったんですけど、そこで作ったんです。こういう曲は今までありそうでなかったので、言葉を大事に扱いたいと思って進めていきました。今作は全体を通して歌詞を意識して書いたんです。いつも頑張ってはいたんですけど、より意識を向けて。この曲は、ダメな男の感じとか......僕、すごい夜型なんですよ。一周して朝型かもしれないくらい(笑)。窓際で膝を抱えて、部屋の明るさが変わっていく感じが好きなんです。いろいろ考えることも多くて。そういう感情を揺さぶられる時間帯ってみなさんあると思うんですけど、そういうときに聴いてほしいと思ったんです。あと1回自分たちのラジオのコーナーで企画で作った一節があって、それが「夜な夜な」にハマりました。前に作ったものと今作ったものがうまく融合できた曲になったと思います。