Japanese
Bentham
2017年04月号掲載
Writer 沖 さやこ
Bentham、メジャー・デビューである。メジャーもインディーズも関係ない、なんて言われることもしばしばだが、彼らにとってはかなりの一大トピックなのではないだろうか。
Benthamは2010年に小関竜矢(Vo/Gt)と須田原生(Gt/Cho)を中心に結成された。様々なバンドのサポートとして活動していた辻 怜次(Ba)と小関がアルバイト先で知り合い、小関は辻を勧誘。2012年には鈴木 敬(Dr/Cho)がバンドに参加し、現在のメンバーが揃う。
彼らはバンドで一旗揚げようと、約15社にデモ音源を送る。それがKOGA RECORDSの目に留まったことで環境は一転。2014年にはKEYTALKのライヴのオープニング・アクトに抜擢され、その年の10月には初の全国流通盤となる1st EP『Public EP』をリリース。FRONTIER BACKYARDのTGMXをプロデューサーに迎え、楽曲を大きくブラッシュ・アップさせることに成功した。キャッチーで甘酸っぱいメロディに、エモーショナルでファニーなサウンドというBenthamのカラーは、ここで確立したと言ってもいい。
彼らは自分たちのエゴを音楽にぶつけてインパクトを作るというよりは、聴き手の想い、チームの想いと自分たちのエゴの折衷点を見つけて、自分たちだけでは成し得ない音楽を生み出し、新しい自分たちを見つけ出してきたバンドだ。だが、2015年11月にリリースされた3rd EP『OMG』はそれだけではなく、バンドの気合や底力が見える作品だった。様々な音楽性やアレンジメントに挑戦。リスナーを驚かせ振り回すようなパワフルな楽曲が多く揃った。
インディーズで4枚のEPをリリースした彼らのメジャー・デビュー作は全4曲入りの両A面シングル『激しい雨/ファンファーレ』。『OMG』のパワーがリスナーに向いていたものだとしたら、このシングルはリスナー以上に彼ら自身を鼓舞するものになったのではないだろうか。これまでで最も地に足がついたBenthamを体感できるシングルでもある。Track.1「激しい雨」はシンプルで直球の、ある種泥臭いギター・ロック。"いつか晴れるように/邪魔させない"という決意表明的な言葉も映える。だが、それだけで終わらないのがBentham。頭サビのあとには須田節とも言える口ずさみやすくてインパクトのあるキャッチーなギター・ソロが入り、曲中にはコール&レスポンスができる箇所も。ブレイクを多く用いるなどフックも作り、彼ら流のシンプルを追求した楽曲になっている。
Track.2「ファンファーレ」はメジャー・デビューを目前にしたバンドの心情と、この春新しいスタートを切る人々へのメッセージを重ねたような楽曲。直球の歌詞とメンバーによる美しいコーラス、8ビートと表打ちのドラムが存在感を放つ。軽やかなギターに太いベースが絡むTrack.3「NEW WORLD」は須田が作曲を担当。この曲も新しい世界に身を投じる素直な心情が綴られている。メジャー・デビューと春という季節が重なったことで、よりバンドのリアルを描き出すことができたのかもしれない。
そして、特に注目したいのはピアノをフィーチャーしたTrack.4「夜明けの歌」。小関竜矢のパーソナルな部分、彼の感性が存分に反映された楽曲だと思う。ここまで彼の色が濃く反映された曲をBenthamとして発表するのは、新しい世界に飛び込む覚悟の表れだろうか。ピアノとドラムの音鳴りの相性も良く、その美しさと力強さの交錯と、アート性の高い歌詞が小関の歌をさらに大きいスケールで響かせる。この曲は"夜明け"=「ファンファーレ」、「NEW WORLD」と同じく始まりの歌。前2曲がバンドのストーリーなら、これは小関自身の始まりのストーリーかもしれない。
「激しい雨」で幕を開け、「NEW WORLD」では"所々 晴れている"空が、「夜明けの歌」では"今日はとても晴れています"と歌われている。新しい環境に身を置いたと同時に、バンドのメンタリティもまた新しいフェーズへと突入しているのではないだろうか。心躍る新しい世界に走り出した4人のポジティヴなパワーを感じる、渾身のメジャー・デビュー・シングルだ。
▼リリース情報
Bentham
MAJOR DEBUT DOUBLE A-SIDE SINGLE
『激しい雨/ファンファーレ』
[PONY CANYON]
2017.04.12 ON SALE
【初回盤】CD+DVD
PCCA.04496/¥1,836(税込)
amazon
TOWER RECORDS
HMV
【通常盤】CD
PCCA.04497/¥1,296(税込)
amazon
TOWER RECORDS
HMV
【Bentham屋限定盤】CD ※7インチEPサイズ紙ジャケット仕様
SCCA.00048/¥1,500(税込)
amazon
[CD]
1. 激しい雨
2. ファンファーレ
3. NEW WORLD
4. 夜明けの歌
[DVD]
2016年10月27日(木)恵比寿リキッドルームで行われた、Bentham初の全国ワンマンツアー
「Get the ExP~ベンサムがあらわれた! ライブにきてほしそうにこっちをみている~」のアンコールを含む、
セットリスト全22曲中の前半10曲を収録したDVDを付帯。
- 1
LIVE INFO
- 2025.07.24
-
水平線
板歯目
bokula.
ビレッジマンズストア
竹内アンナ
the paddles
- 2025.07.25
-
四星球
マカロニえんぴつ
セックスマシーン!!
東京スカパラダイスオーケストラ
"FUJI ROCK FESTIVAL'25"
キュウソネコカミ
FIVE NEW OLD
有村竜太朗
Ivy to Fraudulent Game
のうじょうりえ
輪廻
RAY
らそんぶる
UNCHAIN
ゴキゲン帝国
miida
bokula.
感覚ピエロ
- 2025.07.26
-
あれくん
[Alexandros]
Eve
"OGA NAMAHAGE ROCK FESTIVAL vol.14"
GANG PARADE
須田景凪
コレサワ
LOCAL CONNECT
アーバンギャルド
reGretGirl
"FUJI ROCK FESTIVAL'25"
ASP
Creepy Nuts
FIVE NEW OLD
PENGUIN RESEARCH
マオ(シド)
さめざめ
Academic BANANA
"MURO FESTIVAL 2025"
WtB
有村竜太朗
Czecho No Republic
Mrs. GREEN APPLE
- 2025.07.27
-
Eve
東京スカパラダイスオーケストラ
MAPA
神はサイコロを振らない
"OGA NAMAHAGE ROCK FESTIVAL vol.14"
LOCAL CONNECT
"FUJI ROCK FESTIVAL'25"
ASP
コレサワ
DURDN
"MURO FESTIVAL 2025"
Mrs. GREEN APPLE
- 2025.07.28
-
THE YELLOW MONKEY
パピプペポは難しい
のうじょうりえ
Hump Back
- 2025.07.29
-
大森靖子×銀杏BOYZ
斉藤和義
- 2025.07.31
-
TENDOUJI
フラワーカンパニーズ
GIFTMEN
なきごと
The Gentle Flower.
のうじょうりえ
ZAZEN BOYS
板歯目
- 2025.08.01
-
bokula.
GIFTMEN
ビレッジマンズストア
キュウソネコカミ / 礼賛 / 西川貴教 / FANTASTICS
GOOD BYE APRIL × エルスウェア紀行
cinema staff
the shes gone
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
Newspeak
Amber's
パピプペポは難しい / IQ99
- 2025.08.02
-
Saucy Dog
マオ(シド)
四星球 / フラワーカンパニーズ / Hump Back / 眉村ちあき ほか
なきごと
FIVE NEW OLD
BLUE ENCOUNT
TENDOUJI
カミナリグモ
"Live House Pangea presents「新世界FESTIVAL2025」"
あれくん
藤沢アユミ
reGretGirl
Nothing's Carved In Stone
ぜんぶ君のせいだ。
岸田 繁(くるり) / 向井秀徳アコースティック&エレクトリック / 折坂悠太
古墳シスターズ
PENGUIN RESEARCH
忘れらんねえよ
シナリオアート
SCOOBIE DO
eastern youth
"NEW HORIZON FEST"
ExWHYZ
BRADIO
映秀。
- 2025.08.03
-
Saucy Dog
なきごと
四星球 × G-FREAK FACTORY
マオ(シド)
ビレッジマンズストア
PK shampoo
フラワーカンパニーズ
BLUE ENCOUNT
Nothing's Carved In Stone
FIVE NEW OLD
reGretGirl
さめざめ
カミナリグモ
あれくん
忘れらんねえよ
SCOOBIE DO
"NEW HORIZON FEST"
古墳シスターズ
Lucky Kilimanjaro
め組
コレサワ
有村竜太朗
- 2025.08.05
-
Hump Back
BLUE ENCOUNT
YOASOBI
- 2025.08.06
-
bokula.
KALMA
SHE'S / トンボコープ / Fish and Lips
Hump Back
BLUE ENCOUNT
YOASOBI
Conton Candy / Laughing Hick / なきごと / the paddles ほか
フィロソフィーのダンス
Hello Hello
Dannie May / yutori / muque / CLAN QUEEN ほか
キュウソネコカミ
RELEASE INFO
- 2025.07.25
- 2025.07.29
- 2025.07.30
- 2025.07.31
- 2025.08.01
- 2025.08.06
- 2025.08.08
- 2025.08.11
- 2025.08.13
- 2025.08.15
- 2025.08.20
- 2025.08.22
- 2025.08.27
- 2025.08.29
- 2025.09.03
- 2025.09.05
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
Organic Call
Skream! 2025年07月号