DISC REVIEW
ア
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大森靖子
PERSONA #1
メジャー・デビュー7周年を記念した初のセルフ・カバー・アルバム。様々な世代のアーティストへの提供曲だからこそ表現し得た、大森靖子の多彩なペルソナが飲み込める。敬愛する道重さゆみへの提供曲のカバーが最も多く、女性アスリートなど、著名な存在の何にシンパシーを感じるのかが綴られた「WHO IS BABY」ほか3曲。相坂優歌へ提供した「瞬間最大me」は、神聖かまってちゃんのの子(Vo/Gt)をゲストに迎えたハイパーポップがふたりらしい。提供曲でも女性、人間、愛、命という主題を突き詰めていることに驚嘆。また、昨今の時世を映すYouTube番組"街録ch-あなたの人生、教えてください"の主題歌に書き下ろした「Rude」の、荘厳なアレンジと歌唱に圧倒される。尊厳とは何かを自分の心に問う作品。(石角 友香)
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大森靖子
Kintsugi
割れたり欠けたりした陶器などを接着し、継ぎ目を金で飾る修復方法を"金継ぎ"という。ばらばらになった気持ちや絆を痛みながらサヴァイヴする人に対し、もとあったものを生かしつつ前よりも美しくしたい、そんな想いで制作された本作。特に印象的だったのは英語詞(!)で先行配信された「NIGHT ON THE PLANET」(本作には日本語で収録)。大沢伸一(MONDO GROSSO)編曲によるシンセを軸とした壮大で重心の低い音作り、"夜のどん底"から遠い星を仰ぐような世界観に、憑りつかれる感覚を覚えた。心の澱を叩きつける声色のみならず、虚無感を孕んだファルセットの威力もすごい。さらに彼女を慕う橋本 愛が熱を持った歌で参加した「堕教師」も注目で、多様な作編曲陣のカラーも映えた渾身の作となった。(稲垣 遥)
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大森靖子
Re: Re: Love
今年メジャー・デビュー5周年を迎えた大森靖子による5つの記念企画の第3弾。彼女の人生を変え、彼女を成型した道重さゆみに続いて、今回は峯田和伸(銀杏BOYZ)を迎えての「Re: Re: Love」。これは大森から峯田へのラヴ・レターでもあり、究極を言えば、歌う他に生きるすべのないふたりのアーティストの生き方を、このふたりにしかできない命の燃やし方で表明したロックンロールでもある。"運命の人によって生き延びた命"がこのタイトルの意味するところではないだろうか。c/wには、アニメ"ブラッククローバー"OPテーマで、ソリッド且つヒリヒリする感覚をキャッチーに落とし込んだ「JUSTadICE」、"推しに対する愛ってこんな感じでは?"と思しき弾き語り曲「めっかわ」を収録。(石角 友香)
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大森靖子
洗脳
大森靖子の表現にはライヴと音源で乖離がある。"人間の業と性を炙り出す叫び"という根本は同じだが、それを全身全霊で体現するライヴと違い、音源の場合、世界を変革せんとする扇動者としての側面から、彼女はその叫びをかなり戦略的にまとめ上げている。メジャー進出以降、この乖離はより大きくなった。メジャー1stフルとなる本作において、彼女の本領が最も発揮される弾き語りの楽曲がほぼ封印されている点から見ても、それは明らかだ。彼女の才能があれば、その"役割"から降りることで、本作より数倍すさまじい音楽作品を作ることは可能だろう。いち音楽好きとして、そこに歯がゆさを感じていないと言えば嘘になる。しかし、僕は賭けたい。この時代に"本質"を背負おうとする、彼女の孤独な優しさに、賭けてみたい。(天野 史彬)
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大森靖子
きゅるきゅる
圧倒的な熱量と圧力を持ったシンセ・ポップ・サウンドの「きゅるきゅる」、聴き手を翻弄するかのようにコロコロと曲調を変えていくアクロバティックな打ち込み主体の「私は面白い絶対面白いたぶん」、ヒリヒリとした生々しい弾き語りの「裏」。3曲全てにおいて、1音1音がはっきりとした自我を持った"個"であるかのようにぶつかり合い、擦れ合いながら歪なノイズとポップなメロディを奇跡的なバランスで構築している。そのすべてを統制する大森靖子の歌は相変わらず哀しみと怒りと自嘲と慈愛をない交ぜにした響きをもって耳に届く。すべてが混沌としながら、しかし迷いはない。このメジャー・デビュー・シングルで大森は、人々の感情の集積地としての"ポップ・ミュージック"の役割を受け入れながら、不敵な笑みを浮かべている。(天野 史彬)
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大森靖子
絶対少女
衝撃的な傑作1stから9ヶ月という短いスパンで放たれる2nd。大森個人の内面から漏れ出す自我が多彩な音楽性と様々な記号を触媒にして赤裸々にぶちまけられた1stに対し、本作にはひとつの大きな指針がある。それは極端に言えば"みんなの大森靖子"たらんとすること。本作で大森はその普遍的なソングライティングと独創的なストーリーテリングの才を駆使しながら様々な情景、心情を映し出す。ここにあるのは大森ひとりの歌ではなく、街の歌であり社会の歌であり、あなたの歌なのだ。前作同様エレクトロ、バンド、弾き語りと多ジャンルを横断するが、プロデュースを担当したカーネーションの直枝政広は大森の表現者としての獰猛な野生を見事に生かしながら、そこに洗練と鋭さを与えている。すべてが圧倒的。傑作と言い切る。(天野 史彬)
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岡崎体育
Suffer
誤解を恐れずに言えば"無駄にかっこいい"パンク・サウンドに、"首痛い肩痛い腰痛い膝痛い"という中年風味漂うインパクト大の情けない歌詞から始まる、いかにも"らしい"ギャップで笑わせる「Suffer」。それもそのはず、今回の演奏にはdustboxが参加しているのだが、その演奏と歌はリリックにニヤけていた人も徐々に熱くさせられる程の熱量で、特にミドル・エイジ以降のリスナーは共感も相まってグッと来てしまうのでは。そしてそれが、本曲がOP主題歌を務める"おじさん"が主人公のアニメ"まったく最近の探偵ときたら"にハマっているのもさすがだ。c/wの、24時間生配信で制作したグッド・メロディが沁みる「俺に告ぐ」、他責志向が行きすぎて壮大なテーマになってしまった迷曲「宇宙と長野」のリミックス等も味わい深い。(稲垣 遥)
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岡崎体育
OT WORKS Ⅲ
今作のトラックリストを見て、"知らず知らずのうちに、こんなにもお茶の間で岡崎体育の楽曲を聴いていたのか!"と思う人も多いかもしれない。こんなにも幅広いジャンルの楽曲を、ひとつひとつのジャンルにリスペクトを込めながら、彼らしいウィットに富んだ解釈と、音楽や対象に向けた研鑽を積むことで、岡崎体育のハンコを捺すように仕上げていくスキルにも舌を巻く。そのリスペクトは対峙するタイアップ先やコラボレートするアーティスト、そして子供たちも含めた年齢も趣向も問わないリスナーにも向いており、しかも上から目線でも下手に出るでもなく、常に同じ目線。だからこそ、彼の楽曲はタイアップが多くても、オマージュが感じられても、いやらしくないし、むしろ求められるのだと思う。(高橋 美穂)
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岡崎体育
Knock Out
岡崎体育の新曲はアニメ"マッシュル-MASHLE-"OPテーマ。筋肉×魔法をテーマとし、友情やバトルとギャグが入り交じるというアニメのユニークな世界観に、岡崎体育×Paleduskの組み合わせがマッチしている。そう、編曲はDAIDAI(Paledusk/Gt)が務め(MVではメンバー全員出演)、そのサウンドはヘヴィでスピード感、アタック感のある本格メタルコア・サウンドだが、リリックは"みぞおち入ったら「ウッ」ってなるグーパンお見舞い"など、岡崎体育節が効いていていい意味でのギャップが"ならでは"の仕上がりなのだ。CDのc/wにはテクノ感マシマシでこれはこれでアガる同曲と、名曲「なにをやってもあかんわ」がポップにキュートになったセルフ・リミックスVer.他も収録されている。(稲垣 遥)
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岡崎体育
FIGHT CLUB
4枚目のフル・アルバム。目標に掲げていたさいたまスーパーアリーナ公演を大成功に収め、音楽人生の新たな一歩となる今作は、岡崎自身が"デビュー当時を彷彿とさせる原点回帰のアルバム"と公言する1枚。岡崎体育の名前を広く知らしめたあるある系のネタ曲「MUSIC VIDEO」の2021年版とも言える「Quick Report」をはじめ、持ち前の発想力と遊び心を全開にした楽曲がパワーアップして復活したことに、今の岡崎体育の吹っ切れたモードを感じる。年を重ねることの悲哀と希望を綴った「おっさん」や「Hospital」、たわいない日常を歌ったポップ・ソング「普通の日」など、同じ時代を生きる人とファイティング・ポーズをとるような今作は、32歳になった岡崎体育の等身大が泥臭く刻まれている。(秦 理絵)
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岡崎体育
OT WORKS Ⅱ
『OT WORKS』以来、約3年ぶりのコンセプト・アルバム。前作にはタイアップ楽曲が収録されていたが、今作の全12曲の中にはMONKEY MAJIK、KEITA、鈴木雅之、サンボマスター、ビッケブランカという、多彩なアーティストとのコラボレーション・ソングやカバー・ソングも加えられている。そして、タイアップとひと口に言っても、彼の場合はアニメや映画だけではなく、朝の子供向け番組からお昼の情報番組、さらには教育番組からお酒のCMまで、非常に幅広い。老若男女の様々なシチュエーションに寄り添える楽曲を、岡崎体育カラーは決して薄めることなく提供するスキルは、もっと評価されるべきだと思う。ほとんどが初CD化/初音源化の楽曲という意味でも、見逃せない1枚だ。(高橋 美穂)
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岡崎体育
「劇場版ポケットモンスター ココ」テーマソング集
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku
©Pokémon ©2020 ピカチュウプロジェクト
大のポケモン好きを公言する岡崎体育が、"劇場版ポケットモンスター ココ"のメイン・テーマを含む劇中曲全6曲をプロデュース。それらとTVシリーズに提供した4曲をまとめたコラボ・アルバムが本作だ。岡崎体育以外にもBeverly、木村カエラ、SiMら豪華アーティストや、東京都日野市立七生緑小学校合唱団がヴォーカルに参加しているのだが、子供向けだと侮るなかれ。難解な言葉はおそらくあえて使わずに、それでいて遊びや奥深さも孕んだ歌詞。ポケモンに森で育てられた少年がテーマの映画のストーリーに沿った、壮大で野性的で不思議でワクワクするサウンド。中でもトータス松本(ウルフルズ)を迎えた父親目線の主題歌「ふしぎなふしぎな生きもの」は、大人にこそ沁みる。作品への愛が滲む1枚はどの世代も楽しめるはず。(稲垣 遥)
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ビッケブランカ VS 岡崎体育
化かしHOUR NIGHT
互いにソロのシンガー・ソングライター同士によるコラボ曲。ミュージシャンの前にゲーム好きという趣味を通じて仲が深まったふたりだが、その他にも物事の着眼点や視点のずらし方、その表現方法などシンパシーを抱くところも多かったのだろう。今作は、自身をきつね(ビッケブランカ)とたぬき(岡崎体育)に見立て、遊び心とちょっとした反逆心を胸に、ポップでキャッチーな化かし合い(バカし合いとも)で、リスナーや世の中を色づける音楽を生み出した。ミックス・エンジニアにJosh Cumbeeを迎え、キレのいい明快なEDMチューンに乗せて、憂いを帯びつつも、どこか飄々と脱力したシニカルなメロディ・ラインとふたりのヴォーカルという、いろんな風味が溶け合った味わいが心地いい。(吉羽 さおり)
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岡崎体育
SAITAMA
MVのあるあるをMVで見せて大ブレイクした「MUSIC VIDEO」、ストイックなヘヴィ・ロックにほとんど意味のない歌詞を乗せた「感情のピクセル」といった本人も"ネタ曲"とハッキリ話すユーモア溢れる曲がきっかけで、一躍現在のポップ音楽シーンの顔となった岡崎体育のメジャー3rdアルバム。なんと今回はそんな"ネタ曲"一切なし。ミニマリズムを追求した「弱者」や「確実に2分で眠れる睡眠音楽 (Interlude)」を挟んだ後半の自由で奔放で美しさすら放つサウンドスケープは、意外と言えば意外。しかし、ネタを排除しても同じ人間の作るもの。彼の持つユーモアや生活感が新たなフェーズで輝く、そのパフォーマンス性が厚みを増した作品だと言っていいだろう。(TAISHI IWAMI)
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岡崎体育
XXL
明確なメッセージに嘘がないならいい、でも音楽を手段に使うにはなんか違うし、そもそもいい音楽ならなんでも好きだし、だからといって真顔でかっこ良さげなことを歌うのは自分に嘘をつくことになる――岡崎体育の思いを妄想するとこんな感じだ。先行してMVが公開された「感情のピクセル」はタイトルも秀逸だが、最高に好きでイケてると思うサウンドの上で自分なら何を共振させられるのか? を突き詰めるとこうなるのだろう。スキルフルなエレクトロ・ファンクに英語にしか聞こえない発音の日本語詞が乗る「Natural Lips」、妬みもなぜかピュアに聞こえる王道ギター・ロック「鴨川等間隔」、USのラッパーのごとく独自のフロウを聴かせる「Snack」など、常軌を逸した音楽の深堀りと楽しい着地点にこの人の生き方を見る。(石角 友香)
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岡崎体育
潮風
"ミュージック・ビデオあるある"を題材にした「MUSIC VIDEO」など数々の"バズ"を生み出し、2016年最注目の若手アーティストと言っても過言ではない岡崎体育の1stシングルの表題曲は、アニメ"舟を編む"のオープニング・テーマ書き下ろし。対極な性格を持つ同作の主人公ふたりの"人間的対義性"を描いた歌詞は対義語がリズム良く並び、まさに言葉を編んでいくような描写と、それを軽快且つキャッチーなメロディの波に乗せる手腕に、彼のソングライティング・センスの高さが窺える。カップリングの「チューリップ」は初の生音録音で、ピアノやヴァイオリンをフィーチャーした流麗なサウンドやシリアスなムードを纏ったナンバー。冒頭に書いたようなネタ曲で知ったリスナーは意外に感じるだろうが、それはあくまで入り口。彼の真価は間違いなくその音楽にある。(松井 恵梨菜)
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OKAMOTO'S
VXV
CDデビュー5周年を迎え、1月に5thアルバムをリリースしたばかりのOKAMOTO'Sによる"5.5th"アルバムは5組のアーティストとのコラボレーション作品。RIP SLYMEとはAEROSMITH & RUN-D.M.Cばりのオールド・スクールな王道ヒップホップとハード・ロック・サウンドの融合を聴かせ、スカパラとは大編成イケイケ音楽部隊と化し、Wilson PickettばりにシャウトするROYとはクロさ全開で渡り合う。タイトルと曲調から"民生愛"がビンビン感じられる「答えはMaybe」と、いずれもOKAMOTO'Sならではの、この企画を実現できる実力と各アーティストへの敬意を感じさせる内容。中でもラストの黒猫チェルシーとのデュエット「Family Song」が出色で、2組の友情を感じさせる感動的な楽曲となっている。(岡本 貴之)
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東京スカパラダイスオーケストラ
World Ska Symphony
スカという枠組みをさらに押し広げながら独自のスタイルを確立して20年間君臨するスカパラ。多彩なスタイルと方法論で、大衆性と独自の音楽性を両立する彼らの面目躍如とも言えるポップなアルバムだ。洗練されていながら、ダイナミズムに満ちたその音楽性はもちろんだが、スカパラほどメジャー・フィールドに対して戦略的なバンドはそういない。それはスカパラのようなバンドが未だに現れないという事実が物語っている。例えば多様なコラボ(今作では奥田民生、Crystal Key、斉藤和義が参加)をとっても、とてつもなく意識的で戦略的だからこそ、その高い音楽性をキープできるのだろう。「Won't You Fight For Happy People?」スカパラはファイティング・ポーズをとり続けている。(佐々木 健治)
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小谷美紗子
MONSTER
いくつも世の中に蔓延っている"薄っぺらなラブ・ソング"に飽きたという方にこそおすすめしたい、キャリア20周年を記念した弾き語りオールタイム・ベスト。好きだという感情を好きだと言わずして想いを伝える術を身につけてる彼女。愛情や哀情などの感情を生々しく表現している歌詞に要注目。特に、遠くにいるあなたのことを信じているという「手紙」、"コエガキキタイ アイタイアイタイ"とそれしか考えられなくなっている「Off you go」、元彼の新しい彼女に対して嫉妬心を曝け出す「こんな風にして終わるもの」など、ピアノで弾き語ることで感情の重さは2トン・トラック級。20年もの重みがここにしっかりと詰まっており、さすがのひと言。今作をもって歌詞世界に浸るのはもちろんだが、原曲をチェックしてさらに小谷ワールドの虜になってみてはいかがだろう。(白崎 未穂)
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小谷美紗子
us
本作『us』は、震災以降最初の小谷美紗子の作品である。冒頭を飾る「enter」で打ち鳴らされる、殺伐としたブレイク・ビーツに宿った不安と苛立ち。しかしこれを出発点としながら、小谷はこのアルバム1枚かけて穏やかさと優しさを手に入れるための歌とメロディを目一杯の力で奏でていく。無論、不安や苛立ちは消え去っていない。Track.8「東へ」は震災直後に名古屋へライヴに行った時の車中での体験を元に書かれたというが、アルバム全編を通して小谷が今の社会、そして自分自身に向ける視線には鋭さが宿っている。だが、彼女は本作を聴く一人ひとりのリスナーに対して、慈愛にも似た無垢な優しさを与えようとする。あなたが穏やかでありますように――本作には、そんなことが書かれた手紙のような親密な祈りがある。(天野 史彬)
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おとぎ話
CULTURE CLUB
"涙を拭きなよ男の子 下向いてる場合じゃないんだぜ"――かつておとぎ話は1stアルバム『SALE!』の中でこのように歌った。あれから7年以上の時が経ちリリースされる『CULTURE CLUB』は、これまでの愛と戦いの日々を音楽にした、おとぎ話の最重要作品だ。ここまでの道のりは、決して無難なものでも順風満帆なものでもなかった。だからこそ、もはやロックやオルタナやフォークの範疇では捉えきれない「光の涙」と「COSMOS」の懐かしさを掴まえたメロディと優しく力強い言葉は、泥まみれで光り輝き、胸を締め付ける。"おとぎ話"という言葉をそのまま音楽にしたような彼らの音楽には"音楽の魔法"が宿っている。それはこれまでずっと変わることのなかった、僕たちとおとぎ話の愛の魔法だ。(山元 翔一)
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おとぎ話
FAIRYTALE
おとぎ話が、本気で覚醒したのではないだろうか。有馬のポップなメロディ・センスと歌詞世界を、しっかりとオルタナティヴ・ロックとして具現化している。一つ一つの楽曲の完成度の高さ、アイデアの豊富さ。そして、それを日本語でしっかりと「届ける」ことができる歌心。インタビューでは、「妖精」について「DINASOUR Jr. みたいにやろうとしたけど、出来なかった」と笑い「出来なかったが、まったく独自の音になった」と確信的に言う有馬。そう、ここでは一つ一つの音が、確信的に鳴っている。何となく、洋楽ロックのリスナーに避けられがちな位置にいる気もするが、そういう人にこそ聴いてもらいたい。くだらない物言いだけど、おとぎ話がUSインディから出てきていたら、もっと売れているはずだもの。(佐々木 健治)
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音沙汰
SUPER GOOD+
太陽は人を照らすが、では太陽を誰が照らしてくれるのだろうか。人は母なる海へと帰っていくが、では海はどこへ帰ればいいのか。星空は僕らの哀しみを癒すが、星々の涙は誰が拭うのか。大きいものはそれだけで優しくて、だからこそ孤独でもある。SEBASTIAN Xの永原真夏という人は、そんな大きなものの孤独と哀しみを知っているからこそ、ステージの上であれだけ強く美しく輝いていられるのかもしれないと、この工藤歩里とのユニット=音沙汰の初音源を聴いていると思う。ここには、歌とピアノというシンプルな編成によって紡がれた、まるで太陽や海や星空のように大きくて優しくて孤独な曲が並んでいる。帰る場所を持たない子供たちと、届くことのない"I love you"のための音楽。「ホームレス銀河」とSuiseiNoboAzの名曲「64」のカバーが特に素晴らしい。(天野 史彬)
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音の旅crew
JOYSTEP
前身バンドを経て、2012年に活動開始した4人組がニュー・アルバムを完成させた。今作はこれまでのライヴ経験を活用し、ライヴで盛り上がれる曲調を増やした野心作。pepe(Gt/Vo)の爽快な歌メロを生かしたヴォーカルを主軸に、歌って踊って騒げるレゲエ・ロックを掻き鳴らしている。ライヴハウスを激しく揺らすダンス・チューン「my pace space my place」、フリースタイル風の歌を織り込んだミクスチャー・テイストの「Rebel soul dance」、いきなりドラムで始まる展開が面白い「MDNT EXPS」も勢いがあり、これも生で聴いたらアガること必至の曲調だ。全8曲の内容だが、1曲1曲が個性的で作品トータルで聴かせるクオリティの高さも備えている。これからが楽しみなバンドと言っていいだろう。(荒金 良介)
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オトループ
反響定位
オトループの楽曲が聴き手の心に深くストレートに届くのは曲ごとのテーマがとてもはっきりとしているからだ。今作『反響定位』でも、毎週"サザエさん"の時間になると抱いてしまう月曜日の憂鬱「ブルーエストマンデー」や、バイトの飲み会が苦手な「Hit Me Silly」、就活がうまくいかずに現実逃避する「人間エントリーシート」など、そこで歌われる出来事がリアルに想像できるものばかり。そのテーマの奥にあるのは、この生きづらい世の中で何が正しいかを模索する人間のあがきであり、大切な人への想いであり、言葉にしづらい感情そのもの。それを訴求力のあるメロディと骨太且つバラエティに富んだバンド・サウンドに乗せて届けるオトループの音楽は、いつも誰かの日常を救うために鳴り続けている。(秦 理絵)
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オトループ
カメレオンは何も言わない
2005年に纐纈悠輔(Vo/Gt)を中心に結成、今年10周年を迎えたオトループが完成させた4thミニ・アルバム『カメレオンは何も言わない』は彼らの勝負作。無駄な音を削ぎ落とした疾走感のあるストレートなサウンド、歌と歌詞をまっすぐ届けるために組み上げられた繊細且つアグレッシヴなバンド・アンサンブル――今作にはそんな聴く者の耳と心にストレートに訴えかける7曲が並ぶ。纐纈の紡ぐメロディはポップさとキャッチーさに一層磨きがかかり、綴られる歌詞は言葉として抜群の強度を誇る。素直になれない思いを抜けの良い四つ打ちのビートで描き上げる「アマノジャクの独白」、周りに合わせ器用に生きる現代人の病理を浮き上がらせる「無色透明カメレオン」、歌謡テイストのメロウなメロディで元恋人への思慕を綴る「モトカノループ」など、ギミックに頼らない高純度のポップ性に打ち抜かれる。(山元 翔一)
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踊ってばかりの国
光の中に
踊ってばかりの国が立ち上げた新レーベル"FIVELATER"からリリースする第1弾作品。サイケデリックなサウンドと気だるそうな下津光史(Vo/Gt)の歌声は健在ながら、人として、バンドとして歳を重ねるごとに"今が一番カッコいい"を更新し続けている。本作に収録されているのは、下津だからこそ描ける美しさを持つバラードの表題曲「光の中に」など全13曲。中でも約2分間のイントロにガッチリ心を掴まれる「ghost」は、"乗っ取って 僕を乗っ取って 身体はいらないから"といういかにも下津らしい歌詞や、"幽霊"ではなく"生"の踊ってばかりの国の魅力がしっかりと存在しているところが素晴らしい。昨年の大みそかに渋谷のスクランブル交差点で撮影されたMVもぜひ併せて観てもらいたい。(渋江 典子)
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踊ってばかりの国
踊ってばかりの国
2ndアルバムで「世界が見たい」と歌った下津光史には、きっと今、とてもはっきりと世界が見えている。『踊ってばかりの国』というアルバム・タイトルは、セルフ・タイトルである以上に、様々な事象で揺れ動くこの国の現状を暗に示しているようだ。これは今、最も美しく汚れたブルース・アルバム。若き歌唄いたちが作り上げた、本質的な愛と悲しみのアルバムだ。僕が最も好きな曲は「サイケデリアレディ」。このラインがいい。"この痛みが僕の糧さ 心じゃなく体が痛い"――自称"メンヘラ"ちゃんたちには理解できないだろう、生きているからこそ実感する、本当の痛みの歌。だからこそ、このアルバムには本当の喜びもある。滴り落ちるロマンティシズムもある。シンプルかつ美しいメロディによって紡がれた、今最も必要な音楽。(天野 史彬)
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踊ってばかりの国
世界が見たい
我が子を抱いた悪魔は、一切の淀みのない生命体の存在を、無償の愛情というものを知ってしまった。――実生活で父親となった下津光史(Vo&Gt)。それが結果として彼独自の死生観のバランスを崩壊させたのかもしれない。これこそある種の境地というべきか。"死ありき"の世界を歌っていたこのバンドが辿り着いたのは、朽ちていくばかりの世界ではなく、"死ぬ"からこそ"生きている"のだという、痛々しいほどの"生"の美しさ。更にポップに、だが胸に詰まるメロディに乗せ、彼はこう歌う、"また笑って会いましょう 生きてたら""言葉も出ないだろう 死ぬんだから"。生の喜びと死の刹那とが共存し、生と死が同じだけ活き活きと輝く、生死すら曖昧な者にしか辿り着けなかったであろう、ぎりぎりの世界だ。踊ってばかりの国は、遂に此処まで辿りついてしまった。(島根 希実)
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踊ってばかりの国
SEBULBA
08年神戸にて結成された5人組、踊ってばかりの国の1stフル・アルバム。自主制作盤のミニ・アルバムからの曲も収録された本作は、ここまでのバンドの集大成的な選曲となっており、その素晴らしき成長ぶりがよくわかる。昔はやたらダウナーな奴らばかりの単なるサイケデリック・ポップ・バンドだったわけだが、4月で結成4年目を迎えるメンバー全員平成生まれのこの若いバンドは、ますますイカれちまって、ますます異質な存在となっていく。フィッシュマンズ、佐藤伸治のようなどんよりした夢見心地な下津(Vo)の声と少し懐かしいメロディ、ひとつひとつの音にファズがかかり、音像がクリアに捉えられないこのどろりとした心地よい音は、時に"死ぬこと"そのものを歌い、どす黒いサイケデリアという底なし沼を描き出す。(島根 希実)
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オモイメグラス
図解と消えたフィラメント
オモイメグラスの変革期なのだろう。その変革はシンセやストリングスを用いていることももちろんなのだが、どの曲もひたすら、目の前に広がる靄をどうにかして打ち消そうともがいている。それは彼女たちの現状なのかもしれないし、世間なのかもしれない。オモイメグラスというバンドは何ひとつとして満足をしていない。そんな反抗やエネルギーを、彼女たちの美意識で昇華しているのがこの『図解と消えたフィラメント』だ。ベーシストの脱退から"自分たちのやりたいこと"と向き合って完成させたサウンドは自由度が広がり、より外へと向かっている。インストの枠を飛び越えたTrack.4、シンプルなバンド・サウンドと鍵盤で突き進むTrack.5、優しいメロディで包み込むTrack.6など、むき出しの強い意志に息を飲む。(沖 さやこ)
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オモイメグラス
コラージュとして切り取られ、残された側
2012年結成、紅一点ヴォーカルを擁する4ピースの、インディーズ・デビュー盤から8ヶ月振りとなる2ndミニ・アルバム。バンド名やアルバム・タイトルなどからも読み取れるように、日本語を重んじた歌詞と情感たっぷりの歌声が作り出す波紋が、切り取られて残された側の想いを廻らすように無限に広がる。そんな切なる叫びの先にあるのは、つらいことも嬉しいことも全てを受け入れる覚悟。もがきつつも光を見据え、自らを貫く姿は実直だ。サカナクション、東京事変、フジファブリックなど、鍵盤楽器を巧みに用いたバンドから影響を受けているのもあってか、バンド・サウンドという枠に囚われない柔軟なアプローチ。8曲全てに自らの音楽が秘める可能性を貪欲に追い求めようとする姿勢を感じる。(沖 さやこ)
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オルターリードコード
gloomy box
近年、音楽的にひとつのジャンルに特化することなく、様々な音楽的要素を内包した楽曲を作るアーティストは決して珍しくないが、北海道札幌市を拠点に活動するバンド、オルターリードコードの1stフル・アルバム『gloomy box』は、まさにそんなジャンルレスな楽曲を詰め込んだ1枚だ。激情的でストレートな曲かと思いきや、間奏でラテン調に変化するところが面白い「PA・PA・RA・PA・PA」や、メタル、V系、アニソン調なイメージが浮かぶ「dummy system,fake core」、ミクスチャーっぽさ炸裂の爆音「サマーダンス」など、曲ごとに様々な表情を見せる。それらの曲が、大山亜理沙(Vo/Syn)のヴォーカルが乗ることで、ポップスになる化学反応がこのバンドの強みだろうか。特に、90's J-POPの懐かしさを纏ったタイトル曲「gloomy box」にそれを感じる。(岡本 貴之)
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オレンジスパイニクラブ
アンメジャラブル
オール新曲で挑むメジャー1stフル・アルバム『アンメジャラブル』。温かく素朴なサウンドの1曲目「ガマズミ」から、エッジの効いたUKロック調の2曲目「退屈かも知れない」と早速そのギャップに驚かされる。スズキユウスケ(Vo/Gt)、スズキナオト(Gt/Cho)兄弟が曲ごとに作詞作曲を担当し、アルバムを通しても12曲それぞれが異なる表情を見せているが、同時にどの曲もオレスパ色に染まっている。そこに一貫性を持たせているのは、日常を映す歌詞と哀愁漂うメロディ、そして曲全体を包み込む柔らかな歌声だろう。時折見せるパンク・ロックな一面もまた彼ららしい。まさに"計り知れない"(=アンメジャラブル)音楽性の幅広さを示すとともに、"オレスパらしさ"を確立させるアルバムとなった。(中尾 佳奈)
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オワリカラ
PAVILION
結成10周年を迎え昨年末に初のベスト・アルバムを発表したオワリカラが、自主レーベル"PAVILION"を設立。その第1作目として会場限定シングルのアルバム・バージョンと新曲を詰め込んだ、約3年ぶりのオリジナル・アルバムをリリースする。オルタナ、ダンス・ミュージック、サイケ、プログレ、歌謡曲など様々な要素をブレンドさせ、それを高度なアンサンブルとピュアなエモーションで組み上げる手腕、スタイリッシュになりきらない絶妙ないびつさは今作も健在。そこからさらに既発曲含め、元来彼らが持ち合わせていたロマンチシズムが、よりディープでありながらユーモラスに響く楽曲が揃った。中でもタイトル曲はキャリアが生んだ洗練性、引き算の美学と豊かなコーラス・ワークが歌詞の重みを引き立てている。 (沖 さやこ)
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オワリカラ
サイハテ・ソングス
オワリカラというバンドは、いつもちょっと人と違う場所にいる気がする。そんな4人が作り上げた極上の楽園――1st『ドアたち』はまさしくその結晶だった。そこから聴き手の心に突き刺さり踊らせる2nd、聴き手に問いかける3rdと徐々に楽園の入り口を広げ、今作4枚目は我々にまだ見ぬ新たな場所へと"行こう"と手を差し伸べる、いわば集大成であり新たな出発を感じさせる深い深いアルバムだ。1曲1曲に含まれる強いメッセージに、4人がこれまで歩んできた生きざまを落とし込んだ本能を刺激する直情的で耽美的な音色。強い気概を持ち、先陣切って歩き出す彼らに追いつくのは、もしかしたら容易いことではないかもしれない。だが追いかけるという行為やそのときに見える景色、感じた想いは間違いなく美しいはずだ。(沖 さやこ)
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オワリカラ
踊るロールシャッハ
昨年5月にリリースされた3rdアルバム『Q&A』以来となる新作は、ライヴでおなじみの新曲にライヴ音源4曲を加えた全5曲ワンコインという太っ腹シングル。"ロールシャッハ"とは、インクを紙の上に垂らし、それを二つ折りにしてできた模様から何を想像するかをもとに性格などを判断する心理テストのこと。"ロールシャッ!ハッ!ハッ!"というサビなどの歯切れの良い語感を生かした歌、4人各々がインパクトのある音を鳴らす"点"を生かした構成で、音の隙間もリズムを作る重要な役割になっている。キャッチーでありながらも緊迫感のあるグルーヴは、推理小説のような謎めいたハラハラ感。楽しいだけではない空気を醸しながら踊れるナンバーを作る彼らのセンスと知性には相変わらず感服だ。(沖 さやこ)
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オワリカラ
Q&A
"オワリカラなのにオワリカラじゃない。そうか、これが今のオワリカラなんだ"と、前作『イギー・ポップと賛美歌』で思ったが、今回もそうだ。自分たちの新しい可能性を試したくて、それが面白くて仕方がないのだろう。瑞々しいサウンドに焦りの文字は無い。それは1stアルバム『ドアたち』から一貫しているから感服だ。"Q&A"というミニマルなコミュニケーションをテーマに掲げた今作は非常にストレートで、小難しいリズムも皆無。だが彼らが培った経験は、オワリカラ特有の謎めいたムードとして輪を描いてゆく。じっくり聴かせる楽曲、疾走感のあるギター・ナンバーから攻撃的なロックンロール、ファンク、やわらかいサウンドまで多彩な全11曲。皆さんもちょっぴり不思議なコミュニケーション、してみませんか?(沖 さやこ)
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オワリカラ
シルバーの世界
「swing」の振り子は、大きな弧を描きながら「シルバーの世界」へ――。2ndアルバム『イギー・ポップと讃美歌』で、バンドの現在進行形の衝動の全てを叩き込んでみせた、革新曲「swing」。タカハシヒョウリ(Vo&Gt)曰く、"マインドとフィジカルが拮抗している"と言うこの曲は "ハートに訴えかけたい、でも踊らせたい=心と体に訴えかけたい"という、内にも外にも突き刺さる "完全無欠の衝動"が波打つダンス・ナンバーであった。そして本作は、未だ止まらず進行していく衝動が、更にディープに作用する"怪作"である。タカハシの言葉を借りるならば "拮抗している"という、せめぎ合いによるストレス状態すらも超越した"超高揚状態"を味わえる。エンドルフィンもアドレナリンも過剰分泌されるシルバーの誘惑......オワリカラ、最早脳内麻薬の域っす。(島根 希実)
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オワリカラ
イギー・ポップと讃美歌
そのドアは、開けても開けても開けても開けても…きりがない。あれはなんだ?終わりなき欲望か?逃れようのない矛盾だったのか?サイケデリックかつディープなネヴァー・エンディング・ストーリーを描き出したデビュー作『ドアたち』はやはり本物だった。本作もまた、前作同様に演奏と言葉の説得力が凄まじく、歌詞はもちろん、音や曲の表情までもが一つのキーワードにリンクしている。今回のテーマは“つきささる”。この完成度の高さはコンセプト・アルバムの類いのものであり、より私的な言葉や表現を全面に押し出したDavid Bowieの『The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars』というような印象を受けた。音と言葉で完璧なビジュアル世界を作り上げたのがBowieならば、彼らは音でもって言葉の本質というビジュアルを明確にしていく。(島根 希実)
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オワリカラ
ドアたち
気が付けば、ノストラダムスの予言から11年が経過した訳で、私たちは変わりない毎日を生きている。けれど、恐怖に包まれた1999年以降、あけすけに幸せが充満した音楽に紛れ、シニカルな音楽が着実に育まれてきたように思う。そんな2010年に産み落とされたオワリカラの1stアルバム『ドアたち』。暴力的なまで引きずり込む熱気と、浮遊感あるノスタルジックな余韻が全身を圧倒する。中でも、「団地」は衝撃であった。人々の生活空間を“ハコ”という完結かつ閉鎖された空間となみす客観視の鋭さと、そこに存在する生活をいとおしいと感じる主観的な温もり。そして、最終的には逃れることの出来ない結末を受容する微妙な矛盾。衝動や焦燥感を伴った不安定な感覚は、限界まで掘り下げられ、吟味・咀嚼され、再構築された上で吐き出される。そこには、日常性を剥き出しにするタカハシヒョウリその人の人間性が、色濃く凝縮されているように思う。そして、練り上げた感情を実体として解放できるのは、強烈にストイックな4 つの音が存在しているからだ。誰もが全力で一点を目指す。“全員が4番”というサウンドが互いに音を磨ぎ合うからこそ、言葉が突き刺さるように弾けるのだろう。彼らをサイケデリック・ロックと言うジャンルで括ってしまうのは、どうも解せない。おそらくは、音楽性のカテゴライズというよりも、もっと深いそれ以上の世界を彼らは捉えているのだ。“オワリカラ”始まる“コレカラ”。まばたきする一瞬さえも惜しい。(山田 美央)
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