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DISC REVIEW

Japanese

2016年04月号掲載

MONSTER

いくつも世の中に蔓延っている"薄っぺらなラブ・ソング"に飽きたという方にこそおすすめしたい、キャリア20周年を記念した弾き語りオールタイム・ベスト。好きだという感情を好きだと言わずして想いを伝える術を身につけてる彼女。愛情や哀情などの感情を生々しく表現している歌詞に要注目。特に、遠くにいるあなたのことを信じているという「手紙」、"コエガキキタイ アイタイアイタイ"とそれしか考えられなくなっている「Off you go」、元彼の新しい彼女に対して嫉妬心を曝け出す「こんな風にして終わるもの」など、ピアノで弾き語ることで感情の重さは2トン・トラック級。20年もの重みがここにしっかりと詰まっており、さすがのひと言。今作をもって歌詞世界に浸るのはもちろんだが、原曲をチェックしてさらに小谷ワールドの虜になってみてはいかがだろう。(白崎 未穂)


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MONSTER

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us

本作『us』は、震災以降最初の小谷美紗子の作品である。冒頭を飾る「enter」で打ち鳴らされる、殺伐としたブレイク・ビーツに宿った不安と苛立ち。しかしこれを出発点としながら、小谷はこのアルバム1枚かけて穏やかさと優しさを手に入れるための歌とメロディを目一杯の力で奏でていく。無論、不安や苛立ちは消え去っていない。Track.8「東へ」は震災直後に名古屋へライヴに行った時の車中での体験を元に書かれたというが、アルバム全編を通して小谷が今の社会、そして自分自身に向ける視線には鋭さが宿っている。だが、彼女は本作を聴く一人ひとりのリスナーに対して、慈愛にも似た無垢な優しさを与えようとする。あなたが穏やかでありますように――本作には、そんなことが書かれた手紙のような親密な祈りがある。(天野 史彬)