Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

DISC REVIEW

Japanese

2014年02月号掲載

踊ってばかりの国

踊ってばかりの国

『踊ってばかりの国』

Release Date : 2014-01-22
Label : SPACE SHOWER MUSIC

2ndアルバムで「世界が見たい」と歌った下津光史には、きっと今、とてもはっきりと世界が見えている。『踊ってばかりの国』というアルバム・タイトルは、セルフ・タイトルである以上に、様々な事象で揺れ動くこの国の現状を暗に示しているようだ。これは今、最も美しく汚れたブルース・アルバム。若き歌唄いたちが作り上げた、本質的な愛と悲しみのアルバムだ。僕が最も好きな曲は「サイケデリアレディ」。このラインがいい。"この痛みが僕の糧さ 心じゃなく体が痛い"――自称"メンヘラ"ちゃんたちには理解できないだろう、生きているからこそ実感する、本当の痛みの歌。だからこそ、このアルバムには本当の喜びもある。滴り落ちるロマンティシズムもある。シンプルかつ美しいメロディによって紡がれた、今最も必要な音楽。(天野 史彬)