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INTERVIEW

Japanese

アルカラ

アルカラ

Member:稲村 太佑(Vo/Gt) 田原 和憲(Gt) 下上 貴弘(Ba) 疋田 武史(Dr)

Interviewer:吉羽 さおり

-ちなみにアルバムのタイトル"KAGEKI"はどのタイミングで決まったんですか。

稲村:これは最初から案が出てましたね。なぜかは知らないですけど。リリース日の7月26日は結成15周年やし、7月で夏やなとか、7月30日に15周年のイベントを新木場STUDIO COASTでやろうとか("ア・ル・カ・ラ 15th.Anniversary GIG『KAGEKI』")、先に日程を決めるじゃないですか。そこからどうしようかと決めるときに、夏やしな......T.M.Revolutionも、夏の歌で"カゲキに さあ行こう"(「HIGH PRESSURE」)と歌っているし、もう"KAGEKI"でええかなと。

-(笑)そこはみなさんも納得していたんですか。

下上:納得もなにも、ただただ決まっていたという。

稲村:ゼロから1にするタイミングって、下手に悩むことの方が無駄な時間で、そこから自分らで構想していくものなので。それが過激だろうが悲劇だろうか何でもいいし。"KAGEKI"にしたら、オペラの歌劇の方とか、そういう含みもあって、劇団っぽいこともできるかもしれないし。ゼロから1に対してメンバーで悩みすぎるよりは、1をどういう形にしていくかなんですよね。キュウソ(ネコカミ)で言ったら(ヤマサキ)セイヤ君がゼロから1にして、それをみんなでちゃんと曲にしていくみたいな(笑)。

-タイトルが決まってからは、その"KAGEKI"というワード感やアルバムとしてのイメージを、頭の片隅に置いて制作していく感じだったのですか。

田原:曲が揃った状態ではなく、作りながらだったので、1曲1曲ある程度出てきたら、そこからいろんなバリエーションを考えたり、細かいフレーズを考えたりしていくんです。とはいえ、過激にしたらいいという話でもなかったので。片隅には置いているけど、大枠で捉えてはいましたね。

-頭4曲以降、続く「さ・あ・な」などもかなり爆裂で、生々しい迫力を持った曲ですよね。

稲村:RONZIさんの影響でしょうね。

-こちらもそうでしたか(笑)。

田原:もう名前書いておこうか。

疋田:スペシャル・サンクスに。

-冒頭からの流れも汲みつつ、さらにハードコアな匂いがして良かったです。

稲村:おちゃらけの部分って、すぐにできるっちゃできるんですけど。例えばOASISとかでもロックの激しい曲が入ってきたりするのって、絶対そういうのをやりたい気持ちがあるからで。そんなところも、アルバムの中に織り交ぜたいなとは思っていました。でも、これを1曲目にしたらおかしくなるよなっていう曲が欲しいなと思ってましたね。録ってる最中も、これに関してはテイクもあまり稼いでいなくて。

疋田:衝動的に録った感じがしますね。ドラムはあとで入れ替えることもあるんですけど、この曲はまるっと使った気がします。この勢いのままというか。

稲村:このアルバムの曲で最初にライヴでやったのが「さ・あ・な」やったんです。発売前に何曲かやろうというところでは、アルカラってこういう曲書くよねっていうラインを超えたり、裏切ったりしないと、アルバムへの期待値が上がらないというか。使いやすかった曲でしたね。2分で終わるし、雑でも成り立つし(笑)。

-反応も良かったですか。

稲村:"え、そんなんすんねや"っていう空気は出てましたね。

-中盤あたりからいろいろな曲が入ってきて。「さ・あ・な」の次の「コンピュータおじさん」はシュールさがあって、アレンジ的な面白さ、ユニークさが際立つ曲となっています。

稲村:そうですね、「コンピュータおじさん」はパンクです。でも、最後は泣けちゃうんですよ。そういうところが、自分でもちょっとあざといなって思うし、俺はそうやってバランスを取っていくねんなと思いました。この曲は、仮の歌詞をほぼ使っていますね。音とかは、みんなでこんな音どうとか、こんなフレーズどうっていう感じで作っていきました。歌詞も、ストーリーを決めるんじゃなくて、みんなでワードを出していって。古いコンピュータでExcelのことを、"エキセル"って言ったりするのが気持ちええなとか。フロッピーとかSCSIっていう、今で言うUSBみたいな増設する機械があって、今の時代に合う歌詞をやらんでええなとも思ったんですよ。自分らが通ってきた道やからこそ、それでいいんかなという。例えば今の子がSCSIってなんやろう? って調べたら、外部接続機械ですっていうのだけでも、そんな時代があってんなという、ほんの10年、15年の中でもこれだけ世の中が変わってきたんだなとなるし。それで、最後は捨てられてしまうという悲しい歌なんですけどね。

-音響的にいろんな遊びがあるサウンドですね、巻き戻してみたりするパートがあったり。サウンド的には結構ファンキーなノリがある曲ですが、デモの段階からのものですか。

稲村:サビでファンキーというか、そういう感じになっていきましたね。どの曲も基本的に、全部の写真があるなかで作れていないので。