Japanese
アルカラ
Skream! マガジン 2012年07月号掲載
2012.06.08 @恵比寿LIQUID ROOM
Writer 天野 史彬
2月にEP『おかわりください』をリリースし、7月25日にはフル・アルバム『ドラマ』のリリースを控えるアルカラの、東名阪ワンマン・ツアー東京公演“「嗚呼、決戦は金曜日」-ソリッドなのかリキッドなのか-”である。
近年、着実に知名度を高めてきた彼らにとっての勝負作となる新作『ドラマ』のリリース直前とあって、恐らく今回のツアーには、今年後半に向けての飛躍のための大事な助走という側面もあったのだろうが、この日の恵比寿リキッドルーム公演を観る限り、今のアルカラのライヴ・パフォーマンスにおけるロックとしての衝動性とエンターテイメント性を内包したキレっぷりは、かなり極まっていた。
まずは、ヴォーカルの稲村太佑がドリカムの吉田美和のお面を着用し、ヴァイオリンを弾きながら登場。さらにはドリカムの“決戦は金曜日”を熱唱する飛び道具的演出でライヴはスタート。この、初っ端から人を食った演出をかますところが、実にアルカラらしい。長年、ロック・ミュージックを聴いている人々の多くは、それが趣味や仕事であったりする以上に、ロックを“こじらせて”いるものだ。それはタチの悪い病気のように根深くその人の精神性に影響を及ぼすもので、一度こじらせると、事ある毎に言っちゃいけないことを言いたくなったり、やっちゃいけないことをやってみたくなったりするという、非常にやっかいなものなのだが、アルカラの表現の根底にあるものも、まさにこれだ。しかもアルカラは、そんな自分たちがこじらせた“ロック病”を、そこにある純度は損なうことなく、極めて知的かつ戦略的にパフォーマンスへと変換する。現に、彼らのユーモラスなパフォーマンスや物言いは、それをやること自体が彼らにとってのカタルシスになると同時に、リスナーを惹きつけるバンドのポップさにも大いにプラスになっている。そして何よりも、アルカラのこの人を食った佇まいは、シリアスであることが何よりも重要視されがちな日本のロック・シーンに対する批評にすら、なり得ている。
しかしアルカラの本領というのは、そのユーモラスなパフォーマンスだけでない。むしろ、その砕けた佇まいに、彼らの高いスキルによって構築された楽曲が組み合わさることによって、彼らはその真価を発揮すると言える。実際にこの日のライヴも、登場でいきなり笑いを誘ったかと思いきや、1曲目“交差点”が始まった瞬間に、一気にその獰猛な音塊がフロアーを突き刺し、その後もオルタナティヴもサイケデリックも飲み込んだアグレッシヴな演奏で会場を熱狂の渦に落とし込んでいく。MCなどで見せる砕けた佇まいと、演奏で見せるロックバンドとしての凄まじさの間にあるギャップ――このギャップによって生まれる“裏切り”こそが、アルカラがリスナーに与えるカタルシスの正体なのだ。
人気曲を満遍なく散らしたセット・リストで会場をヒート・アップさせつつも、その間には同日に行われていたサッカー日本代表の試合をいじり、最後は何故かX JAPANのSEをバックに去っていったこの日のライヴ。アルカラが衝動溢れるロックとユーモア溢れるパフォーマンスで仕掛けた“裏切り”というエンターテイメントに、リキッドルームに集ったリスナーは昇天しっぱなしだった。
- 1
LIVE INFO
- 2024.03.19
-
神はサイコロを振らない
BIGMAMA
MyGO!!!!!
怒髪天
WurtS
EASTOKLAB
eill
XIIX
milet
East Of Eden
the chef cooks me
- 2024.03.20
-
神はサイコロを振らない
Mr.ふぉるて
いきものがかり
怒髪天
yama
BUMP OF CHICKEN
MAGIC OF LiFE
CRYAMY
AJICO
SUPERCHUNK × NOT WONK
SHE'S
UNCHAIN
Galileo Galilei × BBHF
Tsukasa Inoue
GLIM SPANKY
れん
シノダ(ヒトリエ)
WurtS
Hakubi
ZAZEN BOYS
ザ・クロマニヨンズ
DURAN
秋山黄色×石崎ひゅーい
Amber's
竹内アンナ
TOOBOE
milet
Hello Sleepwalkers
the chef cooks me
- 2024.03.22
-
"HY SKY Fes 2024"
怒髪天
Mr.ふぉるて
さかいゆう
シノダ(ヒトリエ)
キュウソネコカミ
yama
クジラ夜の街
マルシィ
MyGO!!!!!
Creepy Nuts
FABLED NUMBER
a flood of circle
Base Ball Bear
TAIKING
Hakubi
Age Factory
Absolute area
PEDRO × MONO NO AWARE
スピラ・スピカ
ORCALAND
シンガーズハイ
ズーカラデル
- 2024.03.23
-
ヤバイTシャツ屋さん
"HY SKY Fes 2024"
怒髪天
クジラ夜の街
yama
眉村ちあき ※振替公演
ORCALAND
AJICO
原因は自分にある。
Tsukasa Inoue
indigo la End
King Gnu
ExWHYZ
TAIKING
SUPERCHUNK × NOT WONK
EASTOKLAB
Base Ball Bear
MAGIC OF LiFE
Laughing Hick
Creepy Nuts
sumika
東京初期衝動
大塚紗英
フラワーカンパニーズ
"ツタロックフェス2024"
マカロニえんぴつ
Uniolla
離婚伝説
めいちゃん
THE BACK HORN
SUPER BEAVER
虎の子ラミー
TENDOUJI
- 2024.03.24
-
"HY SKY Fes 2024"
眉村ちあき ※振替公演
にしな
いきものがかり
ハンブレッダーズ
MAGIC OF LiFE
さかいゆう
JYOCHO
sumika
indigo la End
東京初期衝動
KiSS KiSS
"ツタロックフェス2024"
Ivy to Fraudulent Game × osage
マハラージャン
cinema staff
GLIM SPANKY
SUPERCHUNK × NOT WONK
めいちゃん
SUPER BEAVER
Newspeak
- 2024.03.25
-
Base Ball Bear
怒髪天
ザ・クロマニヨンズ
SUPERCHUNK
- 2024.03.26
-
神はサイコロを振らない
挫・人間
reGretGirl
- 2024.03.28
-
Hakubi
神はサイコロを振らない
レイラ
リーガルリリー
yama
LEGO BIG MORL
WurtS
- 2024.03.29
-
ORCALAND
いきものがかり
レイラ
BIGMAMA
Mr.ふぉるて
the McFaddin
yutori
Mega Shinnosuke
FABLED NUMBER
Creepy Nuts
佐々木亮介(a flood of circle)
Panic Monster !n Wonderland
Tsukasa Inoue
The fin.
CVLTE
マルシィ
- 2024.03.30
-
キュウソネコカミ
MAGIC OF LiFE
シノダ(ヒトリエ)
神はサイコロを振らない
04 Limited Sazabys / My Hair is Bad / go!go!vanillas ほか
フラワーカンパニーズ
ヤングスキニー
ザ・クロマニヨンズ
Laughing Hick
KANA-BOON ※開催中止
東京初期衝動
BUMP OF CHICKEN
夜の本気ダンス
夜の本気ダンス
Mega Shinnosuke
にしな
This is LAST
the telephones
yama
SEKAI NO OWARI
GLIM SPANKY
SHE'S
kobore
Base Ball Bear
Subway Daydream
TAIKING
People In The Box
マカロニえんぴつ
AJICO
ハク。
MAN WITH A MISSION / サンボマスター / ACIDMAN ほか
indigo la End
Saucy Dog
- 2024.03.31
-
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
東京初期衝動
ヤングスキニー
ORCALAND
フラワーカンパニーズ
神はサイコロを振らない
sumika / THE ORAL CIGARETTES / SiM ほか
MAGIC OF LiFE
いきものがかり
ザ・クロマニヨンズ
ズーカラデル
Mr.ふぉるて
BUMP OF CHICKEN
超能力戦士ドリアン
リーガルリリー
yutori
the telephones
odol
挫・人間
yama
moon drop
SEKAI NO OWARI
This is LAST
People In The Box
マカロニえんぴつ
原因は自分にある。
さかいゆう
怒髪天 / GLAY / さだまさし
Saucy Dog
- 2024.04.02
-
神はサイコロを振らない
SCANDAL
- 2024.04.03
-
ハク。
ヤングスキニー
indigo la End
RELEASE INFO
- 2024.03.20
- 2024.03.22
- 2024.03.27
- 2024.03.28
- 2024.03.29
- 2024.03.31
- 2024.04.03
- 2024.04.05
- 2024.04.07
- 2024.04.09
- 2024.04.10
- 2024.04.17
- 2024.04.21
- 2024.04.22
- 2024.04.24
- 2024.04.26
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
MGMT
Skream! 2024年03月号