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INTERVIEW

Japanese

鶴 × シンガロンパレード

2016年08月号掲載

鶴 × シンガロンパレード

鶴:秋野 温(うたギター) 神田 雄一朗(ウキウキベース) 笠井 快樹(テンパリドラム)
シンガロンパレード:みっちー(Vo/Gt) 晨(あした)(Ba/Cho) ジョン=エブリバディ(Dr/Cho)
インタビュアー:岡本 貴之 Photo by 川村 隼也

-シンガロンパレードのみなさんは、新曲のみのワンマンをやると聞いたときはどう思いましたか?

みっちー:純粋に、"は?"って思いました(笑)。

笠井:そうだよね、せっかくだからみんなそうなってほしい(笑)。

みっちー:5月のGARDENのときは、僕らも下北沢でライヴがあったのでご挨拶にうかがったんですけど、僕らは4月に出したアルバムのツアーでいっぱいいっぱいなところがあって。そんなときに鶴はすげぇ先に行ってる感じがしたんです。年間100本ライヴをやるっていうだけで、自分らだったら"できるのかな?"ってなるのに、もう次のところに行っているっていうところに刺激をもらいました。僕らも次の作品のために新曲を作らないといけなかったんですけど、きっと鶴のみなさんも自分と同じような悩みとか焦りとかがあるんやろうなって思っていたら、"全部新曲でツアーやります"だったんで、"は?"って(笑)。

晨:"「ニューカマー」ツアー"("TOUR 2016「ニューカマー」~94都道府県、その後~")の大阪公演を観たんですけど、新曲なのにすんなり鶴の曲として入ってくる印象があって。秋野さんも先ほどライヴ以上のことをしないとおっしゃってましたけど、"最低限の美学"みたいなものを感じたんです。僕らは、音源でいろいろ重ねようとしちゃうんですよ、カスタネット入れようとか。鶴はリズム隊とコードとキメだけで、イントロを作って、曲を進めていくという最低限のところから、歌もすんなり入ってくるというのが観ていて気持ちいいなと思いました。

ジョン:アルバム『ニューカマー』を聴いたときに、ライヴでやることがそのままというか、ほぼほぼライヴの状態で。途中「Funky Father」(Track.7)は入るんですけど(笑)。

神田:あれは若干盛ったからね(笑)。

ジョン:(笑)ほんまに、10曲分のライヴを聴いている感覚でズバッと聴けましたね。

みっちー:僕の場合は歌詞を注意して聴いちゃうんですけど、年間100本ライヴをやってるから言えるんだなっていう言葉が多くて。歌詞って経験しないと書けないと思っているんですけど、特にまっすぐな言葉ほど説得力が違うと思うんです。あれだけのことをやってたらすんなり入るなっていうのは感じましたね。例えば、Track.1「未来は今だ」の"それにしたってアナログな僕ら"という歌詞には"おおっ!"と思って。

秋野:おぉ~なかなかいいとこきたね。

みっちー:"それにしたってアナログな僕ら"というのは、鶴の立場から言ったら"結局、ライヴしかないよね"っていう、"CD作ってツアーで全国を回ってライヴするのが俺たちの仕事だ"っていうのが、そのひと言でポーンと入ってきて。"あぁ、先輩わかりました、そうします!"ってなったし。もちろん、"アナログな僕ら"っていうのは他の意味もあるとは思うんですけど。それと、これは僕の感性で解釈したんですけど、Track.2「OK」の"何か外れた 体に触れたい"というフレーズは、僕はですよ? 僕は――

ジョン:めっちゃ断り入れてる(笑)。

神田:そこをやけに強調するね(笑)。

みっちー:僕は、1週間くらいの遠征でも、すぐ欲求不満になるんですよ。だから"あぁ~、わかります"と。

一同:(爆笑)

神田:あぁ、そっちのね?

みっちー:そういう気持ちがどんどん高まっていって、結構ムラムラしているときっていいライヴができるので、ムラムラしたままにしておこうと思っているんですよ、意識的に追い込もうとして。この曲はその気持ちが出たのかな~って。

一同:ははははは!

神田:どうなんですか?

秋野:そこまで考えたことなかったよ(笑)。

みっちー:"何か外れた 体に触れたい"というのは、あぁ、外して触りたいよねっていう。

秋野:えっ自分に触れたいってこと? そういう解釈もあるんだ(笑)。

みっちー:やっぱり自分に置き換えちゃうので、曲がった解釈をしてるんですけど(笑)。でも、他にも絶対ツアーをまわっているときに考えたことやろうなっていうのが伝わってきて。Track.3「高性能」とかもそうですし。

神田:「高性能」は呪いの曲なんだよ。これ聴きながら運転してると車が壊れるという(笑)。

晨:車が"俺、そんな期待に応えられへんぞ!?"ってなるんですかね(笑)。

ジョン:車はツアー・バンドの代名詞みたいなところがありますからね。

秋野:車の運転は好きだよ、もともと。

神田:走る系の曲が多いもんね。

秋野:車も好きだし、道も好きなんだよね。だから何か物を喩えるときに道や車が出てくることが多いね。過去も、エンジンとかアクセルとかハンドルとかトリップ・メーターとか、何か車の部品に喩えたりすることが多くて。今回は、全国を2周して一番活躍したのがうちのハイエースなので、こういう曲ができたというか。