Japanese
鶴
Skream! マガジン 2018年05月号掲載
2018.03.31 @マイナビBLITZ赤坂
Writer 岡本 貴之
"これからも、あなたのために歌うよ"と語り掛け「ソウルメイト今夜」が始まったのは、ライヴ開始から3時間経過したころだった。"大感謝祭ですから、いつもよりボリュームたっぷり、牛丼特盛つゆだく卵付きサラダ・セット、プラス100円で味噌汁を豚汁にしちゃうくらいの勢いでやります!"そんな秋野 温(うたギター)の序盤のMCのとおり、トータルで実に3時間半近く。3月31日にマイナビBLITZ赤坂にて行われた"鶴 15th Anniversary 「好きなバンドが出来ました」 ~東西大感謝祭~"の東京公演は、観客への感謝の気持ちをこれでもかと詰め込んだ、結成15周年記念に相応しい賑々しい祝祭となった。
この日に向けてオフィシャル・ウェブ・サイトに表示されてきたライヴ開始までのカウントダウンがステージ上のスクリーンに引き継がれ、会場を埋め尽くしたソウルメイトたちから自然発生したカウントがゼロになると、静かなピアノに合わせてスクリーンには3人の映像が流れ出した。数年前の鶴、アフロ時代の鶴。裸エプロン(?)の鶴と、映像ごとに歓声(と若干の悲鳴)が上がる。いつものSE、JACKSON 5の「I Want You Back」が広いマイナビBLITZ赤坂に鳴り響いた。神田雄一朗(ウキウキベース)、笠井"どん"快樹(ドラム)、秋野 温の順に、大歓声に乗って入場。"ソウルメイト赤坂ー! ワイワイしようぜー!"との秋野の呼び掛けを合図に始まったオープニング曲は「愛の旅路」だ。"47改め94都道府県TOUR「Live&Soul」~もう、寂しい想いはさせたくない~"を経て生まれたこの曲でスタートしたのは、全国各地からこの会場へ駆けつけたソウルメイトたちへの感謝の気持ちを真っ先に表すためだろう。ゆったりとした気負いのない演奏が、大舞台への余裕と自信を感じさせる。"ドラム、カモーン!"と秋野が叫び笠井がリズムを叩き出すと手拍子が起こり「こんばんは鶴です」で会場が沸騰した。スクリーンには"初めての人"向けに鶴ポーズの図解が映し出される親切さ! どんなときでも初見ファンのことも忘れない、鶴ならではの高いユーザビリティが発揮された。秋野のオーバードライヴを効かせたレスポールが強烈なリフを刻み「カミナリベイベー」が始まると、ライトが行き交う痺れる演出のなかでスクリーンが上がり、結成15周年記念仕様の派手なバックドロップが出現しておめでたさがアップ。続く「THAT'S ME」ではドラム前に秋野と神田が集結して向かい合い、お互いの音を確かめ合うように演奏するエモいシーンもあり、序盤から見せ場連発だ。
"ようこそ! 今日、隣のTBSでは「オールスター感謝祭」をやってますが、こっちは「大感謝祭」ですから! いつもよりボリュームたっぷり、牛丼特盛つゆだく卵付きサラダ・セット、プラス100円で味噌汁を豚汁にしちゃうくらいの勢いでやりますから楽しんでいってください!"(秋野)
長身な3人の姿は大きなステージに映える。「小さくても世界は変わってる」のスケール感のある歌と演奏を聴きながらそう感じた。ヘヴィなリズムとビシッとしたキメが多い「ダンディー・ダンディー・ダンスィング」間奏のギター・ソロでは、秋野がステージ前方でSLASHばりのギターの構えを見せれば、笠井、神田とソロ回しで魅せる。鶴のハード・ロック・テイストを感じさせた場面だった。一方で揺らぎのあるメロディが楽しくもなんだか切ない「朝が来る前に」では80'sディスコ・テイストを聴かせる幅広さ。曲の合間には、お客さんがどこから来ているのかを調査する"47都道府県点呼"を実施。北海道から東北、北陸、沖縄、九州......と順調に進んだが、数県からは来ておらず。しかしながら、かなりの制覇率で、42都道府県からお客さんが来ていた。続いて2013年にCM制作スタッフとのコラボ名義"鶴(+)"として配信リリースされたものの、ライヴではやったことがないという優しいバラード「時の中で」を初披露。鶴の歴史を垣間見られるエピソードからの楽曲のあとは、この季節にぴったりの人気曲「桜」へ。歌、演奏共にグッとステージに惹きつけられる、広い会場を包み込む名演だった。
ここでEMMAこと菊地英昭(THE YELLOW MONKEY/brainchild's)がゲストでステージへ上がり、セッティングを待つ間、しばしハンドマイクでトーク。かつてはイエモン(THE YELLOW MONKEY)のコピバンをやっていた鶴。そのイエモンのギタリストである憧れのEMMAは、鶴のミニ・アルバム『秘密』に参加し、そのあとフェスにも帯同して"4人バンドみたいになってた"と言う。
トークを経て、EMMAがセンターでフライングVを持ち『秘密』収録の「フライハイ」を共演。曲中、ピタッとブレイクして思いっきりもったいぶってからギター・ソロを始めるニクい演出もあり、ソウルメイトたちを熱狂させた。
「夏の魔物」などメロウな曲を中心に聴かせたあとは、メンバー紹介から「Funky Day」で全員がヴォーカルを回す。"鶴には実はもうひとり、いや一羽メンバーがいます!"との紹介からステージに登場したのは、おなじみのマスコット"鶴ちゃん"。ミラー・ボールが回るなか、ライヴ・アンセム「踊れないtoフィーバー」で踊る鶴ちゃんと共に会場が盛り上がった。"いろんな人との出会いの運に恵まれてここまできました。感謝します!"。秋野が改めて感謝の言葉を伝えて、「どこまでも青空」へ。力強いメッセージが会場中に広がっていく。そして、現在の鶴のスピリットを表した名曲「ローリングストーン」で会場中が右手をグルグル回して一体となった。"今日は特盛だからまだいくよ! もっと愛をちょうだい!"と、「アイタリナイ」、「恋のゴング」と畳み掛け、最新アルバム『僕ナリ』の1曲目「低気圧ボーイ」で凄まじい"低気圧ぶり"を表現したハイ・スパートな演奏で聴かせ、ステージをあとに。スクリーンに"特報"として、三度目の"47都道府県ツアー"へ旅立つことが発表され、ソウルメイトは大喝采。アンコールでは「ニーハオ イーカオ」で再度EMMAが参加して秋野とのギター・バトルで魅了。"コーラス・グループっぽいことを"、と3人でアカペラによるハーモニーを聴かせてからの「バイバイじゃあね」から「乾杯」では神田がベースだけを客席に渡して会場後方までクラウド・サーフさせる荒技を繰り出して盛り上がり、"せ~のっ!"、"乾杯!"と、15周年を祝う盛大な乾杯となった。
ライヴはいよいよクライマックスへ。ギターを鳴らしながら、秋野がマイクに向かう。"俺たちの音があなたの心に入り込んで、少しでもナイスな明日を迎えさせてあげられたら、それだけでバンドをやってる意味があります。音楽をやっている意味があります。俺はそれを、「ソウルメイト」と呼びます。今日はたくさんの「ソウルメイト」に囲まれて幸せです! これからも、あなたのために歌うよ"そう語り掛けると、「ソウルメイト今夜」のサビのメロディをアカペラで歌い出し見事なロング・トーンを聴かせたものだから、会場がドッと沸き立った。すでに3時間以上ライヴをやっているにも関わらず、この声量。ヴォーカリスト 秋野の実力を再認識させられた名シーンだった。鶴のテーマとも言えるこの曲で、ソウルメイトたちもこれでもか、というくらいの大合唱。曲のエンディングでは"ソウルメイト赤坂!"とこの日ならではのワードを入れつつ、最後は"ソウルメイト!"、"ソウルメイト!"と短いセンテンスで16小節のコール&レスポンスが起きる。熱いソウルを共有して大団円となった。ソウルメイトとの記念撮影から、場内にBGMで流れる「Keep On Music」を一緒に歌いつつ、"これからも「Keep On」して楽しんでいきましょう!"とステージを降りた3人。15周年大感謝祭の東京公演は以上で終了......かと思いきや、なんとダブル・アンコールへ。客電が点いたまま、「夜を越えて」で再び大合唱となった。終わってみればたっぷり3時間半近く。開演前にはファン有志が"アフロをイメージして作ったポンポン"をお客さんに配り歩く姿もあったこの日。こんなところにも、長く愛されているバンドの親しみやすい姿を感じることができた。そして、今後も鶴はソウルメイトたちと共に"Keep On Rollin'"していくのだろう。15周年おめでとう!
- 1
LIVE INFO
- 2024.09.11
-
山本彩
Age Factory
桃色ドロシー
KEYTALK ※公演中止
LOVE PSYCHEDELICO
UNISON SQUARE GARDEN
武市和希(mol-74)
打首獄門同好会
PEOPLE 1
アイナ・ジ・エンド
近石 涼 / 木下優真 / Rons week / 祈依
- 2024.09.12
-
山本彩
Age Factory
アンと私
センチミリメンタル
Kroi
LAUSBUB
ゴホウビ
GRAPEVINE
DURDN
サイダーガール
FES☆TIVE
PEOPLE 1
- 2024.09.13
-
chelmico
桃色ドロシー
羊文学
渡會将士
PK shampoo
LAUSBUB
Kroi
武市和希(mol-74)
GLIM SPANKY
アンと私
クジラ夜の街×崎山蒼志
阿部真央
スカート
かりんちょ落書き
トゲナシトゲアリ
FIVE NEW OLD
ペイトン尚未 / 矢野妃菜喜 / スピラ・スピカ
- 2024.09.14
-
FRONTIER BACKYARD
sumika / 緑黄色社会 / ヤバイTシャツ屋さん / マキシマム ザ ホルモン ほか
Bray me
GRAPEVINE
milet
おいしくるメロンパン
リーガルリリー
moon drop
小林私
This is LAST
androp
UNISON SQUARE GARDEN
POP ART TOWN
OKAMOTO'S
ザ50回転ズ
クジラ夜の街×崎山蒼志
"KOYABU SONIC 2024"
Bye-Bye-Handの方程式
⼤原櫻⼦
LiSA
渡會将士
a flood of circle / 打首獄門同好会 / ポルカドットスティングレイ ほか
MYTH & ROID
YONA YONA WEEKENDERS
wacci
eill
ぜんぶ君のせいだ。
Tielle
Amber's
Homecomings
"テレビ朝日ドリームフェスティバル2024"
"BAYCAMP 2024"
Nornis
ASP
"New Acoustic Camp 2024"
"TOKYO CALLING 2024"
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA"
- 2024.09.15
-
Ado
リーガルリリー
阿部真央
ザ50回転ズ
KEYTALK ※公演中止
Kroi
FRONTIER BACKYARD
GRAPEVINE
MYTH & ROID
Bray me
トンボコープ
moon drop
セックスマシーン!!
This is LAST
伊東歌詞太郎
TOMOO
"KOYABU SONIC 2024"
LiSA
YONA YONA WEEKENDERS
OKAMOTO'S
KiSS KiSS×のんふぃく!
SPARK!!SOUND!!SHOW!! / w.o.d. / Maki / Hakubi ほか
⼤原櫻⼦
ASP
LACCO TOWER
eill
ぜんぶ君のせいだ。
BUMP OF CHICKEN
それでも世界が続くなら×CIVILIAN
4s4ki
"テレビ朝日ドリームフェスティバル2024"
LAUSBUB
"BAYCAMP 2024"
菅田将暉
yutori
"New Acoustic Camp 2024"
"TOKYO CALLING 2024"
ヒトリエ
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA"
- 2024.09.16
-
Ado
PEOPLE 1
KEYTALK ※公演中止
Age Factory
androp
DOPING PANDA
GANG PARADE
GOOD BYE APRIL
"KOYABU SONIC 2024"
トンボコープ
LACCO TOWER
milet
UNISON SQUARE GARDEN
おいしくるメロンパン
BUMP OF CHICKEN
HERE
5MAPA / MAPA / 藍染カレン(ZOC)
Plastic Tree
"テレビ朝日ドリームフェスティバル2024"
"鬱フェス2024"
ASP
菅田将暉
"TOKYO CALLING 2024"
UNCHAIN
セックスマシーン!!
- 2024.09.17
-
Age Factory
安藤裕子
UNISON SQUARE GARDEN
Hedigan's
- 2024.09.19
-
アンと私
渡會将士
This is LAST
山本彩
金子ノブアキ
もっさ (ネクライトーキー)
打首獄門同好会
- 2024.09.20
-
ヤングオオハラ
羊文学
Official髭男dism
KEYTALK ※公演中止
Rhythmic Toy World
LAUSBUB
moon drop
yama
パスピエ
Plastic Tree
Apes
LUCY IN THE ROOM
eill
BACK LIFT
chelmico
ナナヲアカリ
GOOD BYE APRIL
milet
コヤマヒデカズ(CIVILIAN) / sajou no hana / IRIKO(NELKE) / 荒巻勇仁
- 2024.09.21
-
優里
ASP
PK shampoo
GRAPEVINE
UNISON SQUARE GARDEN
羊文学
eill
SUPER BEAVER
Official髭男dism
伊東歌詞太郎
ナナヲアカリ
ぜんぶ君のせいだ。
リーガルリリー
PEOPLE 1
Rhythmic Toy World
"AKABIRA CAMP BREAK 2024"
⼤原櫻⼦
おいしくるメロンパン
androp
ナードマグネット
"KANSAI LOVERS 2024"
(夜と)SAMPO
back number
Cö shu Nie
Nornis
This is LAST
そこに鳴る
yutori
パピプペポは難しい
"イナズマロック フェス 2024"
ザ50回転ズ
Plastic Tree
"ナガノアニエラフェスタ2024"
Apes
BRADIO
LiSA
anewhite
Kroi
Half time Old
安藤裕子
Base Ball Bear
"NAKAYOSHI FES.2024"
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA"
- 2024.09.22
-
豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL
優里
HY
Mellow Youth
chelmico
UNISON SQUARE GARDEN
伊東歌詞太郎
ぜんぶ君のせいだ。
Half time Old
KEYTALK ※公演中止
wacci
"AKABIRA CAMP BREAK 2024"
moon drop
オレンジスパイニクラブ×クボタカイ
"KANSAI LOVERS 2024"
back number
This is LAST
anewhite
"イナズマロック フェス 2024"
yama
"ナガノアニエラフェスタ2024"
サイダーガール
BRADIO
Organic Call
LiSA
リーガルリリー
chilldspot
THE BOHEMIANS
[Alexandros]
フレデリック
夜の本気ダンス
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA"
Sou
- 2024.09.23
-
豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL
THE SPELLBOUND
トンボコープ
羊文学
yutori
Mellow Youth
eill
Age Factory
Plastic Tree
⼤原櫻⼦
Rhythmic Toy World
おいしくるメロンパン
Novelbright ※振替公演
サイダーガール
Organic Call
UNCHAIN
PK shampoo
GRAPEVINE
LUCY IN THE ROOM
chilldspot
ザ50回転ズ
モウソウキリン
THE BOYS&GIRLS
LACCO TOWER
milet
Keishi Tanaka
"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 in HITACHINAKA"
- 2024.09.24
-
神はサイコロを振らない ※振替公演
MONOEYES
PEDRO
ザ50回転ズ
LOVE PSYCHEDELICO
"LIVEHOLIC 9th Anniversaryseries〜ADMIRATION〜"
RELEASE INFO
- 2024.09.11
- 2024.09.13
- 2024.09.16
- 2024.09.17
- 2024.09.18
- 2024.09.20
- 2024.09.25
- 2024.09.27
- 2024.10.02
- 2024.10.04
- 2024.10.09
- 2024.10.10
- 2024.10.11
- 2024.10.13
- 2024.10.15
- 2024.10.16
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
ASP
Skream! 2024年09月号