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INTERVIEW

Japanese

2017年01月号掲載

鶴

Member:秋野 温(うたギター) 神田 雄一朗(ベース) 笠井 快樹(ドラム)

Interviewer:岡本 貴之

鶴の2016年は、1月に6thアルバム『ソウルのゆくえ』を発売、5月に新曲だけのワンマン・ツアー開催、8月に最新アルバム『ニューカマー』発売と、新曲に焦点が当てられた1年だったと言える。そんな2016年とは対照的に、2017年の鶴がスタートを切るのは、ワンマン・ライヴ・ツアー"鶴TOUR2017「ALL TIME CLASSICS~振り返れば曲がいる~」"。これまで発表してきた全曲の中からチョイスされた曲たちを今の鶴の感覚で届けようというこの企画について、そして"年バンド"となる酉年・2017年の展望を3人に語ってもらった。

-11月9日に下北沢LIVEHOLICで行われた初のレーベル・イベント"Soul Mate Record fes 2016"はものすごい盛り上がりでしたね。

秋野:はい、みんな頑張ってくれたなって(笑)。

神田:そうだね。鶴以外の出演者(シンガロンパレード、市川セカイ)も他でやったライヴをもちろん観ているんですけど、あの日はみんな良いライヴをしていましたよね。それが嬉しかったです。気合が入っていたというか、"Soul Mate Recordに傷をつけるわけにいかない!"っていうテンションで臨んでくれていたので(笑)。

笠井:僕は鶴だけじゃなくてセカイ君とのコラボもあったので、すごく面白かったですね。自分の曲を秋野以外の人が歌ってくれるというのが面白くて、そこに自分も演奏で参加できてすごく楽しかったです。

-笠井さんがセカイさんとコラボしたり、開場後から神田さんがDJをやったり、秋野さんもライヴごとにMCとして登場したり、趣向を凝らしたイベントになってましたね。

神田:お祭りでしたからね。最初、入ってきたお客さんに気づかれなかったですけどね(笑)。1回通り過ぎて"あ、あれ!?"みたいな。

秋野:僕はちゃんと司会進行できていたかはわからないですけど(笑)。まぁ、トータルなイベントとしてああいうふうにした方が良いかなと思って。今後またやる機会があったら、会場を大きくするとか、開催地を東京以外にするとか。いずれにしてもまたやれたらいいなと思います。

-2016年はオリジナル・アルバムを2枚、ライヴ盤CDとDVDもリリース、新曲だけのワンマンありリリース・ツアーありと濃い1年だったと思いますが、振り返ってみていかがでしょうか。

秋野:今年は例年に比べていろんなことをやったなと。年頭にアルバムを出して、でもまだツアー中で。春前にツアーが終わって、新曲のワンマンをやったと思ったら夏にリリースがあって、秋にツアーをやってという、細かくいろんなことをやっていてそれぞれが同時に進行していました。だから、"あれ? あの作業いつやったっけ?"と思ったら全部今年だったというくらいいろんなことをやりましたね。

神田:そうだよね。だって俺、"PERFECT HUMAN"(※オリエンタルラジオの歌ネタ/2016年5月リリースのオリエンタルラジオ率いるRADIO FISHのアルバム『PERFECT HUMAN』収録曲)が去年のことだと思ってましたからね(笑)。

秋野:ははははは(笑)!

笠井:それは単なる記憶違いじゃないの!?

神田:いや、あれがずいぶん昔に思えるくらい、鶴の活動が濃かったんですよ。時間が長く感じるというか。

笠井:「PERFECT HUMAN」で区切ってるんだ(笑)?

神田:そうそう。"あれ今年のやつかぁ~"って。

笠井:でも、たしかに区切り目がない感じなんですよね。"47都道府県ツアー"(※2015年3月~2016年2月まで開催していた"鶴94都道府県TOUR「Live&Soul」~もう、寂しい想いはさせたくない~")から始まって、そこからずーっと同じテンションで続いている感じなんですよね。

神田:そう思うと今も区切り目がないもんね。このまま来年のツアーまで行っちゃうから。12月31日と1月1日が繋がっている感じで区切り目がないですね、ただ日付が変わるだけで。

-そう考えると、バンドマンの区切り目って1年単位というよりは、1本のツアーの終わりとか、リリース日とかになるんですかね。

秋野:ツアーの最終日がいったんの区切りなんですけど、全部が終わる前に次が始まっている感じなので。年内のライヴが終われば次のツアーのことだし、その先のリリースのことも今から動き始めてたりとか。自主レーベルならではというか、自分たちで先のことまでをなんとなくイメージしながら、前もってちょっとずつ置いておくという感じです。

-2017年は"鶴TOUR2017「ALL TIME CLASSICS~振り返れば曲がいる~」"として1月22日の北海道・札幌DUCE公演からツアーが始まりますが、このツアーはどんなものなのでしょうか。

秋野:"ALL TIME CLASSICS"は、2014年に始めた企画ライヴなんです。ツアーってだいたいアルバムのリリースに伴うものが多いと思うんですけど、新しいアルバムのツアーだと、そのアルバムの新曲がメインとなっていくので、前からある楽曲はどんどん出なくなっていくわけです。そこにきて俺たちの場合はリリースの頻度も高いので、どんどん曲が過ぎ去って行ってしまう部分もあって。でもせっかくこれだけ曲があって待っていてくれる人もいるんだから、全部の曲でワンマン・ショーをやろうというのが最初のきっかけです。これまで"ALL TIME CLASSICS"は神出鬼没な感じでたまに開催していたんですけど、地方で待ってくれている人たちもいるので、いよいよ今回"ALL TIME CLASSICS"でツアーをやってみようかということになりました。最近、リリースした曲たちがライヴで定着してから次を出す感覚になっちゃっているというのもあるんですけど。

笠井:今年は特にね。

秋野:うん。もっとやり込めば曲が育つんじゃないかというか、育つ前に次に行っちゃっているときもあるんですよ。そういう気持ちはメンバーもどこかにあったと思うので。それをじっくり見直す良い機会かなって。それに往年の鶴のお客さんも楽しめるし、新しいお客さんも"あ、こんな曲があったんだ"って楽しめるし。まぁ、おいしいとこ取りですね(笑)。

-セットリストは会場ごとに変わるんですか?

神田:変わると思いますよ。

秋野:たぶん大枠はあると思いますけど。その土地のイメージに合った曲とか、"あのころこの曲やってたからこれやろうよ"とかいうことを考えていこうかなと。