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LIVE REPORT

Japanese

Skream! マガジン 2017年04月号掲載

2017.03.05 @渋谷CLUB QUATTRO

Writer 岡本 貴之

オープニングの「OK」からトリプル・アンコールの「恋のゴング」まで、全力のライヴでソウルメイトたちの熱意に応えた3人。エンディングでは彼らに多大な影響を与えたあのアーティストへの敬意を表しながら、"鶴TOUR2017「ALL TIME CLASSICS~振り返れば曲がいる~」"ファイナル公演は大団円となった。

いつものリリース・ツアーとは違い、インディーズ時代からの全曲の中で彼らがその日にやりたい曲やその日に伝えたい曲を自由にセレクトしたセットリストで臨んだワンマン・ライヴ"ALL TIME CLASSICS"。毎年、新たなチャレンジを行ってきた鶴がソウルメイトたちと一緒にこれまでの歩みを振り返るツアーだ。珍しくネクタイ姿の秋野 温(うたギター)が歪んだギターを鳴らすと、神田雄一朗(ベース)がロング・トーンで続き、笠井快樹(ドラム)が切り込んで、意外にもどっしりとミディアム・テンポで「OK」からスタートしたライヴは、続いて「高性能」へ。最新オリジナル・アルバム『ニューカマー』からの選曲で、まずは最新モードの鶴を聴かせる。「夜道」では笠井の躍動的なドラムがサビへと導いて、込み上げる旋律の大合唱を誘う。熱く盛り上がったあとは、いつもの"こんばんは鶴です"で、初めての人もいつもの人も笑顔で鶴ポーズ。この日は"渋谷バージョン"のコール&レスポンスが繰り広げられた。

秋野いわく、"全部の曲を数えたら126曲あった"という鶴の楽曲。この日までセットリストを毎日入れ替えて72曲も演奏してきたそうで、"このペースでいけば、そのうち全曲ライヴもできるかもしれない"とのMCに期待の大拍手。"ただ、計算してみたら全曲やると9時間超えです"との発表に笑いが起こったものの、"いいよ~!"という声も飛んでいたほどで、聴く側の熱意はホンモノ。実現すれば間違いなく全国からソウルメイトたちは駆けつけるはず。勝手ながら、大いに期待したいと思う。

「二人でカフェオレ」(2007年『ダンディー・ダンディー・ダンスィング』)、「問題GUY」(2010年『期待CD』)といったこのツアーならではの曲も披露され、中盤のバラード・コーナーではツアー中にリリースしたアコースティック・アレンジ・アルバム『ACOUSTIC TIME♫』から「手のなる方へ」を演奏。「朝が来る前に」ではミラーボールが回るなか、80sなダンス・タイムになるなど緩急をつけながら進むライヴは、メンバー紹介から大合唱で始まった「アイタリナイ」より終盤へ突入。明らかにパワーアップした印象の笠井のドラム・ソロでさらにテンションを上げて、「ソウルメイト今夜」で一体感は頂点に達した。3人がアフロヘアーをやめて一歩踏み出したときの曲「どこまでも青空」を歌い本編は終了。アンコールではレア曲「魚心あれば水心」(『期待CD』ラストに隠しトラックとして収録)を、本人たちも2、3回目という演奏で披露。ど迫力のハード・ロック・サウンドからサビの疾走する展開が盛り上がるロックンロールだ。インディーズ・デビュー・アルバム『素敵CD』(2004年リリース)から「青い羽」の曲名が告げられると、思わず歓喜の声を上げるお客さんも。"空の向こう側には/きっと何かが待っている"と歌われる、バンドの原点を窺い知ることができるソウルフルでドラマチックな演奏が印象に残った。「ローリングストーン」でステージを降りたものの、拍手は鳴り止まず。「夜を越えて」でダブル・アンコールの声に応えた3人を、まだまだソウルメイトたちは帰してくれない。なんとトリプル・アンコールに応えると、最後は「恋のゴング」で盛り上がってライヴは終了した。演奏が終わると聞き覚えのある曲がBGMとして流れ出す。鶴に多大な影響を与えたアーティスト、CHAGE and ASKAの大ヒット曲「YAH YAH YAH」で会場一体となり、拳を突き上げて大合唱となった。他のアーティストの曲の大合唱で迎えるという異例のエンディングには、彼らがチャゲアスの楽曲から受け取った深い感謝の気持ちとエールが込められていたようにも思う。2018年に迎えるバンド結成15周年に向けて、いろいろと準備しているという鶴の次なる挑戦に注目していきたい。


[Setlist]
1. OK
2. 高性能
3. 夜道
4. 愛の旅路
5. 二人でカフェオレ
6. 問題
7. リザーブシート
8. 夏の魔物
~愛のラップ講座~
9. 弾丸ライナー
10. ニーハオ イーカオ
11. 手のなる方へ
12. 夜に太陽
13. 歪
14. 秘密
15. 熱量
16. 朝が来る前に
17. アイタリナイ
18. 泣くなまだ
19. ソウルメイト今夜
20. どこまでも青空
en1. 魚心あれば水心
en2. 青い羽
en3. ローリングストーン
en4. 夜を越えて
en5. 恋のゴング

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