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INTERVIEW

Japanese

ASIAN KUNG-FU GENERATION

2010年06月号掲載

ASIAN KUNG-FU GENERATION

Member:喜多 建介(Gt&Vo)、後藤 正文(Vo&Gt)、山田 貴洋(B&Vo)、伊地知 潔(Dr)

Interviewer:佐々木 健治


-ただ、アルバムを聴くと、凄く後藤さんのメッセージは明確だし、「さよならロストジェネレーション」の「それでは足りない?何が足りないって言うんだろう」っていう最後の一節なんか、明確にその結論が示されているように思ったんですね。

後藤:なるほど。でも、自分の中ではその最後の一行は凄くいじわるだけどね。自分で書きながら、いじわるだと思ったし。あそこは最初ブレイクだったのを、歌詞を乗っけて作ったんですけど。そこまでの歌詞の中で「暗いとか切ないとか言わないで」みたいな。とにかく自分で作ったその檻から出て行こうぜみたいな。何もない世代だけど、そこから始めよう。それしかないっていうことを言っているから。他に何がある?俺はもう別のオプションは見当たらないみたいな(笑)。

-それが全部でしょと(笑)

後藤:ほとんど、やけくそだけどね(笑)。でも、本当にそういう意志でしかないと思うな。ウダウダ暗いことを言うのは終りにようぜっていう。

-去年インタビューさせてもらった時に「世代的には、ロストジェネレーションって言われていて、(大学を)卒業した頃も就職が全然ない時期だったし、白けた世代だけど、今になって熱くなってきているのかな」と仰っていて、「さよならロストジェネレーション」はまさにそういう歌ですよね。

後藤:そういうのはありますよ、やっぱり。30過ぎて、30も半ばに差し掛かろうとしていて、ボヤッとしていたらすぐ40になっちゃうし。自分達の世代も否応なく時代を背負って立たないといけないわけだし。それが何歳でっていうのはないと思うんだけど、何か失われた世代って言われたままお爺ちゃんになっていくのも嫌だし、自分が50、60になった時に何も変わっていないのも嫌だし。
例えば、政治の問題でさ。天下りの問題って、俺たちより随分と上の世代がやってきたことだけど、果たして俺たちがその歳になった時になくなっているかってことも考えなくちゃいけない。同じ時代を生きてきた奴らが、平気でそういうことをするんだっていうさ。もしそうだったら、俺、50歳、60歳でふざけんな!って怒ると思うんだよね。例えば、同級生みたいな奴らが官僚になって、第三セクターを渡り歩いて大金をもらってなんてさ、庶民の生活と乖離していると思うし。旧態然とした、すげえどうしようもないシステムってあるのかもしれないけれど、でもそれだって、どっかの地点から変えていくしかないから。どっかの世代が強く思って変えていくしかない。結局、みんな流れで組み込まれていくけど、そういうものに勝ちたいっていうか、そういう思いみたいなものが自分の中であるんだよね。これ、何なんだろうって。