DISC REVIEW
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凛として時雨
Lost God of SASORI
過去作と並べても毒々しいアートワークと、"SASORI"を冠したタイトル通り、攻撃的なEPが到着。"Loop"や"狼"等アニメの世界に沿ったフレーズがちりばめられたTVアニメ"グノーシア"EDテーマ「Loo% Who%」をはじめ、ロンドンで制作したという4曲を収録した。なぜテーマがサソリなのか現状言及はされていないが、死や生命に思いを巡らせたりもする自己犠牲的な言葉たちが、宮沢賢治"銀河鉄道の夜"の悲しくも尊いサソリのワンシーンを彷彿させ、そのアグレッシヴなだけではないシリアスさに幸せを祈る想いも感じてしまう。音はもちろん、一曲一曲で描かれる感情も重厚且つ複雑で、たった4曲でもいい意味での疲労感を覚える程の凄まじい聴き応え。(稲垣 遥)
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ACIDMAN
光学
小さく瞬く光がじんわりと広がり満ちていくようなイントロダクションからじっくりと誘う、"光"にまつわる物語。奪い合う卑しさをヒリついた激情に乗せ、その渇望から漲る生命力を「輝けるもの」で描き、「sonet」に心洗われる。ホーン隊を迎えたジャジーな「白と黒」で愛を歌うと、さらに大きな愛が包む命の讃歌「feel every love」をゴスペル・クワイヤと共に響かせた。タイアップ曲を交えながらここまでコンセプチュアルに仕上がるのは、一貫して伝えてきた美学の賜物。そんな楽曲群を総括する8分の壮大なカタルシス「あらゆるもの」から、再び冒頭の光の瞬きへと循環する流れも美しい。広大な宇宙に光る青い星、そこで巡る生命の営みの中に生きているという実感が灯る。(中尾 佳奈)
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SPRISE
live psycho
関西を拠点に活動中の"幸福をもたらすアイドル"による新作は、様々な恋にまつわるシチュエーションを描いた全6曲を収録。ダークでキュートなダンス・ポップ「メロメロずきゅん」や、キャッチーなリフレインが耳に残る「ギミモア!」、歪んだサウンドに乗せて"君のことが好き"と連呼する「独占愛」といった甘くて小悪魔的な魅力を振り撒くもの、鋭利なギターが切ない恋心をザクザクとえぐるように響く「darling darling」、心の距離が離れていく焦燥感をバンド・サウンドに乗せて叫ぶ「sway」に、冷めていく思いをどこか断ち切れずにいる「白昼のリグレット」といったセンチメンタルな側面も表現。多彩な楽曲で5人の多様な歌声を楽しめる一枚に。(山口 哲生)
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Halujio
days
東京 府中発の4ピース・ロック・バンドによる2ndミニ・アルバム。前作では爽快感のあるサウンドや衝動を爆発させるような楽曲群が印象的で、今作でも煌びやかな音を紡いでいく「ネイキッド」や、全パートが美しく絡み合っていく「静かな部屋」等、4人の躍動的で活き活きと動き回るアンサンブルを楽しめる楽曲はありつつも、骨太なサウンドでキャッチーなメロディを畳み掛けていく「アールグレイ」等、特に変わり映えのない日常のふとした瞬間に滑り込んでくるような音と言葉たちが強く残る、全6曲を収録した。いつの間にか過ぎ去っていた日々とそれでも続いていく明日を、どこか切なくも柔らかく、そっと肯定してくれる「オールド」がとにかく優しい。(山口 哲生)
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ハイエナカー
世界中に張り巡らされてる運命の赤い糸を全部切って僕に繋いで!?
作詞作曲からサウンド・プロデュースまで手掛ける、村瀬みなと(ex-ヘンリーヘンリーズ/Vo)によるソロ・プロジェクト"ハイエナカー"。ロックンロールやカントリー/ブルースを軸に、ポップでありながら芯の通ったサウンドを鳴らす。そんな彼が放つ2ndフル・アルバムには、ツチヤカレンを迎え、2人の声が織りなすハーモニーが印象的な「スタンバイ feat.ツチヤカレン」や、疾走感溢れるギター・ロック「てぃあどろっぷ」、アコギとハイトーン・ヴォイスで情景を描く「傾いたシーソー」等多彩な全11曲を収録。どの曲にも"君"がいて、異なる曲調ながら全てが純粋なラヴ・ソングだ。聴く者それぞれの感情と重なり合い、まるで"運命の赤い糸"を全てハイエナカーに繋ぎに来たかのように響く。(中島 希実)
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ハシリコミーズ
Friends Orchestra
今年"フジロック"の"ROOKIE A GO-GO"ステージにも出演したハシリコミーズの新アルバムが、めちゃくちゃいい! 冒頭のARCHIE BELL & THE DRELLS「Tighten Up」を思わせるR&Bダンス・チューンから一気に虜にさせられた。90年代渋谷系やジャパニーズ・ヒップホップ黎明期というルーツを惜しみなく露わにし、バンドの音として昇華。小難しいことや面倒くさいことは置いといて、不器用でも気取らず思いのまま好きに行くんだというマインドを乗せた楽曲群は、野外で踊りたくなるものや家でまったり聴きたい曲、温かさにほろりとくるナンバーと幅広い。アタル(Vo/Gt)だけでなく、ドラムのサワがのびのびとメインVoをとる「パラディドル」もキュートで最高のアクセントだ。(稲垣 遥)
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THE LAST DINNER PARTY
From The Pyre
デビュー・アルバムが世界で絶賛された、今最もホットなガールズ・バンド、THE LAST DINNER PARTYの2ndアルバムがこちら。伝統的なUKロックのマナーに則りつつ、野心的で現代的な魅力も持った彼女たち。今作は、挨拶代わりの前作よりも、一歩踏み込んだディープな内容になっている。表現力が足りないと陳腐になってしまいそうなレトロ感、行儀良くなりすぎない程度に滲み出る育ちの良さや、嫌味のない聡明さ、それらが全て絶妙なバランスで成り立ってしまっているのがすごい。ストリングスや管楽器もふんだんに取り入れたリッチなサウンドをバックに、堂々と歌い上げるリード・ヴォーカル Abigail Morrisの年齢に合わない程の貫禄にも驚かされる。(山本 真由)
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THRICE
Horizons/West
スクリーモ・シーンで頭角を現し、次第にオルタナ/アート・ロックへと表現を深化させてきたTHRICE。通算12作目のアルバムは、タイトルが示す通り前オリジナル作『Horizons/East』の延長線上に位置する作品だが、その間に、スクリーモの傑作と名高い3rdアルバム『The Artist In The Ambulance』の再録盤を発表したのも影響してか、近作と比べてもヘヴィな質感が随所で存在感を放っている。ブルージーな歌声と幽玄なサウンドに轟音のテクスチャが溶け込み、前衛的なアプローチも織り込まれた作風は、これまで彼等が探求してきた音楽性の集大成と言うべき、深い衝動を湛えた成熟のロックとして結実。門外漢にも初期のファンにも新鮮に響くはず。(菅谷 透)
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TAME IMPALA
Deadbeat
近年ではプロデューサーとしても存在感を増している、Kevin Parkerが率いるプロジェクトの、5年ぶり5作目となる最新作。これまでサイケデリック・ロック/ポップを軸としたサウンドで人気を博してきたTAME IMPALAだが、本作では、母国オーストラリアのレイヴ・シーンに着想を得たダンス・ミュージックを大胆に展開している。R&Bやディスコからハウス、ビッグ・ビート、EDMに至るまでの系譜を再編成したかのような楽曲群は、自由でいて一貫した美意識が備わっていて、アルバム全体が一晩のパーティーを疑似体験させるような仕上がりだ。ヴォーカルとメロディ、そしてグルーヴに重点を置いたミニマルな音像が、バンド編成のライヴでどう変化するのかも期待したいところ。(菅谷 透)
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シベリアンハスキー
アイラブユー!
活動開始から約1年で大型フェスを沸かせた、要注目の新世代ロック・バンドによる2ndミニ・アルバム。この上なくストレートなタイトルが示す通り、即効性を持って胸の奥に届き、やがてじんわりと広がっていくような全6曲のラヴ・レターだ。気怠いニュアンスを含みながらそれを痛快に蹴り飛ばすリード曲「ふたりだけで」では、研ぎ澄ました武器の鋭さをアピール。一方で、突如疾走し感情を爆発させる「届かない」等、新たなアイディアを盛り込んだ楽曲たちがポテンシャルを膨らませている。村田美月の歌声は、2人の間の距離をグッと近付けながら、2人だけの世界をどこまでも広げていく。そんな彼女に寄り添いながらも出し惜しみなく自己主張する各パートのアレンジも巧みだ。(サイトウ マサヒロ)
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猫背のネイビーセゾン
ICE GLEAM
夜を彩る"ネオンロック"バンド、猫背のネイビーセゾンが3rdミニ・アルバム『ICE GLEAM』をリリースした。本作は、"愛すグリーム≒煌めきを愛そう"をテーマに、初の映画主題歌「MONOTARINAI」をはじめ、すでにライヴ・アンセムとなっている「ウェイティン!!」等を含む全6曲収録。新曲「Highway Life」は、数多くのライヴを重ねた彼等が、家より高速道路で過ごす時間が長いという日常を切り取った楽曲だ。そこにタイトなリズムと駆け抜けるギター、ツイン・ヴォーカルの掛け合いが重なることで、よりバンドらしさを増した疾走感溢れる一曲に仕上がっている。また「我爱你」では、シティ・ポップの要素を取り込むことで、"ネオンロック"を新たな形へと昇華。様々な煌めきを音に変え続ける彼等の現在地を示す注目作だ。(中島 希実)
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終活クラブ
メジャーな音楽
待望のメジャー1stフル・アルバム。SNSが主戦場となった現代の音楽シーンへの嘆きや"SNS疲れ"を吹っ飛ばすキラーチューン「インターネットやめたい」は、ギター・ソロ不要論をぶった切る様が気持ちいい。そんな持ち味を貫く一方、夏の記憶を紡ぐ「幽霊」は文学的な詩が趣深く、「エキチカダンスフロア」で鳴らすのは本格ダンス・ミュージック。高純度の初ラヴ・ソング「恋」ではアレンジに木暮栄一(the band apart)を迎える等、新境地を開拓した。ただ「メジャーな音楽」や「無名芸術」からは、常に数字が付きまとうメジャー進出後の苦悩が見て取れる。シニカルに歌いながらも、"君だけを救うんだ 音楽で"とピュアなロマンを掲げ"メジャーな音楽"に挑む彼等に期待。(中尾 佳奈)
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パーカーズ
HUG
今年タクオ(Ba)が正式加入、初のZeppワンマンも決定し勢いに乗るパーカーズ。"POPS日本代表"を掲げる彼等が、今作ではピアノやストリングスを新たに取り入れ鬼に金棒だ。小粋なピアノとクラップで始まる「Hug me!!」から、進化を遂げ洗練されたパーカーズサウンドにワクワクが止まらない。今夏を盛り上げた疾走ギター・ロック「トマトジュース」や、究極のポジティヴ・ソング「Ding Dong Dang Dong」と振り切ったポップスが弾けていく。またミドル・チューン「おやすみのキス」、「大恋愛」では恋愛の眩さがサウンドの中にも光る。バンドの持つ朗らかなムードに、広がりを見せる豊かな表現で多幸感をプラス。世界をまるっと抱きしめる温もりがここに。(中尾 佳奈)
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おいしくるメロンパン
bouquet
相変わらず耳が楽しいおいしくるメロンパンの新作が到着。メジャー1stアルバムとなった本作だが、10年前の1stミニ・アルバム当時と同じ純粋な気持ちで作ったという峯岸翔雪(Ba)の言葉通り、方向性が変わったり、"らしさ"が失われたりといった心配は無用の一枚ではないだろうか。それどころか、Track.1に配された「群青逃避行」から過去曲とリンクするフレーズが登場する等、バンドの心意気が光る。ダークなオルタナティヴ・ロック「誰もが密室にて息をする」で見せる棘のある一面、今と過去を行き来する繊細な心情と風景の描写が秀逸で、一本の映画のような物語が目に浮かぶ「十七回忌」と、彼等の多彩な武器をそれぞれ研ぎ澄ませ進化させた5曲が、どこまでもフレッシュに鳴り響いている。(稲垣 遥)
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鉄風東京
Space/Range
タイトル"Space/Range"に掲げられた"空間"と"射程"。本作には、音楽がどこを居場所とするのか、どこまで進み誰に届くのか、という鉄風東京としての2つのテーマが込められた全7曲が収められた。特に「In YOURS」は、その核心を映し出す一曲だ。シンガロングで響く"Everything's my youth~"というフレーズは、本作の答えを体現するように心へ沁み込み、観客と声を重ねることでさらに力を増していく。また、今回「21km」の再録した新バージョンも収録。リフの厚みや音の重なりが増し、鉄風東京が歩んできた軌跡と積み重ねた時間の重みを感じさせる仕上がりに。疾走するギターと等身大の言葉は、仲間と共に走り続ける彼等の生き様を鮮やかに刻み、リスナーの胸にまっすぐ突き刺さる。(中島 希実)
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羊文学
D o n' t L a u g h I t O f f
期待のインディー・バンドとして出発し、今やJ-POPの人気者としての風格すら纏う羊文学。この『D o n' t L a u g h I t O f f』は、その軌跡の全てをアップグレードした入魂の一枚だ。「声」や「cure」に象徴される、泰然としたメロディと塩塚モエカの柔和且つ鋭い歌声は、ますます説得力を増している。そして、ぶっきらぼうなギターが愛おしい「ランナー」、ベースの帯域が攻めた「春の嵐」、アルバム最終盤で待ち構えるアグレッシヴな「Burning」と、ポップスとしての主張をあくまでバンド・サウンドで抱きとめる気概にも感服するばかり。ロック・バンドが高潔なインディー精神を損なうことなく誠心誠意ポップスを鳴らすという挑戦、その模範が本作にはある。(藤村 太智)
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水曜日のカンパネラ
可愛女子
とびきりキャッチーなリリックと、それをスタイリッシュに仕立てる巧妙なトラックで席巻中の水カンの新作は、なんと8曲中7曲がタイアップ。多種多様な作品から着想を得ることで、持ち前のウィットに富んだ発想力が輪を掛けて四方八方に炸裂している。TVアニメ"らんま1/2"に起用の「ウォーアイニー」では、少女から少年まで詩羽の歌声が七変化。映画"ふしぎ駄菓子屋 銭天堂"主題歌「願いはぎょうさん」では、尽きぬ欲との付き合い方を子どもたちへ丁寧に説く。そんな新鮮な一面も覗かせなから、"これぞ"と唸るのは、肉の部位を言い連ね"シャトーブリアン"で躍らせる"人名シリーズ"最新作。広義の"可愛い"を自由に発信する水カンワールドは子どもから大人まで、そして世界へ拡張中だ。(中尾 佳奈)
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NANIMONO
Kawaii Future IDOL
これまでも多様なコンセプトを掲げて活動してきたNANIMONO。彼女たちがこのたびリリースする3rdアルバム『Kawaii Future IDOL』で定めたそれは、"Kawaii Future Bass"だ。本作で見せるメンバーのアニメチックで甘い声質と、キラキラしたダンス・サウンドのペアリングは、まさに奇跡的相性である。カメレオン的にコンセプトの変化を遂げながらも、プロデューサーのこゆびちゃんが一貫して作詞を務めることで、インキャの、インキャによる、インキャのための音楽であるNANIMONOワールドに依然としてブレがないところは、さすがの一言だ。このジャンルを好む読者にも、インキャな読者にもオススメしたい傑作。(宮﨑 大樹)
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超☆社会的サンダル
う、ちゅー。
超☆社会的サンダルが初のコンセプト作品に挑んだ2nd EP。"宇宙"と"青春"をテーマとして、映画"やがて海になる"の主題歌「おとなになったら」や、MVが公開された「東京」を含む全6曲を収録する。超社らしさを推し進めながら、歌やサウンドが洗練された感覚や新鮮な印象も受ける今作。鬼才 オニザワマシロ(Gt/Vo)のソングライティング能力も爆発し、月や星を歌った壮大な曲も甘酸っぱい恋や青春を描いた曲も、独創的すぎる超☆社会的楽曲に仕上がっているのがものすごい。サウンド・プロデューサーに迎えた原田茂幸(Shiggy Jr./Gt)が楽曲やバンドの魅力を増幅させている、「オーストラリアでコアラ抱っこするまで死ねない」と「月まで歩いてみたけれど」も必聴!(フジジュン)
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鋭児
ZERO
2024年に活動休止した鋭児が、ついに活動再開。ニューEP『ZERO』をリリースする。表題曲「ZERO」のダークなムードを漂わせる印象的なギター・リフと、内に秘めた闘志を燃やすようなヴォーカル、パワフルな音像に圧倒される。浮遊感のあるサウンドが心地よく、ラテンの要素を感じさせるビート、間奏のジャム・セッション的アプローチも彼等らしさが際立つ「levitate」、楽器隊のメンバーたちが御厨響一(Vo)へのメッセージを込めたという「SMAPS」。楽曲ごとに異なる個性を持ちながら、鋭児というバンドの現在地を鮮明に描き出している。再始動後のライヴでこれらの楽曲がどのように鳴らされるのか、その瞬間からも目が離せない。(西平 歩由)
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渡會将士
引力について
新曲2曲と、厳選した過去曲9曲(一部をリテイク)を収録したEP。表題曲「引力について」は、"リンゴは落ちるのに 月が落ちないのは/彼女には彼女の 事情があるからで"と渡會らしいユニークな書き出しに思わず耳を傾けて聴き入ってしまう、爽やかながらロマンチックなナンバーだ。軽やかに転がり徐々にテンポアップしロックンロールしていく「モーニン」もかっこいい。さらに「Thank you (ALBUM Ver.)」には菊地"EMMA"英昭(brainchild's/THE YELLOW MONKEY)がギターで、EMMAを含むbrainchild'sのメンバーもコーラスで加わり、FoZZtone時代の「ベーコンエッグとシェービングヒーロー」には、オリジナル・メンバーの菅野信昭(Ba)が参加する等、ゲストの登場でも原曲との違いを楽しませてくれる。(稲垣 遥)
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MOTION CITY SOUNDTRACK
The Same Old Wasted Wonderful World
2000年代に吹き荒れたエモ/ポップ・パンクの一大旋風も今は昔。さらには、MOTION CITY SOUNDTRACKは長い休止期間を挟んでおり、アルバム・リリースは実に約10年ぶりだ。だからこそ、この『The Same Old Wasted Wonderful World』の若々しさには驚かされた。やはり見逃せないのは、かのPatrick Stump(FALL OUT BOY/Vo/Gt)が参加した「Particle Physics」。シンセサイザーと爽やかなメロディが高揚感を煽る名曲だが、本楽曲に限らずどのナンバーでも徹頭徹尾"あの頃"のワクワクと切なさが聴こえてくるのがなんとも嬉しい。「She Is Afraid」のミュージック・ビデオを見れば明白だが、いぶし銀とは程遠い、ミドル・エイジが青臭くはしゃぐ痛快さが見事な一枚。(藤村 太智)
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TWENTY ONE PILOTS
Breach
母国アメリカでは、スタジアム規模の人気を誇るまでに成長したTWENTY ONE PILOTSが、前作から1年半足らずでリリースした8thアルバム。4thアルバム『Blurryface』から続く壮大なストーリーを締めくくる作品ということで、過去作のオマージュもちりばめられた集大成的な内容になっているが、最も際立つのはジャンルを自在に行き来する実験的で奔放な姿勢だ。エレクトロ・ビートに乗せたラップから、静謐なピアノとヴォーカル、そしてアリーナ・ロックの壮大なコーラスへとシームレスに変化するサウンドには、高揚感と切なく脆い感傷が同居していて、その表現力に圧倒されてしまう。だからこそシーンや年代を問わず多くの人々の心を掴んできたのだろうし、全米1位という結果にも納得がいく。(菅谷 透)
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Ed Sheeran
Play
デビュー作『+』(2011年)に始まり、『-』(2023年)まで5作品にわたって続いた一連の"マスマティックス"シリーズを完結させたEd Sheeranが、ついに新たなフェーズに突入。相変わらずのキャッチーなソングライティングのセンスは健在ながら、今作はより幅広い音楽的要素を取り入れ、ポップ・ミュージックの限界を押し広げたような意欲作だ。彼のルーツの1つでもあるアイルランドのフォーク・ミュージックや、インド、ペルシャ等のエキゾチックで個性的なサウンドも取り入れ、多彩な表現にチャレンジしている。またそういったある種の変わり種に加え、ヒップホップやR&B、ソウルのモダンなスタイルにも手を伸ばし、貪欲なまでの音楽的好奇心に満ち溢れた作品が完成した。(山本 真由)
RELEASE INFO
- 2026.01.21
- 2026.01.23
- 2026.01.25
- 2026.01.26
- 2026.01.27
- 2026.01.28
- 2026.01.29
- 2026.01.30
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