キュウソネコカミの「ウィーアーXXXX!!」 【第5回】
2014年07月号掲載
ヤマサキ夏のホラー劇場
「痩せた米」
俺はケチです。
大学時代初期、節約のために自炊をよくするタイプでした。ごはんさえあれば、おかずを作るだけで安く食事を済ませられるからです。得意料理は特に無く、その日食べたいなと思った料理のレシピをググって調べ作り食べるスタイルでした。
お米は実家から送ってもらえる、親戚の農家の米でした、すなわち無料。
当時住んでいた家は学生用マンションで、築25年くらい、家賃も安く、一階で壁は薄く真っ白、ユニットバス、ワンルーム、居心地は良く、俺はズボラで部屋も多少は散らかっていた、でも必要な物の場所はわかる、そしてたまーにゴキブリが出る、ロフトがある、ロフトがこの家に住む決め手になった、何故か18歳の頃ロフトに憧れがあった、ロフトに目が行き過ぎて、部屋の間取りが奇妙な台形で落ち着かないことに気付いたのは住み始めて少し経ってからだった。
その台形の間取りにはメタルラック等を置いて解決したが、その頃にはもうロフトへの憧れは無くなっていた。五年住んだ。普通のクズ学生の部屋な感じでした。
そんなある日、小さい羽虫が1日につき2匹くらい部屋を舞うようになりました。
銀杏BOYZのトラッシュの歌詞「部屋にはプンプン虫が飛んでんよ〜なんだか変な臭いもするよ〜」この状況!!!一緒やんけ!!とか思いつつも俺は虫には厳しいので、見つけたら必ず抹殺していました。
抹殺しても抹殺しても毎日毎日羽虫が飛んでました。
抹殺の仕方は白い壁に止まっている羽虫を指で優しく潰すやり方でした。なぜか虫達はほとんど逃げませ
んでした、そのせいで白い壁には虫の潰された後がチラホラ残り段々キモくなってきました。
俺はこの羽虫はいったいどこから沸いているのか調べる事にしました。
風を入れるために開ける窓の、網戸の合間から入って来ているのかもと思い、家の近くの排水溝から飛んで来ているのか?!と、羽虫がいないか見に行った。いない...
次に、風呂場や炊事場等の家の中の排水溝の掃除をした、掃除している時に羽虫は一匹も見なかった。
次に、ロフトの奥に洋服棚を置いていたので、そこに沸いている原因があるかもしれないと思い、ちらかった服を全部服をたたんだ。いない...ここではない、何も沸く要素が無い。
生ゴミも毎週決まった日に出している、ゴミを出せば羽虫の発生もリセットされるはずなのに、羽虫は飛んでいる。
諦めて、しばらく(一ヶ月くらい)羽虫と暮らした。料理も毎日するわけでは無くなっていた。たまにお米を炊いて、総菜買って食べたりしていた。
親戚の農家の米なので親は安く譲ってもらっていたのもあり、不揃いな米もあった、なんか痩せた薄茶の色付き米とかもあったけど普通においしかった。その薄茶の米は研ぐ時に沈んだ、研ぎ終わるとよく、ボールの底に溜まっていた。変な米あるな〜とかも思わず、ケチなので普通に無駄無く食べた。
お米はロフトへの階段の下のスペースに置いた冷蔵庫、の上にプラスチックのストッカーに入れて保管していた。ストッカーは押し込んでグッと閉めるタイプ。毎回閉めるのめんどいので蓋は軽く置いておくスタイル。
運命の日が...
蓋の閉まったストッカーの中に一匹羽虫がとまっている...
それを見た瞬間俺の脳はすべてを理解した。ストッカーの中の羽虫を丁寧に抹殺し、中の米に目を
やった、そして米だと思っていた薄茶の色付き米をつまみあげ、圧力をかけたら、潰れた、泣いた。
生米は潰れるわけがない、痩せた米は羽虫のたまごだった、青ざめて、泣いた。
考えなくても頭が理解した、俺は羽虫をたくさん食べたと思う。
なぜストッカーの中の虫にこんなに気付く事が出来なかったのかわからない...
俺は今日も強く生きています(ё)
ヤマサキセイヤ (Vo/Gt)
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