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キュウソネコカミの「ウィーアーXXXX!!」 【第3回】

2014年03月号掲載

キュウソネコカミの「ウィーアーXXXX!!」 【第3回】

おはこんばんにちわキュウソネコカミでベースを弾いていますたくろです。
雑誌とかでコラムみたいなの書くのが夢だったんでこうやって場所が与えられるのめっちゃいいですね。エモエモエモクソンです。

書きたいなって思ったことってほんまに色々あって例えば
ルンバって勝手に充電しに戻るけどもしルンバに学習機能がついたらご主人さまがイラついてるときに勝手に温かいジャスミンティーとか出してくるようになんのかな、ちょっとウザいなそれ、とか
お金で愛は買えないと思っていたけど、終わってみたら結果的にお金で愛を買ってたんやって気づいたりするの割とあるあるなんちゃうか、とか
漫画とかで他人の頭上に寿命とかが見える特殊能力、その人の月間ティッシュペーパー消費量が見えるくらいがおれにとってはちょうどいいくらいの能力だな、とか
バンドマンが痩せていなきゃいけない理由が一つも見つからへんな、とか
まぁまぁいっぱいあるんですけど、メンバーが持ち回りで書くとかいう話を聞いているので他のメンバーが絶対書かないやろな〜ってことを書きたいなと思いましてん。ズバリ恋愛についての話ング。最近姉貴が結婚したのがめでたいし!

話の発端はといえば、僕らの曲に「たまにいるタラシくん」ってのがあって、要は人気商売なもんで、オンナ抱きまくっとるバンドマンおるよな〜怖や怖やって曲なんだけど、そういうのって種類を間違えなければちょいと肯定できる話もあるのかもなってふと思ったんが運の尽きよね。
まずもってさ、恋愛ってはじめるのから難しい気がするよね。本当に。なんでやろね。ドラマとかだとさ、ヒーローとヒロインがハッキリしてて、一話みただけであ〜この人ら絶対つきあうやんもう見えてるやんはよ告れやイラつくわアホ〜とか思っちゃって、テレビの中のおモテになっているだろう人を見てても、ほんまヒーローの恋愛はとにもかくにも簡単そうやけど、ブラウン管のこっち側でヒーローな人生を送ってる奴なんてものすごく少数で、おれなんか「3年B組〜」ってきんぱっつぁんが言ったらとりあえず出遅れて、結局、輪の一番端っこで飛び跳ねてるタイプだったりするから。そういうイマイチ脇役だなーの人がいないと困るし、わしゃ全力で肯定していくし。そういう人にも人生があって、おそらく不可抗力的ではあるけどもきっと恋愛もするんやでって話よね。そういう人の恋のはじまりってドラマチックでもなければ喜劇でもないし誰かに話しても一番おもんない種類の話だったりするよ、でもそれがリアル!現実!目を背けてはならんのじゃ!ってこと。あれ、これ伝わってる?もう伝わんなくてもええか!うちの冷蔵庫に入ってる練りわさびの賞味期限が年単位で過ぎてるのを見て見ぬふりしてガッツリ使うのと同じやな!

で、その所謂「恋愛のはじまり」が難しいって話に戻すと、ようするに世の中で是とされるハウツー恋のはじまり方ね。そのやり方しとるやつどんだけおるねん!と思うわけよね。誰かと出会ってお話をして仲良くなって、ふとしたきっかけで「あ〜この人好きだな」って思うようになって、どっちかが勇気出してご飯とかデートに誘って、くだらない話をする中でお互いの気持ちが盛り上がって手とかつないじゃったりして、悶々としつつひとりの夜をひとりよがりで過ごしたりして、ひょんなきっかけでお互い好き合ってることに確信めいて、猪突猛進に「お付き合いしませんか」って前触れノーサンキューで言ったりして、それでも両者が承諾していい感じに夕日が影を伸ばして。まぁそんなん。素晴らしいバラ色ですわ。もう非の打ち所なし。お手上げ万歳!ってなそんな具合。

しかしながらハードル高いわ〜。誰しもが経験する(!?)数学の教科書に二次方程式の解の公式の導き方が載ってるの見た瞬間ワタシの脳みそが視覚情報を拒否してる〜ってあんな感じ。それよか色んなこういうなんていうんやろ、順序というか歴史というか、そういうのすっ飛ばして、他人からみたらクエスチョンマークしかないはじまり方、そういうのがいいと思うのよね。そうね、もうあかんわ、友達から得た前情報でずっと嫌いやったし正直会って2時間やけどなんか目が合ったらなんとなくいいなうん、「好きです付き合って!」「OK牧場!」。みたいなことや、「まぁぶっちゃけおれみたいなやつの身近にいる人間なんてお前くらいしかおらんわ別に好きとかわからんけどみんないつのまにか彼女おるし、こうなったらめんどくさいぴょん!よっしゃお前カーノジョ!」「豚の飼育員がゆめでした!」ってなことが多いというわけですよね。で、オレはそういうもうわけわからへん、この脚本書いたん誰やねん燃えるゴミの日に情緒も一緒に出したんかしばくぞっていう方の導き方がほんまは自然だと思うししっくりくるし、んまぁそのくらいのハードルの低さじゃないと雑踏に溢れかえる人間たちにまみれて恋愛なんてできひんわって思うのね。うん。言い過ぎたのは認める。でもテンプレートみたいな恋がね、いつのまにか心の中に蔓延ってるなって。それでそういう恋のテンプレートをとりあえずなぞろうとしないといけない風潮、なんだか嫌やな。って。そう、知らないうちに毒されてたよね。

つまり末筆ながら一番言いたかったことっていうのはさ、恋愛とかでさ、誰かが書いたようなドラマチックの登場人物になろうとして、例えば距離感間違ってグイグイ物語をすすめようとしてドン引きされて失敗したりとか、こっそりあの子にアプローチかけてるつもりが仲間内に全部バレててうわ〜おれダサいな!とか、逆に、なんでおれはあいつとつきあうことになったんやろ?正直酔っててなんもおぼえてへん...とか、とかそういうけれんみたっぷりにしちゃいたくなるようなことっていうの、それ自体をさ、ある程度人間の味として誇っていこうよね、ってことなのね。桃太郎はいっつも鬼を退治しなきゃいけなくて大変やな!って。鬼と仲良くなって襲われた村ごと支配するのもハッピーエンドじゃん!って。そんくらいのことはね、あってもいいと思うんよ、わしら機械じゃないんだからねほんまに。
というわけで未来の進化しすぎたルンバがウザカワイくてとっても愛おしい気がするのでおれはルンバver14.3あたりと世界を巻き込む大恋愛をすることにします!オラッ!全米泣かす!
チャオ!

たくろ