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INTERVIEW

Japanese

ぜんぶ君のせいだ。

2016年07月号掲載

ぜんぶ君のせいだ。

Member:如月愛海 成海5才 ましろ 十字 一十三四

Interviewer:吉羽 さおり

"病みかわいい"をヴィジュアル・コンセプトにした5人組アイドル、ぜんぶ君のせいだ。が2ndシングルとなる『僕喰賜君ノ全ヲ』をリリースする。心の奥底にふきだまった感情、変わりたいと思う気持ち、そのネガティヴな思いを吐き出しながらも、ポップなサウンドとキャッチーなメロディで蹴飛ばしていくようなパワーで歌っていく5人。アイドルになりたかったというよりも、自分を変えたかった、変わる場所を探していたコミュ障気味の5人が出会ったという。歌の内容は毒っぽくシアトリカルであるけれど、本人たちの等身大を映したものにもなっているようだ。

-今、結成してどのくらいになりますか。

如月愛海:去年の10月12日に渋谷egg manでやった初ワンマンでこのメンバーがいたので、そこからだと今、8ヶ月くらいになります。

-オーディションで集まった5人ということですが。そのときは、どういうものをやるということが予め決まっていたんですか。

如月愛海:もともとオーディションの内容が、"病みかわいいで世界征服"というもので。誰でもいいから、これに集えという感じだったんです。そこにそれぞれが応募してきました。

-では、それぞれの応募動機はどういうものだったんでしょう。

如月愛海:私はもともと事務所である"コドモメンタルINC."に所属はしていて。そこで、アイドル・グループをやるよということでオーディションを受けたんです。コドモメンタルの作るものを、自分でも盛り上げていきたいなという気持ちがあったので、オーディションを受けました。

-この"病みかわいい"というコンセプトにも惹かれるものが?

如月愛海:最初は、"病みかわいい"というジャンル自体に、え?と思いました(笑)。でも、人の心の中にある部分という意味では、共感はできるかなと。

ましろ:ぼくは歌を歌うことが好きだったんですけど、あまり外に出ないタイプだったので、外に出るきっかけが欲しかったんです。"病みかわいい"なら、そんなに元気いっぱいな感じじゃなくてもいいのかもしれないな、と思って。だから、外に出るきっかけになればいいなというくらいの気持ちで応募しました。

-といっても、なかなか勇気のいることではないんですか?

ましろ:でも、携帯のサイトからボタンひとつで送信できるものだったんですよね。写真も、いわゆる宣材写真みたいなものじゃなくてもよさそうだったので、夜中に軽い気持ちで応募してしまいました(笑)。

一十三四:わたしは昔からかわいい女の子が好きで、よくアイドルさんのこともネットで調べたり写真を見たりしていたんです。以前はそれで満足していたんですけど、ぜんぶ君のせいだ。の公式サイトでヴィジュアルを見たときに、"ここに入りたい!"って初めて思えたんです。ここでなら、もしかしたら自分が変われるかもしれないなと思って入りました。

如月愛海:よつ(一十三四/読み:ひとみよつ)が入ったときには、もう他の4人が決まっていて、活動自体もSNSが中心だったんですが始まっていたんです。それを見て応募してくれたんですよね。それで新メンバーとして加入してもらいました。

-ちなみに一十三四さんはコンセプトにあった"病みかわいい"とか、"病み"というところには引っかかったりしなかったんですか。

一十三四:はい。"病みかわいい"っていうのは、よくわからなかったんですけど、みんなも探り探りで一緒に進んでいく感じだったので、それなら大丈夫かなって思いました(笑)。みんな病んでいるってわけではなかったので、よかったです。

十字:あざ(十字/読み:もげきあざ)はもともとニートで。ずっと、個性を極めたいと思っていたんです。それで、アイドルで検索したときにぜんぶ君のせいだ。を見つけて。個性を極めるためにここに入ろうって思って、入りました。

-脱ニートで、社会に飛び出したわけですね。

十字:はい。社会に溶け込んでます。

如月愛海:いや、溶け込んではいない(笑)。

成海5才:ごもち(成海5才/読み:なるみごもち)は、何かを残したいっていう気持ちと、いろんな人に自分のことを知ってほしいなって気持ちがあって。それには何が一番いいんだろうと思っていたときに、最初にめぐみん(如月愛海/読み:きさらぎめぐみ)と知り合ったんです。

如月愛海:ごもちとは以前、このぜんぶ君のせいだ。とは別のお仕事で一緒になったことがあったんです。

成海5才:それがきっかけで、ぜんぶ君のせいだ。の存在を知って。"これ、ごもちもやりたい!"って思って、"応募するのでお願いします"って。

-ちなみに、応募数はかなり多かったんですか?

如月愛海:自分たちで言うのもなんですけど、多かったんです(笑)。それこそ、ましろみたいに何かのきっかけになればと、軽い気持ちで応募してくれた人もいて、本当にたくさんの人が応募してくださったんですよね。

-その中でぜんぶ君のせいだ。として、この5人が選ばれたのは、どうしてだったと思います?

如月愛海:どうなんでしょうね......私もオーディションを受けたんですけど、ごもちは以前から知っていて、そのあとに、ましろ、あざ、よつの順番に会ったときに、"あぁ、この子たち自由だな"って思ったんです(笑)。すごくフィーリングが合ったというか。一緒にやっていけるかもしれないって。最終的に決めたのはスタッフさんなんですけど、メンバーが初めて揃ったときに、あぁよかったって思いました。"このメンバーならラクだ~"って。

-(笑)活動開始からどんどんライヴもスタートしていきましたが、グループで思いをひとつにしていくにあたっては、この"病みかわいい"というコンセプトだったり、それぞれの思いをぶつけ合っていく段階もありましたか。

如月愛海:ありました。まずはこの"病みかわいい"というヴィジュアル・コンセプトに関しては、今年の1月に1stフル・アルバム『やみかわIMRAD』という作品を出しているんですけど、それを制作しているときでもまだ私たち自身で、"病みかわいいとは何か"っていうのを探している途中で。現代のカルチャーである"病みかわいい"というのが、まずは何なのかっていうのが、わたしたち自身も掴みきれていないので。それを、自分たちなりに探して答えを出していこうと、みんなでたくさん話したり、喧嘩とまではいきませんけど、お互いの気持ちのぶつけ合いは結構ありましたね。

-今はなんとなくでも、ぜんぶ君のせいだ。の思う"病みかわいい"とはこういうものかなという方向性は見えてきましたか?

如月愛海:少しずつですね。全体的に言えることは、特に歌詞がそうなんですけど、"愛が深くて重い"っていうのはあります。ぜんぶ君のせいだ。の曲は恋愛ものの形になっていて、今回の「僕喰賜君ノ全ヲ」(Track.1)もラヴ・ソングではあるんですけど、恋愛ものを歌っているわりに結ばれていない......。

ましろ:ぜんぶ君のせいだ。は結ばれないんですよね。"希望を刻む"とか歌っちゃってたり(笑)。

如月愛海:結構へヴィな曲なんですよね(笑)。