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INTERVIEW

Japanese

"KNOCKOUT FES 2019 autumn" 座談会

2019年10月号掲載

"KNOCKOUT FES 2019 autumn" 座談会

今後、音楽シーンに飛び出していくダイヤモンドの原石に出会ってほしい。そんな想いで、下北沢のライヴハウス MOSAiCを中心に、定期的に開催しているサーキット・イベント"KNOCKOUT FES"が、今年も11月2日に下北沢の全10会場のライヴハウスで開催される。今回もSkream!では恒例の出演者による座談会を行った。初出演となるそれでも世界が続くならをはじめ、cOups.、サンサーラブコールズ、アイラヴミーという、今注目の4バンドのヴォーカリストが集結。"KNOCKOUT FES"に寄せる想いだけでなく、"なぜ、音楽をやっているのか"という、それぞれのバンドの核心に迫る濃厚な対談になった。

それでも世界が続くなら:篠塚 将行(Vo/Gt)
cOups.:Sean(Vo)
サンサーラブコールズ:K(Vo)
アイラヴミー:さとうみほの(Vo/Gt)
下北沢MOSAiC店長:森本 真一郎
インタビュアー:秦 理絵 Photo by うつみさな


MOSAiCを中心にサーキットが行われるっていうのは、森本さんと、そこで戦ってきた新しいバンドの力だなと思います(篠塚)


-今回は、みなさん"はじめまして"だそうですね。

さとう:はい。でも私は、それでも世界が続くならは大好きで、篠塚さんのTwitterはずっと見てました。クラスとかで馴染めなかったタイプなので、ツイートに救われました。

篠塚:あ、ありがとうございます。

-みほのさんの熱い想いは、またあとで話してもらいましょう。まず、森本さんに開催の趣旨から聞ければと思いますが。今年で何回目の開催になりますか?

森本:サーキットになったのは2015年の秋なので、もう4年目です。早いですね。最初は10代の子だけを集めた"KNOCKOUT"っていうマンスリーのイベントだったのが、出てほしいバンドが増えて、サーキットになって、どんどん会場も増えてっていう感じです。

-若い世代のアーティストをフックアップするというのが当初のコンセプトだったと思いますけど、ここ数年開催するにあたって、変化はありましたか?

森本:最初はMOSAiCとか、僕個人でやってたところが大きかったんですけど。最近は他のライヴハウスの店長さんが、ガンガン推しバンドを紹介してくれるようになったんです。だから、今回のそれでも世界が続くならなんかは、CLUB Queの店長の後藤(瞬)さんがスペシャル・ゲスト的なかたちで誘ってくれて、サンサーラブコールズはLIVEHOLICの石田(大実)さんがめちゃくちゃ推してる。そういう流れで、若いバンドからキャリアのあるバンドまで出てくれるようになって面白くなったなと思います。

-出演者のみなさんからすると、"KNOCKOUT FES"はどういう存在ですか?

K:存在は知ってたけど、出るのは初めてなので楽しみですね。

Sean:僕は去年の春に観にきたんですよ。SHELTERでAltheaを観て、近松でHaikiを観て......みたいな感じです。

さとう:私は何回か出させてもらってるんですけど、出る前は、"KNOCKOUT FES"は憧れというか、出れたら"ひとランク上がった感じがする"っていう感じでした。

森本:あぁ、うれしいです。

さとう:今は常連というか、毎回呼んでもらえるので嬉しいですね。

-それせか(それでも世界が続くなら)は初めてですね。

森本:絶対に出ない感じのフェスじゃないですか。イベントの趣旨がネクスト・ブレイクだけど、もうブレイクしてるので。

篠塚:あ、いや、全然ブレイクじゃないです。

-篠塚さんは"KNOCKOUT FES"に対して、どんな印象がありますか?

篠塚:"森本さん、頑張ってるな"っていう感じです。

森本:そうですよね(笑)。

篠塚:森本さんが店長になったころに、僕はちょこちょこMOSAiCに行く機会があって。ジュースを奢ってもらいながら、よく事務所で話してたんですよ。

森本:一番MOSAiCの苦しい時期を知ってるんです。

篠塚:だから、今こうやってフェスをやるまで、森本さんが頑張ってるのはいいですね。たしか、Queに挨拶に一緒に行きましたよね。僕が"反撃フェスティバル"(それでも世界が続くなら主催で下北沢CLUB QueとMOSAiCで開催したイベント)をやってたときに、"まだQueの店長さんに挨拶してない"って言ってて。

森本:あ、そうだそうだ。もう7~8年前ですね。

篠塚:森本さんが"え!? やっぱり挨拶って行ったほうがいいですかね"みたいなことを言うから、"たぶん行ったほうがいいと思いますよ"みたいな。

-どっちが店長さんだかわからない。

一同:あはははは(笑)。

森本:そうそう(笑)。

篠塚:そういう時期から知ってるので、MOSAiCを中心にこういうサーキットが行われるっていうのは、森本さんと、そこで戦ってきた新しいバンドの力だなと思います。

森本:ありがとうございます。泣きそうになりました。

-森本さん、今回の対談メンバーに声をかけたのは、どんなところがポイントでしょう?

森本:いつも同じなんですけど、読者が増えそうなメンツです。

篠塚:森本さんっぽいですよね(笑)。

森本:で、さっき言ってもらった歴史もあるから、それでも世界が続くならには参加してほしかったし。アイラヴミーは初期のころから出てもらってて、今年ついにメジャー・デビューしたっていうドラマがあるんですよね。cOups.は、今年の7月にライヴを観たときに、すごくいいなと思ったんですよ。今はフェスに引っ張りだこですよね。

Sean:いやいや(笑)。

森本:サンサーラブコールズは、まだ僕はライヴを見られてないんですけど、音源がすごくかっこいい。初出演の新しい顔として、あえて違うシーンから来てもらいました。

-では、せっかく集まってもらったので、それぞれどういうバンドなのかっていう話をできればと思います。まずはcOups.からいきましょうか。

森本:MOSAiCは歌モノのギター・ロックみたいなバンドが多いんですけど、cOups.は洋楽っぽい感じがして、かっこいいんですよ。「Rock'n'Roll Star」(2019年7月リリースの2ndミニ・アルバム『GAL』収録曲)とか。これから、cOups.みたいなバンドは人気が出るんだろうなっていう。

-今は海外のトレンドを吸収するバンドがどんどん出てきてるから、そういうブームの中でも注目を集めるんじゃないかっていうことですね。

森本:っていうことです(笑)。

K:僕はリハの動画を上げてたのを見たんですけど、イケてました。大阪かな。リハでやってる曲、かっこ良かったです。あれは音源になってるんですか?

Sean:いや、まだ録ってないですね。

さとう:英語と日本語を交ぜて歌ってるじゃないですか。その日本語の歌い方がすごくクセになるんですよね。

-Seanさんはオーストラリアと日本のハーフだそうですけど、両方喋れるんですか?

Sean:生まれも育ちも日本なので、日本語のほうが得意ですね。

-歌詞を書くときは、どうやって言語を決めてるんですか?

Sean:語感が良ければ、日本語でも英語でもいいっていう感じですね。

さとう:それがしっくりきますね。耳触りがすごくいい。

Sean:なんか照れますね......これ。

森本:珍しく照れてる。いつもとんがってる感じがするのに。

Sean:そんなことないです。静かなだけです(笑)。

-結成は1年半ぐらい前だそうですけど、こういうバンドをやりたいなっていうイメージみたいなものはあったんですか?

Sean:うーん......あんまりないかな。

森本:僕がcOups.を知ったのは、他のメンバー経由なんですよ。ベースがナツメグバンドで、ドラムががんばれ!Victoryっていう。どうやってメンバーを集めたの?

Sean:SNSです。

篠塚:今っぽい。

森本:「Rock'n'Roll Star」はUSインディーっぽさも感じますよね。

Sean:結構"USみたい"って言われるけど、僕らは陰キャなんです。あんまりカラッとしてるのが好きじゃなくて。内向的でジメっとしてるから、イギリスのバンドのほうが好きなんですよね。そのとき、やりたいことを取り入れてやってる感じです。