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INTERVIEW

Japanese

"KNOCKOUT FES 2019 autumn" 座談会

2019年10月号掲載

"KNOCKOUT FES 2019 autumn" 座談会

それでも世界が続くなら:篠塚 将行(Vo/Gt)
cOups.:Sean(Vo)
サンサーラブコールズ:K(Vo)
アイラヴミー:さとうみほの(Vo/Gt)
下北沢MOSAiC店長:森本 真一郎
インタビュアー:秦 理絵 Photo by うつみさな

-じゃあ、次はサンサーラブコールズについて話を聞ければと思います。

森本:まだ僕はミュージック・ビデオしか観られてないんですけど、狂気的というか。自分たちのことは、最高だと思ってるオラオラ感がありますよね。

K:はい、そう思ってます(笑)。

森本:LIVEHOLICの店長さんにサンサーラブコールズを勧めてもらったときに、"もっと歌モノのギター・ロックのほうがいいですか?"って言われたんですよ。でも、全然そんなことない。むしろ新しいバンドにどんどん出会いたいじゃないですか。

-"KNOCKOUT FES"に新しい風を吹き込む存在になりそうですね。

森本:そう。あと、さっき雑談してて知ったんですけど、K君は今年"KNOCKOUT FES"に出てくれるThe Mashっていうバンドのドラマーやったんですよ。

K:歌をやりたくなって、このバンドを始めたんです。Iggy Popみたいな感じですね。

-あぁ、ドラマーからキャリアをスタートして歌うようになるっていう。

森本:そうそう。なんとなく僕もThe Mashとサンサーラブコールズは同じ匂いがするなと思ってたんですよね。上質なオラオラ系というか(笑)。で、SNSを見てても、The Mashとサンサーラブコールズが出ることに反応してる人がいて、そういう感じなんだ、と思ってたら、同じメンバーがやってたっていう。

Sean:僕は、7月に近松に出たときに、(近松の)梅澤さんに、"僕らに合いそうなバンドいますか?"って聞いたら、サンサーラブコールズって教えてもらったんですよ。

K:へぇ、梅澤さん、そんなこと言ってくれてたんですね。

さとう:ギターのキメがかっこ良くて、"はい!ここ!"って胸にくるポイントが散りばめられてますよね。ライヴを観たら、好きになっちゃいそうだなって思います。

K:ありがとうございます。

-Kさんは、サンサーラブコールズとして、どういうバンドを目指しているんですか?

K:言葉で説明するのは、難しいんですけど、大人の方たちに"CD屋さんの棚のどこに置きたい?"って聞かれるじゃないですか。ポップ・ソング、グランジ、オルタナ、ミクスチャーとか。そのどこにも置かれたくないというか。自分らを、"僕はロック・バンドです"って言いたくないんですよ。僕らが新しいことをやって、それに対して、周りがとやかく言ってくれれば、それでいい。目指すものは、そんな感じですね。

篠塚:純粋ですね。こうあるべきですね。

Sean:僕も近いことを思ってます。

篠塚:近所のおばあちゃんとかに、"どんな音楽をやってるの?"って聞かれるじゃないですか。そういうとき、"ずっと暗い曲をやってるミスチルです"って答えるんですよ。自虐ですよね。自分の音楽は誰かの模倣でやってるわけじゃないから。人に言われるのはいいですけど、自分ではカテゴライズしたくないですね。

さとう:たぶん"誰々っぽい"っていうのがあると、聴かれやすいとは思うんです。

篠塚:あぁ、そうですね。

さとう:ふたり組の女の子だったら、PUFFYっぽいとか。でも、私は私だし。他の誰でもない。それを周りが言うのはいいけど、私は言いたくないですね。

篠塚:でも、みんなの同世代のバンドは、自分らで言うバンドが増えてないですか? 例えば......激情こじらせ系とか。

森本:あぁ、あります、あります。

篠塚:誰も言ってくれないから自分で言うんだろうけど、それは不思議に感じますね。

-たしかに。次は、アイラヴミーです。"KNOCKOUT FES"は常連ですね。

森本:こういうふうに情けないところをポップに前向きに歌えるバンドがいなかった気がします。コンプレックスを明るく歌ってて、そんな自分でも前向きに頑張ってますよっていうメッセージをわかりやすい音楽でやってる。いろいろな人に好かれていくバンドやと思います。かっこ悪いところを、ちゃんと出すかっこ良さがありますよね。

Sean:彼女がめっちゃ好きなんですよ。

さとう:えー、嬉しいです。

-歌う内容が明確に定まってる感じがしますけど、組んだときからコンセプトもしっかり固まってたんですか?

さとう:バンド名が"アイラヴミー"なんですけど、私は自分が一番好きなんですよ。自分が好きだからこそ、自分に期待しすぎちゃって、失敗すると、落ち込んだりする。"もっとできるはずなのに"って自分を嫌いになっちゃたりもして。だから、好きと嫌いが同じぐらいあるんですよね。そういう嫌いになっちゃう自分も含めて、全部愛してあげたいというか。"そのまんまでいっか"って思える、"アイラヴミー"になりたいなっていうところですね。

-「でも生きている」(2019年9月リリースのメジャー・デビュー・ミニ・アルバム表題曲)とかも、ダメな自分でも生きているっていう歌ですもんね。

さとう:ボロボロでもいいなっていうか。新しい自分になるためにボロボロになるんだから、ボロボロになるってかっこいいなと思って、それを伝えたくて作った曲です。

森本:そういうところに、それせかと通じるものがありますよね、それせかチルドレンというか、ちゃんと若いバンドに受け継がれているなっていうのはありますね。

-みほのさんは歌詞を先に書くんですか?

さとう:あ、そうですね。

-SeanさんとKさんはトラックが先ですよね?

Sean:そうですね。僕が歌詞から書くのは10曲に1曲ぐらい。基本的には語感なので。

K:僕も歌詞はレックの日に決めてます。それまでにだいたいこんなことを歌いたいっていうのをメモっておくんですけど。

森本:へー、面白いですね。たぶん音楽として重きを置いてるところが違うんでしょうね。たぶん、それがないバンドは厳しいなと思うんですよ。

-わかります。逆に言うと、"KNOCKOUT FES"に出ているバンドは何か引っ掛かるものがある、こだわっている芯が見えるバンドってことですもんね。

森本:それはあると思います。